此奴等が正規派閥なのは間違ってますか? 作:絶対偽悪
アレクは人殺しが大好きである。
苦しめて殺すのも痛み無く殺しぽかんとした顔を見るのも、目の前で家族が殺され、怒りに身を任せ迫りくる相手を返り討ちにして絶望、或いは悔しそうな顔を踏み潰すのも好きだ。
そんな彼の主神であり恋人のエリスは彼が大大大大大好きな100じゃ効かない殺し方を楽しそうに話すのを見るのが大好きだ。
今日もカフェのテラス席でニコニコと彼の話を聞いている。ちなみに他の客は口元を抑えて帰った。完全に営業妨害だが店員は怖くて文句を言えない。
でも実は根はいい子なので、頼んだらあっさり帰ってくれることを彼等は知らない。
「それでな、引っこ抜いた父親の背骨を股からぶっ刺してやったんだ」
「え〜、背骨って、それはもうズタズタになっちゃうじゃないかしら?」
「あはは! お父さんが入ってきてきつく締めてたからそりゃズタズタさ! 内臓もな! 本当は口から出すつもりだったけど途中で破けちまったがね」
「あら、その子結構小さいのね」
「ん〜、お母さんに会いたいって言ってたから再会タイプの眷属かな」
再会タイプとは彼等が
大抵の正規派閥の連中も傷付けることを躊躇うが、【エリス・ファミリア】は屠殺場で家畜の前でそのまま肉を食えるタイプなので問題ない。
「あ、でも処女の血の匂いさせてたらメアリーが怒るんじゃない?」
「問題ない。その後男の血を浴びまくった」
匂いを消すためだったので、不快になるほど浴びた。なのでバベルでシャワーを浴びてきた。床が真っ赤になってた。
「楽しかったな」
「それなら良かった。貴方が幸せなら、私も幸せよ」
恋人の無邪気な笑みを見ながら微笑むエリス。今夜もベッドでたっぷり、泣くまで可愛がろうと心に決めた。
「じゃあ帰りましょう」
「おー…………ん?」
と、アレクは不意に周りを睨んでいるエルフを見つけた。これまたエルフらしいエルフだ。他種族への嫌悪、不信を拭えず、そんなエルフのあり方に嫌気が差している。ははぁ、よく見かけるエルフだな。
たまにいるのだ、エルフの誇りが寄る辺のないただのハリボテで、そのくせ高く積み上げ他者を見下す様こそ醜いと思いエルフの里から飛び出すは良いものの、血の本能か教育の結果か、他種族に嫌悪を抱き見下す自分が居ることに絶望するタイプが。
「もう、どうして他の女の子を見るのよ!」
「かわいいなあと思って」
ぷぅ、と頬を膨らませるエリス。今夜は泣いてもやめないと決意した。
「ああいう奴って、一度大事な存在が出来て失うと暴れるんだよな。その後は、どっちを選ぶんだろ? そこで終えるか、止まれないか」
止まれないなら引き入れるのもありだろう。止まるは良いが、暴れすぎていたのならその時はあの奇麗な顔を存分に…………。
エリスは今夜泣かされるのは自分のほうだと悟った。
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それから数年。アレクが目をつけたエルフはメアリーも目を付け、才能があったのか四年も立たぬうちにLv.3になりイゾーが切り合ってみたいと目を付け、強い意志を宿した未熟な同胞を是非刻んで組み直してみたいとエドも目を付けた。
まあ、正義の派閥だから手を出さないが。殺して良いのは悪人だけだ。そんな事は子供でも知っている常識だ。
なので今日も、【エリス・ファミリア】は悪人を殺しに街に向かう。
「ひっ! き、来たな狂人ども! 構えろ、同志たちよ!」
「う、うわああ! 【
「女は逃げろ! 【
「駄目だ、【人斬り】に回り込まれた!」
「ああああ! 【
リーダー格らしき男が亡き家族を思い奮い立つも、他の者達は恐怖に支配され、或いはエドの持つ必ず共に末の子と再会しようと誓った我が子の体の一部に反応し連携などまるで無い。
「『裏切りを持って毒と成せ』」
詠唱を唱え終え、近くの闇派閥の女のフードを取り髪を掴むアレク。そのまま殴る。Lv.4の力では殺してしまうので、手加減して。
「ぎぃ、ああああ!?」
頬に刻まれた痣から焼け付くような痛みが広がり、皮膚が爛れていく。ナイフが閃き、刻まれた切り傷から広がる激痛に叫ぶ闇派閥の団員。傷口が腐り、広がり、痛みはより強く深く、絶叫が上がる。
「おお、この皮膚も中々…………」
爛れていく腕を切り落とし健康な肌と毒に侵された肌のコントラストが彩られた腕をマジマジ見つめエド。後ろから迫る女に柄が刃物を握り締めた人の腕の剣を振るう。
腕が剣を話し、女の頭を掴み人差し指と中指を目に突き刺し顔を握り潰していく。
「ん、若い女か………メアリーの獲物だな」
真っ二つに、或いは細切れに相手を斬っていくイゾーは若く美しい女を見て刀を止める。
そんな彼の後から迫る男がメイスを振り下ろすもメイスは切られ遠心力で飛んでいく。
「なかなか、デカいな。斬りがいがある」
また血が舞った。
「あはははは!!」
アレクが楽しそうに笑いながら混紡にされズタボロになった闇派閥を片手にくるくる回る。それを数人の闇派閥に向かい投げつけ………
「『パリス』」
爆破。壁と人に押しつぶされ死にかけていた一番端が壁ごと吹き飛んだ。
「ああ、もう! 男の血を浴びる趣味はないのに!」
と、降ってくる血を操り球体を作るメアリー。血の形を変え、蜘蛛のような悍しい形を取り数人の女性を捕らえ吊るす。自重で肉が裂けていき骨が削れ、ボタボタと血が滴る。
それを浴び鼻歌を歌うメアリー。生き残り達が涙を浮かべ懸命に走る。
あんな死に方はゴメンだ。死の先に大切な者達との再会が待っていたとしても、あんな死に方だけはしたくない。
「『瞬』」
と、イゾーが前方に転移し刀を振るう。強度を無視してあらゆるものを切り裂く【万物両断】、距離を無視して刀の延長線を切り裂く【万里両断】。
2つのスキルにより纏めて闇派閥を切り裂いた。
「おっと、『死のない傷を』【ロストペイン】」
と、そんな彼等の切り傷付近の肉をエドが切り落とした。
「!? うぎゃあああああ!?」
「があっ!? な、なんで………何で死ねない!?」
エドの【ロストペイン】は切断魔法。この魔法で斬った対象はたとえどのように斬られようと
「久々に生きた素材使いたいんだ」
「そうなのか? 言ってくれればもう少し残したんだがな」
「あはは、流石イゾー! 僕らの中で一番優しいだけはあるね」
「素材は十分か? なら、別の場所は全員殺してくるが」
「俺も行くー!」
「僕は良いかな」
「私も、帰ってお風呂にするわ。あ、でも可愛い子が居たら出来るだけ持って帰ってきてね」
【エリス・ファミリア】の内2人は、殺す理由がそもそも素材や美容品集めに近い。なのである程度殺せばその日は止まる。ただし………
「殺したい殺したい♪ いっぱい殺したい〜♪」
「そのように往来で叫ぶから嫌われるんだ。まあ、俺も斬れるだけ斬りたいが」
目的がそもそも殺すことの2人は飯の時間まで暴れ回る。今日も闇派閥が数を減らす。まあ、どうせ後から後から増えるのだが。
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