受付嬢であるアルルさんと別れた後、俺はバベルにやってきて小人族の鍛冶師であるアナティアのところにやってきた。
「アナティア」
「ん?ジュラ?どうしたの?」
店の中で武器を棚に並べていたアナティアは首を傾げる。
「実はお前が魔道具製作の道具に詳しいと聞いて、どこで売っているか知りたくて」
「え?まさか作るの?」
「魔導具ってほどではないが、俺だからこそ作れる道具を作れる気がするんだ」
「……」
「アナティア?」
顎に手を当てて考え込むアナティアを見て、俺は首を傾げた。
「……ねぇもしよかったら私の持っている魔道具製作道具をあげるよ」
「え?いやそれは悪い」
「いいのいいの。ただの予備だし。それに……
「え?それはどういう……」
どこか寂しく、悲しそうに笑みを浮かべるアナティア。
そんな彼女が言った言葉が俺は理解できなかった。
「なんでもない。まぁあげる代わりに……一つお願いがあるんだけど」
「なんだ?」
「ジュラが作った魔道具……私に見せてよ」
「?そんなのでいいのか?」
「うん!そんなんでいい……ダメかな?」
「いや……それでいいならお安い御用だ」
俺はニッと笑いながら頷いた。
するとアナティアはパァアアと明るい笑顔を浮かべる。
「ありがとう」
「それと他にも頼みがある」
「なにかな?」
「投擲に使うナイフが何本かほしい。できれば十本。あとそのナイフを収納するベルトも」
「わかった。他には?」
「あと……これで短剣と剣を一本ずつ作ってくれ」
俺はバックパックから超硬金属を取り出し、アナティアに渡した。
超硬金属を受け取った彼女は目を大きく見開く。
「これって……どこで手に入れたの?」
「まぁ…ちょっとな。それよりそれで作ってくれないか?代金の代わりに残りの超硬金属をあげるから」
「……わかった。明日には完成させるよ」
「助かる」
「じゃあ魔道具製作用の道具を持ってくるね」
そう言ってアナティアは店の奥へと向かう。
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店の奥へと向かったアナティアは魔道具製作用の道具を木の箱に入れていく。
一つ一つを大事そうに。
「よかったな、お前たち。使ってくれる奴が現れてくれて。私じゃあ……使ってやれなかったから」
魔道具製作用の道具に向かって微笑みを浮かべるアナティアは、咳をする。
何度も何度も咳をし、手で口を押える。
ハァハァと肩で息をする彼女は自分の手のひらを見つめた。
「ははは……もう駄目かもね」
アナティアの手は血で赤く染まっている。
しかし彼女は笑う。
笑いながら近くにあったタオルで血を拭く。
「ダメダメ。生きている限り、作り続けないと……それが鍛冶師であり、魔道具製作者の誇り」
アナティアは魔道具の製作用道具がいくつも入った木の箱を運びながら、ジュラのところに向かった。