仮面ライダーギーツ【Mother and Children】   作:キャメル16世

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ご無沙汰してます

前回唐突に登場したヴァンパイアバックル
現状ゾンビバックルのリデコアイテムと考えてください。レバーを捻ると棺桶の扉が2つに割れて、みたいな

という事で第十一話をどうぞ! ズキュン♥



第十一話「韜晦X:いざ、イバラの道へ」

「…さぁ、ハイライトだ…!」

「…おぉ…!ギーツ…!ギーツ!本物のギーツッ!」

「…ん?」

「…あぁ、いや…えっとぉ……」

ギーツとマーニアは並んで変身したかと思えば、マーニアは真横にいるギーツを見て見とれていた。

マーニアのマスクはハクビのものと少し似ており、複眼はマリンブルーに輝く。

更に新しく見たヴァンパイアフォームは、胸にステンドグラスのような模様に、両肩には鎖が縛り付けられていた。

 

「…ははぁん、さてはお前…俺のファンだな?」

「……じ、実は…っ…」

ギーツに自身のファンであると指摘されたマーニアは指をつんつんとしながら肯定した。

 

「私、ギーツの個人サポーターやってて…最初にフィーバースロットバックル送ったのも私なのっ!」

「個人サポーター…?」

「個人サポーターはデザイアグランプリの運営を通すこと無く個人でプレイヤーを支援する人達のことで、仮面ライダーである私でも出来るんだ〜!」

「…へぇー…じゃあ、お前はギーツ公認サポーター2号だな」

「……2号?」

「…フッ…悪いが1号の席はもう埋まってるもんでな」

ギーツは誰かを思い馳せるように呟いた。

 

「…ジャ〜ッ!」

そんな2人の間に割り込むようにジャマトが突っ込む。

 

「ふっ!はぁっ!とにかく、今はこのジャマト達を片付けよう…!」

「わ、わかった…!ていっ!」

「ジャ〜…」

ギーツに後ろ蹴りされたジャマトに、マーニアは専用の武器である「ヴァンパイアレイピア」で突くような攻撃をする。

 

「…よぉ〜しっ!推しにいいとこ見せるぞ〜!」

 

 

 

「…はっ!」

ジャマトの大群に突っ込んで行くホークロー。レイズクローを駆使し無双していく。

ホークローのマスクは猛禽類の頭部を模しており、ナッジスパロウやケイロウとは少し異なる形をしていた。

 

「はぁっ!」

同じくゾンビブレイカーを駆使しジャマトの大群に斬撃を与えていくウルス。

だがやはりジャマトは減るどころか増える一方。スタッフの避難も済んでいないこの状況で、2人は少し不利な位置にいた。

 

「…ジャ〜ッ!」

「……っ!」

ジャマトに背後を取られてしまうウルス。不意を突かれた為反撃の一手が遅れる。

 

「…っ!やっ!」

しかし、ホークローの助太刀があり難を逃れた。

 

「…やるな」

「ま、伊達にオーディション勝ち抜いてないからね!デザグラで勝つ事は、芸能界(この世界)で勝ち抜く事に繋がるからっ」

「……そうだな」

「…ところで疑問なんだけどさ」

ホークローは首を傾かせてウルスに問い掛けた。

 

「今回のゲームって恋愛リアリティショーで勝つのが目的でしょ?ジャマト関係なくない?」

「……」

今回のゲームの内容は番組内で爪痕を残し視聴率を多く取った者がデザ神になれるというものだ。ジャマトが出てくる理由が無いため、ホークローは疑問に感じたのだ。

 

「……今回もこのゲームには…なにか裏がありそうだな」

ウルスはどこを見るでもなく、まだまだ明るい空を見上げた。

 

「うひゃ〜っ!」

「…っ!」

すると、爆風と共にマーニアがコミカルに飛んで来た。

飛んで来た先を見ると、多数のジャマトと戦うギーツが居た。

 

「…まぁ、戦っていればいずれわかるだろ」

 

『…きっと君達は知る事になるよ、デザイアグランプリの真実を』

 

「……」

ウルスはクロメの言葉を思い出しながら、ジャマトの群衆に向かって行く。

 

「はぁっ!」

「…おっ」

ウルスの助太刀により感心するギーツ。

 

「ジャ〜…」

「……」

「…英寿、ちょっと借りるぞ」

「えっ…あ、おい…!」

ジャマトの群衆を目視したウルスはギーツのドライバーからソルジャーバックルを抜き取った。

 

《 SET 》

 

そのままバックルをセットし起動させる。

 

SOLDIER

 

仮面ライダーウルス ソルジャーフォームへの変身を完了し、ソルジャーランサーを構えて群衆に突っ込んでいった。

 

「…ったく…意地の悪いキツネだな」

ギーツはマグナムフォームへと変身し、同じく群衆に向かっていく。

 

STEEL CHARGE

 

ウルスはソルジャーランサーのレバーを2回引き、超必殺待機状態にする。メーターが2段階まで上昇し、銀色に発光している。

 

TACTICAL SMASH

 

「はぁぁっ!」

ウルスは鋼鉄のエネルギーを纏わせたソルジャーランサーを前方に投げ飛ばし、延長線上に居るジャマトは攻撃に巻き込まれ爆散する。

 

「おっと…なかなかやるな」

どうやらウルスとソルジャーバックルは相性がいいらしい。その事を察したギーツは大人しくマグナムシューターで周りのジャマトを狙撃していく。

 

「…でも、ハイライトは譲らないぜ?」

マグナムシューターをライフルモードに変形したギーツはマグナムバックルをマグナムシューターにセットする。

 

《 MAGNUM 》

 

マグナムバックルを起動すると共にマグナムシューターのトリガーを引く。

 

《 MAGNUM 》

《 TACTICAL BLAST 》

 

「はぁぁっ!」

銃口から強力な弾丸を放つギーツ、そしてビームのように広がる攻撃を、身体の向きを変えて広範囲に与える。扇形状に放つ攻撃にマーニアもホークローも手をパチパチしながら感心する。

 

 

「おりゃァ!」

「ジャ〜ッ!」

ウィニーが振りかざすギガントハンマーによって辺りのジャマトが一掃される。

ウィニーのマスクはダパーンやパンクジャックのようなクマのマスクで明るい黄色である。

 

「はっ!」

ウッキーが振るビートアックスにより更に多くのジャマトが爆散する。

ウッキーは霊長類、それもニホンザルの頭部を模したマスクをしており、耳が若干大きくなっている。

 

「たっ!ふっ!」

「ジャッ…!ジャ…ジャ…!」

カメレオは身軽な動きでジャマトの肩に乗っかりレイズウィップでジャマトの首を絞める攻撃をする。

カメレオはその名の通りカメレオンがモチーフのマスクである。

 

「ジャ〜…!」

「……っ!」

すると、カメレオは背後のジャマトの存在に気が付かず足元を掬われてしまう。

 

「…ジャァ!」

「……ふっ…!」

ジャマトがカメレオに襲いかかる直前、ドルフィーがレイズシールドでカメレオの事を庇い攻撃を受け流した。

ドルフィーはイルカがモチーフであり、背びれと胸びれが存在していた。

 

「……はるなちゃん…!」

「くっ…!ふんっ!」

更にドルフィーはレイズシールドによりジャマトの攻撃から身を守りながらジャマトを一点に集めた。

 

「はっ…!」

次の瞬間高く飛び上がるドルフィーは正しくイルカショーのようだった。空中からの足技でジャマトは地に伏していく。

 

「す、凄いですね…!」

「ま、まぁ…敵の特性とか行動パターンを読めば出来るよ…」

「な、なるほど…!」

ドルフィーからアドバイスをもらったカメレオはメモ帳を出してペンを走らせていた。

 

 

 

「ジャ〜…!」

「数が多いな…」

「よしっ!んじゃあ一緒に決めるか!」

「…あぁ!」

「…ふんっ!」

ウィニーが再びギガントハンマーを地面に振りかざすと、地面からブロック状の足場が階段上に建設される。パワードビルダーバックルの力だ。

 

「…はあっ!」

ウッキーはそれに答えるかのように足場を駆け上がり、ビートアックスをギターモードに持ち替えてエレメンタドラムを2回叩く。

 

METAL THUNDER

 

次にビートアックスの弦を引くと、ヘビメタな重厚感溢れる音色が響く。

 

TACTICAL THUNDER

 

「はぁぁっ!」

そしてインプットリガーを押す事により周囲に雷を落とす事ができる。ウィニーが作り上げた足場によってその範囲は増大。より多くのジャマトを殲滅することに成功した。

 

「よっしゃぁ!」

「ふ、2人とも凄いですね…」

「2人も頑張れよ?じゃねぇと俺がデザ神の座を取っちまうからな!」

2人の息のあった攻撃に感心するカメレオに、高らかに笑うウィニー。

 

「…ケンゴ君…今の曲……」

「…え?…あ、あぁ…さっきの君の音楽を参考にしてみたんだ」

「……うん…かっこよかった…」

ウッキーが轟かせた音色が自身の曲の曲調に似ている事に気付いたドルフィーは、少し俯いて恥ずかしそうに呟いた。

 

「おっ!?もうそこそんな感じかぁ〜?」

「ちょっ…からかうなって…!」

「なんだなんだ、もう盛り上がってんのか?」

そこに、ギーツ、マーニア、ウルス、ホークローが合流する。

 

「とりあえず、全員生きてるな」

「……ん?」

ウィニーが点呼を取ったすぐだった。

 

「……ジャァ…」

茂みの奥からまた異形のジャマトが現れた。

 

「また新たなジャマトか」

「あれは…バラのジャマト…?」

赤い花びらを重ねたその姿はまるで薔薇のようだった。

「ローズジャマト」はゆっくりを歩みを進め、仮面ライダー達に迫って行った。

 

「あとあいつ一体だけか?だったら余裕だなっ!」

「あぁ、さっさと終わらせて撮影再開するぞ…!」

「ジャァ……」

「……ん?」

ローズジャマトに向かって行くウィニーとウッキーであるが、ローズジャマトは身構えもせず淡々と歩みを進めている。

その事に少し違和感を感じる英寿であるが、次の瞬間、ローズジャマトは自身から茨のツタを出現させて2人に直撃させる。

 

「うわっ!」

「なっ…!?」

不意を突かれた2人は変身解除に追い込まれ、地に伏してしまう。

 

「…っ!?」

「あ、あのジャマト…強い…!」

「みんな!力を合わせて戦おうっ!」

「……っ」

意気込んでローズジャマトに向かうカメレオ、ホークロー、ドルフィー。

 

「…英寿!私達も…!」

「あぁ…ん、どうした?ウルス」

ギーツに戦うよう催促するマーニア。ギーツはそれに応えようとするが、ウルスの様子がおかしい事に気が付く。

 

「……薔薇の…ジャマト…」

「……」

 

 

 

「やぁぁっ!」

「…はぁっ…!」

「おりゃァっ!」

ローズジャマトに一矢報いようとするホークロー、カメレオ、そしてマーニア。しかし、ローズジャマトはその全ての攻撃を見切り最小限の動きで避けていく。

 

「こうやったらァ…!」

 

VAMPIRE STRIKE 》

 

《 CLAW STRIKE 》

 

《 WHIP STRIKE 》

 

3人はそれぞれのバックルを操作し、強力な技を叩き込む。

 

今度は攻撃は全て命中した…!

手応えはある。3人の同時攻撃で無事で居られる筈がない!

 

マーニアは慢心の上そう考察した。だが、3人の攻撃が当たってもなお、ローズジャマトは消耗している様子もなく立っていた。

 

「……えっ…?」

「うそ、でしょ…?」

「ジャァ……ジャァァッ!」

ローズジャマトが雄叫びを上げると、茨のツタで周囲を薙ぎ始めた。3人は攻撃に巻き込まれ変身解除に追い込まれる。

 

「きゃぁっ!」

「……ゆきぃ!」

「メっさん…!あかね…!」

倒れるノブユキとケンゴが3人を心配する中、ドルフィーだけがその場に固まり動けなくなっていた。

 

「ジャァ…」

「……ハッ…!」

もとより彼女の装備は防御専用のレイズシールド。だが今必要なのは攻撃力。

自分では勝てないと分かりきっているからこそ、ドルフィーは攻撃の一手を出せずにいた。

 

「ジャァ…!」

「…や、やだ…!」

そんな事を気にする筈もなく、ローズジャマトはドルフィーを茨のツタで捉える。

 

「…っ!まずい…!」

すぐさま助太刀に行こうとしたギーツ。だがその瞬間彼を囲むように大量のポーンジャマトが出現した。

 

「…クッ…!こんな時に…!」

 

「ジャァ……」

「ウッ…!」

まるで彼女の首を絞めるようにドルフィーを釣り上げるローズジャマト。

 

「…ウッ…!グッ…!ブッ…!」

ローズジャマトは彼女を(なぶ)るように無防備なドルフィーの身体に打撃を与え続けた。

 

「ウッ…!」

「……や…やめろぉぉぉっ!」

「ジャァ…!」

ケンゴの声も届かぬ間に、ドルフィーは致命傷を負わされ変身を解除させられた。

 

「アッ……そ…そんなぁ……」

ボロボロになった身体、そしてひび割れたIDコア。

自分の身体にノイズが走るような痛みと苦しみ。それを体感したはるなは、倒れるケンゴ達の元に手を伸ばした。

 

「…わ…私はただ……音楽で…みんなを笑顔に……」

「……はるな…」

「……ケンゴ…君…!」

 

《 Mission, Failed… 》

 

最期にケンゴと目が合ったはるなは、目に涙を浮かべながら消えていった。

 

「……はるなぁぁぁっ!」

「…クッ…!くっそォッ!」

「そんな……」

「……はるな…」

「……」

絶望する一同。はるなの居た場所には、彼女のドライバーとバックルのみが遺され、彼女がそこに居た証明と消えた証明がされてしまった残酷さに打ちひしがながら、第1回戦の幕は閉じる事となる。

 

 

 

ゲーム中に命を落とした者は

この世界から退場となるが、

番組の撮影は続行される。

 

 

第十一話「韜晦X:いざ、イバラの道へ」




次回

「私……もう『今ガチ』辞めたい」
「理想の世界を叶える為だ、続けるしかないだろ」
「随分と湿気た顔だな」
「僕にはやる事がある。それをやり遂げない限り、僕に未来はやって来ない」
「デザイアグランプリの真実について、知りたくないかい?」

第十二話「韜晦XI:ダレかの面影」
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