俺が悪役に転生するのは間違っている   作:グレンリアスター

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製作

 食事を終えたあと、俺は食器を洗剤で洗っていた。

 するとアストレア様が優しく微笑みながら、隣にやってくる。

 

「手伝うわ」

「そんな……悪いですよ」

「気にしなくていいわ。こういうのは一緒にやりましょう」

「……助かります」

 

 本当にいい女神様だなと思いながら、俺は洗剤を水で流した皿をアストレア様に渡す。

 アストレア様は慣れた手つきでタオルで皿を拭いていく。

 そんな彼女を隣で見ていた俺は、見惚れてしまう。

 美しい……微笑みを浮かべながら作業をするアストレア様は本当に美しい。

 だからこそ、俺は許せなかった。

 アストレア様の眷属を罠に嵌め、死に追いやった原作の俺(自分自身)を。

 

「それで……どうだったかしら?」

「なにがです?」

「ダンジョン……大丈夫だった?」

「あ~いや……それが……第一階層で四十体以上のモンスターに追いかけられて、必死に逃げました」

「え?」

 

 皿を拭いていた手を止めて、アストレア様は目を見開いた。

 俺は彼女に一つ一つ説明する。

 

「なるほど……【素材発見】のデメリットね」

「はい……でもそのデメリットも受付嬢に相談したら、なんとかなりそうです」

「そうなの?」

「はい。そのために色々と買ってきました」

 

 俺は今日、アイテム屋で毒草やモンスターの毒などを買ってきた。

 全てはダンジョンで生き残るため。

 

「ただ作業音でうるさくすると思いますが……」

「気にしなくていいわ。あなたはあなたのやりたいようにしなさい」

「ありがとうございます。アストレア様」

 

 俺は女神に感謝した。

 

<><><><>

 

 部屋に戻った俺はゴーグルで目を覆い、ぶ厚い手袋をはめ、ガスマスクをつける。

 

「よし……始めるか」

 

 まずは毒の調合からだ。

 毒の草を乳鉢ですり潰す。

 ゴリゴリという音が部屋の中に響き渡る。

 そしてすり潰した毒草を何種類ものモンスターの毒と混ぜる。

 ドロドロになった紫色の液体。

 その液体をアナティアから買った十本のナイフに塗っていく。

 

「よし……とりあえずは完成だな」

 

 毒が入ったいくつもの瓶と毒を塗ったナイフを見て、俺は笑みを浮かべた。

 さて……ここからが本番だ。

 俺は魔道具製作道具と材料を机に並べ、作業を始めた。

 設計図も頭の中でできている。

 知識として知っている。

 だからあとは作るだけ。

 

「やるか」

 

 俺はアレを作ることを始めた。

 金属が削られる音や金属が曲がる音が鳴り響く。

 そして、

 

「クソ……失敗した。次だ」

 

 変な形になった金属を床に投げる。

 

「またダメだ。次……」

 

 折れた金属を床に捨てる。

 失敗し、失敗し、失敗する。

 それでも何度も作り続けた。

 試行錯誤の繰り返し。

 気がつけば床には金属のゴミの山ができていた。

 

「諦めてたまるか」

 

 俺は失敗しながら、作業を続けた。

 

<><><><>

 

 翌朝……ついに完成した。

 

「できた……」

 

 俺は笑みを浮かべた。

 この世界にはなくて、俺がいた前世にはあった武器。

 それを手で持ちながら、見つめる。

 

「これが……俺の魔道具」

 

 俺が作ったのは火薬で弾丸を飛ばす遠距離武器。

 リボルバー式拳銃だ。

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