仮面ライダーギーツ【Mother and Children】   作:キャメル16世

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第三話「韜晦Ⅱ:双子ライダー参上!」

《 MAGNUM 》

《 READY FIGHT 》

 

「…さぁ、ハイライトだ!」

仮面ライダーギーツへと変身を完了した英寿に、ポーンジャマトが迫って来る。

 

「ジャー!」

「ふっ…!」

「ジャジャー!」

「ほっ…はぁっ!」

ギーツはそれを手馴れた手つきで倒して行った。

 

「ジャーッ!」

「はっ!」

更にマグナムシューター40Xを巧みに利用しポーンジャマトを狙撃する。

 

《 BULLET CHARGE 》

 

「はぁっ!」

そしてマグナムシューターを指で横向きに回転させながらの狙撃。周りのジャマトは一切ギーツに近寄れずに居た。

 

「…へへ、まだまだ…こんなもんじゃないぜ?」

 

《 RIFLE 》

 

マグナムシューターをライフルモードへと変形したギーツは覗き穴から狙いを定めるように、一直線にポーンジャマトを貫いた。

 

《 CHARGE 》

《 TACTICAL SHOOT 》

 

「ジャーッ!」

「ジャジャ〜!」

「……ヘヘッ…お」

無数のポーンジャマトを跳ね除け、得意げになるギーツ。すると、足元に今度はミッションボックスが置かれた。

 

《 Secret mission, Clear. 》

 

スパイダーフォンを開くと、シークレットミッションの一つである「一度に10体以上のジャマトを倒す」にCLEARの文字があった。

 

「ミッションボックスまで…まぁ、遠慮なく使わせて貰おう」

ギーツがミッションボックスに手を伸ばしたその時、その背後に忍び寄るナイトジャマト。

 

「ジャー…!」

「……甘いな」

 

《 REVOLVE ON 》

 

「ジャ…!?」

だがそれもギーツにはお見通し。

不意打ちをする筈だったナイトジャマトが、逆に不意打ちを食らった。

リボルブオン機能により、ギーツは回転し、マグナムの装備を下半身に入れ替えることによって、ナイトジャマトの攻撃に避ける事に成功した。

 

「悪いが、俺はそんなのんびりともしてられないんだ。この戦いに勝って暴いてみせる、この世界の真実を…」

 

SET FEVER!

 

ギーツはミッションボックスから取り出したフィーバースロットバックルをセットした。

 

「どうやらこのゲームでも俺は、オーディエンスを味方に付けられるようだぜ?」

 

MAGNUM

 

フィーバースロットバックルのレバーを引くと、スロットにはマグナムの文字が現れた。

 

「そして俺は、運も勝利も呼び寄せる!」

 

HIT!

FEVER MAGNUM

 

ギーツの上半身な新たにマグナムの装備が武装される。そしてギーツの首元にはフィーバークロステールという黄金のマフラーが追加され、それが煌びやかに輝いていた。

 

「…浮世英寿は、そういう男だ」

 

 

「お、おぉ〜!見て見てクロメ〜!あの仮面ライダーけっこうやるよー!」

「……仮面ライダーギーツ…今回エントリーはされてない筈みたいだけど」

「いいじゃんいいじゃん!どうせみんな初めてみたいなもんだし、楽しければそれでOK!」

「……シロメ…それはいくらなんでも盲目。しっかり見定めないと」

「……ほへ?」

「……彼が、()()()()にどんな影響をもたらすのか…良くも悪くも、ね」

 

 

フィーバーマグナムフォームへと変身したギーツは、2つのマグナムシューターでナイトジャマトを追い詰め始めた。

 

《 BULLET CHARGE 》

《 BULLET CHARGE 》

 

「はぁっ!」

「ジャマーッ!」

その猛攻撃に、ナイトジャマトは翻弄されていた。

また、腕のアーマードガンを展開し、更なる銃撃をジャマトに与えた。

 

「ジャ…ジャ…ジャーッ!」

「うぉっと…へぇー、なかなかやるな」

だがナイトジャマトは以外にもタフで、その攻撃を受けてもなお立っていた。それだけじゃない、こちらに向かって来る気力まである。

 

「ジャジャジャ…ジャーーッ!」

「…っ!」

すると、そのナイトジャマトはどんどんと巨大化し、以前缶けりゲームをした際に見せたような、巨体となって行った。

 

「…そういえば、そんな事も出来たんだったな」

「ジャー…ジャッ!」

ギーツに狙いを定めたナイトジャマトは剣を振り下ろした。地割れがするかのような衝撃、アレを受けたら一溜りもない。

 

「…こいつは、さっさと決めた方が良さそうだな」

「ジャッ!ジャッ!ジャッ!」

だがその巨体にしてはその俊敏性、先程の大きさの時と何ら変わらない。

おかげで隙が掴めず、ギーツは防戦一方となってしまっていた。

 

「…ちょっとー?あんた大丈夫ー?」

「……ん?」

ギーツに話しかけたのは、遠くにした赤毛のショートヘアの女子高生だった。その高校の生徒と思われるその女子高生は、ギーツを特に心配そうな目では見ていなかった。

 

「…女子高生…?そんなとこで何してる?逃げないと危ないぞ!」

「それはこっちのセリフ!あんたこそ防戦一方じゃないの…!」

「…?…一体何が言いたい…!」

啖呵を切ったギーツは、その女子高生に問い掛けた。

 

「この私が助けてあげようって言ってんの!この私、「有馬かな」がねっ!」

「……?」

「…ちょっと!?何そのリアクション!?けっこーショックなんですけど!?これでも子役時代は名の知れた女優なんですけどぉ!?」

「……」

一体なんなんだ…?

何故俺が彼女の事を知らないだけであんなに怒る?

それに、子役時代の話とか言われてもな……

 

「とにかくっ!そこで指でも咥えて見てなさい!」

 

《 DESIRE DRIVER 》

 

「…なっ…!デザイアドライバー?デザグラの参加者だったのか…!」

「そうよっ!私は『仮面ライダーマーリ』!天才子役の力、舐めんじゃないわよっ?」

 

《 SET 》

 

すると、かなはギーツの知らない子型のバックルをセットした。

オレンジカラーの、爆弾のようなバックルだ。

 

「…変身!」

右手は腰に、左手の人差し指を前に出したかなはそう叫ぶ。

そのままバックルの爆弾を回転させて起動させた。

 

《 ARMED BOMBER 》

 

かなが漆黒のスーツに包まれた後、アーマーが武装され、小豆色のネコの仮面が頭に被さる。

仮面ライダーマーリへと変身した有馬かなの手には、爆弾型の武器、「レイズボンバー」が装備されていた。

 

《 READY FIGHT 》

 

「…ていっ!」

「……ジャァ…?」

かながジャマトの足元にレイズボンバーを投げた。ジャマトがそれに気を取られた瞬間、ボンバーは見事に爆発した。

 

「……ジャー…!?」

仰け反るナイトジャマト。だが仰け反った先の足元にもボンバーが仕込まれていた。

それを踏みつけた瞬間に再び爆発。ナイトジャマトは足元をすくわれて転倒した。

 

「……まさか、神様である俺が助けられるなんてな」

「…え?神様…?」

「……フッ…こっちの話だ」

ギーツは助太刀のおかけで勝利を確信し、フィーバースロットバックルのレバーを倒した。

 

GOLDEN FEVER VICTORY!

 

「はぁっ!」

ギーツは2つのマグナムシューター、そして両腕両脚のアーマードガンを用いてナイトジャマトの上空に無数の弾丸を打ち出した。

 

「はぁぁぁっ…はぁっ!」

「ジャ…ジャ…!ジャァァッ!!」

空中に飛び散った弾丸がギーツの合図でナイトジャマト向けて放たれる。その攻撃にナイトジャマトは為す術なく、爆散して行った。

 

「…よっと……助かったぜ、マーリ」

「このくらいお易い御用よ、きっとアンタとはまた会う事になるでしょうから〜」

降り立ったギーツは、気持ち程度の感謝をマーリに伝えた。

マーリは変身を解くと、去り際にそう言っていた。

 

「……?」

ギーツが不思議そうにしていると、空から何やらヒラヒラと落ちてきたのが分かった。それをとると、それはデザイアカードであった。

 

「デザイアカード…?何故このタイミングで…」

きっと遅れてデザグラに参加したからであろうと、ギーツが自答すると、今度は校舎の方から衝撃音が響いてきた。

 

「……クラス分けゲーム…デザイアカード……まさかな」

ここでギーツの脳裏に、ひとつの仮説が生まれていた。

 

 

「キャーーッ!」

「ジャジャッ!ジャージャー〜」

校舎内に現れたルークジャマトとビショップジャマト。

そのジャマト達は一般科の生徒達を襲っていた。

 

「…っ」

そこに駆けつけた英寿。襲われる生徒を見て咄嗟にジャマトに向かうが……

 

「……なっ…!?」

英寿の目の前にジャマーエリアのバリアのような壁が現れ、英寿の行く手を阻んだ。

 

「…くそっ…!どうなってる…!?」

流石に2000年の記憶があるとは言え、こんな事は初めてだ。なんと言っても、さっき目が覚めてから初めての事ばかりで、更に感じる違和感はなんだ…!?

 

「きゃっ……来ないで…!」

「ジャ〜…?」

「お、おぉ…おねがい…しますぅ……」

「……ジャ〜…ジャーッ!」

生徒の命乞いに耳を貸すことなく、ルークジャマトはその生徒に腕を振り上げた。

 

「……っ!」

英寿も手遅れだと思っていたが、そのジャマトの腕を、あるひとりの男子生徒が受け流すように止めていた。

 

「……あいつは…」

「……ふっ!はぁっ!」

英寿は見覚えのあるその生徒を見ていた。男子生徒はルークジャマトの腕を振りほどき、蹴りを入れて距離を取らせた。

金髪の男子生徒は左目が前髪で隠れ、右目にはどこかで見た事のあるような輝きを見せていた。

 

「大丈夫!?」

「あ、はい…!」

「安全なところに逃げて!」

すると、そこに金髪のサイドテールの女子生徒がやって来て一般科の生徒を避難させていた。その女子生徒は左目を輝かせ、男子生徒の横に並び立ちジャマトと対峙した。

2人は今朝英寿と会った双子の兄妹、「星野愛久愛海」と「星野瑠美衣」である。

 

「ルビー、行けるか?」

「うん!やろうお兄ちゃん!」

ふたりはデザイアドライバーを装着し、各々小型のバックルを手に取った。

 

《 SET 》

 

愛久愛海はバックルをセットした後、右腕の関節を左手で添えながら、関節を軸に右腕を回転させ、手を肩の前まで持ってきた後、手をキツネの形にする。

瑠美衣は片足で右回りに一回転した後、両手をキツネの形にした後、左手は腰に置き、右手だけを前に突き出した。

 

「「変身ッ!」」

ふたりはそのまま同時にキツネにした指を鳴らす。そしてバックルを起動させて仮面ライダーへの変身プロセスへと移行した。

 

《 ARMED DAGGER 》

 

《 ARMED SCISSORS 》

 

愛久愛海は空色と黒のキツネの仮面ライダー、「仮面ライダーウルス」へと変身し、両手には小型剣武器の「レイズダガー」が握られている。

瑠美衣は瑠美色と金の子犬の仮面ライダー、「仮面ライダーテラス」へと変身し、右前腕部にハサミ型武器の「レイズシザース」が装備されていた。

 

《 READY FIGHT 》

 

「行っくよ〜!」

「…あ、待てルビー!先走ると……」

我先にとジャマトに向かうテラス。レイズシザースを用いて敵の攻撃を挟み込むように否しながら斬撃を与える。

 

「ジャ…!ジャァ!」

「よっ…!とっ…!」

どうやらテラスはリズムを取りながらジャマトの攻撃を読んでいるようだ。

 

「…ん?」

「ジャジャジャ〜!」

すると、ルークジャマトが地面に腕を突っ込み地面からツタを出現させて攻撃して来た。

 

「うわうわうわぁ!」

こうなればリズムなど関係ない、テラスは攻撃を受ける体制に入っていた。

 

「……っ?」

だが、テラスに攻撃は届かなかった。ウルスのレイズダガーの斬撃により、ツタは木っ端微塵に切り刻まれていたからだ。

 

「……ルビーは、俺が守ってみせる」

「…ありがとうお兄ちゃん…!でも、相変わらずシスコンだなぁ」

「いいから、さっさと決めるぞ」

「うん…!」

 

《 DAGGER STRIKE 》

 

《 SCISSORS STRIKE 》

 

「…はっ!」

レイズシザースを巨大化させたテラスは、2体のジャマトを挟み込むように拘束した。

 

「…ふっ!はぁっ!」

「ジャ〜!」

「ジャ…!」

そのジャマト目掛けてウルスのレイズダガーによる攻撃で、2体のジャマトは爆散した。

 

「……っ」

いつの間にか英寿の前にあった壁も消えており、英寿は若干微笑みながらその兄妹のところに歩み寄った。

 

「…あれぇ!?さっきのお兄さん!?」

「……っ…あんたは…」

英寿の存在に気付いたウルスとテラスは、変身を解除した。ふたりの手にはデザイアカードがあった。

 

「やるな。大したもんだ」

「もしかして、お兄さんも仮面ライダーなんですか!?」

「あぁ、俺は浮世英寿。仮面ライダーギーツだ」

英寿は手をキツネにして自己紹介した。

 

「私は星野ルビー!仮面ライダーテラスです!ほら、お兄ちゃんも!」

「…星野アクア、仮面ライダーウルスだ」

アクアは少し不服そうに自己紹介した。そんなに俺が気に食わないのだろうか

 

「お前は俺と同じキツネのライダーだったな」

「……っ」

「…キツネライダー同士、仲良くしよう」

アクアの前まで来た英寿は右手を前に出す。アクアは渋々英寿の手を握り、握手を交わした。

 

「……あぁ」

「……」

やはりこの目、どこかで見覚えがある……

あの時の少女も、同じような目を…

 

「いや〜!ぶらーぼぶらぁーぼ!」

「……」

「…?」

英寿の振り向いた先には、ナビゲーターのシロメとクロメが3人に寄って来ていた。

 

「さすがだね〜!君達が最速タイムでのゲームクリアだよ〜」

「……ゲームクリア?まだ校舎にジャマトは居るだろう」

「うんうん、その通りだよ?でも、それは君達が倒す必要はもうないからねぇー」

「…一体どういう意味だ?」

シロメとの会話の中で、何かこのゲームについて知り得る糸口を探ろうとしたが、やはり会話が噛み合わない。

 

「あれ、エースさん聞いてないんですか?」

「……あぁ」

「「クラス分けゲーム」は、ジャマーエリア内に現れた大量のジャマトを倒す事でデザイアカード、即ち「クラス表」を獲得するというゲームだ」

アクアの解説により、英寿の中でひとつの結論が生まれた。

 

「…つまり、デザイアカードを手に入れた時点でその仮面ライダーはゲームから除外される、という事か」

どうりで、デザイアカードを手に入れた後にジャマトに近付けなかったわけだ。

 

「デザイアカードを受け取ったら、デザイアカードの裏面に書いてあるクラスに行って自分の願いを書くの!あ、エースさん私と同じクラスだね!」

「そのとぉーり!」

ルビーの言う通り、デザイアカードの裏には「1-F」と書かれていた。

 

「…こんなふざけたゲームを考えたのは誰だ?ゲームマスターは何処に居る?」

「……このゲームにゲームマスターは居ないよ?」

「…は?」

シロメは当然かの如く答えた。その反応に英寿は呆気に取られてしまった。

 

「……毎年この時期になると、この学校に大量のジャマトが現れる。だからゲームとしてジャマトを倒し、デザイアカードを手に入れた者には理想の世界を叶える権利が与えられる。そして、デザイアカードを手に入れられなかった生徒は、仮面ライダー失格となる」

今度はクロメによる解説で、英寿は混乱を強いられる。

 

「……なんなんだ、そのデザグラのルールは」

「だってそういうものでしょ?デザイアグランプリとは、芸能界で活躍する人達がオーディエンスの支援と応援の元、理想の世界を叶える為にジャマトと戦う、その軌跡を辿るリアリティショーなんだから!」

「……どうやら俺の知ってるデザグラじゃないようだな」

 

今回の事で、色々と分かったことがある

俺が目覚めた時、タイクーン達の姿が見えなかった。創世の力が使えなくなってしまっていた。現れない筈のジャマトが現れ、更に運営が知らないナビゲーターを使っていた。ゲームマスターが居ない。そもそもデザイアグランプリの解釈が俺と違う

これらの事を考えると、導きされる答えはただ一つ

 

「……ここは、俺の居た世界じゃない…」

 

どうやら俺は、別の世界に来てしまったようだ

 

 

 

デザイアグランプリとは、

芸能界の人間が理想を叶える為にジャマトと戦う、

その軌跡を追うリアリティショーである。

 

 

第三話「韜晦Ⅱ:双子ライダー参上!」




次回

「これで少しは若く見えるだろ」
「絶対、ママみたいになるんだ!」
「貴方…どことなくあの子と似てるわね」
「お前の理想の世界はなんだ?」
「立ち止まれば、いつかきっと後悔するぞ」
「俺は俺の、物語をはじめる」

第四話「韜晦Ⅲ:芸能界へようこそ」
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