仮面ライダーギーツ【Mother and Children】 作:キャメル16世
感想はめちゃくちゃ良かったです!ギーツが好きなら是非見てほしい一作品!
ドゥームズギーツバックル買っといてまじで良かった……
では第十話をどうぞ
「ホークロー、ドルフィー、ウィニー、ギーツ、カメレオ、マーニア、ウッキー、ウルス。以上8名の仮面ライダーの皆さん!これから皆さんにはガチの恋愛をしてもらいますっ!」
シロメは改まって宣言した。
その場に集まった8人の男女が戸惑いながらも居た。
「…ちょ…ちょっと待ってくれ!さっき言ってた事…!」
「このゲームで…デザ神になれるのか!?」
仮面ライダーウッキーこと森本ケンゴが最初に発言し、その後仮面ライダーウィニーこと熊野ノブユキが追究した。
「だからそう言ってんじゃん!男子共ちゃんと話聞けっつーのぉー」
「…最初から全部説明しろ」
「そーだそーだぁ!ちゃんと説明しろぉー!」
英寿のシロメに対する追究に、MEMちょが賛同する。
「簡単な話だよぉー…今回のデザイアグランプリの名目はズバリ、恋愛リアリティショーに於ける勝ち抜きゲーム!こういうのは視聴率が肝だからねぇ〜番組に貢献出来ない人の願いは叶えられないって訳!」
「…つまり…この番組で1番爪痕を残せた奴が、デザ神になれると」
「そそっ!だからみんなぁーたっくさん目立ってぇ、たっくさん競ってぇ、あわよくばちゅっちゅしてぇ…このゲームを盛り上げてねぇ?」
シロメは嫌な言い回しで彼らを煽り、デザ神になる条件に関しての詳しい説明はまた後ほど説明する事を約束し、その場を去っていった。
「……」
その後の空気は静かだった。
事前の打ち合わせでもなんでもない招集だった為スタッフも居ない。この空間には8人のうら若い男女が困惑の表情のままたっているだけだった。
「…と、とりあえず…自己紹介しよ?この空気のまま収録日迎えても気まずいし…!」
「…んじゃ、まずは俺から…!」
最初に発言したのはゆき。それに対しノブユキが手を挙げた。
「俺は熊野ノブユキ、仮面ライダーウィニーだ。ダンサーやってる!よろしくな!」
ノブユキはいかにもな好青年。センター分けにした髪型から少しのチャラさも垣間見えるが、それを機にさせないほどのルックスだ。
「私は鷲見ゆき、仮面ライダーホークローだよっ!本業はファッションモデルで……んまぁ…そんくらいかなっ!」
ゆきは見るからに美容に気を使っているようだった。サラサラな髪にデコられたネイル。少しあざとい顔でてへぺろっと舌を出した。
「わ…私は木南はるな……仮面ライダードルフィー。シンガーソングライターやってる…よろしく」
「あぁ知ってる。今度新曲出すんでしょ?」
「…あ、うん。これ…サンプルCD持って来た」
「用意早っ!」
はるなは少し俯いてはいるものの顔の整った顔をしていた。青のメッシュが入った黒髪。卑屈そうな表情をしているが、ケンゴから音楽関係の話になると少し表情を明るくしてみせた。
早速CDを聞くとまさかのびっくり、イメージとはかけ離れたデスボイスが轟く禍々しい曲調だった。
「まさかのヘビメタ…!?」
「…じゃあこの流れで俺も……森本ケンゴ、仮面ライダーウッキーだ。バンドやってるから、はるなさんとは気が合うかもね」
「…あ、うん…よろしくっ」
ケンゴがはるなに微笑むと、はるなは少し頬を照らした。
「黒川あかね、仮面ライダーカメレオと申します!今は主に舞台で女優やってます!どうぞよろしくお願い致します!」
深々とお辞儀をする短髪の少女。いかにもな真面目ちゃんのようだ。
「浮世英寿。仮面ライダーギーツだ……言っておくが、このゲームに勝つのは俺だ」
「…おぉ!なんか面白そうな奴だな!」
「……」
自己紹介が英寿の番になると、すぐに勝利宣言をした。だがそれに対し周りが冷めるようなことはなく、乗り気で応えていた。アクアはその様子を冷めた目で見る。
「はーいっ!MEMでーすっ!仮面ライダーマーニア!今登録者数50万人目指してやってるから、みんなもチャンネル登録よろしくねぇー!」
MEMは金色の短髪で悪魔の角のようなカチューシャを被っていた。
「……フフッ」ニヤッ
「……?」
すると、MEMは英寿をちらっと見たあとにニヤッと笑った。不思議な顔をする英寿を無視し、アクアが立ち上がった。
「…星野アクア、仮面ライダーウルスだ。以上」
「……」
「「「「「「……」」」」」」
以上8人の自己紹介も終え、来週を控えた収録日に向けてお互いに健闘を祈り、その日は解散となった。
「…なるほどねぇ…デザ神になれるなんて言われたら、こんな仕事断れないわよねぇ」
「お兄ちゃんとエースさんばっかずるい〜!」
このあらすじを伝えると、かなは何かに納得していた。
「残念だったな…でもまさか、いきなりリタイアさせられるとはな。これもルールのひとつなのか?」
「……?」
英寿が質問すると、かなはまたしても不思議そうな目で英寿を見る。
「…あんた何言ってんの?別に今回のゲームじゃなくても、デザ神になれるチャンスはいずれ巡ってくるわ」
「……は?」
「今回の事はどちらかと言えば異例だけど、基本的にデザ神になれるゲームは周期的に訪れるの。学校の定期テストみたいな感じ。あんた達は今回たまたま運が良かっただけ」
「……どういう事だ…?」
英寿は何一つ理解出来ていない様子だが、かなの解説にアクアの解説も加わる。
「別にジャマトを倒してヒーローになる事だけがデザ神になる条件じゃない。この
「番組の運営は出演者に対し、その対価を払う。ギャラも込だけど、同時に世界を作り替えられる権利が与えられる」
「ただでさえ命懸けで戦ってるんだ…当然の権利だよな」
「……」
どうやらデザ神になる方法も、俺の居た世界のデザグラとは全く異なるようだ
この世界ではデザ神になる為には番組で目立って視聴率を高め、オーディエンスの支援を得る事が重要である。きっとそれは大きな番組であればあるほどであろう。
「……デザ神が生まれて世界が作り替えられた後、人々の記憶はどうなる?」
ここで英寿はひとつ気になる事を2人に投げかけた。
彼の居た世界では、デザ神が生まれて世界が作り替えられた後、人々からデザグラに関する全ての記憶がリセットされていたが…
「デザ神に関する情報はリセットされるようね…今まで何人ものデザ神が生まれている筈だけど、公表された事は一度も無いわ」
「……デザ神本人の記憶は?」
「さぁ?でもそれは変わらないでしょう、デザ神本人が今の世界が理想の世界かどうか分からないなんて、そんな酷な事は無いわ」
「……」
なるほど…なんとなく分かってきた
デザ神になれば、自分以外からは自分がデザ神になった記憶が消される
デザ神の記憶が継続されるのは変わらないようだ
「とにかく、あんた達はあんた達なりに戦いなさい。でも安心して、すぐに私もデザ神になって、見返してやるんだから…!」
「……フッ…あぁ、楽しみにしてる」
「…わ、私も…!立派なアイドルにも、デザ神にもなってやる…!」
「まずはユニット名を決めるところからね……」
「……」
「…うぅ〜ん…今回は誰がデザ神になれるかなぁ〜」
「私は当然、ギーツだと思う」
どこかの空間にて、シロメとクロメがオセロをして遊んでいた。この空間は英寿の居た世界のデザイア神殿のサロンに少し似ていた。
「えぇ〜!?ぽっと出に務まるかなぁ〜」
「ぽっと出かどうかなんて関係ない。前にも居たでしょ、ぽっと出のくせにデザ神になって理想の世界叶えた奴」
「あぁ〜そういえば居たね〜…クロちゃん結構推してなのにね」
「……まぁ、もう忘れたけど」
クロメは「あとその呼び方やめて」と付け加えて黙々と石を置く。考えてなさそうで意外と際どい場所に置くシロメとの勝負は、静かながらも白熱していた。
「…お、盛り上がってるねー」
「あ、クラムさん…!」
サロンに入って来たのは、30代半ばの男だった。
ラフなスーツに薄いほうれい線がある。
この男こそクラム。デザイアグランプリの運営のひとりであり、「今日あま」や今回の「今ガチ」のプロデューサーとして務めている。
クラムは2人がオセロをしているソファのそばに座り、その勝負の行く末を見守っていた。
「それにしてもクラムさん、今回はまた変わったメンツだよね」
「まぁ、顔が良ければなんでも良いんだけどね…でも向上心の無い者に数字は取れない。だから合理的なメンバーを集めたまでさ」
「…ギーツとウルスを起用した理由は?」
クロメは横目でクラムに質問した。
クラムは少し間を開けてから、ニヤリと口角を上げてから答えた。
「…また、面白い風が吹くと思ってね」
クラムはサロンのモニターに映された英寿、そしてアクアの顔をなぞった。
「……13年前と同じように…」
この番組の撮影の流れはこうだ
「皆さんには各々、自由に会話して頂いて構いません。ただ、定点カメラのアングルにだけ気を付けてください。あと撮影中、仮にジャマトが現れた際には皆さんに戦ってもらいます。撮影の中止は基本的に仮面ライダーが全滅するまで行いません」
恋愛リアリティショーの歴史も20年になり、ある程度のノウハウが蓄積されている
番組としてのエンタメ性とライダーショーとしての躍動性、各々の個性に任せたリアリティの演出方法
「まるでジャマトが現れる前提みたいな言い草だな」
「仕方ないよぉ、このデザイアグランプリにあるほぼ全てのゲームにジャマトが絡んでる。デザグラ=ジャマトって考えがある人もこの世の中には居るもんだよ?」
「……」
英寿のボソッとこぼした事に、MEMが応える。
番組の基本的な説明があった後、早速撮影は始まった。
「ところで…なんでお前、そんな俺に張り付く?」
「……ッ」ギクッ
英寿の指摘に身体をビクつかせて目を逸らすMEM。
「な〜っ…なんでもないよォ〜っ…」
「……怪しいな」
一方アクアとゆきも、2人だけの空間で会話をしていた。
「…なんで君はこの仕事受けたの?」
「うちの事務所の看板の人が仕事断らない主義でね、事務所に来た仕事全部持っていくから…私年中ヒマでさぁ……なんか足掻きたくて、そんな時にクラムさんが…」
「…ああ」
「渡りに船って言うか、私恋愛とか今までしてこなかったから恋人作った事ないし〜」
「嘘だぁ」
「やだな嘘じゃないよ、私まだ高1だよ?タレントが皆が皆恋愛てしてる思ったら大間違い。君は恋愛に興味ないの?」
「……」
ゆきの質問に、アクアは少しだけ考えて答えた。
「…ないわけないじゃん、僕も男だし。でも、僕は過去の恋愛を引きずってて……いや…思えばあれが恋だったのかも分からない…まだ消化しきれてないから…なんとも……」
「…ふぅん?複雑なやつだ?…あ!学校の先生好きになったとか?」
「わりと近いかも」
「……じゃあ乗り越えないとだね」
ゆきは少しアクアに近付くと、囁くように言った。
「知ってる?前シーズンのカップル、最後にキスしたんだよ」
「まぁ、一応予習はしたし…」
「良い人が居るか不安だったけど…私、君にならキス出来るかも」
ゆきは耳打ちでアクアに囁いた。
「なっ…」
「……後ろ」
含みのある微笑みで、ゆきはアクアに視線を促した。
「…カメラマンが撮ってるよ」
2人の背後にはカメラマンがおり、2人のことを撮影していた。
「カメラに視線は送っちゃ駄目。ここはきっと使われるよっ…」
いい性格してると思う。何が不安だよ
なるほど…これがリアリティショー……
アクアが1人で納得していると、近くの茂みからガサガサと物音が響いた。
「…っ!」
「ジャ〜…」
突如として現れたポーンジャマトの大群。スタジオである学校を取り囲むように、そして彼らを仕留めるように視線は彼らに向けられていた。
「やっぱり現れたね、ジャマト」
「撮影の邪魔だ、すぐに片付けるぞ」
ゆきとアクアはすぐさまデザイアドライバーを装着する。ゆきのドライバーには紺色のIDコアがはめられている。
「うわうわっ!ジャマトだっ!」
「…やはりこの世界でも、ジャマトは運営のコマなのか…?」
「えっ?なに?」
「…いや、なんでもない」
英寿とMEMも同様にドライバーを装着する。MEMのドライバーには濃い黄色のIDコアがはめられている。
「おおっと…いきなりのお出ましか?」
「この数…手分けした方が良さそうだな」
「な、なら…私はケンゴ君と……」
「…援護はお任せ下さい…!」
4人で居たノブユキ、ケンゴ、はるな、あかねもドライバーを装着。ノブユキは黄色、ケンゴは明るめな白、はるなは青、あかねは黒いIDコアがはめ込まれている。
《 SET 》
《 SET 》
アクアはゾンビバックルを、ゆきはクローバックルを、
《 SET 》
《 SET 》
同様に英寿はソルジャーバックルを、MEMは西洋の棺桶を彷彿とさせる「ヴァンパイアバックル」を、
《 SET CREATION 》
《 SET 》
《 SET 》
《 SET 》
ノブユキはパワードビルダーバックルを、ケンゴはビートバックルを、はるなはシールドバックルを、あかねは濃い緑色のムチのバックル「ウィップバックル」をセットした。
「「変身!」」
「「変身ッ!」」
「「「「変身っ!」」」」
《 ZOMBIE 》
《 ARMED CLAW 》
アクアは仮面ライダーウルス ゾンビフォームへ、ゆきは仮面ライダーホークロー アームドクローへ、
《 SOLDIER 》
《 VAMPIRE 》
英寿は仮面ライダーギーツ ソルジャーフォームへ、MEMはバックルのレバーを捻ると棺桶の蓋が2つに展開し、仮面ライダーマーニア ヴァンパイアフォームへ、
《 DEPLOYED POWERED SYSTEM 》
《 GIGANT HAMMER 》
《 BEAT 》
《 ARMED SHIELD 》
《 ARMED WHIP 》
ノブユキは仮面ライダーウィニー パワードビルダーフォームへ、ケンゴは仮面ライダーウッキー ビートフォームへ、はるなは仮面ライダードルフィー アームドシールドへ、あかねは仮面ライダーカメレオ アームドウィップへとそれぞれ変身した。
《 READY FIGHT 》
そしてその様子を、サロンからクラムが見届けていた。
「……さぁ、デモンストレーションだ。君達の実力を見せてもらうよ…!」
第十話「韜晦Ⅸ:恋愛リアリティショー」
次回
「ハイライトは譲らないぜ?」
「ギーツ…!ギーツ!本物のギーツッ!」
「2人とも頑張れよ?じゃねぇと俺がデザ神の座を取っちまうからな!」
「あのジャマト…強い…!」
「……薔薇の…ジャマト…」
第十一話「韜晦X:いざ、イバラの道へ」