8.目醒める
死にたいと願った。
どうしようもない理不尽に締めつけられて、生きるのが苦痛でしかなかった。
母が亡くなってから狂った父が怖くて、助け舟を求めるしかない自分の非力さを憎んだ。
お婆ちゃんが助けてくれなければ、私の代わりに彼女が成り代わってくれなければ。
私はとうの昔に舌を噛み切って、この世の全てを憎みながら死んでいたと思う。
私の命を支えてくれた人たちを精一杯愛した。
こんな世界で私のことを救ってくれて、生きる道を作ってくれた。
それが嬉しくて堪らなくて、故に恩人たちが死んでいくのが苦しくて仕方がなかった。
もう私のことを救わないでって利他的に思って、その癖して私を一人にしないでって利己的に思って。
自分勝手な自分を恨んで、そんな自己陶酔すら勝手な行いだと知って、もう考えることをやめてしまった。
都市の星となった図書館、それを沈めんとするシェリダーさんを必死に止めた。
もう誰にも死んで欲しくなかった。
どれだけ惨めでも、しがみついて必死に訴えた。
涙で顔がぐちゃぐちゃになっても、決して諦めなかった。
それすらも引きずって歩む彼が、頑固な子供に見えて仕方なくて。
そうやって悪く思う自分の身勝手さに反吐が出た。
アンジェラと名乗った蒼白の機械。
ゲブラーと名乗った赤い司書。
そして彼女たちを補佐する小さな司書補たち。
彼女たちに、私の恩人を奪われた。
私を守ろうと庇った恩人は、本へと変わってしまった。
お願い、死なないで。
私を一人にしないで。
もう誰にも死んで欲しくない、誰にも傷ついて欲しくない。
どうして、私の大切な人ばかり死んでいくの。
虚空に投げかけ、答えは帰ってきた。
『あなたはこのまま、全部投げ出してしまえば良いのよ』
『そうやって誰かの痛みを背負う必要なんてないから』
美しい声は、私の身勝手な心を揺さぶる。
そうであれと、そうであるのが正しいと。
私は噛みついた。
『大切な人の命が奪われてるのに、なんでそんな自分勝手になれるんだ』って。
声は答える。
『果たして、周りを奪った自分勝手なあなたに言えることなのかしら』
口を噤んだ。
そうだ、私のせいで周りの人は死んでいった。
私が仕事を持ってきて、副所長たちがその仕事を処理するために動いた。
帰ってきたのは楽器になった人骨と腐った肉で、彼らの笑顔を見ることはもう叶わなくなった。
夜明事務所の人たちに図書館のことを話した。
共に図書館が秘める可能性を談義し、収集した情報を糧に見当違いな推測を重ねた。
夜明けなど訪れず、日は堕ち続ける。
血塗れになったフィリップさんを見たとき、己の身勝手さをひどく憎んだ。
全部、全部消えた。
私の大切なものが全部消えた。
巣に現れた泣く子によって、私の友だちも、お婆ちゃんも、何もかもが焼き尽くされた。
もう何も残っていない、もう私一人じゃ生きていけない。
だからシェリダーさんだけには死んで欲しくなかった。
でも、私が下手な行動に出たせいで、私を庇って。
そのせいで、彼は本になった。
全部私のせいだ。
私がいたから、私が生まれてきたせいだから。
私なんか生まれてこなきゃ良かった。
私がいたから。
『違うよ』
『この世に存在してはならない幼子の命は存在しない』
『利己的に生きるならば。利他的に生きるならば』
『私の為に報い、お前の為に生きてくれ』
『愛してるよ、エーイーリー。私の親愛な────』
────あぁ、そうだ。
まだ私には、大切な人がいる。
「……カルメンさん、私は自分勝手な人間です」
「反吐が出るぐらい身勝手で、その癖して良い人ぶって、みんなに迷惑をかける人間です」
「でも、こんな私にもまだ大切な人がいる。私を大切に思ってくれる人がいる。その人のために、もう少し頑張りたいんです」
意志が固まる。
雨で崩れた土が固まって、堅固な意思になる。
それでも声は、私を堕とそうとした。
『どうして苦しむ道に進もうとするの?』
この瀬戸際にいる精神の境。
そんなちょっとした一押しでも、私の意志は朽ち果てるだろう。
でも、そんなことできない。
いってらっしゃいって言ってくれたから。
私の身を案じてくれたから。
帰らなくちゃいけない、待ってくれる彼女のためにも。
「帰りを待ってくれる人がいるから……その人のために頑張らない理由なんて、ないんです」
『生きているかも分からない他人のために?』
「生きているかも、じゃないんです。生きていると信じるから、頑張れるんです」
この腐り切った都市にも、僅かな希望があるならば。
その希望が潰えて、私の大切な希望が私自身にしかないのならば。
私はその希望を護る、護ってみせる。
私を護ってくれた彼女のために、今度は私が護るんだ。
「もう一回、もう一回だけ……目の前の理不尽を我慢して、飲み込んで……そしたら、私らしくあれる気がするから」
「だから、今回は邪魔しないでください」
声はもう、何処にもいなかった。
気づいた時には、私の半身は身に覚えのない鎧が纏わりついていた。
いいや、鎧と呼ぶにはあまりにも薄過ぎる何か。
外套と読んだ方がいいそれは、黒金に煌めいていた。
私はこの色を……これと似た外套を纏った者たちを知っている。
エーイーリーも、あの『黒い女』も……これと似た外套を纏っていた。
……この不完全な殻を破って、私は都市を見下ろす。
かつてそうしたように、そうであったように。
この力で、今ある不条理を律する。
「……E.G.O……いいや、不完全だな」
ゲブラーと名乗った司書は、私を見てそう呟いた。
彼女の担ぐ肉塊のような大剣の瞳が、私を見ている。
獲物として見定められているような気がして、不愉快だ。
だけど……流石に多対一では分が悪い。
ならば、取り巻きから速攻で潰す。
掌を天に掲げる。
この場に存在する全てを、掌の上に意識する。
空気、塵、建物、人、凡ゆる物を収束させろ。
私に刻まれたこの力で奪った命を思い出せ。
今まで軽々と、やってのけただろ?
「……ッ! 全員退け……」
「砕けよ」
瞬間、万物が爆ぜた。
肉が裂かれ、骨が破裂し、血が噴き出る。
その全てが捻じ曲がった重力に掻き混ぜられ、灰燼を作り上げた。
数秒経った頃か、煙が大きな風切り音によって振り払われる。
目論見通り、取り巻きは全滅し、残ったのはゲブラーだけだった。
ゲブラー、ゲブラー、ゲブラー……。
シェリダーさんの胴を真っ二つにした女。
今まで見たことがない卓越した技術に、想像を絶するパワーとスピード……決して油断ができない相手だ。
だけど勝たなきゃ、勝たなくちゃ。
ここを越えなければ、私は飛び立てない。
「クソ……この力、特異点か……」
「……気付いてるんですね、なんで分かったんですか?」
「忘れる訳ないだろ? お前、調律者じゃなさそうだが……何故その力を持ってる」
「元々調律者だった、それだけです。無駄口はやめて、さっさと始めましょう?」
威圧感が溢れるゲブラーに構わず、私は手を振りかざした。
現れるのは空間を切り裂く黄金の刃。
妖精と呼ばれたそれが、憎たらしい怨敵に向かって飛ぶ。
ゲブラーの体を切り裂かんと飛ぶそれは、肉を食む……なんてことはなく。
さも当たり前かのように、肥大した肉の剣が妖精を叩っ斬った。
(やっぱり一筋縄じゃいかないか……)
分かってはいたが、とんでもない強敵だ。
都市でもこんな強い人は見たことがない、一級フィクサーかそれ以上は確実だろう。
なんでこんな大物が図書館に……いや、大物があるからこそ、図書館が星に登ったんだ。
分かっていたはずだ、化け物は必ずいるって。
構え、今一度妖精を放とうとした刹那。
本能から来る警鐘が、体を突き動かした。
「うっ……!!」
半歩、無意識のうちに半歩引いていた。
私がいた空間は鎌へと変貌した肉が支配しており、ぎょろりとこちらを睨みつけていた。
もし今引かなければ、引いていなければ。
間違いなく、私は命を絶たれていた。
だけど危機が消えた訳じゃない、懐は未だゲブラーに支配されたままだ。
「離、れろッ!!」
右手に握った剣を、ゲブラー目掛けて振り下ろす。
しかしさも当たり前とでも言わんばかりに、鎌だった肉がゲブラーを守るように盾と化した。
肉の筈だ、にも関わらず堅さは鋼鉄を超えている。
甲高い音が鳴り響き、手に痺れが伝わった。
どの工房武器にも見られない万能性……こんな武器、一体どこで……。
「がっ」
首根っこを掴まれ、持ち上げられる。
そして視界が反転した。
頭に伝わる強い衝撃、打ちつけられた体の震え。
まさか、そのまま地面に叩きつけた?
ぼやけた視界に映るのは、肉塊と分かるほどの赤と人のシルエットが私を見下ろしている。
ここから取るべき行動……最善の方法。
本能的に、私は手を振った。
「チッ、黒波か」
「柱よッ!!」
私の目の前に現れた黒い波が振り下ろされた大剣を防ぐ。
決してその硬直は見逃さず、頭の中で組み立てた巨大な柱を、現実へと可視化する。
凡そ柱と呼ぶには頑強過ぎる漆黒の物体、それをゲブラーに向けて放つ。
流石のゲブラーとて、あの柱の質量には耐え切れないだろう、距離を取らざるを得ない様子だった。
ゲブラーが離れた隙に体勢を立て直し、揺れる頭を、視界を、気合いで鮮明にする。
(妖精は牽制でしか使えない……柱はかなり有効打か、なら鎖も線も通用する筈……懐に入られたら何もできない、距離を取らなくちゃ)
今ある少ない情報で私なりの最善を導き出す。
私がかつて使った武器の数々、都市の不純物を調律するための力。
きっとこの力ならば、ゲブラーにだって対抗出来る。
出来ると、思った矢先だった。
感じていた威圧感が。
突き刺さっていた殺気が。
まるで別人のように、変わった。
「……その力を使われちゃ、私も全力を出さざるを得ないな。E.G.Oも発現しかけてるようだし……」
「さぁ、お互い守るべきものを守ってみせようか」
悪寒。
過呼吸。
痙攣。
その全てが、私の体を襲う。
私には知らなくて、私が識っている存在。
その姿は、私の頭に強く刻まれている。
まさかこんなところにいたなんて……。
「……赤い霧」
「会うやつに毎回そう言われるなぁ……ただの呼び名なだけだろ」
ゆらゆらと、まるで霧のように揺らめく鎧が、その強さを証明していた。
ゲブラーの顔を覆い始めた鎧は、その霧を更に強くし。
完全に覆われた頃には、彼女の姿は正しく赤い霧だった。
「始めるぞ」
宣言と共に、間髪入れずに線を放った。
音速を超えうる線、普通ならば反応できない強力な武器。
だが、相手はあの赤い霧だ。
当然のように反応し、線を剣で弾いた。
(化け物が……!)
さっきまで見たスピードを優に超えた、最早弾丸と呼ぶに相応しいゲブラーが、点で移動したかのように私の前に現れる。
剣を振り被り、普通ならばそのまま振り下ろすであろう構え。
だけど、こんなにも優秀なフィクサーが同じ手を使う訳がない。
死を感じる程に研ぎ澄まされた直感。
その直感が、彼女の狙うところを痺れるように教えてくれた。
振り下ろされる大剣。
しかしそれは途端に軌道を変え、私の脇腹目掛けて飛んできた。
……読めている、直感が教えてくれていたから。
私の体を斬り裂かんとするそれは、鎖によって阻まれた。
そしてそのまま、黒金の鎖がゲブラーの腕を絡め取る。
「捕まえた、もう離さない」
「……」
ゲブラーは全く焦った様子を見せていない。
寧ろこっちの動向をじっと見て、待っているように見えた。
だけど剣と持ち手が鎖で塞がれている以上、できることは限られている。
ここで一気にトドメを刺す。
そう思い、掌を向けた次の瞬間。
ゲブラーは、持っていた剣を離した。
ほんの一瞬、ほんの一瞬だけだった。
意識が剣に向いて、妖精を放つのを止めた一瞬。
ゲブラーの膝蹴りが、私の鳩尾を貫いた。
「ごっ、ゔッ!?」
「甘いな、目の前のことしか見れていない」
臓器を傷つけ、揺らす程の強撃。
衝撃が体を貫通し、腹から胃液が迫り上がってくる。
でも、口内に広がった気持ち悪い味が、消えかけた意識を戻してくれる。
「まだ、まだぁッ!!」
負けない、負けたくない。
私のせいで死んでいったみんなのためにも。
私のことを待ってくれる彼女のためにも。
絶対に、負けれない。
信念を、想いを、剣に込める。
全力で振るったそれは、ゲブラーの右肩から左脇腹を切り裂く軌道をしていた。
できる、このまま切り裂ければ。
そのまま思いっきり、振り下ろし切った。
「……え」
だけど、何故か空を切っていて。
代わりに、私の胸は貫かれていた。
「あ、え……なんで」
血が溢れる。
体が熱くなる。
頭が焼けるような感覚がして、意識が混濁する。
激痛が、迸った。
いいや、激痛とすら呼ばない。
もう痛過ぎて、痛くないんだ。
(やっぱり私じゃダメなんだ)
折角勇気を振り絞って、一歩踏み込んだのに。
もう一度理不尽を飲み込んでみようって、決めたのに。
結局、私の力じゃ何もできないんだ。
『だから言ったでしょう? 苦しむ道に進む必要はないの』
『さぁ、手を取って』
冷たい床に倒れた私に、手を差し伸べてくれる人がいる。
もうこの手を取ってしまえれば、楽になれるのに。
……ごめん、エーイーリー。
私、やっぱり何もできないちっぽけな人間なんだよ。
彼女の手を取ろうとした。
『駄目だよ、エーイーリー。まだ終わっていない』
『私の手を取れ、お前を護るのが私の役目なのだから』
……大切な人の手を、取った。
立ち上がる。
冷えた床は心地良いが、今は気分じゃない。
少女を護るために、私の愛する子を護る為に。
一度脱した殻に、もう一度宿ろうではないか。
「二幕目、始めようじゃないか」
「……誰だよ、お前」
「私は私だよ、気に留めるな」
もう問う暇も与えず、無造作に妖精を放つ。
予想外とでも言いたいのだろう、叩き落とそうとした妖精が赤い霧の鎧を斬り裂き、斬られた箇所が開かれるように解けた。
先までの出力は微弱だったが故に対応ができたが、使い慣れた私ならば話は別。
例えお前とて、私の妖精を叩き伏せる事など叶わんさ。
出力は精々七割八割と言ったところか、久方振りの体は慣れんな。
「これは……下手したらアイツよりも……」
「彼奴よりも……ふふ、さてはガリオンのことかい?」
図星のつもりだったが、どうやら当たったみたいだ。
赤い霧の纏う威圧感が、ほんの少しばかり強くなった。
何故知っていると言わんばかりの様子だが……生憎ガリオンは同業者だったが故。
お前によって砕かれたならば、勝手に仇討ちでもさせて貰おうか。
「気を散漫させてはならんよ」
残念ながら、長話をするつもりはない。
先と同じように妖精を放つが、やはり同じ手は通じないだろう、軽々と避けてみせた。
叩き伏せるのをしない辺り、威力も見定めているようだな。
ならば少し趣向を変えてみようか。
放たれる妖精の速度を、変則的に変える。
時に疾く、時に遅く、速度に緩急をつける。
無論これでは当たらない、しかし避け方には多少の癖が出てくるさ。
その避けた先に、線を置いた。
赤い霧の胸に当たり、線は弾ける。
一瞬止まった動きにすかさず錠前を施し、私は奴の動きを縛り上げた。
「ッ!? クソ、読まれたか……ッ」
「戦場では一つの不得手が命取りとなる。卓越したお前ならば当然分かる事だろうよ」
赤い霧は錠前を振り解こうとするが、それは敵わない。
奴の動きを『閉じている』限り、動くことは叶わないのだから。
まとわりついた黒金の螺旋、それらは徐々に奴の体を締め上げ、固め、閉じていく。
もう抵抗するのも叶わんよ、果たしてお前が完全であったならば、話は変わっていたが。
「お前は私の愛する子を奪おうとした、それだけでお前に問うことはないよ」
「お前が完全ならば、私は間違いなく敗れていたとも。例え私の体と言えど、本調子では無かったからな」
今のお前には光が欠けている。
不規則的に継がれた数多の存在によって、お前の存在は成り立っている。
その不細工な塊が、お前を弱くしたのだ。
「少し話をしようか。私が眠っている間、お前たちは知識の尖塔として都市の知恵を吸った。どうにもその仕組みが興味深くてね、厳密には知識ではなく、光を集めているようじゃないか」
「果たして光を集めた先に何がある? 完全な光を都市に撒いて何になる? 結局はこの醜い都市を生き永らえさせるだけだろう、何故この不条理の輪を断ち切らんのだ?」
「全ては繋がっていると云われるように、都市は廻り続ける。外と隔絶された壁は皮膚となり、人は血となり、裏路地は血管となって、巣は臓器となる。その全てを統治するのが頭であり、不純物を滅するのが爪であり、都市を監視するのが目なのだ」
「光とは、都市を活かす単なる栄養素に過ぎない。都市は人だ、たった一人の。それでもお前たちは、都市で生きたいと、都市を救いたいと思う」
「本当お前らは、話が長くなると隙が見えるよな」
私の話を断ち切り、赤い霧は錠前の拘束を解いて私の眼前まで来ていた。
……あぁ、知っているとも。
私たちの弱点は話が冗長であり、慢心し切っていること。
ガリオンもこれのせいでお前にやられたのだろうな。
……お前が突いた隙など。
お前が喰らいついた隙など。
────只の釣り餌に過ぎん。
ねじれ尖った柱が、赤い霧の腹を貫き、天に突き上げた。
「私が隙を晒すとでも思ったか? 少女の大切な体で」
「……はぁ。だろうと思ったよ、クソ野郎」
鎧が砕け、朽ちる。
目が焼ける程繰り返して観た顔が、そこにあった。
ガリオンを奪った者の顔、その末路を。
「言い遺すことはあるかい」
「……悔しくはあるが、結果は受け入れないとな」
そう言い残すと、赤い霧は光となって消えた。
久方振りの戦だったが……悪くはなかった。
多少は衰えてはいるが、慣れるのも時間の問題だろう。
次は……ガリオン、お前を朽ちさせてやろう。
赤い霧のあの動きを見るに、体の動かし方に不慣れなところが多々見れた。
ならばガリオン、お前の体にも多少は足枷は括りついてるだろう?
私の愛する子を怖がらせたのだから。
お前には苦しんでもらわないと。
「……ガリオンや、お前は何故此処に囚われるのだ」
独白を、零した。