「いったいなんだったんだ……あれは」
ホームに帰ってきた俺は自分の部屋に移動し、ベットに転がった。
アストレア様もいないホームはどこか静かで、寂しい。
「あの感覚……忘れられない」
俺の頭の中に知らない鍛冶技術と魔道具製作技術がある。
知らないのに知っているという不思議な感覚を感じながら、俺は大きく欠伸をする。
「ふわぁ~……とりあえず一度、寝よう」
俺はゆっくりと瞼を閉じ、眠りについた。
<><><><>
ふわふわとした感覚を覚えながら、俺は白い空間にいた。
ここはどこだろうと思いながら、キョロキョロと見渡していると、
「あれは……」
大きな四角い板を見つけた。
その板には液晶画面が搭載されており、映像が流れている。
前世にあった大型テレビだ。
俺はそのテレビに近付く。
「これって……」
テレビに流れる映像は、一人の猫人の女性の姿。
その猫人は白と金のドレスアーマーを纏い、大きな光の旗がついた槍を振るっている。
戦姫の如く美しい猫人の女性は、どこか俺に似ていた。
そして同時にアストレア様みたいだと思う。
「ん?」
テレビに映っている猫人を眺めていると、映像が切り替わる。
流れた映像の中にいたのは、禍々しい漆黒の鎧を纏った猫人の男。
まるで魔王の如く恐ろしい彼を見て、俺は思わず頬を引き攣った。
こんなやつがいたら世界は滅ぶだろうなと思っていると、俺の意識が白い霧に覆われていく。
<><><><>
「ジュラ……起きなさい」
「ん?ア、アストレア様?」
目を覚ますと俺の視界にアストレア様の美しい顔が入り込んできた。
慌てて俺は起き上がろうとしてベットから転がり落ち、強く床に頭をぶつける。
いってぇぇ~……マジでクソ痛い!
頭を手で押さえながら蹲っていると、アストレア様は心配そうな顔で近づく。
「大丈夫?」
「だ、大丈夫です。それよりアストレア様……いつの間に帰ってきたのですか?」
「さっき帰ってきたの……もう夕方よ?」
アストレア様の言葉を聞いて、俺は窓に視線を向ける。
空はもうオレンジ色に染まっており、夜になろうとしていた。
「すみません。すぐにご飯にします」
「いいえ、今日は私がやるわ」
「でも……」
「私もジュラに美味しいご飯を食べさせたいの」
「……ならお言葉に甘えて」
俺はアストレア様の厚意に甘えることにした。
「だけどその前にステータスを更新しましょう」
「分かりました」
<><><><>
上着を脱ぎ、上半身裸になった俺はアストレア様にステータス更新をしてもらう。
彼女の神血が俺の背中に垂れたのがわかる。
「これは……新たなスキルが発現してる」
「え?」
アストレア様の驚いた声を聞いて、俺は目を見開く。
嘘だろ?マジでか?
「どんなのですか?教えてください」
「待って……羊皮紙に書き写すわ」
アストレア様は近くに置いてある羊皮紙にステータスを書きこみ、俺に見せた。
ジュラ・ハルマ―。
LV1
・『力』:I12
・『耐久』:I6
・『器用』:I37
・『敏捷』:I5
・『魔力』:I10
《魔法》
【商品購入】
詠唱式『異界の商品よ、買わせたまえ』
・食料や医療具、道具などをお金で購入することができる。
・お金を消費する。
《スキル》
【器用貧乏】
・何かを行う時、『器用』が上昇。
・不幸に補正
【素材発見】
・高確率でモンスター、ダンジョンなどからドロップアイテムが手に入る。
・モンスターに遭遇率に補正。
【
・製作、修理、改造の時、『器用』に高補正。
・一時的に『鍛冶』発現。
・一時的に『神秘』発現。
・作業中、特定の人物を強制的に思い出す。
「これは……」
新しく発現した【小人族の製作技術】。
これは間違いなくアナティアが授けたものだ。
魔道具製作や鍛冶の時には役に立つ強力なスキルだ。
だけどこの特定の人物を強制的に思い出すというのはなんなんだ?
これはデメリットなのか?
「ジュラ……いったいなにがあったの?」
「えっと……実はですね」
俺は包み隠さずアナティアのことをアストレア様に話した。