仮面ライダーギーツ【Mother and Children】   作:キャメル16世

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お久しぶりの投稿です

今回から新章!
俺もバ〇ダイもギーツ熱が止まらない!
(投稿頻度もうちょい頑張ります……)



第2章 憧憬 編
第十九話「憧憬Ⅰ:結成!新生B小町」


「マーニアはタクシーじゃないのか?」

「うん、歩いて帰れる距離だから」

「そういやわりと近所だったな」

「まぁ業界の人が住んでる所って大体この辺だしね」

 

『今ガチ』の打ち上げが終了し、解散した一行。

帰路へと着いたMEM、アクア、そして英寿。

 

「…寂しいな…私この現場めちゃくちゃ好きだった」

「……そっか」

「……」

「でもアクたんはそんな寂しくないかなぁ?あかねの彼氏だもんね〜」

「あくまで仕事上の関係だ」

MEMのイジりに対しアクアは遠い目で答える。

 

「とか言って、アイの演技してるカメレオに赤くなってたがな」

「……っ」

英寿の思いがけない追撃に思わず絶句するアクア。

 

「ていうかメム詳しいよな。B小町は世代じゃないだろ」

「いやいや!B小町は皆の憧れだから!」

「……」

「……ここだけの話だよ?」

すると、MEMは哀愁漂う背中で語った。

 

「私元々…アイドル志望だったんだぁ…」

「……」

「でも色々あって挫折しちゃって!今は元気にユーチューバーやってますけど!」

「…ふぅん」

我に帰るように、MEMは自分に言い聞かせた。

すると、興味なさげにしていたアクアの目が、少しだけ変わった事に、英寿は気付いていた。

 

「…じゃあウチ来たら?」

「……え?」

「新生『B小町』は、現在メンバー募集中なんだけど」

「…『B小町』に、私が……?あはは」

「……」

「…そんな冗談……」

MEMの表情は、冗談交じりだった口角から一変、状況を把握したようだ。

 

「……っ」

「……」

「……」

両手を握る彼女のその表情は文字通り、憧れの目をしていた。

 

*

 

「……貴方はスカウトマンとして雇うべきだったのかもね」

「「「……」」」

事務所に帰って来たアクア達は、早速ミヤコに状況の説明をした。

 

「人気ユーチューバーにしてインフルエンサー「MEM」、アイドルに興味あったのは意外だったわ」

本人の同意もあり、正式に「B小町」への加入を申し込みに来たのだ。

 

「まず聞きたいのだけれど、メムさんの事務所は?」

「私は一応個人事業主として配信業やっていて、今はFARM(ファーム)って事務所でお世話になってますが、所属じゃなくて事業提携って形を取っています。自分で自由に仕事取ってきて問題ない契約になっているので…」

「なるほど、その場合苺プロから貴女に「アイドル業務」を依頼するって形になるわね」

「……ん?待て」

すると、何を疑問に思ったのか英寿が間に入った。

 

「…?どうしたの?エース」

「事務所に所属してないなら、何故仮面ライダーにエントリーしてるんだ?」

英寿の疑問はこういうものだ。

本来仮面ライダーとは、芸能事務所に所属する事でデザイアグランプリにエントリーされる。英寿は異例のエントリーであったが、結果的に今は苺プロ所属の仮面ライダーとして戦っている。

しかし、MEMは芸能事務所に属していないにも関わらず、仮面ライダーにエントリーされている。

 

「それはいわゆるスカウト、だな」

「…スカウト?」

「芸能事務所に属していなくても、将来メディアに露出してくる見込みがある人材や組織を、デザグラは常に模索している」

「将来性や持続性…そして何より、仮面ライダーとしての器であるかどうか。彼女はそういう所を見抜かれたのよ、きっと」

「えへへ〜…」

少々嬉しそうに照れるMEM。

 

「うちはネットタレント多いし、渡りに船って感じだけれど。その顔だと、何か言わなければならない事情がありそうね」

「……ギクッ」

その照れ顔から、一気に冷や汗が溢れるMEM。

 

「まぁ察しはつくけれどね…年齢、サバ読んでるのでしょう?」

「…分かりますか」

「えぇ、貴女大分骨格からして幼く見えるけど、私の目は誤魔化せないわよ」

「……」

「…ふふっ…別に怯えなくて良いわ。個人でやってる子が年齢いくつか若く言うなんてよくある事よ、別に気にしないわ」

「本当ですか…?良かったです……」

ミヤコの言葉に胸を撫で下ろすMEM。

 

「で、本当はいくつなの?」

「……あの……その……」ヒソヒソ

「ふむふむ」

「……」ヒソヒソ

「……」

「……?」

「ガッツリ盛ったわね!!」

「申し訳ございませんー!!」

MEMがミヤコに耳打ちをした瞬間、一瞬の間が空きミヤコの怒号がMEMに直撃する。

 

「公称18歳って事は…中々の肝の据わり具合ね…」

「数えないでください!」

「なんだ?いくつ盛ったんだ?3歳位?」

「……その倍」

「持ったなお前!」

アクアの華麗なツッコミが炸裂する。

 

「って事は24?」

「24……だったよ?春頃までは…」

「つまり25じゃねーか、この期に及んで悪あがきしようとすんな」

なんという事だろう

俺も人の事は言えないが、7つも歳を偽るとは…全然気が付かなかった…

 

「……フッ」

こいつは、また面白い奴を引っ張り出して来たな…

 

「25でJK名乗って番組出てたのか、メンタル化け物か?」

「これには事情があってぇ!」

「……」

「私は…昔からアイドルになるのが夢で、でもうちは母子家庭で弟も二人居て、働きに出た方が良いよなぁって…でもママが、気にせず自分の夢を追いなさい、ママも一緒に頑張るから、って……」

「……」

そうか、こいつも母親には愛されていたんだな…

 

「それからオーディション応募するようになって、大手の最終審査まで残ったりもして、でも高校3年の時……ママ、頑張りすぎて入院しちゃって……」

「……」

「弟二人を大学に行かせたいしお金が必要でさ……オーディションも辞退して高校休学して働きに出たの。バイトしたりガールズバーで働いたりしてお金作って、おかげで弟達も大学行かせられて、お母さんも元気になって…でも、その時私は23になってた……」

「……」

これもこれで辛い過去、と言えるべきだろう。

夢を諦める者や挫折する者は数知れない。しかし、その中にも夢を追いかける事すら叶わない者もいるという事だ。

 

「この世界、20歳でババア扱いされる世界じゃん?どこのオーディションにも応募要項には『満20歳までの女子』ってあってさ、私が夢を追える環境が整った時には、私は夢を追える年齢じゃなくなってた…」

そんな話をミヤコもアクアも、英寿も静かに聞いていた。

 

「行き場を失った情熱で配信とかやってたんだけど、一応その頃高校休学中の身でさ、現役JK(笑)みたいな感じでやってたらなんか思いの外ウケて、登録者数とかめちゃくちゃ増えちゃって!引っ込みつかなくなっちゃって!…そっから2年位ずっと…そして今に至ります…」

「……」

「やっぱり駄目ですよね…7つもサバ読んで、バレた時大変ですもんね……25がアイドルなんて……」

「そんなことないよ」

「……っ」

哀愁漂う背中を支えたのは、ルビーだった。

 

「MEMちょだ!本物!かわい〜〜っ!!」

「話は聞かせてもらったわ」

「……マーリ」

どうやら今の会話はルビーとかなにも届いていたらしい。ルビーはMEMの手を取り嬉しそうにブンブンと降っており、かなは壁に肘を突きながら後方から声を掛けた。

 

「私も年齢でウダウダ言われた側だから…っ…ちょっとだけ気持ち分かる……っ…」ズビズビ

「ちょっとじゃなさそうだが…」

かなの顔は涙でぐちょぐちょになっており、どう見てもちょっとの同感じゃなさそうであった。

 

「子役の事務所も高学年になったらお払い箱でさ……ほんとむかつく……ミヤコさん!」

「だから私は反対しないわよ。ルビーは?」

「勿論!」

ミヤコの問に対し、ルビーは力強く答える。

 

「アイドルやるのに年齢なんて関係ない!だって憧れは止められない!ようこそ、『B小町』へ!」

「……」

ルビーの差し出した手をそっと握り返すMEM。

その様子を見て、アクアは少しだけ口角を上げていた。

 

「…またウチの妹は綺麗事を……」

「……フッ」

「有馬、ルビーとメムをよろしくな」

「うるさい、気安く話しかけないで」

かなに話しかけたアクアだったが、物凄い形相で睨まれるアクア。これには流石のアクアも応えていた。

 

「アンタは黒川あかねとよろしくやってなさいよ、このスケコマシ三太夫が」

「…お前、マーリに一体何したんだ?」

「……い、いや…」

「言われなくても、このグループは私がなんとかする」

かなはひとり意気込むように呟くと、ルビーとMEMの方へと座った。

 

「ねぇ、これからご飯行こうよ」

「いこいこ!」

「なんだこの子等…あったけぇよぉ〜…」

「「……」」

 

かくして私達のグループにMEMちょが加入

新生『B小町』は、正式なスタートを迎えるのでした

 

*

 

「おぉ〜MEMちょが加入か〜…彼、いい人材を引っ張って来たねぇ」

シックはその映像を端末から見て、再び感心している様子だった。

 

「……クッ」

だがしかし、それに対しイラドは不服そうに力んでいた。

 

「…イラド?」

「……どいつもこいつも甘い…!お前はこんな事をしてる場合じゃない筈だ、星野アクア…!」

「…あぁー…これ、また怒ってるわぁ」

イラドは怒りの感情のままその場を後にし、剣の柄のような物に丸い透明なパーツがあるアイテムを手に取った。

 

「…浮世英寿…!アイツは星野アクアの足枷だ…!」

そういうとイラドは怒りを顕にしたまま、シックの元を離れた

 

「…はぁ〜…ま、そりゃ彼も躍起になるかぁ」

そういうとシックは、手元の端末に映るB小町の姿を見た

 

「僕らも、タ(・)ダ(・)で応援してるわけじゃないしねぇ…」

 

*

 

「……ん?」

「……」

その日、英寿が街を歩いていた時。

誰も居ない少し開けた道の奥に、近未来的な狐面の男が居る事に英寿は気が付いた。

 

「……お前が浮世英寿、だな」

「……なんだか最近、誰かに待ち伏せされる事が多くなったなぁ…これだから有名人は困る」

「そんな減らず口を叩けるのも、今のうちだ…!」

 

すると狐面の男は英寿に向かって来て、近未来的な剣状の武器で攻撃し始めた。

 

「…おっと…!誰だか知らないが、これから行かなきゃならない所があるんでなぁ…早めに済まさせてもらうぞ…!」

 

《 SET 》

 

英寿はドライバーとウィンチバックルを構えると、スムーズな動きでバックルをセットし起動させた。

 

「変身!」

 

《 ARMED WINCH 》

 

《 READY FIGHT 》

 

流石に生身の人間に攻撃する事は英寿もしない。

彼の狙いは一点のみ。

 

「…はっ!」

「フッ…!」

「クッ…!」

ギーツはレイズウィンチのワイヤーを延ばして狐面の男に巻き付けて拘束した。

 

巻き付かれたワイヤーの重さに耐えかねたのか、狐面の男と片膝を立てた状態となった。

 

「答えろ。お前は一体何者だ」

「…答えるつもりは無い」

「じゃあ質問を変える。何故俺を狙った?デザイアグランプリの関係者なのか?」

「……違うな…俺は運営とは関係ない。そしてお前を狙ったのは…」

「……っ」

ギーツは驚いた。

狐面の男は拘束されている中でも腕を動かし、懐から「ライズカードリッジ」と同じものを取り出したからだ。

「ライズカードリッジ」とは、未来人であるジーンやベロバ等が使うレーザーレイズライザーにセットする個人識別符号端末であり、それによって仮面ライダーへの変身が可能となる。

 

《 LASER RAISE RISER 》

 

狐面の男が取り出したライズカードリッジには真っ赤な模様が描かれたレイズライザーカードが装填してあり、レイズライザーベルトを出現させた後、それを先程の剣状の武器へとセットした。

 

《 IRADO Set. 》

 

「…変身」

 

狐面の男が剣のトリガーを引くと、剣先から2枚のプレート状の入出力用デザイナリーデバイス「インリアライザー」と「アウトリアライザー」が出現する。その2つはワイヤーを切断し、彼の拘束を破った。

 

《 LASER ON 》

 

《 IRADO Loading. 》

 

狐面の男の身体はみるみるうちに変化し、白と黒を基調とした身体に2枚のプレートが組み込まれ事で、赤色の要素が取り入れられた。

 

《 Ready... Fight. 》

 

「…仮面ライダーか……」

「俺がお前を狙ったのは、お前にアイツの邪魔をさせない為だ…」

「……アイツ…?」

狐面の男基、謎のライダーは答えた。赤い複眼をひからせ、怒りの刃をギーツへと向ける。

 

「……俺達の怒りを…思い知れ…!」

 

 

 

芸能事務所に所属して居なくても、

運営からスカウトされれば

仮面ライダーになれる権利が与えられる。

 

 

第十九話「憧憬Ⅰ:結成!新生B小町」




次回

「マーニア、使わせて貰うぞ」
「世の中には、心の底から理想を叶えたい奴が居るんだよ!」
「見事に化かされてくれたなぁ」
「なんでアイドルやるなんて言っちゃったんだろ……」
「いい加減、俺も傷つく」
「ファンと言うなら尚の事知らない方がいいのに、ままならないものだね」
「そこだろうね…アイが恋をしたのは」

第二十話「憧憬Ⅱ:ヴァンパイアは踊る」
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