老狼の子守唄   作:萎びた豆の妄想

4 / 4
投稿まで1ヶ月かかるとは!!読めなかったこのリハクの目を持ってしても!!…すみませんでした。………ところでロボの口調ってどんなでしたっけ?

では読み飛ばして、どうぞ


ペンギン急便との話…的な何か

「ふぅ~。やれやれ、やっと帰ってこれた。」

 

ロドス艦内、夜も更けて人気のない大浴場に響く男の声。お湯に入れば冬の気温で冷え切った体にじんわりと熱が灯る。自然と口から声が漏れるというものである。

 

オペレーター名ロボ、御年■■■歳のおじいちゃんである。だが、彼の傷痕だらけの肉体は老いを感じさせないほど仕上がっている。

 

しかし、疑問をもった人が彼に秘訣を聞いても

 

「なに、老いてますます健在というだけのことよ。」

 

とはぐらかされるだけである。

 

 

「はてさて、休暇を貰ったはいいものの何をしたもんか。……他の人に聞いてみるかねぇ。」

 

今回、彼が頭を悩ませているのは突如として降って湧いた長期休暇である。

 

ついさっきまでオペレーターの1人として行動予備隊A1とともに任務についていた。それだけならなんの問題もなかったのだが、彼がいない間に未消費の大量の有給が発覚したのである。

 

これにはアーミヤCEOも頭を悩ませた。なにせ休暇をとらせようにも当の本人は任務で外出中であり、伝えられない。他のオペレーターも多忙で任務の引き継ぎは難しく、途中放棄させるのは論外である。

 

しかし幸運なことに任務がサクサク片付いたと言って、ロボたちは予定をそこそこ前倒しで帰還してきた。

 

あとはもうこれ幸いと休暇をとらせるだけである。製薬会社ロドス・アイランドはホワイト企業なのだ。

 

──「ドクター、不思議そうな顔をしてどうかしたんですか?お仕事は残っているんです、まだ休んじゃだめですよ?」

 

 

 

 

翌朝、いつものモーニングルーティーンの途中――つまりは体操のあとの戦闘訓練の休憩中にロボは模擬戦相手に聞いてみることにした。

 

「なぁブレイズさん、休暇のいい感じの過ごし方を知らないかね?」

 

「急にどうしたのよおじいちゃん、休暇の過ごし方なんて聞いてきて。」

 

「いやなに、アーミヤちゃんから有給を取得しろと言われてしまってな。」

 

「ああ、そういうことね。とは言っても私はお酒飲んでるだけだからあんまりアテにはならないかも。」

 

「お酒ね、ふ〜む。ここはひとつ世界の秘酒巡りでもするかね。良さげなのはラ・プルマちゃんに差し入れする感じで。」

 

「あ~それ最高。でも日数足りるの?」

 

「全くもって足りんな。今回はあくまでも長めではあるがあくまでも有給の消費だけだからなぁ。」

 

朝食の時間になってもこの場ではいい案は見つからなかったのでシャワーを浴びて朝食である。

 

 

 

早朝なのでまだ人のいない食堂にて

 

「マッターホルンさんよ、何か良い休暇の過ごし方を知らないかね?」

 

「珍しいですねロボさん、普段は子どもたちと遊んでるイメージですが。」

 

「いや、普段は子どもたちの勉強の無い休日に合わせてるんだが今回は急な休みでな。」

 

「そうでしたか。とは言っても私もこれと言って何かをしてるわけではないのであまり力にはなれませんね。すみません。」

 

「なに、こちらこそすまなんだ。仕込みの邪魔をして悪かったの。」

 

 

 

結局、休暇の過ごし方は決まらずとりあえずなにかあるだろうとぶらぶらと足を運ぶ。目的地もなく適当にウロウロしてると、気づけば購買部のあたりへと来ていた。

 

「あれ、ロボさんじゃん。購買は今日はまだだよ。」

 

元気な声で名前を呼ばれたので振り向いてみればそこには1人のブラッドブルード。

 

「おぉ、クロージャちゃんか。いやなに、急な休暇で文字通り暇になってしまってな。なにか良い過ごし方はないかい?」

 

「ふぅん、それなら龍門に行ってみたらどう?」

 

「ふむ、なぜ龍門へ?」

 

「なんでももうすぐ祭りだったか何だったか、何かしらイベントをやるっていう告知があったからね。観てきたら?行くんだったらお土産よろしく!」

 

「ふむ、それがいいかもしれんな。久方ぶりに鼠王の奴に顔を出すか。」

 

「当たり前のように龍門の裏の顔と親しそうな発言をするね。ほんと、よくそんなにコネがあるよねぇ。」

 

「歳だけは無駄に重ねているからの。必然、出会いも多くなるというものよ。まあ…そのぶん別れも多いんじゃがなぁ…」

 

不意にロボの雰囲気がしんみりとした空気になったがそれはすぐに消え、普段の好々爺といった気配へ戻っていく。

 

「よくわかんないけどその広いコネで購買部の仕入れのお手伝いなんかは…」

 

「ふふ。子どもならばお小遣いを与えられるかもしれぬが、大人の小遣い稼ぎは自分でするもの。頑張りたまえ。」

 

「ちぇー、わかってますよーだ。」

 

わざとらしく拗ねたような口調で奥へと引っ込むクロージャ、ロボはその後ろ姿を見送ると踵を返して事務室の窓口へ。目的は外出届の提出である。

 

「はてさて、この時期に龍門でイベントなどあったか…それとも新しく開催するのかねぇ。」

 

 

 

龍門・ペンギン急便

 

「ボースー!そろそろ出発するよー!」

 

「わーってるよ!少しは休ませろ!」

 

「休みたいのはみんな一緒だよ!私も早くパーティーしたい…」

 

「ったく、どうしてこんなに仕事が多いんだ!」

 

「ボスが酔った勢いで仕事を受けまくったからでしょ!」

 

龍門有数の名物(?)会社、ペンギン急便ははたから見ればいつも通り喧騒に包まれていた。しかし、その実情は嬉しい悲鳴というには辛すぎるほどの量の仕事に忙殺されているだけであった。

 

「そもそもどうしてこんなに依頼があるんだよ!そんなに運ぶものがあるか!?」

 

「あ〜なんかねぇ、今年は冬の催しの1つとしてバザールやるって聞いたからそれ関係じゃないかなぁ。ボス、うちもなにか出品しない?」

 

「そうだな、この伝票の山でも売りに出すか?俺のサイン付きなら飛ぶように売れるだろ。」

 

「あっはは!それいいかもね!」

 

どれくらい忙しいかと言うとこんなアホなことを言い出すぐらいには疲れているのである。

 

 

「…今帰った。ボス、次の荷物はどれだ?」

 

「帰ってきたか、テキサス。じゃあコレとコレ、あとそこの棚の上から2番目の奴をロドスに持ってけ。」

 

「…了解した。じゃあ行ってくるボス。」

 

「おう。あ、おいテキサス!そこのテーブルに軽食あるから食ってから行け!」

 

あのテキサスすらもどこか元気がない。心做しか尻尾の毛も普段よりくすんでいる。

 

しかしどれだけ愚痴を言おうとも仕事はある。もうしばらくはペンギン急便は仕事とともにあるだろう。

 

「ボスー!もう行くよ−!」

 

「おう!エクシア、安全運転で頼むぞ。」

 

 

 

龍門・とある小さな広場

 

「ほう、バザールか!いいの、実に良い。」

 

「ほっほっ、やはりお前さんもそう思うかロボ。」

 

「うむ、バザールは良い。活気がある、見所がある。新しいもの古いもの玉石混交で並べられているあの感じ。なにより街行く人が笑顔なのがいい!」

 

龍門の一角、夜になり一般客のいなくなった飴屋で鼠の店主と狼の客が旧交を温めていた。

 

片や龍門の裏の顔、スラムの守護者。片や古英雄の血筋、種族の守護者。

 

どちらも同じような責任を感じながら歳を重ねてきたため、2人はなにかと波長が合うのだろう。

 

「わかるとも、実にわかるとも。お前さんもなにか出してみるかい?」

 

「それもいいかもなぁ。出すとしたら何が良いと思う?酒か?」

 

「お前さんの持ってる酒は高いやつだろう?バザールにだすのはどうかと思うぞ。買い手が現れても大方ウェイのやつかスワイヤーの嬢ちゃんだろうよ。」

 

「とは言っても他に目ぼしい物は持ってないんだがなぁ。しょうがない、今回は諦めるとするかね。」

 

2人はからからと笑い合いながら酒の代わりに飴を舐める。月見酒ならぬ月見雨である。

 

しかし穏やかな雰囲気は2人を淡く照らしていた満月が雲に隠れたとたんに霧散した。

 

「5人か、どうする?」

 

「なーに、すぐに終わるわい。」

 

鼠王がそういってアーツを起動しようとすると背後からギャリギャリという異音が響く。

 

「新手!?」

 

驚いた2人が振り返るとそこには──爆走する車とそれを運転するサンクタ、助手席にはペンギンが座っているのが目に映る。

 

「どいてどいてー!」

 

サンクタ──エクシアが大きくハンドルをきった車はドリフトの要領で回転をしながら進み、最後はドンッ!と隠れていた男たちを弾き飛ばして停車した。

 

「安全運転で頼むって言っただろうがよ……」

 

「あの状況じゃしょうがないじゃん、なんとかなったんだからそれで良しとしようよボス。」

 

車内からフラフラのエンペラーの全く悪びれていないエクシアが降りてくる。

 

「それでエンペラー、何があったんだい?」

 

代表してロボがエンペラーに尋ねると彼は大きな身振りとともに口を開く。

 

「おおロボ!聞いてくれよ!あのクソどもが俺の大事なコレクションをゴミの山にしてくれやがったんだよ!音楽の素晴らしさに敬意を払わない奴らだぜ、あいつら!」

 

「なるほど、いつも通りの抗争か。お前さんとこはどうしてそういつもマフィアとやり合ってるんだ?」

 

「知らねーよ、こっちが聞きたいわ!

 

ここまで話したところでエンペラーが唐突に何かを思いついたような表情をした。

 

「てかおいロボ、お前いま暇か?」

 

「暇ではあるな、有給の消化中だ。」

 

「よし、お前ウチでバイトしろ!」

 

「はて、ロドスは副業可能だったかのう?」

 

「可能だろ!?国家元首とかいんだから!というかマジでいまちょっと仕事がヤバイんだよ!」

 

「ふむ、ヤバイとは?」

 

「ボスが酔った勢いで仕事を何でもかんでも受けたせいで量がヤバイんだよ!そこに襲撃があったせいでもうてんてこ舞いなの!」

 

ここでずっと黙ってたエクシアが口を開く。エクシアとエンペラー、2人はもはや猫の手も借りたいということで形振りかまっていられなかった。

 

さすがのロボもエンペラーの自業自得な気はするが、友やその部下が少し窶れているのを見ると手伝ってあげようという気もしてくる。最終的にエンペラーのコレクションから好きな酒を一本貰うということで承諾した。

 

 

「フフッ、久方ぶりにチェリーニアに会うとするかの。」

 

かつて実の娘の様に可愛がっていた子に久しぶりに会えるということで内心ウキウキだったが、ペンギン急便の倉庫に積まれた配達物の山に愕然とするのはまた別の話。

 

何はともあれ、エンペラーたちがマフィアとドンパチやってる間にロボはバイソンと共に配達。マフィアを叩きのめした後はエクシアやテキサスたちも配達を再開したため仕事は1週間後、バザール前日の夜に無事に片付いた。

 

 

 

──そしてバザール当日、龍門は都市中が盛大な活気のある祭りの雰囲気に包まれていた。

 

仕事明けのペンギン急便も激務などまるでなかったかのようにケロッとした顔でいろんな店を冷やかそうと大広場の入口に集まっている。

 

「ここにおったかチェリーニア。いやはや、開場してしまう前に見つかって良かった。」

 

「ロボさん、どうかしましたか?」

 

不意に背後からロボが声をかけて来た。

 

「うむ、朝食の後に渡そうと思っていてすっかり忘れていてな。ほれ、これで好きなものを買ってくるといい。」

 

そう言うとロボはテキサスにそこそこ分厚い封筒を渡す。

 

「これは…いいんですか?」

 

「むしろ貰ってくれると嬉しいよ、チェリーニア。私はかつてお前には何もしてやれなかったしの。」

 

「それはっ……いえ、ありがとうございます。」

 

「うむ、楽しんで来るといい。あとこれがエクシアちゃんとクロワッサンちゃん、それからソラちゃんとバイソン君の分だな。」

 

「え!?私たちもいいの?」

 

「まあの、ジジイのお節介だ。それでパーティーグッズでも買ってくるといい。」

 

「「「「ありがとうございます、ロボさん!」」」」

 

ペンギン急便の面々の感謝の言葉を受け取るとロボは嬉しそうに大広場へと姿を消した。

 

 

 

 

 

「あれ、この時間に入れるのってまだ出店関係者だけだよね?」

 

「そうですね、エク姉の言う通り開場はもう少し先です。なにか出品してるんですかね。」

 

「テキサスさん!後で覗きにいきましょう!」

 

「ああ、そうだな。みんなで行ってみるとしようか。」

 

ロボが何を出品しているか予想したりなど雑談をしていれば時間はあっという間に過ぎて、ウェイ長官の開会のアナウンスが放送される。

 

 

──祭りは始まり、龍門は今日もまた喧騒と共にある。

 

 

 

 

 

 

 

 

おま◯け

 

「ほう、君はお母さんへのプレゼントを探していると。そうだなぁ、それならこれなんてどうだい?」

「これかい?『パスエール城の模型』、スノードームというやつさ。」

「値段か、これくらいでどうだい?うん、まいど、ってああ!少年!お釣りを忘れとるよ!」

 

 

激流を宿す大河のような、荒れ狂う大海のような、そんな雑踏をペンギン急便一行(エンペラーを除く)は乗り越えていた。逸れないようにテキサスと手を繋いだソラは終始嬉しそうな顔をしている。

 

広場の端、すこし薄暗く客が少ない場所まで出てきてすこしばかり息をついていた。

 

そんな中、聞き覚えのある声が聞こえてくると同時に正面からスノードームを大事そうに抱えた少年が走って来た。それを見たテキサスが空いてる手で少年の肩を軽く叩く。

 

「お釣りを貰い忘れている、さっきの店主が呼び止めていたよ。」

 

優しい声音で話しかけると少年はキョトンとした顔をしていたが、言っていることを理解したのかペコリと頭を下げて店へ戻っていく。

 

後を着いていけばそこにはやはりロボが開いた露店があった。

 

お釣りをちゃんと受け取った少年がまたどこかへ走っていくのを見送りながらエクシアがロボに話しかける。

 

「それでロボさんは何やってるの?」

 

「いやなに、かつてやり手の行商人に上手いこと買わされてしまった品がそれなりにあっての。それを思い出して出品してるのよ、飛び込みなせいでこんな端っこだがな。」

 

しかしエクシア、テキサス、ロボが談笑しているところにクロワッサンとバイソンの悲鳴ともつかない声が響く。興味をもったエクシアが2人に声を掛ける。

 

「どうしたのさ2人とも、そんなにすごいものでもあったの?」

 

「すごいなんてもんやあらへんで!?これは『リーダーモーガン・ラム』!いまはもう生産停止してる品やし、こっちの『ロイヤル・リキュール』なんて醸造法も失われた幻と言ってもいいほどのレアモンやで!?」

 

「エク姉、クロ姉、こっちもすごいですよ!まずはこの『古ガリア銀貨』、金銭的には使えないですが上手くやればコレクターたちが群がります、それもこれだけ綺麗なら尚更です。こっちの『迷夢の香油』もかなりのレアモノです。この『金のブローチ』もガリアの皇族のものだったものですからコレクター垂涎ですね。」

 

「つまり?」

 

「「こんなバザールで安売りしてて良いもんじゃない!」」




大学受験とかモチベのロストとかいろいろあったんです…嗤って許してください…。

・すっっっっっごい今更ですがロボのアーツは音に効果を乗せるものです。聞いた対象にバフやデバフの付与、ただし媒介が音なので対象を選択できません。リラックスさせようとすると周囲の全員が和みます。

・前話はプロットが崩壊したので削除、書き直します。忘れてください。モチベ低下はこいつが原因です。

感想、高評価お待ちしてます

日常回って何だ…?

  • ロドス・バー(ラ・プルマたち)
  • 鬼の飲み会(ホシグマたち)
  • 戦闘任務(フェン、クルースたち)
  • ペンギン急便バイト(テキサスたち)
  • アーツによる医療部手伝い(ケルシーたち)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。