lobotomy chronicle ~目指すはありふれた結末~ 作:暇なグリッチ
俺達は今、プロトターボに乗り遠くに見える街を目指している。....大樹のくだり?全部飛ばすぞ、なんか作者の気力が持たんらしい。にしても町....か、人がいる町は久しぶりだから少し楽しみになってきた。思わず頬が緩む。
シア「......機嫌がいいなら、いい加減、この首輪取ってくれませんか?」
なんか不安をぶつぶつ垂らしているやつがいるが無視だ無視。
政宗「プロトターボ、ここらへんで人間に戻れ」
プロトターボ「へーい」
流石にいきなり謎の乗り物に乗ってきたとなれば騒ぎに間違いなくなる。そいつは面倒だからな。
そして遂に町の門までたどり着いた。
「止まってくれ。ステータスプレートを。あと、町に来た目的は?」
政宗「食糧の補給だ。旅の途中でな」
ふ~んと気のない声で相槌を打ちながら俺のステータスプレートを見る門番の男。....あ、全部規制済みになってたんだった
政宗「あぁ、すまんな。前に魔物に襲われたことで少しおかしくなったらしい。普通あり得んだろう?全部規制済みなど」
「い、いやな。しかし....」
政宗「俺もあまりわかってないんだ。そういうことでどうか呑み込んでくれ」
「ま、まぁそう言うことにしておくよ。何事も初めてはというのはあるしな....そっちの三人は....」
政宗「さっきの魔物の襲撃で無くしたんだ。こっちの兎人族は....わかるだろう?」
プロトターボ「すんません色々迷惑かけちゃって....」
こいつこんな柔らかい態度取れたんだな.....なんか引くわ「引くな!」...なんで入ってきてるんだお前は。門番の男は俺にステータスプレートを返す。
「それにしても随分な綺麗どころを手に入れたな。白髪の兎人族なんて相当レアなんじゃないか? あんたって意外に金持ち?」
政宗「....」
ま、答えるだけ無駄だ。嫉妬の視線などとっくに慣れたからな。
「まぁいい。通っていいぞ」
政宗「感謝する。おっと、素材の換金所はどこだ?」
「あん?それなら、中央の道を真っ直ぐ行けば冒険者ギルドがある。店に直接持ち込むなら、ギルドで場所を聞け。簡単な町の地図をくれるから」
政宗「それは親切なことだな。感謝する」
そうして俺たちは門を潜る。人の活気を見るのはやはり久しぶりに感じる。すると涙目のシアが目についた。
政宗「なんだ?そんなに不満そうにして....」
シア「これですよ!この首輪!これのせいで奴隷と勘違いされたじゃないですか!政宗さん、わかっていて付けたんですね!うぅ、酷いですよぉ~、私達、仲間じゃなかったんですかぁ~」
政宗「いやな?それがないと困ることしかないんだよ。いいか?奴隷でもない亜人族、それも愛玩用として人気の高い兎人族が普通に町を歩けるわけないだろう?ましてや、お前は白髪の兎人族で物珍しい上、容姿もスタイルも抜群。断言するが、誰かの奴隷だと示してなかったら、町に入って十分も経たず目をつけられるぞ。後は、絶え間無い人攫いの嵐だ。そんなことになってみろ。面倒な他なi.....なんだこの動きは」
シア「も、もう、政宗さん。こんな公衆の面前で、いきなり何言い出すんですかぁ。そんな、容姿もスタイルも性格も抜群で、世界一可愛くて魅力的だなんてぇ、もうっ!恥かしいでっぶげら!?」
そんな風に調子に乗って話を盛るシアの頬に、ユエの黄金の右ストレートが突き刺さる。可愛げの欠片もない悲鳴を上げて倒れるシア。身体強化していなかったので、別の意味で赤くなった頬をさすりながら起き上がる。
ユエ「.....調子に乗っちゃだめ」
シア「.....ずびばぜん、ユエざん」
プロトターボ「うん、今回はお前が悪いな」
シア「てか見てるなら少しくらい擁護してくださいよプロトターボさん!」
プロトターボ「だってキャットファイトになんか入りたくないですしおすし....」
シア「薄情ですぅ!」
政宗「まぁとりあえずな?こういう人間のテリトリーではむしろその奴隷って立場がお前を守ってるんだ。いいな?」
シア「それは....わかりますけど.......」
納得し難いようで不満そうな表情のシア。そんな彼女にユエが声をかける
ユエ「......有象無象の評価なんてどうでもいい」
シア「ユエさん?」
ユエ「......大切な事は、大切な人が知っていてくれれば十分。.....違う?」
シア「..............そう、そうですね。そうですよね」
ユエ「......ん、不本意だけど......シアは私が認めた相手......小さい事気にしちゃダメ」
シア「.....ユエさん......えへへ。ありがとうございますぅ」
プロトターボ「そうそう、俺もいるから安心しろって!」
シア「はいっ!」
政宗「それに、奴隷じゃないとバレて襲われようが見捨てはしない」
シア「街中の人が敵になってもですか?」
政宗「はっ.....帝国兵を敵に回したのは誰だと?」
シア「じゃあ、国が相手でもですね!ふふ」
政宗「国どころではない。神が相手でもだ」
シア「くふふ、聞きました? ユエさん。政宗さんったらこんなこと言ってますよ?よっぽど私達が大事なんですねぇ~」
ユエ「......政宗が大事なのは私だけ」
シア「ちょっ、空気読んで下さいよ!そこは、何時も通り『…ん』て素直に返事するところですよ!」
プロトターボ「お熱いなぁお前らは....」
そういえばプロトターボは俺の....不本意ではあるんだが俺のハーレムに嫉妬などはしないのだろうか。正直肩身狭いと思うんだが....
政宗「あぁ、その首輪だが、念話石と特定石が組み込んであるから、必要なら使え。直接魔力を注いでやれば使えるからな」
シア「念話石と特定石ですか?」
ちなみに念話石と特定石は忘れていたため樹海で作っておいた。あの時は暇だったんだ。俺が二つの石について説明すると感心の声を上げるシア。
政宗「あぁ、その首輪一定の魔力を流したら外れるからな」
シア「なるほどぉ~、つまりこれは……いつでも私の声が聞きたい、居場所が知りたいという政宗さんの気持ちというわけですね?もうっ、そんなに私の事が好きなんですかぁ? 流石にぃ、ちょっと気持ちが重いっていうかぁ、あっ、でも別に嫌ってわけじゃなくッバベルンッ!?」
ユエ「........調子にのるな」
シア「ぐすっ、ずみまぜん」
そんな風に仲良く?メインストリートを歩いていき、一本の大剣が描かれた看板を発見する。俺は看板を確認すると重厚そうな扉を開き中に踏み込んだ。....うん、やはり綺麗だ。ちょっかいをかけられることはなさそうだが「厨二病か?」と言いたげにこちらを見ている奴らは殴ってもいいんだな?受付は.....もちろん美人であるはずがない
「両手に花を持っているのに、まだ足りなかったのかい?残念だったね、美人の受付じゃなくて」
政宗「.....言い方に語弊ができるかもしれないが最初から期待してないぞ」
「あはははは、女の勘を舐めちゃいけないよ? 男の単純な中身なんて簡単にわかっちまうんだからね。あんまり余所見ばっかして愛想尽かされないようにね?」
政宗「....わかっている」
なんだこの見透かされている感じ.....ちょっと気味が悪く感じてしまうな
「さて、じゃあ改めて、冒険者ギルド、ブルック支部にようこそ。ご用件は何かしら?」
政宗「素材の買取を」
「素材の買取だね。じゃあ、まずステータスプレートを出してくれるかい?」
政宗「あぁ、ステータスプレートの提示がいるのか?」
「あんた冒険者じゃなかったのかい?確かに、買取にステータスプレートは不要だけどね、冒険者と確認できれば一割増で売れるんだよ」
政宗「ほぅ......」
確かそんな制度あったな.....
「他にも、ギルドと提携している宿や店は一~二割程度は割り引いてくれるし、移動馬車を利用するときも高ランクなら無料で使えたりするね。どうする?登録しておくかい?登録には千ルタ必要だよ」
政宗「なるほどな。それなら登録させてもらう。だが生憎持ち合わせがないものでな。買取金額から差し引いて欲しい。もちろん最初の買取金額はそのままで構わん」
「可愛い子二人もいるし、お仲間さんもいるのに文無しなんて何やってんだい。ちゃんと上乗せしといてあげるから、不自由させんじゃないよ?」
プロトターボが「そーだそーだ!」とか茶化してきたからこかしてやったら盛大に笑われていた。そら見たことか。
....まぁステータスプレートは規制済みにしておいた。おばさんは一瞬驚くが何か察したのか何も言わなかった。普通に助かるな。
「男なら頑張って黒を目指しなよ? お嬢さん達にカッコ悪いところ見せないようにね」
政宗「言われなくてもわかってるさ。それで?買取はここでいいのか?」
「構わないよ。あたしは査定資格も持ってるから見せてちょうだい」
そして俺はあらかじめ宝物庫から出しておいた素材を出す。
「こ、これは!」
恐る恐る手に取り、隅から隅まで丹念に確かめる。息を詰めるような緊張感の中、ようやく顔を上げたおばさん。
「とんでもないものを持ってきたね。これは............樹海の魔物だね?」
政宗「そうだが」
ここで奈落の魔物を出すわけにはいかんしな。今回は樹海の魔物にしておいた。
「樹海の素材は良質なものが多いからね、売ってもらえるのは助かるよ」
政宗「やはり珍しいんだな?」
「そりゃあねぇ。樹海の中じゃあ、人間族は感覚を狂わされるし、一度迷えば二度と出てこれないからハイリスク。好き好んで入る人はいないねぇ。亜人の奴隷持ちが金稼ぎに入るけど、売るならもっと中央で売るさ。幾分か高く売れるし、名も上がりやすいからね」
おばさんはチラリとシアを見る。大方シアの協力を得て樹海を探索したのだと推測したようだな。
「これでいいかい?中央ならもう少し高くなるだろうけどね。」
政宗「構わん、この額でいい」
俺は五十一枚のルタ通貨を受け取る。....うぉっ、本当に軽いな。
政宗「ところで門番の男にこの町の簡易な地図がもらえると聞いたんだが」
「ああ、ちょっと待っといで....ほら、これだよ。おすすめの宿や店も書いてあるから参考にしなさいな」
....これは驚いた。かなり正確だ
政宗「こんなもの無料でいいのか?金が取れると思うんだが....」
「構わないよ、あたしが趣味で書いてるだけだからね。書士の天職を持ってるから、それくらい落書きみたいなもんだよ」
優秀すぎる......本当になんでこんなところで受付嬢してるんだ.....
政宗「まぁ、助かるな」
「いいってことさ。それより、金はあるんだから、少しはいいところに泊りなよ。治安が悪いわけじゃあないけど、その二人ならそんなの関係なく暴走する男連中が出そうだからね」
政宗「はっ...それもそうだな」
プロトターボ「ま、二人は最悪俺も守るしな!」
「はっはっはっ!あんたあんまり頼りにならなさそうだけどね!」
プロトターボ「酷くないっすか?!」
そんな会話をしながらギルドを去る、まぁ確かにこいつなんか頼りにならんのはわかる
「ふむ、いろんな意味で面白そうな連中だね......」
「いらっしゃいませー、ようこそ〝マサカの宿〟へ!本日はお泊りですか?それともお食事だけですか?」
マサカの宿.....やはりここの名前いつ見てもなんかおかしいな
政宗「宿泊で頼む。この地図を見て来たんだが、記載されてる通りで構わんか?」
「ああ、キャサリンさんの紹介ですね。はい、書いてある通りですよ。何泊のご予定ですか?」
政宗「一泊だ。食事と風呂もつけてくれ」
「はい。お風呂は十五分百ルタです。今のところ、この時間帯が空いてますが」
女の子が時間帯表を見せる。なるべくゆっくり入りたいので、男女で分けるとして二時間は確保したい。その旨を伝えると「えっ、二時間も!?」と驚かれた。仕方ないだろう、日本人の性だ。
「え、え~と、それでお部屋はどうされますか?二人部屋と三人部屋が空いてますが.....」
政宗「二人部屋二つでいいだろう?」
俺の言葉に何故か周りがほっ....と息を吐く。いや、当たり前だろ。流石にプロトターボと二人で.....
ユエ「...ん、私と政宗が2人、シアとプロトターボが2人で」
政宗「おい待て」
何勝手に決めてくれてるんだ。いや、やるとは思ったがな?
プロトターボ「俺にこのウサギ押し付けないでくれる?!」
シア「私にプロトターボさん押し付けないでくださいよ?!」
ユエ「.....2人でカップルにでもなっておけばいい....」
「「なるかぁ!!」」
お前ら結構仲良いよな....?そんな息合うことなかなかないぞ.....
ユエ「.....シア達がいると気が散る」
シア「気が散るって.....何かするつもりなんですか?」
ユエ「......何って.....ナニ?」
シア「ぶっ!?ちょっ、こんなとこで何言ってるんですか!お下品ですよ!」
プロトターボ「エッチする気なんだぁ!よくないんだぁ!!」
ユエの言葉に、絶望の表情を浮かべた男連中が、俺に嫉妬の眼を向けてくる。そんな目を向けられてもどうしようもないんだが?
シア「だ、だったら、ユエさんこそ別室に行って下さい!政宗さんと私で一部屋です!」
ユエ「....ほぅ、それで?」
シアの言葉に冷気を漂わせた眼光で睨むユエ。プロトターボが「コワイ.....オンナコワイ....」と白目になっている。
シア「そ、それで、政宗さんに私の処女を貰ってもらいますぅ!」
静寂が舞い降りた。誰一人、言葉を発することなく、物音一つ立てない。今や、宿の全員が俺たちに注目、もとい凝視していた。厨房の奥から、女の子の両親と思しき女性と男性まで出てきて「あらあら、まあまあ」「若いっていいね」と言った感じで注目している。
「.....今日がお前の命日」
「うっ、ま、負けません! 今日こそユエさんを倒して正ヒロインの座を奪ってみせますぅ!」
「.....師匠より強い弟子などいないことを教えてあげる」
「下克上ですぅ!」
はぁ....こいつらなぁ.....
ゴチン! ゴチン!
ユエ「ひぅ!?」
シア「はきゅ!?」
政宗「いい加減にしろ....周りを見ろ周りを....」
ユエ「.....うぅ、政宗の愛が痛い.....」
シア「も、もう少し、もう少しだけ手加減を.....身体強化すら貫く痛みが.....」
プロトターボ「自業自得でんな」
政宗「まぁ、なんだ....とりあえず2人部屋二つで頼む」
「ま、まさか2人部屋でそれぞれ色々イケナイことを....はっ、まさかお風呂を二時間も使うのはそういうこと!?お互いの体で洗い合ったりするんだわ!それから.....あ、あんなことやこんなことを.....なんてアブノーマルなっ!」
プロトターボ「すげぇな俺らビックリするほど風評被害食らってるぞ」
シア「私が好きなのは政宗さんだけですぅ!」
女の子はトリップしていた。見かねた女将さんらしき人がズルズルと女の子を奥に引きずっていく。代わりに父親らしき男性が手早く宿泊手続きを行った。部屋の鍵を渡しながら「うちの娘がすみませんね」と謝罪するが、その眼には「男だもんね?わかってるよ?」という嬉しくない理解の色が宿っている。絶対、翌朝になれば「昨晩はお楽しみでしたね?」とか言うタイプだ。迷惑にも程がある。
何を言っても誤解が深まりそうなので、急な展開に呆然としている客達を尻目に、未だ蹲っているユエとシアを肩に担ぐ。そしてプロトターボとそのまま三階の部屋に逃げるように向かった。しばらくすると、止まった時が動き出したかのように階下で喧騒が広がっていたが、何だか異様に疲れたので気にしないようにした。プロトターボにシアを頼み、俺はユエをベットに投げ捨てるとすぐに意識を落とした。そして翌日、ユエ、シア、プロトターボに買い出しに行かせ、俺はとあることをするために部屋に残った。....しかしこの時の俺は考えもしていなかった。まさかあの人が現れるとは.....
い、一体誰が現れるってんだ....!プロトターボ君なんかヒロインともあんま絡まんしずっと間近でハーレム見せられて流石に可哀想なんでヒロイン考えてあげてます。
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