魔族の不良品、そして天性の武者   作:猪のような

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知らない人の為の簡単な説明!

Q.デーゲンブレヒャーとは?

A.アークナイツ版伏黒甚爾


第一話 黒騎士

 

 

 

 

 

───魔族。人の言葉を話す魔物、悪意や罪悪感が欠けており、本能で人を喰らおうとする角が生えた恐ろしい怪物。魔法の扱いに長けており、生涯を自身の魔法の研鑽に捧げるその魔族の中に……ある日、例外…バグが、生まれた。

 

 

 

大魔法使いフランメが生きる、1000年前の出来事である。

 

「…………?」

 

その魔族は、魔法を扱うどころか、魔力が一滴たりとも存在しない。しかし…

 

「…………」

 

未だ生まれたばかり、言語すら知らぬその魔族は、周囲の状況を確認する。辺りは全て白で埋め尽くされており、魔族は寒さを感じていた。視界も悪く、風も強い。しかし、魔族はその中でも周囲にあるものを正確に把握していた。

 

「………」

 

吹雪の中でも常軌を逸脱した五感によって周りを把握した魔族は何も無いのを確認すると、当てもなく彷徨い始める。立派な角を携え、黄金の髪を靡かせながら…

 

 

 

この魔族は、後に魔族の不良品と呼ばれ始め。天性の武者、黒騎士、そして…魔力が無い大魔族として認識される様になる、その魔族の名は…デーゲンブレヒャー。魔族でありながら、魔族を狩り続けるイレギュラーの名前である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「黒騎士は魔族?フリーレン、それは本当なのかい?」

 

「うん、本当だよ。それが、約1000年前から魔王軍と戦い続ける人類の英雄。黒騎士…デーゲンブレヒャーの正体だ」

 

「信じられん話だな、黒騎士といえば戦士であれば知らぬ者はいない英雄だ。それがまさか、人類の敵である魔族とはな」

 

「ええ。黒騎士の正体はエルフか、代々受け継がれている称号だと思われていましたが…」

 

魔王討伐を目指す勇者ヒンメルの一行。その内の一人、魔法使いフリーレンは、仲間達に黒騎士と呼ばれる英雄の話をしていた。

 

「黒騎士といえば、南の勇者と共に魔王軍の前線部隊を壊滅させた存在だろう?その後も北側諸国を中心に魔族と戦っているそうじゃないか」

 

「一度は前線が中央諸国に押し返され、北側諸国に取り残されて孤立無援の状態に陥ったというのに、未だ戦い続けていると…」

 

「まぁ、アイツは色々と例外だからね。師匠だってアイツを最初に見た時は凄く驚いてた……着いた、ここだね」

 

ヒンメル達がフリーレンに連れられて来た森の中を進むと、そこには木製の一軒家がポツンと佇んでいた。

 

「ここが今の黒騎士の拠点なのか?」

 

「領主様の話が本当ならね…と言っても、人が居る場所からは相当遠いし、誰も来ないらしいけど……待って、中に魔族が居る」

 

フリーレンはそう言って足を止める。

 

「黒騎士じゃないのか?魔族なんだろう?」

 

「そうなんだけど、アイツは…」

 

すると家の扉が開き、中からピンク髪の魔族が現れ、フリーレン達を見据えると、近づいて来る。

 

「やっぱり、デーゲンブレヒャーじゃない」

 

「待て、フリーレン。向こうに戦うつもりは無いみたいだ、一旦警戒しながら様子を見よう」

 

「誰?ここには何をしに来たの?」

 

「僕達は魔王討伐を目指すパーティーだ。ここには黒騎士に会いに来たんだが…」

 

「魔王討伐…お前、名前は?」

 

「ヒンメル」

 

「ヒンメル…ならいっか…師匠は今狩りに行ってるからいない。戻ってくるまで家で待ってて」

 

魔族はそう言うと振り返り、家に戻って行く。ヒンメル達は一回顔を見合わせると、それに続いていった。

 

 

 

 

 

 

 

「飲んで」

 

中に通され、四角形の椅子を囲むように座らされると、魔族はお茶を出して来た。

 

「ハイター」

 

「毒の反応はありません。大丈夫ですよ」

 

「そうか、なら有り難くいただこう」

 

ヒンメル達がお茶を飲む。魔族はジッとそれを見ていると、フリーレンは魔族の方見て口を開いた?

 

「お前、師匠って言っていたけど、本当に黒騎士の弟子なの?」

 

「うん」

 

「何故アイツに従っている?」

 

「師匠が、言う事を聞くなら殺さないって言ってくれたから」

 

「人を殺したり、食べたりした事は?」

 

「無い、生まれて直ぐに師匠に見つかって、育てられた。人間に害を加えたら、命を奪うって言われ続けてきた」

 

「……そっか…アイツ、一体どういうつもりなんだ…?」

 

「……君、名前は?」

 

「リーニエ」

 

「そっか、リーニエ。君は黒騎士からどんな事を教わっているんだ?」

 

「師匠は、私に近接での戦闘技術や、色んな生き物や植物の事、ご飯の作り方を教えてくれる」

 

勇者一行は、デーゲンブレヒャーが戻ってくるまでリーニエから色々な話を聞く事にした。

 

「師匠は私を連れて南の勇者と一緒に……」

 

「クヴァールとリヴァーレに襲われて…」

 

「そこで別れて……」

 

 

 

 

 

 

「化け物だな……」

 

黒騎士の話をリーニエから聞いたヒンメルの一言はそれだった。

 

「しかしなるほど…魔族であるにも関わらず魔力を持たず、代わりに強靭な肉体と優れた五感を持つと…」

 

「ああ、それにデーゲンブレヒャーの身体は魔法に対しても強い耐性を持つ。今の人類の装備の魔法耐性なんか、彼女の肉体に比べれば紙みたいなものだ」

 

「正しく、天性の武者。という訳だな」

 

「……そろそろ帰って来ると思う……来た」

 

リーニエが窓の外を確認しながらそう言うと、大量の獲物を背負いながら近づいて来る魔族の姿があった。

 

リーニエが外に出て、ヒンメル達もそれを追う。

 

「リーニエ、出迎えありがとう。それに…フリーレン、久しぶりね」

 

「そうだね。久しぶり、デーゲンブレヒャー」

 

「そちらの方はお仲間の勇者達でしょう。少し待ってちょうだい、着替えて晩御飯を用意…」

 

「それは私がやるから、師匠は勇者達と話してて」

 

「そう?……分かった、ありがとう、リーニエ」

 

そうしてデーゲンブレヒャーは着替えた後に、リーニエが料理を用意するまで話をする事にしたのだった。

 

「フリーレンやリーニエから聞かされてると思うけど、自己紹介させてもらうわ。デーゲンブレヒャーよ、この名を知る者は殆どいないから、人類からは黒騎士と呼ばれているけれど」

 

「勇者ヒンメル、会えて嬉しいよ」

 

「知ってるけど、魔法使いフリーレン」

 

「戦士アイゼンだ」

 

「僧侶のハイターです」

 

自己紹介を済ませた後にデーゲンブレヒャーは早速本題に入った。

 

「それで、態々私に会いに来た理由は何かしら?」

 

「ああ、知ってると思うけど、僕達は魔王討伐を目指している。北側諸国に入ってここまで進んで来た。だけど、ここからの道は更に険しくなってくると思う…デーゲンブレヒャー、君には僕達に協力して欲しいんだ。南の勇者と共に戦ったのと同じようにね」

 

「なるほど……やっぱり、そういう話ね…」

 

「やっぱり?」

 

「予想が当たっただけよ、気にしないでちょうだい」

 

(彼の言う通りね…なら…)

 

「いいわ、手伝ってあげる。ただし、こちらのお願い事を聞いてくれたらね」

 

「聞こう。どんな願いなんだ?」

 

「判断が早いわね、良い事よ。けれど残念ね、私がお願いしたいのはフリーレンによ」

 

「私?」

 

デーゲンブレヒャーはフリーレンを見て話を続ける。

 

「フリーレン、貴女がリーニエに魔法を教える事。それが私があなた達の旅に同行する条件よ」

 

「!私が、魔族に…?デーゲンブレヒャー、ふざけてるの?」

 

フリーレンが少し表情を険しくするが、デーゲンブレヒャーは気にせずに続ける。

 

「ふざけてないわ。知っての通り、私は魔法が使えないどころか魔力すらない魔族の不良品…リーニエには戦士としての才もあるけど、魔法使いとしての才もあるわ。それを無駄にしたくないだけ」

 

「……デーゲンブレヒャー、何でリーニエの面倒を見てるの?アレはお前が殺してきた魔族となんら変わりない、君とは違う、普通の魔族だ」

 

「……そうね、元々はそうだった。けれど、リーニエの持つ常識は一般的な魔族の常識とは別の物になったわ」

 

「どういう事?」

 

「あの子が生まれてから最初に出会った魔族は、私よ。そのせいで、あの子は狂ってしまった。気付いているでしょ、フリーレン。私には分からないけれど、あの子は…」

 

()()()()()()()()()()()。まだ拙いけど、このまま生きていけばそれが自然になるだろうね」

 

「そう、貴女とフランメの話をしたら勝手にやり始めたのよ。魔族としては、本来あり得ないのでしょう?」

 

「…そうだね、認めるよ。リーニエは君ほどじゃないけど異質な魔族だ」

 

「リーニエとの付き合いも長くなったわ100年と少しってところかしら。だから…あの子には人を殺して欲しくない。出来るだけ多くのものを見て、沢山の事を感じて欲しい。かつての私のように」

 

デーゲンブレヒャーは優しい表情をしながらそう言った。フリーレンはそんな表情を見てどうするべきか悩んでいると…

 

「フリーレン、僕からも頼む」

 

「ヒンメル…」

 

ヒンメルは少し笑うとフリーレンの説得を始めた。

 

「確かに魔族は危険だ。けど、目の前にいる魔族は人類の為に1000年も戦い続けている英雄だ、その魔族を狩り続けた英雄が唯一認めた魔族がリーニエなんだ、少しは信じてやってもいいんじゃないか?」

 

「………」

 

「それに…」

 

「それに…?」

 

「お茶は美味しかった」

 

「………」

 

「そうですね、彼女は私達をしっかりもてなしてくれました」

 

ヒンメルの言葉にハイターは同意し、アイゼンもそれに頷く。

 

「それに同じ戦士として、黒騎士の武勇を間近で見られる機会は逃したくないな」

 

「……はぁ、分かったよ…あんまり気乗りしないけど…」

 

「交渉成立ね、あなた達の旅に同行させてもらうわ」

 

話が終わると、リーニエがキッチンの方からやって来る。

 

「師匠、ご飯作ったから、運ぶの手伝って」

 

「分かったわ。それじゃ、四人はゆっくりしてて」

 

その後は6人で仲良く食卓を囲み、数日後には勇者一行にデーゲンブレヒャーとリーニエを加えたメンバーで出発したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ、何でリーニエは魔力を制限しているの?」

 

「…何でそんな質問するの?」

 

旅を再開してから少し経った頃、フリーレンはリーニエに修行をつけながらそんな質問をした。

 

「だって、普通魔族って普段から魔力制限なんてしないよ」

 

「そうだね、師匠に殺された魔族は皆そうだった」

 

「でしょ?なのに…」

 

「皆師匠に殺されたから、それはダメだと思った」

 

「おおう…」

 

「師匠は私が殺した魔族と同じようになるなって言う。だから普通の魔族とは違う事をする」

 

「それが魔力制限か……少し同情するよ、最初に会った同族がアイツじゃなければ…」

 

「?何で?私は、師匠の言う通りにしてるから生きていられる。きっと言う通りにしなかったら死んでた」

 

「…そうだね。リーニエは、死にたくないから彼女の言う通りに生きてるの?」

 

リーニエはフリーレンの質問に対して少し考える。そして口を開いた。

 

「最初はそうだったけど、今はそれが普通になった。人間を傷つけない事、仲良くする事。師匠は私に『人間に優しくしたいと思えるような魔族になりなさい』って言った。まだ、人間の生活には分からない事が沢山あるけれど…けど…」

 

「けど?」

 

「南の勇者が死んだって師匠に言われた時、私は…魔王軍の事を、敵だって考えるようになった。それを師匠に言ったら、師匠は褒めてくれた」

 

「…そっか…じゃあ、修行を続けよう。リーニエ」

 

「うん、先生」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「最近、フリーレンとリーニエは上手くやれてそうね」

 

「ああ、リーニエは良い子だ。その内フリーレンも完全に心を開いてくれるよ、君のようにね」

 

「それならいいのだけど…」

 

修行をするリーニエとフリーレンを遠目で見守りながら、デーゲンブレヒャーとヒンメルは会話をしていた。

 

「なぁ、デーゲンブレヒャー。君はどうして、人間に味方すると決めたんだ?」

 

「…いきなりどうしたのかしら」

 

「君が普通の魔族と違って、人と変わらない心を持っているのは分かっている。けれど…君と共に戦う中で少し感じたんだ。君は…魔族を殺す事にあまりに迷いが無い」

 

「1000年も戦っていればそうなるわよ」

 

「けれど、仮にも同族──」

 

その瞬間、ヒンメルの首には黒い刃が添えられていた。

 

「あらごめんなさい、つい」

 

デーゲンブレヒャーは直ぐに剣を納める。ヒンメルはホッとすると、デーゲンブレヒャーは空を見上げて言う。

 

「あまり良い話じゃないけれど。それでもよければ」

 

「構わない、君の事を知りたいんだ」

 

「…私が生まれた日、時期は冬だったわ。強い吹雪が続いていて、私は訳も分からず、服も無いまま雪原を彷徨っていたの。そうしたら……」

 

 

 

 

 

 

 

 

デーゲンブレヒャーは、ある村に拾われた。最初は受け入れてくれる人間の方が少なかったが、時間と共に彼女は認められ、受け入れられていった。

 

「○○この前は荷物を運んでくれてありがとう!」

 

「○○は今日も沢山狩ってきたな…」

 

「○○が魔物を倒してくれて助かったよ!」

 

この頃は違う名で呼ばせていたが、それがなんなのかは思い出せない。しかし彼女は頼れる村の一員として、平穏な生活をしていた事だけは、はっきり覚えている。

 

「今日は獲物が大量だったわね…皆喜ぶかしら」

 

その日もいつも通りに狩りをして、村に戻る途中だった。しかし…

 

「………っ!?」

 

何かを察知したデーゲンブレヒャーは、その場に狩った獲物を捨て置き、全速力で駆け出した。

 

村から火が上がっているのを捉え、そして、死臭が鼻に入って来るのを感じた。

 

「あ……あ……!」

 

村に入ると、そこには大量の村人達の死体と、それを貪っている、魔族の姿があった。

 

「……?何だ貴様…魔力を全く感じない…?まあいい、ここにいた人間なら皆殺しにしたぞ」

 

その魔族の言葉を聞いて、デーゲンブレヒャーはその魔族をジッと見る。

 

「…何だその目は…ああそうか…ほら、少し分けてやる。食べていいぞ」

 

魔族はそう言って、彼女の前に食べかけの腕を投げた。デーゲンブレヒャーの視覚と嗅覚は、その腕の形と僅かに残った匂いから、その腕の持ち主を判別した。それは、デーゲンブレヒャーを拾ってくれた村長の腕だった。

 

(─────)

 

彼女の心がドス暗い感情で埋め尽くされていく。目の前の魔族はそんな事も知らずに食事に夢中だ。

 

(────ない)

 

デーゲンブレヒャーは激しい怒りが湧いてくるのを感じた。その理由は三つ。

 

(ゆるさない)

 

一つ、村人達を殺した事。

 

(許さない)

 

二つ、村人達を食べた事。

 

(許さないっ!!!)

 

三つ、自分を同族扱いした事。

 

ドンッ!!音が響き、次の瞬間には、その魔族の心臓をデーゲンブレヒャーの手刀が貫いていた。魔族は驚愕し、訳も分からぬまま「な…ぜ…」と呟いて魔力の塵となった。

 

この日から彼女は魔族の絶対的な敵対者となった。

 

 

 

 

 

「どう?いい話じゃなかったでしょう」

 

「そうだね…けれど、聞いて良かったと思うよ。それじゃ、リーニエは?」

 

「…似ていたのよ、生まれたばかりの私と。そんな些細なきっかけだったわ。今では、その選択をして良かったと、心の底から思っているけど」

 

「…そうか」

 

「それにしても、楽しみね」

 

「何がだ?」

 

「私が恨み続けた魔族の親玉との決着を、間近で見る事が出来る事がよ」

 

「……そうだな、楽しみだ」

 

お互いに顔を見合わせ、微笑み合う。僅か魔王討伐から一ヵ月前の会話であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「王都が見えてきたね」

 

「私達、勇者一行の凱旋です。盛り上がっているでしょうね」

 

魔王を討伐した勇者一行は、王都へと凱旋していた。

 

「…今更だけれど、本当に私達がついて来て良かったのかしら」

 

「当たり前さ、君達の陽動のお陰で僕たちは魔王との戦いに専念出来たんだ。二人も魔王討伐を共に成し遂げた仲間なんだ」

 

「……そう。まぁ、住んでいた場所の領主からは書状も貰ったし。大丈夫だとは思うけれど…」

 

デーゲンブレヒャーとリーニエも、ヒンメル達に同行していた出迎えのパレードで最初は王都の人々も驚いていたが、デーゲンブレヒャーが黒騎士だとヒンメルが伝えると喜んで迎え入れた。

 

「勇者ヒンメル、戦士アイゼン、僧侶ハイター、黒騎士デーゲンブレヒャー、魔法剣士リーニエ。此度は、よくぞ魔王を討ち倒した。これで、世界に平和な時代が訪れよう」

 

国王からのお言葉をいただき、その後一行は、王都で開かれるお祭りに参加する事にした。

 

「リーニエ、お祭りは楽しい?」

 

「分からない。けど、このリンゴは美味しい。沢山貰った」

 

「そう、良かった。私達の像が王都に建てられるそうよ、旅に加わったのはたった数ヶ月だけだったのに」

 

「像……師匠、それはどんな意味があるの?」

 

「…そうね、出来るだけ長く、英雄が忘れ去られる事が無いように、とかかしら。人間は世代交代が頻繁に起きるから、こうする必要があるのよ」

 

「ふーん……そっか、ヒンメルやハイターは、私たちよりずっと寿命が短いんだ」

 

「そうよ。まぁだからこそ、人間はその短い生に強い光を生み出すのでしょうね。彼もそうだった」

 

「彼って、南の勇者?」

 

「……そうよ、彼は凄い人間だったでしょう?」

 

「うん」

 

(……今の話で、直ぐに彼の事が思いつく辺り、やっぱりリーニエの中での彼の存在は、大きいのね)

 

「ヒンメル達に合流しましょう」

 

「分かった」

 

二人はヒンメル達の方に向かう。四人は何やら楽しそうに話していた。

 

「四人とも、なんだか楽しそうね」

 

「ああ、デーゲンブレヒャー、リーニエ。二人も楽しんでいるかい?」

 

「ええ、とても」

 

「リンゴ、美味しい……ん、師匠、空が…」

 

リーニエの言葉に釣られ、デーゲンブレヒャーは空を見上げると、流れ星が見えた。

 

「そろそろか」

 

アイゼンがそう呟く。すると流れ星が次々と流れていく。

 

「エーラ流星…でしたっけ?」

 

「50年に一度の、流星群…平和の時代の幕開けには、丁度いいな……綺麗だな…」

 

「街中だと見えにくいな」

 

「人が感動しているんだ、空気を読みたまえ」

 

「確かに、森の中で見た時はもっと光が強かった」

 

「リーニエまで…」

 

フリーレンとリーニエの言葉にヒンメルは苦笑すると、それを見たフリーレンは…

 

「じゃあ、次」

 

と言った、ヒンメルが?を浮かべながらフリーレンを見る。

 

「50年後、もっと綺麗に見える場所知ってるから案内するよ」

 

「──ふっ、ははははは、んふ…」

 

「何?」

 

「いや…なんでもない…そうだな……皆で見よう。この6人で…」

 

 

 

 

 

「じゃあ、私はここで」

 

翌日、フリーレンが一行から離れ旅を続けるので、ヒンメル達はお見送りに来ていた。

 

「これからどうするつもりだ?」

 

「魔法の収集を続けるよ。100年くらいは中央諸国を巡る予定だから、まぁ、偶には顔を見せるよ」

 

そう言ってフリーレンは歩いて行った。

 

「エルフの感覚は、分かりませんね」

 

「全く、いつから生きているのやら…」

 

「50年も100年も、彼女にとっては些細なものなのかもしれませんね」

 

「けれど、エルフも人も魔族も…変わるのには1年もあれば充分よ。きっと、フリーレンはあなた達との旅で大きな変化をしたと、私は思うけど」

 

「…そうだね、きっとそうだ……そう言えば、二人はこれからどうするんだ?」

 

「そうね…魔王も死んで、暫くは他の魔族も大人しくなるでしょうし…どうしたものかしら…」

 

「…特に予定が無いなら、二人には頼みたい事があるんだ」

 

「頼みたい事?」

 

「ああ……()()()()()の監視を、して欲しいんだ」

 

 

 




意外とデーゲンブレヒャーさんの口調が難しいんだわ。イベントしっかり読もうかな…てか早よ実装イベ来て?
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