俺が悪役に転生するのは間違っている   作:グレンリアスター

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祈り

「行ってきます……アストレア様」

「ええ。行ってらっしゃい」

 

 装備を整え、ダンジョンに向かったジュラ。

 そんな彼を見送った正義の女神アストレアはリビングのソファーに座り、悲しそうな顔で羊皮紙を見つめる。

 その羊皮紙に書かれているのは、ジュラのステータスだ。

 

 

ジュラ・ハルマ―。

 LV1

 ・『力』:SSS1109

 ・『耐久』:SSS1118

 ・『器用』:SSS1520

 ・『敏捷』:SSS1290

 ・『魔力』:SSS1370

 

 《魔法》

 

 【商品購入】

  詠唱式『異界の商品よ、買わせたまえ』

  ・食料や医療具、道具などをお金で購入することができる。

  ・お金を消費する。

 

 《スキル》

 

 【器用貧乏】

  ・何かを行う時、『器用』が上昇。

  ・不幸に補正

 【素材発見】

  ・高確率でモンスター、ダンジョンなどからドロップアイテムが手に入る。

  ・モンスターに遭遇率に補正。

 【小人族の製作技術(アナティア・アーツ)

  ・製作、修理、改造の時、『器用』に高補正。

  ・一時的に『鍛冶』発現。

  ・一時的に『神秘』発現。

  ・作業中、特定の人物を強制的に思い出す。

 

 【運命反逆者(フェイト・トレイター)

  ・獲得経験値増加

  ・戦闘時、獲得経験値大幅増加

  ・能力限界突破

  ・異常事態発生率超補正

 

 【狂戦士(バーサーカー)

  ・任意発動。

  ・全能力一時的に強化。

  ・強敵と戦う時、さらに強化。

  ・命の危機に陥った時、さらに強化。

  ・発動中、激痛に襲われる。

 

「ジュラ……」

 

 アストレアは初めての眷属を哀れに思う。

 アナティアを失ってから、ジュラは無茶な戦いをするようになった。

 装備を整え、ダンジョンで何百のモンスターと戦っている。

 そしてジュラの願いと経験によって生まれたスキル【運命反逆者】と【狂戦士】。

 この二つのスキルのおかげで、ジュラは恐ろしいまでの速さで成長していた。

 特に【運命反逆者】の成長促進系スキルの効果で、彼はたった一週間で限界以上の力を手に入れたのだ。

 基本アビリティはSSS。

 普通ならありえない。

 しかしジュラの願いがそうさせた。

 運命に反逆する力によって、彼は化物になっていく。

 

「もう……止められないのかしら」

 

 既にジュラのことでオラリオは噂になっていた。

 LV1でありながら上層で何百体以上のモンスターと戦っていると。

 LV1でありながら一級品の装備と魔道具を装備していると。

 LV1でありながら一日で何百万ヴァリスを稼いでいると。

 まるで嘘みたいな噂だが、間違いなく事実だった。

 装備とスキルのおかげで彼は大金を稼いでいるのだ。

 だが同時にモンスターの返り血で汚れ、ボロボロになりながら帰ってくることが多くなった。

 猫は止まらない。止まらない。止まることをしない。

 運命をぶち壊すまで、武装を纏い、猫は暴れ続ける。

 

「お願い……どうか……自分を大切にして」

 

 正義の女神はアストレアは、己の眷属の無事を祈ることしかできなかった。

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