俺が悪役に転生するのは間違っている   作:グレンリアスター

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クエスト

「ついにできたな……」

 

 完成させた拳銃を見ながら、俺は微笑む。

 この世界にはない武器。

 ファンタジー世界では『ダンまち』では絶対に手に入らない力。

 現代武器は俺が生き残るのに役に立つ。

 

「さて……今日もダンジョンに……って流石に寝てないから危ないか」

 

 睡眠不足の状態でダンジョンに行くのは危険だ。

 今日はアストレア様にステータス更新してもらって、アナティアのところに行って注文した武器を貰い、早く寝よう。

 

「その前に朝食を作らないとな……」

 

 俺はリビングに移動し、【商品購入】で買った食材で調理した。

 

<><><><>

 

「おはよう、ジュラ」

「おはようございます。アストレア様」

 

 ちょうど朝食を作り終えた後、リビングにアストレア様がやってきた。

 相変わらずの美しさ。

 目を細めてしまうぐらい眩しいオーラを放っている。

 

「あら?目に隈ができているわよ?もしかして寝てないの?」

「はい。魔導具製作をしていて……でも朝に完成させました」

「そう。よかったわね」

 

 微笑みを浮かべるアストレア様。

 俺は彼女と共に朝食を食べる。

 今日のご飯は簡単にイチゴジャムが塗ってある食パンと目玉焼き、サラダ、そしてホットコーヒーだ。

 

「今日も美味しいわ、ジュラ」

「そう言ってもらえて嬉しいです」

「今日はどうするの?」

「鍛冶師のアナティアのところに行って注文した武器をもらいます。そしたら帰って寝ます」

「そう……そのほうがいいわ」

「アストレア様は?」

「今日も孤児院で子供達の面倒を見るわ」

「そうですか……」

 

 アストレア様は孤児院で子供達の面倒を見ている。

 彼女のその優しさに、俺は尊敬した。

 

「もしよろしければ俺も一緒に行ってもいいですか?手伝いますよ」

「ありがとう。なら美味しいご飯でも作ってもらおうかしら」

「はい。喜んで」

 

<><><><>

 

 

「ふぁ~……ねっむ」

 

 朝食を食べ終え、バベルに向かって俺は歩いていた。

 欠伸をしながら歩いていると、冒険者たちの声が耳に入ってくる。

 

「おい、聞いたか?例の新人殺し」

「ああ、聞いた。なんでもまた殺されたらしいぞ」

 

 新人殺し?

 俺は足を止めて、冒険者たちの話に耳をたてる。

 

「優秀なレベル1の冒険者たちを殺している闇派閥の暗殺者」

「もうこれで何人目だ?」

「毒殺……らしいわよ」

 

 レベル1の冒険者。闇派閥。暗殺者。毒殺。

 その言葉を聞いて、俺は目を細める。

 恐らく将来有望なやつを早めに殺して、障害を排除しているのだろう。

 流石は闇派閥。ヤバいね。

 

「噂では猫人の女らしいぞ」

「受付嬢……っていう話も聞いた」

「私が聞いた話では利用価値のある冒険者を誘拐しているって」

 

 猫人。受付嬢。誘拐。

 その言葉を聞いて俺は、なぜか受付嬢のアルルさんの顔を思い浮かべた。

 いやいや、なに考えてんだよ俺は!

 ブンブンと頭を振った俺は早足でバベルに向かう。

 

<><><><>

 

 バベルにやってきた俺はエレベーターで八階に移動し、アナティアのお店にやってきた。

 

「アナティア……いるか?」

「あ!ジュラ。やっと来てくれた」

 

 鍛冶師の小人は俺を見て、嬉しそうに微笑んだ。

 

「やっとって……これでも早く来たんだぞ」

「あはは。そっか。注文してた超硬金属の長剣と短剣はできてるよ。こっち来て」

 

 アナティアは俺を店の奥へと案内し、鍛冶工房へと連れてきた。

 工房には色々な道具が並んでおり、大きな炉がある。

 すっげぇ……いかにも鍛冶工房って感じだ。

 

「はい。これ」

 

 アナティアは鞘に納められた長剣と短剣を俺に渡してきた。

 剣身が緑色の長剣と片刃の白い短剣。

 おお、相変わらず凄い。

 素人の目でもわかるぐらい美しい剣だ。

 超硬金属以外の材料も使われているのか?

 

「気に入ってくれた?」

「ああ……とても」

「それはよかった。ところでジュラ。例のやつ……持ってきた?」

「ん?ああ、もちろんだ」

 

 俺は懐にしまっていた拳銃をアナティアに渡した。

 するとアナティアは拳銃を触り、目を大きく見開く。

 

「これは……」

 

 深く観察するアナティア。

 彼女は拳銃を握り、銃口を机の上に置いてある瓶に向けた。

 そして引き金を指にかける。

 

「え?」

 

 俺が間抜けな声を漏らした直後、バアン!と銃声が鳴り響いた。

 銃口から放たれた弾丸は瓶を破壊。

 瓶の破片が飛び散り、アナティアは目を細めながら拳銃を見つめる。

 

「……なるほど」

「なるほどじゃねぇ!」

「ふぎゅ!?」

 

 俺はアナティアの頭を強く叩いた。

 叩かれたアナティアは涙目になりながら蹲る。

 いきなり撃つとは思わなかったわ!

 

 

「バカなのか、お前は!?」

「ご、ごめん。どうしても試したくて……でもこれで確信できた」

「なにが確信できたって?」

「ジュラは……()()()()()()()()()()()()()()()

「は?なにを言って……」

 

 俺が問い掛けようとした時、アナティアは真剣な表情を浮かべた。

 彼女の顔を見て、俺は言葉を止める。

 

「ジュラ。冒険者依頼(クエスト)を依頼するよ」

 

 アナティアは真剣な声で告げる。

 

「私の鍛冶技術と魔道具製作技術を……受け継いで」

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