仮面ライダーギーツ【Mother and Children】   作:キャメル16世

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長くなりましたが、本章最終回です
一体誰がデザ神になるのか…
彼らの恋路の行方は…
そして……

それでは続きをどうぞ



第十八話「韜晦F:君とのファーストキス」

「ジャ〜ッ!」

「おりゃっ!てやぁ!」

「ふっ…!はぁっ!」

「はあぁぁっ!」

大量のジャマトを相手するウィニー、ウッキー、ホークローの3人。

それぞれがそれぞれの武器を活用し着実にジャマトの数を減らしていく。

 

「…ったく…結局見せ場取られちまったな…!」

「でも、私達がここで活躍すれば…!」

「俺達の誰かがデザ神になれる可能性もある!」

ジャマトと交戦しながらも、彼らはデザ神になる事を諦めてはいなかった。

 

「…んじゃ、やっぱり全力で行くしかねぇなぁ!」

 

《 HYBRID 》

《 GIGANT BLASTER 》

 

《 ALL MIGHT 》

《 GIGANT HAMMER 》

 

《 GIGANT ALL MIGHTY 》

 

ウィニーはそういうとギガントバックルを次々と入れ替え、ギガントブラスターとギガントハンマーを召喚し、装甲のアームに装備される。

 

「おりゃああぁぁぁ!」

そしてそれぞれの武器をジャマトの軍勢に振るっていく。

 

「はぁっ!」

「はァァっ!」

ホークローとウッキーの攻撃も相まり、ジャマトの軍勢は勢いを失っていた。

 

「ジャ、ジャジャ!」

「ジャ〜」

「……ん?」

すると、ジャマトは何かを結託し、大量のジャマトがみるみるうちにひと塊に形成されていった。

 

「大量のジャマトが、一体のジャマトに…」

「…デカっ!」

「ジャマトってこんな事も出来たの!?」

「……まぁ、おかげさんで片付けやすくなったぜ!」

すると、ウィニーはギガントソードをホークローに、ギガントハンマーをウッキーへと託した。

 

「全員で一気に仕留めるぞ!」

「うんっ!」

「あぁ!」

 

《 CLAW STRIKE 》

 

《 BEAT STRIKE 》

 

《 GIGANT FINISHER 》

 

レイズクローのエフェクトを纏ったギガントソードを持つホークロー、音のパワーを込めたギガントハンマーを持つウッキー、そして銃口にエネルギーを溜め込むウィニー。

 

「はぁぁっ!」

「はァァッ!」

ウッキーとホークローの攻撃が炸裂し、巨大ジャマトはその衝撃に怯む。

 

「イッケェェ!」

そしてギガントブラスターから放たれた砲撃が巨大ジャマトに直撃し、巨大ジャマトはそのまま爆散。

 

「…や…やったァァ!」

「うおぉぉぉっ!おっしゃァァ!」

全力で喜びを露わにするホークローとウィニー。

 

「……やったぞ…はるな…」

そして、はるなを思い馳せながら声を零すウッキー。

 

彼らが勝利した瞬間であった。

 

*

 

「ジャァァッ!」

力を解放するローズジャマト。

 

「ふっ!」

「…はっ!」

迫り来る茨のツタを避けながらローズジャマトに向かって行くカメレオとウルス。

 

「ジャッ!」

「…っ!BAN!BAN!」

まずローズジャマトはカメレオに標的を移し、攻撃を仕掛ける。しかし、カメレオはそれにすぐに対応し、ウエスタンピストルで迎え撃つ。

 

「ふっ!」

怯んだローズジャマトにウルスのソルジャーランサーの攻撃が炸裂する。

 

《 PLATINUM CHARGE 》

 

ウルスはソルジャーランサーのレバーを3回引く。シャフト部分のメーターが最大まで上がり、シャフトには白金のように輝くエネルギーが蓄えられていた。

 

「はぁぁぁっ!」

 

《 TACTICAL CRASH 》

 

トリガーを引くと、そのエネルギーは巨大な槍型に形状を変形させる。ウルスはそのままソルジャーランサーをローズジャマトに振り下ろした。

 

「ジャァ…!」

ダメージは与えられたが、やはりかなりの強固さだ。

 

「…んん〜…やっぱり強いねー」

「あかね、なにか作戦はあるのか?」

「んふふ〜もちろんあるよ〜っ!」

「…なんだ?」

ドヤ顔で答えるカメレオ。

あかねの事だ、余程すごい作戦があるに違いない

と考察していたウルスだったが、その答えはとんでもないものだった。

 

「とにかく全力で突っ込む!これが一番っ!」

「……フッ…クッフフ…」

「…アクア?」

カメレオの言葉に、少し吹き出してしまったウルス。

そんな彼を、カメレオはそっと覗き込む。

 

「…いや、なんでもない」

自分を奮い立たせたウルスは、懐からブーストバックルを手に取った。

 

「…付き合うよ、最後まで」

 

《 SET 》

 

覚悟を決めたかのように、ウルスはブーストバックルをドライバーにセットし、起動させる。

 

《 DUAL ON 》

《 SOLDIER & BOOST 》

 

《 READY FIGHT…! 》

 

ソルジャーブーストフォームへと変身したウルス。

カメレオと目配せをし、カメレオもそれに答える。

 

「ジャァァッ!」

ローズジャマトは更に力を解放する。

このままでは手に負えなくなってしまうかもしれない。

 

「…決めるよ、アクアっ!」

「……あぁ…!」

 

《 BOOST TIME!》

 

それを察知し、ウルスはブーストバックルのハンドルを捻ってブーストタイムへと突入する。

 

「はぁっ!」

「ふっ!」

各々のバックルを操作し、一斉に飛び上がるウルスとカメレオ。

両者ともに右足を突き出し、ウルスの足には三角錐状に形成された鋼鉄のエネルギーと、脚部のマフラーから吹き出る炎により威力を増す。

カメレオの足にはレイズウィップが巻き付き、エネルギーが纏われる。

 

《 SOLDIER BOOST 》

《 GRAND VICTORY 》

 

《 WESTERN WHIP VICTORY 》

 

「はぁぁぁぁっ!」

「はァァァァっ!」

「ジャァァ…!ジャァァァァァッ!」

向かってくる2人に対し攻撃をするローズジャマト。しかし、その攻撃も簡単に破壊され、2人のキックはローズジャマトに命中し、ローズジャマトはその場で爆散した。

 

「…ふぅ…やったねっ、アクア」

「……あぁ」

ローズジャマトを倒した2人は変身を解除し、顔を見合わせて頷いた。

 

「や…やったァァっ!」

「うおぉぉ!あかねぇぇ!」

「み、みんな…!」

変身を解除していたメンバー達が一斉にあかね達に駆け寄る。

 

「……」

そんな彼女達の様子を、アクアは無表情のまま見つめていた。

 

「……色々あったが、これで一件落着か…?」

「……そうだな」

「…お前のゴールは、まだ先のようだがな」

「……」

 

一同が喜ぶ中、アクアだけは未だ何かを企むような目をしていた。そんな彼の表情を察した英寿は、不信ながらも自分達の勝利を祝った。

 

*

 

「みんなおつかれサマ〜」

「難関だったローズジャマト、よく倒してくれたね」

その日の夕方、大きな川の見える公園まで来た彼らに、シロメとクロメの労いの言葉がかかる。

 

「今日の撮影でゲームも終了!いよいよ、デザ神が決まるよ〜」

「でもその前に恒例の一大イベント…告白タイムの時間だ…!」

真顔だが何故だか乗り気なクロメが、早速進行をとった。

 

最初はノブユキがゆきへ花束を送った。

いつも陽気で楽観的な彼がいつになく真剣な表情で居た。しかし、ゆきからの返事はノー。

緊張が解けた身体は脱力し、ノブユキの失恋が現場の空気を気まずくさせる。

 

続いてケンゴ。

しかし彼はギターを持ったまま、誰も居ない川の方へと姿勢を向け、誰にも届かない自作の恋愛ソングを披露した。一体誰に向けた曲なのかは、ご想像にお任せしよう。

 

MEMは英寿に対しグイグイとアタックするも、英寿はそれを簡単にあしらいMEMを絶句させ、現場の緊張を解けてくれた。

 

そして最後にアクア。

ベンチに座るあかねの頬に手を添え、彼女の目をじっと見詰める。

あかねは頬を赤くし、彼の言葉をそっと受け入れた。

アクアは流れるように唇をあかねへと近付け、それに対しあかねの唇も吸い寄せられるように近付いた。

短くもなく、長くもないキスをするふたりを、現場の人間は祝福した。

カップル誕生の瞬間である。

 

「いや〜いいものを見せてもらったよ〜」

「……それじゃあ始めるよ。新しい世界を…」

アクアとあかねのキスを賞賛するシロメ。そしてクロメは目を閉じながらそう言った。

 

すると、横に並んだシロメとクロメが手を重ねた。シロメが左手を下に、クロメが右手を上にするような構図だ。

 

「「……星に…願いを…」」

 

ゴーン… ゴーン… ゴーン… ゴーン…

 

「……っ」

すると、彼らの耳に鐘の音が響く。

同時に青い光が世界を包み始めた。

 

「……おぉ…」

「…私…世界が作り替えられる瞬間って、見るの初めてかも……」

「俺もだ…」

「なんだか…綺麗だねぇ…」

「一体…誰がデザ神になるんだろう……」

一同が感想を述べる中、あかねがそう零した。

 

「…ねぇ…アク──」

「……」

「……アクアくん…?」

アクアを見たあかね。しかし、アクアはそんな彼女を見ること無く、ただこの世界が変わっていく所を見ていた。

 

*

 

かくしてゲームは終わった

同時に『今からガチ恋始めます』の収録も

 

全ての収録を終えたその夜、俺たちは店をひとつ貸し切り打ち上げを開いた

 

ウルスとカメレオの仲についての言及や、ウィニーとホークローが実は恋仲になっている事実など

番組が終わってもこいつらの関係はしばらく続きそうだ

 

そして……

 

「来週辺り、時間をくれるかな?アイについてとっておきの話をしてあげよう」

「空けておきます」

 

ウルスとクラムの仲も

 

 

ところで誰がデザ神になったのか

だがその答えは、なんとなく察しがつく

 

『「劇団ララライ」最新公演!全席完売!若きエース・黒川あかね主演!』

 

英寿はとあるネットの記事で、そのページを見つけた。

 

「……」

だが、俺はそんな事よりひとつ気になる事がある

 

『『……星に…願いを…』』

 

シロメとクロメが手を合わせ、そう口にしたこと何より、世界は作り変えられた

世界を変える力…基、創世の力を有しているのはシロメとクロメの二人。つまり、あの二人が創世の女神である可能性が非常に高い、という事だ

 

しかし、それにしては彼女らは自分の意志に忠実だ

本来、創世の力を得た者は、次第に意志が消えていく運命だ

俺も一時的ではあるが、意志がなくなりかけたことがある

 

これも世界が違う事に由来するのか

はたまた彼女達の存在が特別なのか

もしくは、創世の女神は別に要るのか…

 

「ちょっとエース!そんな所に居てないでエースもアクアになんか言ってやってよ!」

「お前らはしゃぎすぎな?」

「んな事言ってぇ!今日のお前テンション高ぇぞ!」

「確かに!お前彼女出来て浮かれてんじゃねぇの?」

「浮かれてねぇし」

「あ!アクたんちょっと顔赤いよー?」

「ほらほらーあかねも〜!」

「えぇ〜ちょっとゆきぃ〜」

 

「……フッ」

……まぁ、今は良いか

 

*

 

「いらっしゃいませ〜!ご注文はお決まりですか?」

「……親子丼を頼むよ。あと、サバの味噌煮も」

「はい!かしこまりました!」

「……」

定食屋「きみなみ」の客は今日も少ない。

店内にははるなの曲が流れ、彼女をPRする看板が相も変わらず掲げられていた。

 

「はい、どうぞ」

「どうも」

料理を届けてくれたのは、店主である彼女の父親だった。

 

「…お客さん、ここ最近うちに来てくれてますね」

「……まぁ、少し思い入れがあるのでね」

「…娘の事ですか?」

「……」

察しのいいことに、彼はクラムが『今ガチ』の関係者である事を見抜いていた。

 

「……彼女の事は、残念に思います。彼女ほどの才能があれば、理想の世界を叶える事も出来たかもしれない」

「……」

「……彼女の願った世界は『家族がずっと健康に過ごせる世界』。貴方の脚を想い、この店を想い、このデザイアグランプリに参加していたのだと思います」

「……」

 

男は答えない。

今更目も合わせられない。

一体彼が今どんな顔をしていのか、彼の心にどんな苦悩があるのか。知る由もない。

 

「……もう…いいんです」

「…え?」

しかし、答えた彼の声はとても穏やかで、何かを受け入れているよであった。

 

「……少し前に、娘の共演者さん達が店にやって来ましてね…7人で楽しそうに料理を食べてくれたんですよ」

「……彼らが…?」

「……そして、みんなあの娘の話をしてくれました。それも楽しそうに…彼らがあの娘の話をする度に、私の中にあるあの娘の記憶が蘇って来ました……」

男は目から涙を流し、思い馳せるように呟いた。

 

「あぁ…あの娘は生きている…私の心の中で…」

「……」

 

杞憂だったのかもしれない

このデザイアグランプリは、幸せも不幸も呼び寄せる

その行く先は、誰にも分からない

それがデザイアグランプリの醍醐味でもある

 

しかし……

 

店を後にしたクラムは、晴れ間に燦々と光る太陽を眺め、満腹の腹をさすって深呼吸をした。

 

「……やっぱり吹きそうだね…面白い…いや、新しい風が」

 

浮世英寿…星野アクア…

 

さて、この世界を変えるのは

一体どちらなんだろうね

 

 

 

ゲーム内で形成された人間関係は、

ゲーム終了後も運営は一切関与しない。

後は自己責任でお願いします。

 

 

第十八話「韜晦F:君とのファーストキス」




次回

「私が…B小町に…?」
「だって憧れは止められない!」
「言われなくても、このグループは私が何とかする」
「…浮世英寿…!あいつは星野アクアの足枷だ…!」
「仮面ライダーか……」
「……俺達の怒りを…思い知れ…!」

第十九話「憧憬Ⅰ:結成!新生B小町」
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