lobotomy chronicle ~目指すはありふれた結末~   作:暇なグリッチ

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政宗君、逃げる!ひたすら逃げるッ!


act7 逃走中inオルクス

ユエ「ん、距離離せてる。いい感じ」

溶ける愛「頑張れー!」

政宗「呑気だなお前たちは.....」

 

俺は今二千以上の魔物たちに追われている。まぁプロトターボのおかげでかなり距離は離れている。それでもここに来るまでの道のり恐ろしいほど順調だった。ユエの魔法はもちろん、溶ける愛もそもそも収容違反したときの姿にならずとも相手にならず俺がいるか?と思うほどだった。だが途中で雰囲気が変わった。まるで熱帯雨林のようだったがそこまで暑くない。草木が青々と茂っている階層だった。そこにいたのはお花を生やしたティラノサウルスらしき魔物だったがユエが瞬殺する。次いで現れたチューリップの花をつけた体長二メートル強の爬虫類、例えるならラプトル系の恐竜のような魔物を今度は俺が撃ち落とす。あえて花だけを。

 

溶ける愛「お花が流行ってるのかなー?」

ユエ「魔物だけど可愛い....」

政宗「言ってる場合か....それと、攻略ルートはある程度見えた」

 

ラプトルは俺が打ち抜いた花を親の仇を見るような形相で踏みつけていた。

 

溶ける愛「あれ?怒ってる?」

ユエ「.....イタズラされた?」

政宗「そんな生易しいものでもないだろう。大方花に何かあるってことだ」

 

ラプトルは一通り踏みつけて満足したのか、如何にも「ふぅ~、いい仕事したぜ!」と言わんばかりに天を仰ぎ「キュルルル~!」と鳴き声を上げた。そして、ふと気がついたように俺達の方へ顔を向けビクッとする

 

政宗「馬鹿だな。話にならん」

溶ける愛「そんな言わなくても〜.....」

ユエ「でも実際マヌケ.....」

 

俺は何かされても困るので即座にラプトルの頭をバグヴァイザーツヴァイで撃ち抜く。

 

政宗「....まだまだかなりいるな。そして揃いも揃って花をつけて.....あれが洗脳でもしているようだな?」

溶ける愛「.....わかってて言ってない?」

政宗「気にするな」

政宗「それと....囲まれてるな。これは」

ユエ「斬滅する?」

政宗「いや、ここでやると面倒だ。上に登るぞ。蒼星!」

 

そう呼ばれ出てくるのは青いハートを中心に異様なほどの足がついたアブーマリティ、蒼星だった。

 

蒼星「要件を.....」

政宗「あそこの一番高いところまで運んでいってくれないか?お前飛べるだろう?」

蒼星「....それだけか.....?」

政宗「不満そうにするな、お前くらいしか適任がいないんだ....」

 

白夜も羽があるが本体が小さいため掴めるとは思えない。それならこいつのほうがいいと感じたのだ。

 

蒼星「.....承知した......」

溶ける愛「失礼しまーす!」

ユエ「ん、失礼します.....」

政宗「頼むぞ」

 

俺たちが掴んだのを確認した蒼星は俺たちが振り落とされない程度の速度で上に上がっていく、お前スピード調整上手いな.....

 

蒼星「着いたぞ.....」

ユエ「ん、快適だった.....」

溶ける愛「楽しかったー!」

政宗「感謝する。じゃあ俺たちは奴らの殲滅を.....ん?」

 

俺はここでとあることを思いついた。蒼星は無差別全方範囲攻撃。alephの中では弱いとはいえど、その実力は決して侮ってはならない。そして下には悍ましいほどの魔物たち.....よし、アレを試すにもいい機会だ。

 

政宗「蒼星、よかったな。お前にもう一つ仕事だ」

蒼星「......要件を....」

政宗「ここにいるすべての魔物を殺せ」

ユエ「そんなことできるの....?」

政宗「できる。お前たちにはこれを」

 

そう言い俺は真ん中に青い宝玉型の装置がついた手袋を嵌め、地面に手をつく。すると俺たちを囲むように青い結界が張られる。これは幻想障壁。俺が作ったものの一つであらゆる属性ダメージの耐性を極限まで高めることで実現したあらゆるアブノーマリティの攻撃を防ぐ絶対防御障壁だ。だが持続時間は1分ほど。クールタイムに一時間を要する。まぁそれでも全然使える物だ。

 

政宗「蒼星、存分にやれ!」

蒼星「.....承知した.....」

 

そうして蒼星は空中から魔物たちの中心に滞空する。魔物たちは初めて見る謎の生物に困惑しているようだ、だがそれも終わる。次の瞬間蒼星が脈動するとあらゆる魔物がその場に力無く倒れた。そして目を青くすると蒼星に吸い込まれていく。その姿はどこか神々しかった。

 

ユエ「これが....アブノーマリティ......」

 

ユエは目を見開き、その光景に思わず見入っていたがそれと同時に少し声が震えていた。ここまでの強さだとは思っていなかったんだろう。俺は少し恥ずかしいがユエを落ち着かせるためにユエを抱き寄せる。

 

ユエ「!」

政宗「大丈夫だ、俺がいる.....俺が指示しない限り奴はお前たちには危害を加えない。安心しろ」

溶ける愛「いざという時は私もついてるよ!」

 

マナもユエを安心させるようにそう言う。お前ら本当に仲がいいな.....

 

蒼星「.....これでいいな.....」

政宗「あぁ、感謝する。もう戻っていいぞ」

蒼星「....承知した......」

 

蒼星はどこか満足げに帰って行った。お前.....意外と使えるじゃないか.....

そして俺たちは広場の中央らしきところに戻ってくると全方位から緑色のピンポン玉のようなものが無数に飛んできた。三人背中合わせで迎撃し、俺もジャスティティアで薙ぎ払った。が、

 

ユエ「2人とも....逃げて.....」

 

やはりお前は寄生されてしまったか....ユエは俺たちに風の刃を放つ。俺はジャスティティアで防ぎ、マナも軽く避けた。ユエの頭に咲いたよく似合う真っ赤なバラに俺はバグヴァイザーツヴァイを向ける。しかしユエの手が花を庇うような動きをした。ユエの背後に現れたのはもちろんエセアルラウネ。醜悪な顔をニヤニヤさせながら「この子がどうなってもいいのか?」と言わんばかりにユエに絡みつく。

 

溶けた愛「貴様ッ....!!!!」

政宗「待て、俺がやる」

 

溶けた愛が収容違反形態になりかけていたため俺が制止する。

 

溶けた愛「で、でも!」

政宗「このふざけた輩は....私が殺す.....!」

溶けた愛「....うん、なら任せる」

ユエ「っ....政宗....マナ....ごめんなさい....」

 

私に胞子を飛ばすエセアルラウネ。だが私は少し体を逸らすだけで避ける。それが面白くないエセアルラウネは不機嫌な顔になりユエを操って先ほどの風の刃を飛ばす。かわそうとすると『避けるな』とユエが自分の頭に魔法を打つ仕草をするため私はジャスティティアを盾に持ちこたえる。

 

政宗「.....」

ユエ「政宗...!私はいいから...斬り捨てて...!」

政宗「....そんな酷のことを言うな、ユエ」

ユエ「!」

 

俺はユエに優しく微笑みそう告げる。そして後ろのエセアルラウネを凄まじい殺気で睨みつけるとエセアルラウネは恐怖で顔を歪ませる。

 

政宗「貴様....貴様のような魔物如きが私の大切なものを汚すだと?笑止千万だ....お前に最初から商品価値などない」

 

私が次のセリフを言おうとした瞬間、私は既にエセアルラウネの背後におり、その首をバグヴァイザーツヴァイのチェーンソーモードで斬り落とした。

 

ユエ「?!」

政宗「絶版だァ......!!!」

 

俺はそいつの顔も見たくなかったため一瞬で首を落とした。ユエはあまりの早技に目を見開き、マナは安堵の表情をしていた。

 

ユエ「.....」

政宗「ん?どうした?」

ユエ「.....私のこと、大切って言ってくれた。嬉しい」

 

そう言い頬を赤らめながら微笑むユエ。俺は思わず顔を赤くし目を逸らしてしまった。俺らしくない.....

 

政宗「いや、あれは成り行きで....」

ユエ「なら、嫌い....?」

政宗「なっ?!そんなわけ....!」

溶けた愛「政宗は素直じゃないんだよ、ごめんね?」

政宗「マナ!!」

 

マナといい恵里といいお前らはどうしてこう俺が素直じゃないと.....そう考えていたその時だった

 

「おーいちょっと!起こしてくれ!!」

政宗「....ん?」

 

後ろから声がした、そちらを向くと.....

 

プロトターボ「俺だよ俺俺!さっきの魔物達のせいで倒れたんだ!起こしてくれ!」

政宗「.....は?」

 

なんかプロトターボが喋っていた....




キェェェェェェアァァァァァァシャァベッタァァァァァァァ!!
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