誰が為のアオハル   作:Nihaha

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一人称と三人称がごっちゃになってしまっています。本当に申し訳ない。


プロローグ
連邦捜査部シャーレの部長


 

(ガタンガタンッ)

 

揺れるような感覚と音で目を覚ます。頭にモヤがかかったかのように意識がハッキリとシナイ。朦朧とした意識の中周りを見ればどうやらロングシートタイプ*1の電車の中にイたラシイ。窓から外を見ると外は青い空が夕焼けに染まりピンク色の空を描いていた。それがハルカ彼方までずっと続いていた。

 

そんな景色に思わず看取れていたが、ふと車内に目を戻すとソコには二人のヒトがいた。オレ?ワタシは彼らを知っている。でも、名前が出てこない。まるで頭の引き出しに鍵をかけられたかのように思い出せない。

 

片方は車内のシートに座り左胸辺りから出血をしていた。カノジョはそんなこと気にもとめないかのようにもう片方のヒトに話をしていた。先生?もカノジョの話を聞いてるのか黙ったまま突っ立っている。

 

「······私のミスでした」

 

「私の選択、それによって招かれたこの全ての状況」

 

キコエナイ 音は聞こえるのに中身が頭に入っていこうとシナイのか何を話しているのか分からない。でもこうして二人の姿を見ていると哀愁を感じて、涙が眼からこぼれ落ちてくる。ワタシは彼らを知っているハズだ、だが私の頭はそれを拒否するかのように答えを教えてはくれない。彼らに聞こうかどうかと迷いを感じていると話を終えたのか彼女は私の方に向き私にも聞こえる声で話した。

 

「□□ちゃんもよろしくお願いしますね」

 

そうにこやかに笑った後私の意識は再び途切れた。

 

 

***

 

 

 

「お疲れ様でした、先生 ギヴォトスの混乱を防いでくれたことに、連邦生徒会を代表して深く感謝します」

 

眼が覚めてからここまで目まぐるしく事が起こり続けた。連邦生徒会についてやそこの行政制御権の失効、サンクトゥムタワーの認証を得るためにシャーレに向かうも各学園の生徒たちに協力してもらいシャーレを占拠しに来た不良生徒たちと戦闘をしたり、不思議な生徒に出会ったり、そこで手渡された「シッテムの箱」のメインOSことアロナに手伝ってもらいサンクトゥムタワーの制御権を取り戻したりした。アロナには心配されたが、制御権に関しては私が持っているよりも連邦生徒会が持っていた方が良いだろうから。そうこうしている内にリンちゃんからサンクトゥムタワーの制御権の確保の連絡がきた。

 

~「うん、リンちゃんもありがとう」~

 

「誰がリンちゃんですか全く、それでは最後に連邦捜査部「シャーレ」についてご紹介します」

 

 

*移動中*

 

 

~「ところ私はシャーレで何をすればいい?」~

 

「シャーレは、権限だけはありますが目標のない組織なので、特に何かをやらなきゃいけない······という強制力は存在しません」

 

「ギヴォトスのどんな学園の自治区にも自由に出入りでき、所属に関係なく、先生が希望する生徒たちを部員として加入させることも可能です······つまり何でも先生のやりたいことをやっても良い·····ということです」

 

「本来ならばこういった説明も補佐の方に説明していただく予定だったんですが·····仕方ありません」

 

「先生、再三同じ事を聞いて申し訳ないのですが本当に補佐の方について知りませんか?」

 

~「ごめんね、知らないかな」~

 

「そうですか失礼しました 連邦生徒会長だけでなく補佐の方も捜索が必要になりそうですね…」

 

先程連邦生徒会でも話をしていたが連邦生徒会長は私ともう一人、()()()()()()()()を手配していたらしい。らしいと言うのはその当人がいなかったからである。その場にいないだけならまだしも当人の名前すら分からないのでは手の施しようがないというものである。何でもとにかく()()()()だとしか分からないらしい。

 

~「アロナは何か知ってる?」~

 

「すいません···アロナも補佐の方についてよく知らないんです···本人の検索をしようにも()()()()だけでは調べようがありません···お役に立てず、すみません」

 

落ち込んでいるアロナを慰めているとエレベーターが目的の階に着いたようで軽快な音を鳴らした。歩を進めるとシャーレのプレートが掲げられたドアがあり、窓ガラスには空室の貼り紙があった。

 

「ここがシャーレのメインロビーです 長い間空っぽでしたけどようやく主人を迎えることになりましたね」

 

(ガチャッ、バタン)

 

「そして、ここが…先生!下がってください!」

 

そういうや否や彼女は私の前に庇うように出て、腰に下げたホルスターから拳銃を抜いて目の前に構えた。

 

目の前にはとても()()()()()がいた。三角座りのような姿勢で後ろ姿をこちらに向けているが、どの位の身長なのだろうか?このような姿勢でも、頭を上げさえすれば私達を見下ろせる位はあるだろう。寝ているのだろうか、静かになった部屋にスウスウと小さな寝息が響いている。よくその人の外見に目をやれば白を基調としたスーツとズボンに郡青の差し色とネクタイ。右上腕部には十字と円の重なったエンブレム。それにこの()()()としか言い様のない体格。前にいたリンちゃんも気づいたのか銃をホルスターに肩をしまい、二人してそれに近づく。頭には麻袋を被っているのか首元からは袋口を締める紐が垂れ下がっている。顔があるだろう部分には

 

~「もしかしてこの人が補佐のひと?」~

 

「間違いないと言っても差し支えないですね 私達のところでもここまで大きな制服は取り扱ってはいないでしょうから どうやってここに来たのかはともかくとして色々と聞きたいこともありますし起こしましょうか······起きて下さい」

 

そうして肩を揺さぶられていると起きたのか頭上のヘイローが点灯し、呻き声を上げながら首を上げた。

 

「ヘイローをお持ちですね それなら話が早く済みそうです」

 

「……? ンァ?」

 

状況が飲み込めていないのか周りを見渡して、此方を見るとハッキリとしたのか声を高らかにして上体を飛び上がらせた。

 

「せん…せい? せんせい!」

 

そのまま両腕広げハグをしようとしたのか目にもとまらぬ飛びついてきた。あまりの早さに反応のしようがなくそのまま押し倒され、顔が彼女のみぞおち部分に埋まり体重と共に下敷きになる。顔が圧迫され、息が苦しくなり、呼吸が荒くなる。この絵面は非常によろしくないと思い体を動かそうとするもびくともしない。ふたつの意味でまずい状況にリンちゃんが救いの手を差し述べてくれた。

 

「先生! あの、嬉々とした再会を邪魔して申し訳ないのですがこのままだと先生が窒息してしまいます」

 

「ん? ア、アァ! ごめんなさい…ダイジョブ?」

 

~「プハァー! 大丈夫! 熱烈なハグだったよ」~

 

「ご、ごめんなさい…ケガはダイジョウブ?体調は?熱は?」

 

~「本当に大丈夫だよ ほら」~

 

そこまですると彼女は次第に肩をなでおろし、落ち着きを取り戻してきた。

 

「お二人で仲良くしてらっしゃるところ悪いのですが、聞きたいことは色々とあります その前に失礼ですがお名前をお伺いしてもよろしいですか?」

 

リンちゃんにそう聞かれ、彼女は此方を一度見た後しばらく考え込んでから答えた。

 

「……アネコ く、久東(くとう)アネコです」

 

「ではアネコさん、いくつか聞かせて頂きますね」

 

その後、いくつかの質問によって分かったことは彼女はほとんど記憶がない状態である。覚えているのは私が先生であり、先生のことを連邦生徒会長から()()頼まれただろうこと、自分の名を久東アネコだということである。

 

「これは···どうしましょうか···」

 

~「それならアネコをシャーレの部長として入部してもらうのはどうかな? アネコが良ければだけど···」~

 

「先生がいうならしんじる…なる、部長に」

 

「私としても大丈夫ですが…先生の方はよろしいのですか?」

 

~「うん アネコは私のことを知っているみたいだし、私と一緒にいた方が彼女の記憶も戻りやすいと思うんだ」~

 

「分かりました、彼女以外の他の方が見つからない以上は仕方ないでしょうから それではアネコさんについての手続きはまた後日連絡いたします それでは失礼いたします」

 

「···あっ、それと連邦生徒会から寄せられた生徒さん達のくじょ…相談等に関する書類は先生の机の上にたくさん置いてありますので、気が向いたらお読みください」

 

そう言うとリンちゃんはシャーレの部屋を後にした。

 

~「それじゃあこれから宜しくねアネコ」~

 

「こちらこそよろしくおねがい、先生」

 

こうして二人のギヴォトスでのシャーレとしての活動は幕を開けた。

 

 

***

 

*シャーレオフィス*

 

~「よいしょっと どれどれ、うーん?」~

 

「失礼します···って何をやっていらっしゃるのですか?」

 

そう疑問に思うのも無理はない、シャーレのオフィス入ってきてみれば私が脚立に乗って天井のダクトの換気口に頭を突っ込んでいるのだから。

 

~「その声はユウカ? ごめんねちょっとアネコのことで、ね」~

 

「換気口に頭を突っ込むことがですか? 関係性が全く見えてこないのですが…」

 

~「いや何というか、ユウカはアネコと初めて会った時を覚えてる?」~

 

「えぇ忘れもしませんよ いきなり上からバカデカイ人が目の前に落ちてきたんですよ! その上、急に立ち上がッたかと思えば何の気なしに私達に挨拶してきたんですよ! 驚かない方が無理というものですよあれは!」

 

確かにあれには私も驚いた。シャーレ奪還に協力してもらった皆へのお礼にいこうかとオフィスを出ようとすれば、彼女は窓から身を乗り出してそのまま飛び降りていったのだ。幸いケガや事故はなかったが下にいた皆はあっけらかんとしてしまっていた。何とか説明したものの彼女達には強烈な第一印象を残したことは言うまでもないだろう。正直私としても下に降りて彼女の安否を確かめるまでは気が気ではなかった。

 

~「ごめんね、アネコも悪気があった訳じゃないんだ ただあの後、私のお説教が効いたのか窓から出入りする事はなくなったんだけど···」~

 

「悪気がないほうが質が悪いですよ! それで?今度は換気用のダクトを使って移動しているんですか···というより何故頑なにドアを使わないんですか、先生からドアを使うように言えば良いじゃないんですか···」

 

~「それも言ったんだけどね、アネコはドアを開けるのを頑なに拒むんだ 理由を聞いても本人もよく分からないがドアは怖いとしか言わないし、流石に怖がるのを無理やりは悪いと思ってね それでせめて通りやすいように一部の換気口の蓋を取り払っていたんだよ 後もうひとつ目的があってね、ダクト内を見て」~

 

そう言いながら脚立から降りてユウカに中を見るように促す。彼女も少し疑問に思いながら換気口に頭を突っ込みスマホで中を照らして覗いていた。それにしてもユウカはあしふといな

 

「確かにこの大きさのダクトならギリギリですが私でも通れそうですが···それ以外特に何も見えませんが、強いて言うなら防火用ダンパー*2がある位…あっ!」

 

ユウカも何かに気づいたのか慌てて脚立を降りてきた。

 

「バンパーがあるのに彼女はどうやってダクト内を移動してるんですか!」

 

~「アネコがどうやって移動してるのか気になってこうやって覗いてたんだ あのバンパーを調べてたんだけど特に壊したり、取り外したような感じもなかったんだよね」~

 

「えぇ…先生は彼女について何か思うことないんですか?」

 

~「不思議だとは思うけど、アネコ本人もよく分かってないし特に気にしないことにしてるよ」~

 

正直に言えば気にはなるが以前彼女にも、このダクトでの移動方法について聞いたが返ってきたのは的を射ないものばかりだった。冗談を言ってるようにも見えなかったので本当によく分かっていないのだと思う。それならいずれ分かるかもしれないと気にしないことにした。何故かは分からないが彼女は少しばかり私に奉仕的過ぎるが私を信じてくれている。それならば私も彼女を信じなければならない。

 

「先生も変わった方ですね そういえば当人のアネコさんは今どこでしょうか?」

 

~「アネコなら今、自身の個人情報に関しての手続きの書類を渡しに連邦生徒会に言ってるよ」~

 

「そうでしたか…あぁお仕事中に長話をしてしまいすみません」

 

~「ううん大丈夫、今はお昼ご飯の途中だったから そういえば今日はどんな用事だったの?」~

 

そう言いつつ脚立を片付けてお昼ごはんを取り出していると彼女は思い出したのかあっと声を出して手を叩いた。

 

「あっ!そうでしたこの間お話していた請求書のひな型を持ってきたんでした それでしたら先生がお食事の間机を片付けてますね」

 

(チラッ)

 

「ところで······先生、もしかしてお昼って、そのコッペパンひとつだけなのですか?」

 

~「あ、あぁ今お金に余裕がなくてね 月末まであまり食費に避けないだ」~

 

「そうなんですか······シャーレの先生が、そんなに薄給のお仕事だったなんて知りませんでした······意外ですね あれ、この領収書は·····おもちゃ屋さんの? 購入日は先週で限定版・カイテンジャーロボット、10万円?! 先生!何ですか、この領収書! おもちゃのために食費を減らすなんて言語道断ですよ!」

 

~「このロボットが買えたんだ!食事くらい何てことない!」~

 

「良くありません!消費は計画的にしないといけません! これはいけませんね···家計簿はどこですか?先生の支出記録をチェックさせてもらいます ····はい?家計簿をつけてない? ·····先生、私も手伝いますから先月の領収書を全部集めて下さい 今から先生の消費をチェックします!」

 

そう捲し立てるように言われれば、ユウカと一緒に領収書の整理とチェックをしていた。

 

 

***

 

*連邦生徒会*

 

代行となった私は来る日も来る日も増え続ける事務作業の処理におわれていました。数日前に起こった"厄災の狐"を主犯としたシャーレ占拠事件における被害総額の見積もりと予算の割り当て、失踪した連邦生徒会長捜索のための備品申請、他の学園自治区との各水産資源量についての報告書の確認にSRT特殊学園廃校のための手続きの対応など上げたらキリがない。連邦生徒会長、彼女がいないだけで連邦生徒会はここまで手が回らずにおぼつかないものだと、いなくなってから改めて実感させられていました。そう思いながら鬱屈とした気分で事務処理をしているとふと背後から悪寒が走る。机をよく見ると影が差しているがその正体を彼私は知っていた。ため息をつきながら声の主に声をかける。

 

「アネコさん、入室するならノック位はして下さい 後、何度も申し上げましたと思いますが背後に立たないでください あまり気分が良いものではありませんから」

 

「うん...わかった これ、書類」

 

「はぁ...はい、確かに受け取りました」

 

渡された書類の不備を確認する。最初、書類を渡した際は手の大きさを考えにいれていませんでした。先生から時間はかかっているけど問題なく記入できていると聞いていましたが、書類には特に記入漏れや誤字もなく余計な心配だったようで良かったです。寧ろ先生の方こそアネコさんに書類の書き方を教えてもらった方がよいくらいですね、過去に事務系のお仕事でもされていたのでしょうか。そう思い彼女の顔を見ながら考える。彼女が先生や連邦生徒会長とはどのような関係でどうしてこのような状態になってしまったのか、考えても埒が明かないことは理解しているのですが彼女を見ていると連邦生徒会長にどこか似た面影がそれをさせるのでしょうか。難しい顔で見られているのに気付いたのか彼女が両手を顔の横に置いて手の平をこちらに広げている。

 

「何のマネをしているのでしょうか...」

 

「かに...へっ、へへへへへ...」

 

和ませようとしていたのでしょうか、単純なその行為にふと微笑ましさと懐かしさを感じさせます。

 

「あっ時間...もうかえる」

 

「そうですか・・・退室の際はぜひ"ドア"からお出になって下さいね」

 

「ごめん...むり」

 

そう言うと彼女は換気用の小窓から体を器用に曲げながら這って降りていく。また他の職員へ説明をしなければなりませんね...

 

*1
縦座席。車両壁側に沿って設置されている座席。乗客の乗降が円滑になり、混雑の多い車両に使用されることが多い。

*2
ダンパー(Damper)はダクト内の空気を制御するための弁みたいなもの。今回の火災用ダンパーは火事の際、炎の延焼やの煙の広がりを防ぐためにダクト内を遮断する役割を持っている。




キャラ紹介:久東 アネコ 身長324cm 体重96kg
所属:連邦捜査部S.C.H.A.L.E 部長
連邦生徒会長により先生の補佐として呼ばれた記憶喪失の女性。
使用銃:????
全長2mにもなる銃。マスケットのような形をしているが銃口はラッパ銃のように広がっている。ストックにはNのエンブレムがある。
元のモデル:P1853エンフィールドライフルマスケット,ブランダーバス

高身長マスク系少女っていいよね...

あとがき:3周年前には何とかプロローグを出したいと思い、何とか仕上げたものです。文が途中でガタガタしているのは非常に申し訳ない。あらすじにも書いてありますが、創作小説自体初めてなので文が下手くそなのは指摘して頂ければできる限り直していくので、応援して頂けるとありがたいです。一応話の大まかな流れは作ったのですが細かい所がまだ全然なので気長にみて頂けるとありがたいです。(完結はさせます。)今はプロローグのちょっと追加とアビドス編をやってるところなのですが丁度1月末が大学関係で忙しくなるので投稿遅れます。本当にすいません。
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