仮面ライダーギーツ【Mother and Children】 作:キャメル16世
本日プロージョンレイジバックルが届いて遊び倒してます
いないいないバッファって言った奴、天才な
「ジャ〜…」
「てやっ!」
「ジャッ!」
街に潜むジャマトを駆除する仮面ライダーテラスこと、星野ルビー。レイズシザースを駆使しジャマトを一匹仕留めた。
「ふぅ〜…」
「ジャァー!」
「…えっ…うそ!?」
しかし背後のジャマトに気付かず、反撃の1歩が遅れてしまった。
「はァっ!」
「ジャァーッ!」
だがそこで助太刀に入ったのが、仮面ライダーマーリこと、有馬かなである。
「…はァ…大丈夫?」
「ありがとう先輩!先輩もジャマトの残党狩りに来たの!?」
「えぇ、こうやってコツコツでもスコアを稼いでいかないと、あっという間にアイツらに先越されちゃうから」
2人はデザイアグランプリ内で倒しきれなかったジャマトの残党を狩るゲームに絶賛参加中であり、得られるスコアは小さいけれど、順当にスコアを伸ばしていっていた。
「ただいまぁぁ…」
「疲れたぁー!」
「おかえりールビーに有馬ちゃん〜」
夕方まで残党狩りをしていた有馬達、事務所に戻り疲れた身体を癒そうとしていた。
「編集お疲れ!動画投稿出来そう?」
「うんっ!ついさっき出したところだよォ」
MEMちょの加入によって有馬たち「B小町」のチャンネルも凄くそれっぽく動画を作れるようになり、最近登録者数が1万人を突破したところである。
「なんか……公式って感じ!」
「公式以外のなんだって言うの」
「まだ自己紹介動画とかしかアップしてないし、出来れば早めにPVとか上げたいけど…楽曲周りって今どうなってるの?」
「社長が知り合いのアーティストに相談してるみたい。楽曲出来るまでは何にも出来ないでしょ。まだまだ先の話、のんびり構えましょ」
「…そうはいかないよォ」
優雅にベンチに座り本を読もうとした有馬のその本を取り上げるMEM。
「私達は『B小町』なの忘れた?『B小町』には『B小町』の曲があるでしょ?」
「あ!そっか!昔の曲を使っても何の問題も無いんだ!」
「そう!」
「MEMちょ天才!」
「…ちっ…気付いたか……」
ルビーとは違い勘の鋭いMEMの発言にかなは舌打ちした。
「今からでもやれる事は一杯ある!チンタラやってたらあっという間にアラサーだから!」
「自虐ぅ〜〜」
「アイドルのお仕事その1!アイドルの華でありもっともシンドい部分!ダンスのフリ入れ始めるよォ!」
「……俺達の怒りを…思い知れ…!」
謎のライダーは、剣型のレーザーレイズライザーの刃をギーツへと向け、鋭い眼光で彼を睨んでいた。
「…
「…フッ…それがどうした!?」
剣型のレーザーレイズライザーは変身前と異なり、刃が真っ赤に染まっていた。それと相まって威力も高い。
ギーツはその気迫に少々押されながらも、変わらず様子を伺うように戦っていた。
「……」
「…お前…ふざけてるのか…!」
それが彼の癇に障ったのか、更に怒らせてしまったようだ。
「お前はいけしゃあしゃあとこのゲームを楽しんでいるようだが…世の中には、心の底から願いを叶えたい奴が居るんだよ!お前なんかに…アイツの邪魔をさせてたまるかぁ!」
激昂した謎のライダーはレーザーレイズライザーを力いっぱい振るい、ギーツを強襲する。
「……クッ」
「…っ…なに?」
しかしギーツはその攻撃を受け止め、何かを訴えるように謎のライダーを見つめた。
「……俺がこのゲームを楽しんでるように見えたのか」
「…っ?」
「……ハッ…見事に化かされたなぁ」
「なに?…グッ」
一発蹴りを入れたギーツ。その表情は、先程のような楽観的なものではない。
覚悟を決めた。正しくそれも、怒りに近い何かを表していた。
「……っ」
それに気が付いた謎のライダーもたじろいでいた。
「……この世界のデザグラに触れて分かった。この世界も狂っている…だから、俺は叶えなくちゃならない」
「……」
「…俺の願いを…誰もが幸せになれる世界を…!」
ギーツはドライバーからウィンチバックルを取り外し、先日お試しでMEMちょから借りたヴァンパイアバックルを取り出した。
ちなみにMEM本人からは「好きに使っていいよー」と言われている。
「マーニア、使わせて貰うぞ」
《 SET 》
《 VAMPIRE 》
ギーツがヴァンパイアバックルを起動させると、胸にステンドグラス、両肩には鎖が縛り付けられている武装が形成される。
《 READY FIGHT 》
複眼はマリンブルーに輝き、ヴァンパイアレイピアを構えた。
「俺も簡単には終わらない…!ハイライトは、ここからだ…!」
「……フッ!」
「…はっ!」
互いに突撃し、レーザーレイズライザーとヴァンパイアレイピアの刃をぶつけ合う。
剣同士の戦い。両者ともに結果が分からない状況となった。
「…かァッ!」
「はぁっ!」
剣同士のぶつかり合いで、火花が飛び散る。
「…誰もが幸せになれる世界か…!そうかそうか…」
「……何が言いたい?」
攻撃の最中、謎のライダーは嘲笑うかのように息を漏らした。
「お前は何も分かっていない!仮面ライダーが願いを叶えられる方法はただ一つ!それはゲームに勝ってデザ神になる事!」
「……クッ」
「デザ神はそう簡単になれるものじゃない…仮面ライダーは命を懸けてゲームに挑む!お前がデザ神になれば、お前は他の仮面ライダー達からデザ神になる権利を奪う!」
「……」
「誰もが幸せになれる世界を願うといいながら、お前は他の仮面ライダー達から希望を奪っているんだ!」
「……っ」
謎のライダーの猛威がギーツに振るう。
その気迫にギーツは押されてしまっていた。
「…いつまで綺麗事を吐くつもりだ…!?」
「……はぁっ!」
「…っ!」
耳元でそう嘆くライダーに、ギーツはヴァンパイアレイピアを振るって距離を離した。
「……確かに綺麗事かもな…」
「…あ?」
「…だが、綺麗事でなければ理想は語れない」
「……っ」
「他の仮面ライダー達だって、皆綺麗事の為に戦っている!どんなに暗い願いだったとしても、綺麗事である事に変わりは無い!」
「……黙れ!」
我慢ならなくなったライダーはギーツに突っ込んでレーザーレイズライザーを下から掬い上げるように斬る。
「はァっ!」
「…っ!なに!?」
ギーツはすぐさま背中からコウモリのような翼を生やし、空中で一回転した後、ヴァンパイアレイピアを突くように牽制した。
「……クッ」
《 FINISH MODE 》
レーザーレイズライザーのレバーを操作し、フィニッシュモードへと移行させる。刀身の赤色に淡く光りだし、エネルギーが蓄積していく。
「……っ」
ギーツもヴァンパイアバックルを操作し、ヴァンパイアレイピアにエネルギーを溜め込み始める。
「…はぁぁっ!」
「…はァァっ!」
《 LASER VICTORY 》
《 VAMPIRE STRIKE 》
互いに刃先を向け、両者の胸に直撃するクロスカウンターが起こった。
「…ぐはっ…!」
「ぐふっ…!」
しかしそれでも両者は倒れない。
すぐに体勢を立て直し向かって来たライダー。
しかし、ある者の登場によりその足は止まってしまった。
「ちょっ…!エースさん何してんの!?」
「……っ!」
「……テラス…」
ルビーが2人の間に入り、戦いを終わらせた。
謎のライダーは何故かルビーを見て顔を引きつらせていた。
「……星野…ルビー…」
「…あれ、私の事知ってるの!?いやぁ〜有名人になると大変だなぁ〜えへへ〜」
「……はぁ…」
「……っ」
あまりにも能天気な態度に少し呆れてしまうギーツ。
よくこの状況を見てそんな呑気な事が言えるものだ
「……今日はこの辺りにしてやる。次に会った時は、必ずお前を仮面ライダーの座から引き摺り下ろしてやる!」
「…あっ…おい!」
「あれ〜?行っちゃうの〜?」
変身を解除した男は身体の向きを変えて消えるように去って行った。
一体あの男は何者だったのだろうか
だが奴の言動から察するに……
「……なかなか厄介なサポーターが着いたな」
「…ん?なに?」
「……いや、なんでもない。アイツはどこに行った?」
「……はァ…」
映像で残ってるフリ付けの曲が全部で30曲…
まさか全部覚えろなんて言わないわよね……
事務所のダンスレッスン室でフリ付けの練習をしていたかな達。
MEMとルビーに振り回されながらも、汗だくになって頑張っていた。
ドルオタ二人のモチベーションにこっちは合わせられないわよ……
もとより彼女はアイドルが好きでB小町に入った訳では無い。そんな彼女とルビー達では、アイドルへのモチベーションに雲泥の差が出来てしまっていた。
「…はぁ……なんでアイドルやるなんて言っちゃったんだろ……」
「…有馬おつかれ」
「……っ」
そんな自問自答をする中、背後から見知った声がした。
振り向くと、自分に水のペットボトルを差し出したアクアが居た。
「ありが……」
しかし、アクアの顔を見るなりあかねとのキスをフラッシュバックさせるかな。
「いらない!あっちいってよ!」
「……」
アクアを突き放すかな。
そんなかなを見て、アクアは少し寂しそうな口調で言った。
「有馬、俺に対して最近ずっとそんな感じだな」
「……」
「有馬が口も態度も悪いのは分かってる。けど…いい加減、俺も傷つく」
「……」
何よ……
何……
そっちが先に……
そっちが……っ
「……っ…ア、アクア…ッ」
振り向くと、もうそこにアクアの姿は無かった。
「今から話す話は、いわば死者の墓を掘り起こすような話だ。君はどうしてそんなにアイくんの話を知りたいんだ?」
「ファンなんですよ、どうしようも無いほどに…それ以外に理由が要りますか?」
デザイア神殿のラウンジにて、クラムとアクアがカウンター席で話していた。
ラウンジ内の証明はほぼ点いておらず、シロメとクロメも居ない。今の時間は、2人だけのものとなっていた。
「ファン目線の幻想なんてものは実物を知れば壊れるものだ、これに関して例外は一つもない」
カウンター席の上に置かれた日本酒を一口呑み、クラムは語る。
「タレント業というのはいわばハッタリ勝負。魅力的な素材が魅力的な嘘をつく事で、現実には存在しない様なカリスマを演出する。就活で良い企業に入る為にやってる様な事を僕等はビジネスでやっている訳で…」
「だとしても、僕は知りたいんです」
「…ファンと言うなら尚の事知らない方が良いのに、ままならないものだね」
「……」
アクアの方に振り返るクラム。するとその視線は、別の方へと移った。
「…君もそう思うだろう?エースくん」
「……フッ」
「…あんた……何でここに」
ラウンジに来ていた英寿が、クラムとアクアに近付いたからだ。
「俺も知りたいからなぁ…アイの事を」
「……はぁ…勝手にしろ」
ここまで来てしまっては誰も止める者も居ない。
甘んじてこの状況を受け入れたアクアの肩に、クラムの手が置かれた。
「…じゃあ、歩きながら話そうか…彼女の話を」
「「……」」
「……君たちには、見せたいものもあるしね」
「アイくんとは縁があって、色々ゲームに招待していたのは以前話した通り。その頃の彼女は田舎から出てきたばかりの芋娘でね。プロ意識も低いし、周囲と馴染もうともせず、安いだけで似合いもしない服着て現場に来ては、デザイアグランプリでは生き恥を晒すような…子供、だった」
ラウンジを出た英寿達は、暗い外の夜道を歩いていた。鈴虫やカエルの鳴き声の中に車が道路を走る音が響くところをみるに、ここはまだ都会の中のようだ。
暗い道を歩くクラムは、アクアと英寿に淡々と語りかける。アイの過去について、アクアも英寿も知らない。秘密の話だ。
「で……何かの一助になればいいと思い、僕がある劇団のワークショップを紹介した」
「……ワークショップ?」
「そう、僕が昔世話になった所なんだけどね。『劇団ララライ』って言う」
「……」
劇団ララライ……カメレオが所属してる劇団か
「恋は人を変えるという。そこだろうね…アイが恋をしたのは」
「……ハァ…ハァ…」
英寿との戦いから退けたイラドは、疲労した身体を支えながら帰路にいた。
「…おかえり〜イラドぉ〜」
「……フンッ」
彼の帰りを待っていたシックは、無感情ながらも彼を心配する。
「…で、どうだった?ギーツの力は」
「……フンッ…まぁまぁだったな」
「とか言って、結構ボロボロにやられてなかった?」
「…お前…見てたのか」
「んふふ〜まぁねぇ〜…」
座り込むイラドにシックはからかうようにしていた。
そしてシックはとある事に気が付いていた。
「…それにしても珍しいね。君が戦いから負けて帰って来たのに」
「……」
「…なんだか心晴れやかって感じたよ?」
「……気のせいだ。そういうお前も、なんだか楽しそうだな」
「うんっ!なんだか…また面白いものが見れる気がしてねぇ〜……」
シックが見る端末の画面には、来月行われる『ジャパンアイドルフェス』通称「JIF」のホームページだった。
そしてそこには大々的に、「デザイアグランプリ主催!」と記載されていた。
「……星野…ルビー…」
イラドはそのページを見るやいなや、ルビーの事を思い出していた。
第二十話「憧憬Ⅱ:ヴァンパイアは踊る」
次回
「この業界は貸し借りの世界だ」
「…やっぱり、“種持ち”か」
「ついに私達「B小町」にも、デザグラからのお呼び出しが来たよ!」
「ウルス、お前にとって……」
「君の出番はもう終わりだよ、ジャマトくん」
「……変身」
第二十一話「憧憬Ⅲ:ステアの信念」