仮面ライダーギーツ【Mother and Children】   作:キャメル16世

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フリルのフォームチェンジ祭り、最初はボツネタにしようと思っていましたが、このままでは意外とフリルの活躍少なくなるくね?となり、急遽戦闘パートに組み込みました。
思った通りごちゃごちゃしたパートになってしまいましたが、今回の大トリはタイトルの通りです!

ちなみにバックルの形状は基本的にブーストマークⅡバックルと同じですが、ハンドルを捻る機構がモンスターでは押し込み、ゾンビではキーを捻る、ニンジャではクナイを引っ張る動作、と従来のバックルの起動動作と同じという設定です。



第五十七話「阿吽Ⅶ:純白のマグナム!」

「随分と楽しいゲームになってきたなぁ」

「なに?ノッてきてるの?」

「いいや……つくづくこのデザイアロワイヤルというゲームシステムに嫌気が指してるってところだ。仮面ライダー同士を戦わせ合ったところで、誰も幸せにはなれない。ジャマトが現れても堂々と戦う事も出来ない」

「……」

「…だが、この時間が楽しいと思ってしまっている俺も居る。結局は俺も、戦いを楽しんでいたのかもしれない…ってな……」

ギーツは自分の掌を見つめ、固く握り締める。

 

「こんな自分とはもうおさらばした筈だったんだがな……どうやらお前らに火をつけられちまったみたいだ」

「……っ」

「……持ってるんだろ?この世界で生まれた、“あの力”を…!」

ギーツがそう言うと、レヴィアの懐からひとつのバックルが飛び出し、ギーツの手中へと収まった。

 

「ブーストマークⅡバックル…!どうやら俺の思いに呼応したようだな……」

バックルとライダーは惹かれ合う…

あの時、ニンジャバックルがタイクーンを選んだように……

 

「…あーあ、最後の切り札に使おうと思ってたんだけど……これじゃあバックル垂らしの異名が廃るなぁ」

そう言うと、レヴィアは白銀のバックルを取り出した。

 

「仕方ないから私の本気、エースさんにちょっとだけ見せてあげる」

 

《 SET 》

 

白銀のバックルを装填したレヴィアはそのままトリガーを引きバックルを起動させる。

銃口のパーツーが展開し、4発の銃弾のエフェクトがアーマーへと変化する。

 

MAGNUM REVOLVE Ⅱ

 

《 READY FIGHT! 》

 

マグナムフォーム リボルブⅡ。

両腕にはマグナムシューター40Xと同型の銃口パーツが装備され、胸の中央にはリボルバーのような装飾が施されており、頭部も先程とは異なり白銀に染まっていた。

 

これが仮面ライダーレヴィアの現状の最強形態。数多の仮面ライダーをこの姿で圧倒し、数多のジャマトを葬ってきた。正に鬼神の如く姿である。

 

「ほぉ…ならこっちも…」

 

《 SET 》

 

BOOST MARK Ⅱ

 

《 READY FIGHT!》

 

ギーツはブーストフォーム マークⅡへと変身し、全身から溢れる熱気を押さえ込んでいた。

 

「久々だなぁ…この感覚…!」

「うん、やっぱり戦いはこうでなくちゃ…」

「あぁ…!ここからが、ハイライトだっ…!」

 

 

「ジャァ…!ジャァ…!…ニンゲンハ…ツブスッ!」

「ほれほれ〜!当たんないよぉ〜?」

辺りにツタの触手を撒き散らす白バラのジャマト。

鋭利なトゲがある触手だ。当たれば一溜りもないが、その制度は良くは無い。

ギリギリを攻めて攻撃を避け続けるピークαはジャマトを煽り続けていた。

 

「ジャァ!ジャッ!」

「ふっ…!……っ!」

丁寧に攻撃を見切り続けるピークβ。

しかしそんな時、ピークαのとある欠陥を見破った。

 

「…シロメ…!」

「んえ?…うわわっ!」

突如ピークαの死角から触手が伸びて来てそれを間一髪で避ける。

 

「あっぶなぁ〜…」

「やっぱりあのジャマト、学習してる」

「えっ??」

「最初は私達の攻撃の避け方、次に攻め方。そして油断しやすい瞬間…それぞれを戦いの中から学習してる…」

「でもでも!全然攻撃当たんなかったよ??」

「わざとだよ」

「…え??」

ピークβは初めから見破っていた。

ジャマトの思考の裏に隠れていた、狡猾な罠を。

 

「わざと大雑把な攻撃を仕掛けて、私達の油断しやすい状況へと誘い出してたんだ……シロメはそれにまんまとハマったわけ」

「なにぃ〜!?あのジャマト、見た目とは裏腹にやるなぁ」

「クラムさんの話だと、人間を何人も喰って知能を蓄えてるって……かなり原始的な進化方法だけど、一番厄介とも言える」

「なぁら、犠牲者が増える前にさっさと倒しちゃった方が良いねぇ」

「…うん、そうだね」

 

ふたりはプロビデンスカードを取り出し、ドライバーに1回リードさせる。

 

ERASE

 

「よっと…!ほっ…!おりゃァァァ!!」

するとピークαの胸のヒュプノレイが分離し、地面へバウンドする。ピークαはそれをサッカーの要領でドリブルすると、天高く蹴り上げ身体を反転させながらジャマトへ向かって蹴り飛ばす。

 

「ふっ…!はっ!はァァァ…!」

一方ピークβの胸のヒュプノレイは、ピークβと地面をの間をバウンドし、それをバスケの要領でドリブルしながらジャマトへと向かう。飛び上がったピークβはそのままヒュプノレイをジャマトへ投げ飛ばした。

 

「…ジャ…ッ!」

両者の攻撃が命中し、辺りには砂埃が舞った。

しかしふたりは今度は油断しなかった。

このジャマトの常軌を逸した生命力の実態を知っていたからだ。

 

「……ジャァァ…」

「…ま、そりゃそうだよねぇ」

案の定、白バラのジャマトは生きていた。

それだけではない。先程までに受けた傷も全て癒え、消耗している素振りも見せなかった。

 

「…っ?」

それだけではない。

先程まで手にしていなかった筈の、ツタを硬化させたかのような鋭利な武器を両手に備えていた。

 

「「…っ!」」

「ジャジャジャッ!!」

その異様な雰囲気に身構えた瞬間、ジャマトの姿は一瞬にして消え、自分達の背後までやって来ていた。

 

「う…ウソでしょ…!?」

「…っ!」

「ジャァァ!」

「きゃっ!!」

「シロメ!」

ジャマトの攻撃に薙ぎ払われたピークα。

 

「……っ!!」

そして残されたピークβに向かって、白バラのジャマトはこう呟いた。

 

「……ミーツケタッ♡」

 

 

「……」

精神を研ぎ澄まし、辺りの音を聞き分ける。

 

「……」

遠くでナビゲーターとジャマトが戦っている。

そのすぐ側にはトロスとウルスが見合っている。

 

「……」

「…はァァっ!」

「はっ!」

「クッ…!」

「ウッ…!」

突如として現れたギーツはレヴィアにパンチを繰り出した。しかしレヴィアもそれに対応し早打ちでギーツに発砲した。

 

「…フッ…伊達に本気じゃないな。先程とはまた違う気迫を感じる」

「…エースさんも、そのバックル使いこなしてるね。初めて使う筈なのに……」

「あぁ…こっちじゃ初めてだなぁ…」

 

向こうの世界のブーストマークⅡバックルは通常のブーストバックルの5個分の力を引き出せていた…

だがこのマークⅡバックルは、通常の2,3個分程の力しかスピードもパワーも出ない……

使用感度は異なるが、かえってこっちの方が扱いやすい!

 

「ふっ!はっ!」

「またかくれんぼ?これじゃただのシューティングゲームだよ」

ギーツは姿を晦ますも存在は認識出来る。

どうやら目に見えぬスピードで辺りを旋回しているようだ。

 

「射的は苦手か?」

「……いいや」

レヴィアは腕の銃口パーツ「マグナムペネトレーター」を虚空へ向ける。

 

「…ふっ!」

「グッ!」

マグナムペネトレーターの銃弾がギーツにヒットし、ギーツはその場で胸を押さえた。

 

「…獲物を狩るのは得意」

「……なら、キツネ狩りと行こうか!」

 

BOOST STRIKE

 

「「ふっ!ほっ!はっ!」」

「…っ」

残像を使って分身を……

これじゃあ狙いが定まっても当てられない…

 

ギーツの策略に思考を巡らせるレヴィア。

少し考えた後に、ドライバーへと手を伸ばした。

 

《 REVOLVE ON 》

 

レヴィアはドライバーをリボルブオンさせると、身体が人型から翼のある細長い龍へと変化する「ビーストモード」へと変化する。

 

天高く舞い上がったレヴィアは眼下へ向かって弾丸の雨を振らせた。

こうすれば姿が見えずとも関係ない。

 

「グッ…!」

案の定攻撃に掛かったギーツは地に伏していた。

 

「…どう?私の本気、強いでしょ」

再びリボルブオンしたレヴィアは人型に戻り、伏したままのギーツへと近付く。

 

「…っ!」

しかし、触れたものに実体は無く、手がすり抜けていた。

 

「はァァっ!」

 

BOOST STRIKE

 

「クッ…!」

残像をそのまま残して…!?

 

レヴィアにギーツのキックに直撃する。

地に伏していたのはギーツの残像、つまりは偽物だった。

 

「クッ…」

しかし残像を作る上で、レヴィアの攻撃を受ける事は避けられない。ギーツにもレヴィアから受けた傷が深く刻み込まれていた。

 

「…捨て身の攻撃……やるね、エースさん」

「こんなのは序の口だ…!俺のハイライトは…まだ終わらないッ!」

 

BOOST TIME!

 

「はっ!!」

ブーストマークⅡバックルのハンドルを2回捻ったギーツは空高く飛び上がった。

 

「エースさん…正直私、今すごく楽しい…!敬意を評して、エースさんに私の全部をぶつける…!」

 

MAGNUM STRIKE

 

レヴィアは両手を合わせ、マグナムペネトレーターの銃口に高密度のエネルギー弾を生成し始めた。

 

「ふんんんんっ!!はぁぁっ!」

物凄い威力で射出された弾丸状のエネルギー弾は迷わず上空のギーツへと向かう。

 

「さぁ…!盛大に打ち上げだッ!」

 

BOOST GRAND STRIKE

 

「はぁぁぁぁぁぁぁああっ!」

ブーストによって強化されたライダーキックと、エネルギー弾が直撃する。

しばらくの押し合いがあった後、ふたつの攻撃は空中で爆発した。

 

「……っ」

地上に降り立ったギーツはマグナムフォームへと姿が戻っていた。ブーストマークⅡバックルの効力が切れたようだ。

 

「……」

反対にレヴィアもモンスターフォームへと戻っており、こちらも消耗している様子だった。

 

「……お互い、元気いっぱいだな」

「…うん、まだまだ楽しめそう」

 

 

「…だったら証明しようぜ…!俺達の想いを…俺達の手で…!」

意気揚々とウルスへ武器を向けるトロス。

しかし、次の瞬間その表情は失意する。

 

「……」

「……は?」

トロスは武器をおろし、あまつさえドライバーからバックルを抜き出しエントリーフォームへと成り下がった。

 

「…お前…一体どういうつもりだ…?」

「……」

あまりな奇行にトロスは思わずウルスに問う。

しかし、ウルスは答えずただ立ち尽くしていた。

 

「……おい…星野…」

「……」

そのショックの大きさは、あまりにもトロスの心を傷付けた。

 

「……お前ェェェ!!」

「…グッ…!」

無防備なウルスに切りかかり、馬乗りになって胸ぐらを掴んだ。

 

「お前ェ!ホントにそんなんで理想の世界を叶えるとかほざいてんのか!?」

「……」

「さっきの言葉は嘘だったのか!?あの眼も…!」

「……」

「…お前の覚悟はそんな程度だったのかぁ!?」

「……」

トロスの叱責に、ウルスは黙り込む。

しかし無抵抗でありながら、その意識は確実にトロスへと向いていた。

 

「……こんな時、ルビーならどうするか考えてた」

「…っ!?」

ふと、ウルスは口を零した。

 

「…あいつなら、自分の理想も他人の理想も叶えようとする。でもどちらかの理想が叶えられないと知れば…あいつならきっと、他人の理想を優先する」

「……」

「……そういう奴だったんだよ。どうしようもないほどのお人好しで、夢見がちで、無鉄砲で…」

「……」

「…でも……そんな姿が輝いて見えた…!」

ウルスの変身はいつの間にか解けていて、素顔が顕になったアクアはトロスの胸ぐらを掴み返した。

 

「あの輝きを取り戻す為なら…!俺はなんだってやってやる!!でもルビーなら、自分が生き返る事なんて望まない筈だ!」

「……まさかお前…」

「俺は俺のやり方で…!B小町の輝きを取り戻す!!あいつが好きだった…あいつが愛した『B小町』を…!その為なら……うおぉぉぉおっ!」

「グッ…!」

アクアは馬乗りになられた状態で仰け反り、トロスの胸ぐらを強く握ったまま頭をトロスの額へと打ち付けた。

 

「……っ」

「姫川…!俺にはあんたのような才能はないし、持ってるものも違う!あんたに追い付けるとも思ってないし、追い付くつもりもない」

「……」

「…それでも俺は、俺の理想の世界を叶える!証明してやるよ…!B小町は、ルビーが居なくても輝けるって事を…!」

「……まさか…お前がデザイアロワイヤルで叶えようとしてる世界は…」

「…『B小町が、未来永劫無くならない世界』だ!」

「……」

アクアの強い視線が、トロスに刺さる。

 

「……響いたぜ…それがお前の理想か…」

アクアの思いを聞き届けたトロスは、自身のバックルへと手を伸ばす。

 

「…なら俺は…!」

「……っ!」

すると、トロスはバックルを操作するのではなく、ドライバーから抜き出して変身を解いた。

 

「……降参だッ!」

「…っ」

姫川の言葉が、辺りに響いた。

 

「…なに?」

「……姫川さん…」

それはギーツとレヴィアの耳にも届き、思わず戦闘も中止される。

 

「……姫川…」

「…星野、お前の事…やっぱり信じてよかったぜ」

こちらへ歩いて来た姫川は、先程まで使っていたバックルをアクアへ押し付けた。

 

「俺はこのデザイアロワイヤルで、仮面ライダーを引退する。そのバックルはお前が貰ってくれ」

「…っ!?」

「初めからそのつもりだった。運営とはもう話が着いてる……だからこれは俺の意思だ、勝手に責任感じるんじゃねぇぞ?」

姫川は清々しい表情でアクアに語りかけていた。

 

「……でも…どうして…?」

「…お前の妹が退場したって聞いて、真っ先にお前の顔が思い浮かんだ。有馬に連絡したら、案の定籠ってるって聞いてな……でもこのゲームに参加するって知って、もしかしたらと思った。お前の心の奥底には、まだ光が残ってるってな」

「……」

「…直接確かめる為に、一芝居打たせてもらったって訳だ。まぁ、ほとんど本心だったがなっ」

ニヒルな笑顔を見せる姫川は、本当に本心で語っていた。

姫川がこのゲームに参加した本当の理由は、星野アクアの心の光を見つけ出す事だったのだ。

 

「……」

「お前の光は潰えてはいなかった。それが分かっただけで、俺は満足だ」

「……トロス…」

「……姫川さん…」

「…不知火、どうする?お前らは続けるか?」

ふたりの決着を見届けたギーツとレヴィアは、思わず姫川に問いかけた。

姫川はレヴィアに試すように問い返す。

 

「…いいや、姫川さんが居ないんじゃ私も降参する」

「…えっ?」

「元々、姫川さんに無理やり参加させられたゲームだし、エースさんと本気で戦えたから…まぁいっかなって」

「……そんなので良いのか?」

「ゲームに参加する理由なんて人それぞれだ。お前らの方が、よっぽど高い理想を持ってる。今はそれでいい」

変身を解除したフリル、そして姫川は変身を解いたエースとアクアにそれぞれタグを手渡した。

 

「ジャァァッ!」

「ちょっとキミ達!!決着着いたならさっさとこっち手伝ってよ!!」

「このジャマト、どんどん強くなってる…!」

すると白バラのジャマトとピークα、ピークβが飛び出して来た。

どうやら苦戦しているようだ。

 

「私達はゲームに負けたからもう参加出来ない…」

「後はお前らだけで行ってこいっ!」

「「……」」

姫川の言葉に見合うエースとアクア。

 

「……フッ」

「…フッ」

そして互いの眼を見ると、お互いに頬を緩ませた。

 

「……さぁ、行くかウルス!」

「…あぁ!」

 

 

 

DRルール

戦いで敗北を宣言したプレイヤーは、

自身のタグを

相手に譲渡しなければならない。

 

 

第五十七話「阿吽Ⅶ:純白のマグナム!」




次回

「お前の理想、俺も確かに聞き届けたぞ」
「結局俺は利己の為に戦っている…」
「己が信念を証明して欲しかったのさ」
「戦おう、ウルス」
「さぁ、ここからが……」
「「ハイライトだッ!」」
「栄えある勝者に選ばれたのはぁ〜?」

第五十八話「阿吽F:理想を願う者たちへ…」
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