仮面ライダーギーツ【Mother and Children】   作:キャメル16世

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え、ちょっと待って…
仮面ライダーアビスってもう既にいるじゃん

って事で改名します
アクアが変身するライダーは「仮面ライダーウルス」です
前話までのは修正します。



第五話「韜晦Ⅳ:モグラ叩き」

「……ん?何やら朝から騒がしいな」

英寿が登校すると、校舎の中はいつもより騒がしくなっていた。

教室に到着すると、生徒の殆どが窓の外を見つめ、グラウンドを指差していた。

 

「…なんなんだ?」

「……あ、エースさん!来てきてぇ!」

ルビーが俺を手招きする

 

「……っ!」

英寿が窓の外を覗くと、そこには驚くべき光景がならんでいた。

校庭に幾つも空けられた穴。まるでモグラ塚の様に配置され、その光景は異様なものとなっていた。

 

「……っ」

『陽東高校のみなさーん!おはよぉーございまぁーす!』

すると、黒板にプロジェクターのように映されたモニター。シロメがこちらに向かって語りかけて来た。いつも通りのようにクロメは傍でそれを見届けていた。

 

『もうお気付きの方もいると思いますが!何者かによって陽東高校中に穴が開けられました!そしてその犯人は今も穴の中に潜伏していると思われます!』

『…皆には、その犯人を地上に引きずり出して倒して欲しい』

「……っ」

シロメが腕を大きく上げると、各生徒の机の上にミッションボックスが出現した。

 

なんだなんだと生徒達がボックスを開ける。中には小型バックル、運のいい者はモンスターバックルやニンジャバックルといった大型バックルを持っていた。

 

「なんだろなんだろ〜」

ルビーも少しワクワクしながらボックスを開けると、ブーストバックルが入っていた。

 

「おぉ〜…」

反応に困っているルビーを他所に、俺もボックスを開けた

 

「……ほぉ」

中身は小型バックル、それも釣竿のリールのようなデザインの「ウインチバックル」だった。

正直どう使ったら良いか分からん

 

『それではぁー!モグラ叩きゲームをはっじめーるよーっ!』

 

 

「……ジャマトはいつ現れるんだ…?」

早速校庭に出向いた生徒達であったが、肝心のジャマトはなかなか現れなかった。皆暇な様子で、ある者は土いじりをし、ある者は穴を覗き込むように見ていた。

 

「…エースさーん!」

「……ん?」

すると、ルビーが1人女生徒を連れて俺のところまでやって来た。

ピンクの髪に瞳、第一印象はおっとりとした様子の生徒だった。確か同じクラスの…

 

「紹介するね、私の隣の席の「寿(ことぶき)みなみ」ちゃん!」

「あんたがエースはんですか?うち寿みなみ、「仮面ライダークオッカ」いいますぅ。よろしゅー」

意外にも関西訛りで、やはりうっとりした喋り方で自己紹介した。

 

「浮世英寿、仮面ライダーギーツだ」

「ルビーちゃんから聞いて、強いんやろ?だったらこのゲームもエースはんが勝ったりしてな〜」

「…フッ…あぁ、手加減はしない。お前も全力でかかってくる事だな」

「全力やなんてそんな…うちはサポート専やから、影から支えんのが性に合ってるんよぉ」

「って事で、エースさんがピンチになったらみなみちゃんがしっかり守ってくれるから、安心して!」

「えへへ〜ー」

「……そ、そうか」

だいぶゆったりとしているが、これが本当に命をかけたゲームの一コマなのだろうか?

あまりにものほほんとした雰囲気の中、突如として男子生徒の叫び声が聞こえた。

 

「うあぁぁー!?」

「……っ!?」

穴の中からハエトリグサの葉のような口が伸びており、それが男子生徒を咥えこんでいた。

 

「あれは…新種のジャマトか…?」

「エースさん行こう!」

「うちも…!」

 

《 SET 》

 

「「「変身!」」」

ウインチバックルを装填した英寿、シザースバックルを装填したルビー、そしてみなみはニンジャバックルを装填していた。

英寿とルビーは指を鳴らし、みなみは胸に手を添えて胸を張り、背を逸らすようなポーズをとった。

 

《 ARMED WINCH 》

 

《 ARMED SCISSORS 》

 

NINJA

 

ギーツの左前腕部には、小型の巻き上げ機「レイズウインチ」が装備された。

 

《 READY FIGHT 》

 

「…はっ!」

レイズウインチを装備後、ギーツはすぐさまそのワイヤーを男子生徒の足首へと伸ばした。

 

「…クッ…案外このバックルで…っ…正解だったかもな…!」

だがハエトリグサの葉は男子生徒を離そうとはしなかった。このままでは男子生徒の身体が避けてしまう。

 

「…テラス!クオッカ!奴のツタを斬れ!」

「うん!」

「はいっ!」

 

《 SCISSORS STRIKE 》

 

ROUND 1

TACTICAL SLASH

 

ルビーはシザースバックルを操作し、みなみはニンジャデュアラーを分割し、ツインブレードの状態でシュリケンラウンダーを一回転させた。

 

「「はぁぁっ!」」

息の合った2人の斬撃が、ハエトリグサのツタを刻む。

ツタは見事に切断され、引きずり込まそうになった男子生徒の救出が完了した。

 

「……ふぅ…っ!」

「…きゃぁぁっ!」

だが一息付く間もなく、今度は校舎裏の方から女生徒の悲鳴が聞こえた。

 

「…少し様子を見てくる。お前らはここに居ろ、またいつジャマトが襲って来るか分からないからな」

「う、うん!分かった!気を付けてね!」

「お気を付けてぇ…!」

 

ギーツは2人を置いて校舎裏へと急いだ。

だが、彼が目の当たりにしたのはもっと驚くべき光景だった。

 

「…もぉ〜…なにこれぇ…!」

「……」

「助けてぇ〜…!」

「……」

女生徒は網にくるまって校舎の壁に浮いていた。

どうやらジャマトによる被害じゃないようだが、英寿は少し呆れながらもその女生徒を救出した。

 

「……ん?」

だがふと遠くを見ると、まるでついさっきまでこちらの様子を伺っていたかのように去る、男子生徒の後ろ姿が見えた。

すぐに曲がり角を曲がってしまった為顔までは見えなかったが、あの後ろ姿は……

 

「ありがとうございますぅ…!」

「…例なら結構だ。じゃあな、気を付けて戻れよ」

「あ、せめてお名前だけでもぉ…!」

だいぶギーツにご執心になった女生徒は、ギーツのキツネの手による投げキッスでメロメロになったあと、しばらく放心状態となっていた。

 

「……」

ギーツは変身を解除し、先程の男子生徒の後を追った。突き当たりを曲がったところで、彼は男子生徒を見失ってしまった。

 

「……どうやら、うまく化かされたようだな…ん?」

諦めて戻ろうとした時、英寿は地面に落ちている何かを拾った。

 

「…これは……」

 

 

 

結局お昼休みが終わるまで、ジャマトが現れる事はなかった。

だが推測出来ることは幾つかある。

あのハエトリグサのジャマトは、穴の近くに居る人間を襲う。そして穴の中に引きずり込もうとする習性がある。

ツタが弱点、という点である。

 

「つまり、とにかくあのツタを斬っていけば、ゲームクリア?」

「モグラ叩きの要領で行けば、それでいけるかもしれへんな〜」

「いや…斬っていったところで、あのジャマトは倒せない」

ジャマトの倒し方がそんな単純である筈がない事を、英寿はこの場の誰もが知っていた。

 

『みなさーん!緊急速報でーすっ!』

すると、またもや突然黒板にモニターが映され、シロメが至近距離から語りかけていた。

 

『実はあのジャマト…昨夜何者かによって仕込まれた可能性があることがわかりましたァー!…そ・れ・も、この学校の生徒の誰かである事が分かりましたぁ〜』

「…えっ!?」

シロメの言う事に、ルビーだけならずクラスの殆どが驚きを隠せずにいた。

 

『…過去の文献から、あのタイプのジャマトは「ある種」が無いと出現しない事が分かった。もしあのジャマトを倒したところで、昨日あのジャマトを仕込んだ奴が種を持っていた場合、このゲームは終わらない』

「……」

クロメが淡々と言及する。

それに対し、英寿は何やら心当たりのあるような目をした。

 

『…だからみんな、犯人を炙り出してコテンパンにしちゃって』

『少しでも顔を出したらこう…スパーンッ!だよスパーンッ!』

モニターが消えると、クラス内…いや、学校中がザワザワと騒ぎ出した。

当然である。今回のゲームの根幹が、この学校の生徒の誰かである可能性があるからだ。

 

「……なるほどな…モグラ叩きゲームの本質はここにあった訳だ」

「……ねぇ…もしかしてさ…」

「…もしホンマに生徒の中に犯人が居るなら……」

「「…ジャマトと内通してる人が居るってこと!?」」

「……」

息を飲むように黙り込む英寿。彼は拳を固く握り、どこか感情を抑え込むように、一点を見詰めていた。

 

 

 

「……さて、どう来る?浮世英寿…」

その様子を1-Fの教室に仕掛けられた盗聴器のリアルタイム音声を聴きながら、不敵に笑うアクア。

彼の瞳の星は黒く反転し、何かを待ち望むように、そして見定めるように見ていた。

 

 

陽東高校の生徒の中に内通者が居る。という情報をシロメとクロメによって伝えられた俺達

 

全員が疑心暗鬼になり、常にドライバーを装着していないと安心出来ない程であった。

親しい友人や同級生、優しい先輩、生意気な後輩。全員が容疑者であり、全員が身の潔白を示そうと躍起になっている。

 

中には喧嘩も勃発し、校舎の雰囲気は文字通り一触即発となっていた。

 

「ねぇ、どうしようエースさん!このままだとみんな仲間割れしちゃうよ!」

「…それが敵の狙いだからな。俺達はまんまと手の平で踊らされているという事だ」

敵の狙いは明白だ。この混乱に乗じて仮面ライダーを一網打尽にする

結局はこの世界でもデザイアグランプリは見せ物だ。この世界のどこかには、相も変わらずバッドエンドを望む者が一定数存在するのだろう

 

だが、そんな事には俺がさせない

残り僅かでもハッピーエンドを望む者が居るならば、俺はその者の想いに応えたい

 

あのハエトリグサのジャマトは、人為的でないと現れない。そしてその犯人はこの学校の生徒の誰かだと推測されている。おそらくここまでは間違いないだろう。

いくら運営と言えど、嘘八百のままゲームは進ませない筈だ。嘘は、本音を適度に混ぜることによって、その真価を発揮する。

 

ならば、嘘はなんなのか

 

「……やはり、鍵はコイツか…」

英寿が胸ポケットから取り出したのは、なんの変哲もなさそうな、球根のような種だった。

 

意味深にその種を見つめる英寿は、種では無い別の何かを見据えているように見えた。

 

 

 

「……」

英寿はその後、先程の男子生徒が見えた現場に戻っていた。

 

一通り散策していみたが、あの種意外に怪しいものはやはり落ちていなかった。

 

「……じゃあ、約束通り…」

「うんうん、わかってるよ〜」

 

「……ん?」

すると、校舎裏の方から話し声が聞こえた。

英寿が顔を覗かせると、そこにはアクアとシロメが居た。状況的に考えて、密会をしているようだった。

 

「じゃ、回収するのはあと1個ね〜」

「…全部回収すれば、約束通り……」

「あぁもう分かってるよー……君も悪いね〜仲間に嘘ついてこんな事してるなんてさぁ〜」

「……俺は、俺のやるべき事をやるだけだ」

アクアがシロメに何かを手渡すと、シロメは肩を揺らせてほくそ笑んでいた。

アクアの目のハイライトは黒く反転し、どこを見据えているのか分からなかった。

 

「うぅ〜…復讐の鬼は怖いね〜…誰に似たんだかぁ」

「……何の話だ」

「なんでもぉ〜ありましぇ〜ん〜〜」

シロメは嫌味ったらしい顔をした後、4次元ゲートを開いてアクアに背を向けた。

 

「…あ、言っておくけど…君が死んでも妹が死んでも、君との“契約”は消えないから。あの日の事、忘れないでね〜」

「……分かってる」

「ウンウン〜じゃぁねぇ〜」

4次元ゲートをくぐり抜けたシロメは姿を消した。残されたアクアはため息を付き、身体の向きを変えた。

 

「……っ」

「……よぉ」

英寿はアクアの前に分かりやすく立ち塞がり、彼の行く手を阻んでいた。

 

「…こんなところで何してる?」

「……いつから居た」

「……秘密…って言ったらどうする?」

「……お前を勝たせる訳にはいかない…!」

 

《 SET 》

 

アクアはいきなりダガーバックルを取り出しドライバーにセットした。

 

「……へぇ、そう来るか」

 

《 SET 》

 

それに応えるように英寿もウインチバックルをセットした。

 

「お前が何を考えてるのか知らないが、今回のゲームに関係ある事なら、洗いざらい教えてもらわないとなぁ」

「教える事なんて何も無い。俺の邪魔をするなら、ここでお前を倒す」

「良いのか?妹からの信頼を失うかもしれないぞ?」

「…今は……ルビーは関係ない…!」

アクアは英寿の言葉に反応すると、生身のまま英寿に殴りかかって来た。

英寿はそれを受け止め、アクアの瞳をじっと見つめた。

 

「…変身!」

「変身!」

 

《 ARMED DAGGER 》

 

《 ARMED WINCH 》

 

腕を絡ませながら、両者は空いた手でバックルを起動させ仮面ライダーへの変身を完了した。

 

「ふっ…!」

「クッ…!」

1度アクアを引き離した英寿は、その状態でアクアと対峙する。

 

《 READY FIGHT 》

 

2人の複眼は黄色に発光し、互いに互いを睨み合っていた。

 

 

 

ゲーム進行を妨げる行為は、

仮面ライダーであろうと運営であろうと、

全面的に禁止されている。

 

 

第五話「韜晦Ⅳ:モグラ叩き」




次回

「一体何を隠してる?」
「ここでアンタを野放しには出来ない…!」
「信じる事を忘れるな…」
「私は、お兄ちゃんを信じたい!」
「そこが、あんたのいい所じゃない!」
「俺は…どんな残酷な嘘でもついてやる…!」

第六話「韜晦Ⅴ:意固地な嘘つき」
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