lobotomy chronicle ~目指すはありふれた結末~   作:暇なグリッチ

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来ましたハルツィナ樹海。もうハウリアの兵隊化は目前.....


act14 ハルツィナ樹海

俺たちは樹海を目指し、今のそれなりに早いペースで進んでいた。プロトターボが「体が疼きに疼きまくってるからウィリーしちゃうくらい飛ばしてもいい?」とかふざけたことほざくたびに引っ叩いている。ハウリア族は俺がプロトターボのことを説明すると大人たちは驚き、子供たちは最初驚くものの今ではすっかりプロトターボに懐いている。

ちなみに俺は今ユエとシアに挟まれながら運転している。さっきからやけにシアが上機嫌でなんだかやりにくい....

 

ユエ「...政宗、どうして1人で戦ったの?」

政宗「あー.....」

 

さっきの帝国兵との戦い.....いや、俺が初撃しただけで他は鳥たちが蹂躙しててもはや戦いとも言えないんだが.....俺はその時にユエには手を出さないように言っていた。

 

政宗「.....色々試したいことがあったんだ」

ユエ「.....確かめたいこと?」

政宗「あぁ、人を殺すと言うのに俺が一体何を感じるのか、人が死んだのをどう思うのかだ」

政宗「.....人を殺すのにあまり抵抗はなかった。.....人の死体も、やはり初めて見たような気がしなかった」

ユエ「.....そう.....大丈夫?」

政宗「ありがとうな、大丈夫だ......」

 

俺はずっと疑問に思っている。なぜ死体を見てもどこか初めてな気がしないのか。なぜ死体を見ると....何か思い出してはいけない何かにさらにノイズがかかるのか。.....いつかわかるのだろうか、これは。俺が考え込んでいるのを見たのかシアが話を変えてきた。

 

シア「あの、あの!政宗さんとユエさんのこと、教えてくれませんか?」

政宗「.....奈落のことか?」

シア「はい!あとこの旅の目的とか、今まで何をしていたのか、お二人のことが知りたいです!」

ユエ「.....聞いてどうするの?」

シア「どうするというわけではなく、ただ知りたいだけです。......私、この体質のせいで家族には沢山迷惑をかけました。小さい時はそれがすごく嫌で.....もちろん、皆はそんな事ないって言ってくれましたし、今は、自分を嫌ってはいませんが......それでも、やっぱり、この世界のはみだし者のような気がして.....だから、私、嬉しかったのです。お二人に出会って、私みたいな存在は他にもいるのだと知って、一人じゃない、はみだし者なんかじゃないって思えて.....勝手ながら、そ、その、な、仲間みたいに思えて.....だから、その、もっとお二人のことを知りたいといいますか......何といいますか....」

 

シアは話の途中で恥ずかしくなってきたのか、次第に小声になって俺の背に隠れるように身を縮こまらせた。まぁ減る物でもないし、俺たちはこれまでの経緯を教えた....そしてもちろん予想通り

 

シア「うぇ、ぐすっ.....ひどい、ひどすぎまずぅ~、政宗さんもユエさんもがわいぞうですぅ~。そ、それ比べたら、私はなんでめぐまれて.....うぅ~、自分がなざけないですぅ~」

政宗「別に俺の経緯そんなだけどな.....」

ユエ「......裏切られて奈落に落とされた時点で十分辛い」

政宗「.....まぁ、そうか」

 

俺の感覚をおかしくなってるな、まぁ原作基準で考えてしまってるからな.....

 

シア「政宗さん!ユエさん!プロトターボさん!私、決めました!お三方の旅に着いていきます! これからは、このシア・ハウリアが陰に日向にお三方を助けて差し上げます! 遠慮なんて必要ありませんよ。私達はたった四人の仲間。共に苦難を乗り越え、望みを果たしましょう!」

 

だがその言葉を言われた俺は思わず困惑の表情になり、ユエは冷たい視線を送り、プロトターボに限っては「んん?」と俺と同じく困惑を露わにしている

 

プロトターボ「え?いや、なんでそうなるん....?」

政宗「......そもそも弱いだろ、お前」

ユエ「....それに、きっと旅の仲間が欲しいだけ」

シア「?!」

 

ユエの言葉に、シアの体がビクッと跳ねる。

 

政宗「一族の安全が一先ず確保できたら、お前、アイツ等から離れる気だろう? そこにうまい具合に〝同類〟の俺たちが現れたから、これ幸いに一緒に行くといったところか。そんな珍しい髪色の兎人族なんて、一人旅出来るとは思えないからな」

シア「.....あの、それは、それだけでは.....私は本当にお二人を.....」

政宗「.....言っておくが別に責めているわけではない。ただ俺たちの旅の目的は七大迷宮の攻略。出てくる魔物たちは例外になく化け物だろうな。....今の弱いお前がついて来れるはずがない。無理だ。」

シア「.....」

 

そして数時間が経ち、ついにハルツィナ樹海へと到達した.....ここでハウリアは戦闘民族と化したんだな。俺、兵隊の育て方なんて知らないんだが....ちなみに気配を消せと言われて消したら案の定弱めろと言われた。....加減少し下手になってないか?俺

そして出てきた魔物たちはバグヴァイザーⅡで撃ち落としたり、あのシアと男の子を襲った猿を黄昏で首を落とすと男の子は俺をヒーローみたいに見ていた。心なしか原作よりも目が輝いている気がする。....もう厨二病の片鱗見えてないか?そして進んでいると虎模様の耳と尻尾を持った筋骨隆々の亜人に道を塞がれた。

 

「お前達.....何故人間といる! 種族と族名を名乗れ!」

 

相手は俺たちといるハウリアを裏切り者のように睨んでいる。.....いや、分かってはいたがやはり面倒だな。ユエもかなり面倒そうだ。プロトターボは.....立ったまま寝ている?!いつの間に?!というかいつから人間形態になっていた?!

 

シア「あ、あの私達は.......」

「白い髪の兎人族.....だと?.....貴様ら.....報告のあったハウリア族か.....亜人族の面汚し共め!長年、同胞を騙し続け、忌み子を匿うだけでなく、今度は人間族を招き入れるとは!反逆罪だ!もはや弁明など聞く必要もない!全員この場で処刑する!総員かッ!?」

 

バシュン!

 

.....俺はバグヴァイザーⅡを容赦なく撃ち、虎の亜人の頬を掠る。奴の言葉に何故か怒りを覚えた。シアがどうとかそんな話ではない。....なんだ?もっと自分の触れてはいけない何かを刺激された感覚があった.....俺の怒りはまだ収まらず、私は奴に威圧を加えた言葉で喋りかける。

 

政宗「....発言を控えろ、虎の亜人。先程の発言、かなり癪に来た。今の私はかなり不愉快だ.....私は先ほど撃った攻撃を何度も連射できる。お前たちの魔法よりももっと早く、そして強い攻撃をな。」

「な、なっ.....詠唱がっ.....」

政宗「発言を控えろと言っただろう、お前の耳は節穴か?それに、仲間の位置も全て把握している。どれ、余計なことを言ったら全員の頭が吹っ飛ぶかもな?」

「なっ....あっ......」

 

奴は私の発言に対し様々な感情が渦巻き処理しきれていないのか、言葉すら出せなくなっていた。

 

政宗「言っておくが戦いにおいて私は一切容赦するつもりはない。敵になるなら.....お前たちを誰1人生き残らせないぞ」

 

俺はさらに言葉を続ける

 

政宗「さぁ、ここで帰れば見逃してやる。殺す理由もないからな。さぁ、選べ、恥をかいて逃亡か、誇りをかけて絶望か。」

 

虎の亜人は確信したんだろう。攻撃命令を下した瞬間、先程の閃光が一瞬で自分達を蹂躙することを。その場合、万に一つも生き残れる可能性はないということを。....顔がまるでそう語っている。大正解だな。

 

「........その前に、一つ聞きたい」

政宗「.....なんだ?」

「......何が目的だ?」

政宗「簡単な話だ。樹海の深部、大樹の下へ行く」

「大樹の下へ.....だと?何のために?」

政宗「そこにおそらく本当の大迷宮への入り口があるだろうからだ。俺たちの目的は七大迷宮の攻略。ハウリアはその案内役だ」

「本当の迷宮?何を言っている?七大迷宮とは、この樹海そのものだ。一度踏み込んだが最後、亜人以外には決して進むことも帰る事も叶わない天然の迷宮....「それはないだろう」.....なんだと?」

政宗「大迷宮というにはここの魔物はあまりにも弱すぎる。大迷宮の魔物は例外なく化け物だ。オルクスの奈落もそうだった。なにより大迷宮とは解放者が残した試練。亜人族が簡単に深部にいけるなら試練には到底ならん」

「......」

 

虎の亜人は俺の言ってることがやはりわからないらしい。まぁ、何も知らないわけだから当然だな。

 

「.....お前が、国や同胞に危害を加えないというなら、大樹の下へ行くくらいは構わないと、俺は判断する。部下の命を無意味に散らすわけには行かないからな」

 

その言葉に周囲の亜人族が動揺している。人間族を見逃すのは異例だったからだろう。

 

「だが、一警備隊長の私ごときが独断で下していい判断ではない。本国に指示を仰ぐ。お前の話も、長老方なら知っている方もおられるかもしれない。お前に、本当に含むところがないというのなら、伝令を見逃し、私達とこの場で待機しろ」

政宗「....わかった。待っておこう。何一つ間違わずに報告させろ。いいな?」

「無論だ。ザム!聞こえていたな!長老方に余さず伝えろ!」

「了解!」

 

そして俺が警戒を解いた今なら殺れると思った一部の亜人が戦闘体制に入る。

 

政宗「....やるか?これを使わずとも襲ってきた瞬間にこの大剣を薙ぎ払うだけでお前たちの首を飛ばせると思うが」

「.....いや。だが、下手な動きはするなよ。我らも動かざるを得ない

政宗「はっ、当たり前だ。」

 

そして一時間ほど立った頃か、数人の新たな亜人が現れた。

 

「ふむ、お前さんが問題の人間族かね?名は何という?」

政宗「南雲政宗だ。お前は?」

「私は、アルフレリック・ハイピスト。フェアベルゲンの長老の座を一つ預からせてもらっている。さて、お前さんの要求は聞いているのだが……その前に聞かせてもらいたい。〝解放者〟とは何処で知った?」

政宗「オルクスの奈落の底で解放者のうち1人、オスカー・オルクスの隠れ家で知った。」

「ふむ、奈落の底か.....聞いたことがないがな.....証明できるか?」

政宗「....これで満足か?」

 

俺は宝物庫からいくつかの地上の魔物では考えられない質の魔石をいくつか取り出し、アルフレリックに渡す。

 

「こ、これは......こんな純度の魔石、見たことがないぞ....」

 

アルフレリックの隣にいた虎の亜人が頭を挙げ思わずそう声を上げた。

 

政宗「それと、これもどうだ。」

 

俺はオルクスの指に付いていた指輪を見せる。アルフレリックは思わず目を見開いている。

 

「なるほど.....確かに、お前さんはオスカー・オルクスの隠れ家にたどり着いたようだ。他にも色々気になるところはあるが.....よかろう。取り敢えずフェアベルゲンに来るがいい。私の名で滞在を許そう。ああ、もちろんハウリアも一緒にな」

 

そういうと、無論声を上げ、抗議の声を上げる亜人もいる。その亜人族にアルフレリックは厳しい表情で宥める

 

「彼等は、客人として扱わねばならん。その資格を持っているのでな。それが、長老の座に就いた者にのみ伝えられる掟の一つなのだ」

プロトターボ「ちょっと待った。少しいいか?俺らはあくまで大樹に行きたいのであって、別にフェアベルゲンに行きたいわけじゃないんだけど.....」

「いや、お前さん。それは無理だ」

プロトターボ「え?」

「大樹の周囲は特に霧が濃くてな、亜人族でも方角を見失う。一定周期で、霧が弱まるから、大樹の下へ行くにはその時でなければならん。次に行けるようになるのは十日後だ。.....亜人族なら誰でも知っているはずだが.....」

プロトターボ「......おっとぉ?」

カム「あっ」

 

そうだ、今すぐはいけないんだった.....カムが今思い出したような顔をしている。

 

政宗「ッスー......」

カム「あっ、いや、その何といいますか.....ほら、色々ありましたから、つい忘れていたといいますか.....私も小さい時に行ったことがあるだけで、周期のことは意識してなかったといいますか.....」

カム「....ええい、シア、それにお前達も!なぜ、途中で教えてくれなかったのだ!お前達も周期のことは知っているだろ!」

シア「なっ、父様、逆ギレですかっ! 私は、父様が自信たっぷりに請け負うから、てっきりちょうど周期だったのかと思って......つまり、父様が悪いですぅ!」

「そうですよ、僕たちも、あれ? おかしいな? とは思ったけど、族長があまりに自信たっぷりだったから、僕たちの勘違いかなって.....」

「族長、何かやたら張り切ってたから.....」

 

そして始まる責任のなすりつけ合い。それに痺れを切らしたのは俺でもユエでもなく.....プロトターボだった。

 

プロトターボ「お前らァ......いい加減に!しやがれぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

 

―――― アッーーーー!!!

 

プロトターボがバイク形態になり、ウィリーの体制になるとブンブン回り始めそれは竜巻となり、ハウリア族を吹っ飛ばした。....反省しろ




プロトターボくんは空気読んで喋ってなかったんで鬱憤たまってたんですね、仕方ないね
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