老狼の子守唄   作:萎びた豆の妄想

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アークナイツの4周年を祝い、そしてセルラン1位を祈願して投稿です。

タイトルに見合ってない駄文ですが読み飛ばして、どうぞ。


老狼の子守唄

 

朝、一般スタッフの起床時間より少し早くに小さく口笛を吹きながら食堂に向けて歩を進める人影が一つ。

 

彼は前衛オペレーターのロボ、もとの職を後任に任せて引退した後に知り合いの薦めでロドスにやってきた。

 

齢を重ねて肉体は衰え始めても、その技は冴えるばかり。

 

今日も朝のストレッチのあと、そのままトレーニングルームでチェーンソー使いのフェリーン―ブレイズと模擬戦をしてきたばかりである。

 

このおじいちゃん、バリバリ元気なのだ。

 

仕込みをしてる料理人以外に人のいない食堂につくとまずはサーバーから白湯を1杯、席についてゆっくり飲む。

 

これがルーティーン。

 

そこへ朝食の支度をしていたグムが話しかけてくる。

 

「ロボさんおはよう!今日の朝食はいつものでいい?」

 

「かまわんよ。いつもありがとうな、グムちゃん。」

 

「グムがやりたくて食堂で働いてるんだから気にしなくていいよ!でもどういたしまして!」

 

白湯を飲み終わったあたりでカウンターへ行くと料理も丁度出来上がる。

 

 

トレーの上には

・小麦の香りが香ばしいこんがり焼けたトースト

 

・季節の果物のジャム

 

・新鮮な野菜のサラダ

 

・カリカリになるまでじっくり焼いたベーコン

 

・半熟目玉焼き

 

 

席に座りまずはトーストを一口、何も塗らずにかじり小麦の風味を楽しむ。

 

ジャムは季節毎に変わるため食べ飽きない。

 

そもそもしつこくなく飽きのこない甘さのため問題ないのだが季節感が感じられてとてもグッド。

 

次のサラダはロドスの食堂スタッフが開発したオリジナルドレッシング、これが美味い。

 

野菜が苦手は子供でもこれさえかければ笑顔で食すほどである。

 

欠点は子供がこれをかけないと野菜が食べれないままなことだ。

 

オリーブオイルで焼いた目玉焼きは絶妙な半熟加減で料理人の技量を感じさせる。

 

ナイフを通せば黄身がトロリと溢れてくる。

 

胡椒をかけて口に運べば卵の風味とオリーブの香りがマッチする。

 

ここで大事なのはベーコンも一緒に食べることだ。

 

卵に塩をかけていない分、ベーコンの塩分が大事になってくる。

 

老人の口にはベーコン単品では塩がキツイものがあるが卵と食べることでちょうどよくなる。

 

また、ベーコンによって肉の旨味が足されるため目玉焼き単品よりもより高次の存在へと昇華されるのだ。

 

やらない手はない。

 

 

朝食を食べ終わるとトレーを返却台まで持っていき、代わりに食後のコーヒー(カプチーノ)を受け取る。

 

ロドスの食堂スタッフは実に腕が良い、それは先の料理からもわかるがコーヒー1つとってもよく分かる。

 

また、仕入先が実にいい。

 

下手なミルクは生臭いと言うか乳臭いというかで飲めたものではない。

 

ミルクが苦手という人間はこういったものを飲んだことがきっかけになる。

 

しかしロドスでは子供たちはみな寧ろ飲みたい飲みたいと騒ぐほどである。

 

しかし、ラテ・アートと言うんだったか。

 

カプチーノに絵を書くのは構わないんだが、この微妙な美的センスはなんとかならないものか。

 

オリジムシ、それも無駄に精巧な出来のものを渡されてもちょっと困る。

 

ちょっと上手なのが実にこう…なんというか…

 

 

 

 

 

食後のコーヒーを飲み終わる頃には食堂も人が賑わってくる。

 

いつまでも席を取っていては他の人の迷惑になるだろうと自室に戻る。

 

時刻は7時、今日は何をしようかと頭を巡らす。

 

手帳を開けば今日の予定には、10時半から子供たちと遊ぶとあるがそれまでまだ時間がある。

 

ひとまずロドスの書庫で借りてきた本を読もうと思いたち、机の上の本を手に取る。

 

このまま自室で読むのも構わないがそれではすこしばかり寂しいものだ。

 

老人は人と話をしないと思考の鈍化が著しくなるとよく聞く。

 

ここはお気に入りの場所で読もうと部屋をでて、宿舎の共用スペースへ行く。

 

日当たりの良い窓際の安楽椅子がいつもの場所だ。

 

ロドスにいる人たちはみな優しく、混んでいてもここだけは空けていてくれる。

 

辿り着くとそこにはすこしばかり無愛想だが心やさしいクランタの先客がいた。

 

「こんにちは、ムリナールさん。今日は朝からいい天気ですな。なにか気になる記事はありましたか?」

 

「……これはロボさん、いえ…ライン生命がまたなにか開発したそうですが私たちの暮らしにはあまり関係なさそうなものですよ。ロボさんは…カジミエーシュの騎士小説…ですか。」

 

「ええ、私は騎士だとか英雄だとかそう言ったものとは関わりのない人生でしたからね。すこしばかり憧れますよ。」

 

「……物語とはえてして美化されてるものです、あまり、真に受けないほうがよろしいかと。現実はもっと、幻想とはかけ離れたものですから。…失言しました、忘れてください。」

 

珍しく口数が多い、なにかあったのだろうか。

 

ふむ、この御人も苦労して来たのだろう。

 

しかし、しかしだ。

 

これだけは言わねばなるまい。

 

「ムリナールさん、私はあんたの経歴をあまり知らないからあまり多くは言えませんがね。これは老婆心ながらの忠告だよ。幻想を追うのをやめるのは賢いことだがね、夢を見るのをやめるのは馬鹿のやることだよ。」

 

ムリナールさんは目を閉じ、しばらくすると

 

「では、失礼。」

 

と言って去っていってしまった。

 

……言い過ぎたかね?

 

 

後悔は先に立たずとは極東の諺だったか。

 

気を取り直して本を読んでいれば時刻は9時45分、そろそろ行くとしよう。

 

 

子供たちと遊ぶのはもっぱら音楽だ。

 

音楽はいい。

 

目が見えなくても楽しむことが出来る。

 

字が読めずあるいは言葉を喋れなくても表現は伝わる。

 

何よりも場所やものを問わない。

 

子供たちには音楽の基礎を教えれば、あとは子供特有の発想で色んな音色を奏でていく。

 

「相変わらずだな、爺さん。こんな楽しそうなことをしてるのに俺を呼ばないなんてどうかしてるぜ。」

 

「おや、エンペラー。来てたのかい?君の拠点は龍門でましてや運送業、君がいるかどうかなんて私にはわからんのだよ。」

 

「そこはこの俺の溢れでるオーラを感じ取れないお前が悪い。おらガキども!このエンペラー様が直々にラップの何たるかを教えてやるぜ!」

 

ふむ、彼奴、仕事はいいのだろうか。

 

まあ、あいつを止めれるやつなんていないしどうしようもないか。

 

この間に食堂で子供たちのためにおやつを仕込んでおこう。

 

はて、マリトッツォがいいかティラミスがいいか。

 

パンナコッタも捨てがたいのぅ。

 

 

ふーむ……おや、あの白黒のループスはサルッツォのところの嬢ちゃんか。

 

あの娘の得意料理は確か……これはちょうどいい。

 

 

 

 

 

あれから暫く、時刻は15時。

 

おやつの時間だ。

 

あれだけ元気な子供たちも疲れてお腹が空いてくる頃あいである。

 

案の定、食堂におやつがあると言えばみな喜び勇んで走っていく。

 

「エンペラー、子供たちはどうだった?」

 

「ロドスのガキどもは躾が行き届いていていいな。何人かはラップの素質もあったぜ。俺には到底及ばないがな。」

 

「いくら未来ある若者とてラップ界の皇帝に届くやつなんてそうそうおらんよ。その肩書はそんなに安いものではなかろうに。」

 

談笑しながら食堂に着けば子供たちがこちらを待ってる。

 

どうやら待たせてしまったようだ。

 

席につくと当たり前のようにエンペラーが隣りに座った。

 

 

いやまあ、なんとなくそんな気がして多めに作ったけども…

 

お前さん何時までいるの…?

 

 

 

 

 

元気に騒いでおやつを食べれば眠くなる、それが子供というもの。

 

アーミヤちゃんが子供たちのために、わざわざ昼寝用の部屋を作ってくれたのだから使わせてもらう。

 

自分が作ったのだから、たまにはあの子も昼寝をしにくればいいものを…

 

CEOの立場がそれを許さぬのはなんともなぁ…

 

クルースちゃんとかは普通に利用してるんじゃがなぁ。

 

 

どうやら夢見の悪い子がいる様子。

 

タオルケットの上から鼓動に合わせてトン、トンと叩いてやればすぐにスースー寝息が聞こえてくる。

 

どうやらアーツを使うまでもなかったようだ。

 

 

 

 

夕方頃、起きた子供たちとロドスの中を散歩してると乗降口のランプが灯る。

 

どうやら戦闘オペレーターが帰って来たらしい。

 

子供たちが大人を迎えに行こうと言い出し、走っていってしまった。

 

どうにも嫌な予感がする。

 

 

 

 

 

予感は当たった。

 

オペレーターの1人が大怪我をしていた。

 

作戦において馬鹿な敵が閉所で原石爆弾を起爆したらしい。

 

爆風は防いだもののギリギリで1人が崩落に巻き込まれ、片足が潰れたらしい。

 

気絶してる本人は苦悶の表情を浮かべている。

 

遠目からとはいえそれを直視してしまった子供たちもだ。

 

 

仕方あるまい。

 

アーツを発動し、口笛を吹く。

 

〜〜♪

 

 

どうやら上手く行ったようだ、その場にいた者達の表情が和らいだものになった。

 

無事だったオペレーターの一人が声をかけてきた。

 

 

「助かりました、ロボさん。ありがとうございます。」

 

「気にせんでくれ、それよりも早く医療部まで運んでやらんか。」

 

 

 

 

 

 

すこしばかりアクシデントはあったものの、帰還した彼らを称えるべく、今日の晩餐はとても華やかなものだった。

 

どうやらエンペラーがいたのもそのためらしい。

 

チェリーニアの嬢ちゃんやその同僚達もパーティー設営に協力したらしい。

 

いやはや、あの嬢ちゃんがああもいい方向に変わるとはなぁ。

 

娘のように可愛がっていたもんだから何度見ても驚き、喜んでしまうものだ。

 

あの怪我をしたオペレーターや子供たちも笑顔である。

 

 

 

……どこか作り物っぽいがの。

 

 

 

 

 

夜も更け、ロドス甲板にて晩酌をしながら星をみる。

 

いつからか人は、月が2つあることを忘れてしまった。

 

こんな世界だ、夜空を見上げる余裕もなかろうて。

 

 

……さて、今夜もやりますか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

深夜、ロドスの甲板に空を仰ぎながら晩酌をする人影が1つ。

 

静かな口笛が響き渡る。

 

ゆっくりと、ゆったりと、軽やかに、たおやかに。

 

ときに戯けて、ときに厳かに。

 

祈るように、願うように。

 

口笛が止むと、人影は立ち上がり天に届かんばかりの遠吠えをする。

 

その声音は壁を突き抜けロドスにいる人全員に届く。

 

しかし、それは決して不快ではない。

 

その音色は体を、心を、魂を優しく揺らす。

 

まるで揺り籠の中にいるように。

 

まるで優しい母の腕に包まれてるように。

 

まるで頼れる父に背負われてるように。

 

そんな絶対的な安心感。

 

悪夢に魘される者に休息を、不安に怯える子らに安らぎを。

 

その遠吠えはただ暖かく。

 

 

 

お休み、いい夢を。

 




続きを書きたいけど書ける気がしない。

主人公設定
・元シラクーザマフィアの頭領、妻は途中で亡くなり子供もいなかったので後継は適当な部下に任せた。
・ファミリーはその後緩やかに衰退、テキサスファミリーに併合された。
・本々テキサスファミリーとは仲良くしてたしもう自分には関係ないので、シラクーザでゆったり生活してた。
・テキサスファミリー崩壊、最初は失踪したチェリーニアやラップランドを心配してたがあの娘たちならなんとかなるだろと気づく。
・時系列的にはシラクザーノ終了後にチェリーニアと再開、ロドスへ赴く
・ラップランドの数少ない強くでれない人の1人

ゲーム性能的には
前衛(剣豪) 
素質 未ブロック時、周囲八マスの元素ダメを回復

異格は
補助(吟遊詩人)
素質 攻撃範囲内の元素ダメ軽減、回復
素質 大人(ヘラグ、ケルシー、ムリナール、マウンテンなど)以外のオペレーター(要は年下)にバフ

といったところですかね?
スキルは考えてないです

日常回って何だ…?

  • ロドス・バー(ラ・プルマたち)
  • 鬼の飲み会(ホシグマたち)
  • 戦闘任務(フェン、クルースたち)
  • ペンギン急便バイト(テキサスたち)
  • アーツによる医療部手伝い(ケルシーたち)
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