私、高町なのは。●●歳   作:軟膏

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キャラ改変がひどいのでアンチ・ヘイトタグを追加しました。
こんなのなのはさんじゃない、って言われたらうん、まあそうねとしか言えない。


5話

 

 

「飲まなきゃやってられない」

 

なのはがその日、全てを終わらせてベッドに潜り込んだ時に呟いた言葉である。

 

 

 

 

 

 

姉が自分が思っていた以上に強かったことを知り、安堵したのも束の間。

フェレットがなのはの投げ捨てた泡立て器を拾ってきて、封印をしろと言った。

今はダメージを受けて一時的に機能を停止しているだけなので、封印をすればもう安心なのだとか。

その言葉に、俄かに自分の出番が廻って来たか、となのはは期待したものだ。

 

だが、フェレットの言うとおりに泡立て器を持って、姉の見ている前で

 

「リリカル・マジカル 封印すべきは忌まわしき器 ジュエルシード封印!」

 

という羞恥プレイをやらされたなのはは、帰り道でずっと鬱になっていた。

呪文を唱えたら、泡立て器がボタンも押してないのに勝手にクルクル回り出して、なんか桃色の光が回転しながら出て青い石にぶち当たったのは、いったいなんだったのだろうか。

封印し終わったなのはが、そのジュエルシードとかいうのを格納するとき、八つ当たり気味に、ジュエルシードに泡立て器を叩きつけたのは責められることではないだろう。

 

 

 

 

 

 

あれから警察のサイレンの音が響いて来たので、いつまでもそこにいるわけにはいかず、引き上げることにした。

そして町はずれの公園にまで来たところで、やっと一息吐くことが出来たのだ。

 

「……」

 

なのはは無言でワンカップを開ける。

小銭しかないが、ジャージのポケットにお金を入れていた過去の自分に、今とても感謝していた。

このさびれた公園の片隅に酒の自販機が置いてあったことにも。

一気に呷りながら、隣で美由希とフェレットの会話を聞く。

 

「そういえば君、なのはの話だと酷い怪我だって言ってたけど、そんな動き回って大丈夫なの?」

 

「怪我は平気です。もうほとんど治っているので……」

 

そう言ってフェレットは身体を震わせ、シュルシュルと包帯を引き剥がす。

その下からは、綺麗に生え揃った毛並みが顔を覗かせていた。

 

「へぇ、本当だ。怪我の痕がほとんど消えてるよ」

 

「明日には全部治ると思います」

 

「魔法って結構凄いね」

 

「助けてくれたおかげで、残った魔力を治療に回せました」

 

チャリーン。

自販機に小銭が投入される音が響く。

ピッとボタンを押すと、ガタン、とワンカップの酒が落ちてきた。

 

「そういえば自己紹介してなかったね」

 

「あ、そうでしたね」

 

チャリーン。

自販機に小銭が投入される音が響く。

ピッとボタンを押すと、ガタン、とワンカップの酒が落ちてきた。

 

「私は高町美由希。高町が名字で、美由希が名前だよ。さっきの見て分かると思うけど、結構腕には自信があるんだ」

 

「僕はユーノ・スクライアといいます。スクライアは部族名なので、ユーノが名前です」

 

チャリーン。

自販機に小銭が投入される音が響く。

ピッとボタンを押すと、ガタン、とワンカップの酒が落ちてきた。

 

「へぇ、そうなんだ。ユーノ君、で良いかな?」

 

「あ、はい。どうぞお好きなように呼んで下さい」

 

「そ。じゃあよろしくね、ユーノ君」

 

チャリーン。

自販機に小銭が投入される音が響く。

ピッとボタンを押すと、ガタン、とワンカップの酒が落ちてきた。

 

「それにしても、凄かったです。まさか魔法も使わずにあの思念体を倒す事が出来るなんて……」

 

「大したことじゃないよ。あれぐらい家のお父さんやお兄ちゃんだって朝飯前だし」

 

チャリーン。

自販機に小銭が投入される音が響く。

ピッとボタンを押すと、ガタン、とワンカップの酒が落ちてきた。

 

「ええっ!? そうなんですか!?」

 

「そうだよ。で、あっちにいるのが妹の高町なのは」

 

「高町なのはさん……」

 

「呼ぶ時は名前の方で呼んでね。同じ高町だから。あの子もそっちの方が好きだし」

 

チャリーン。

自販機に小銭が投入される音が響く。

ピッとボタンを押すと、ガタン、とワンカップの酒が落ちてきた。

 

「わかりました。それにしても、貴女達を巻きこんでしまいました……」

 

「気にしなくていいよ。私は平気だから」

 

チャリーン。

自販機に小銭が投入される音が響く。

ピッとボタンを押すと、ガタン、とワンカップの酒が落ちて来ない。

 

「……」

 

ボタンから恐る恐る指を離すと、そこには赤い、とても紅い、なのはの大嫌いな言葉が浮かんでいた。

 

「売り……切れ……?」

 

そんな、馬鹿な……、とばかりにその場に膝をつくなのは。

 

「そうだ。ユーノ君、まだ怪我が全部治っている訳じゃないんだし、ここじゃ落ち着かないでしょ?」

 

「いえ、そんなことは」

 

「とりあえず、私達の家に行こうか」

 

「え、でも女性の家に上がるのは……」

 

遠慮しようとするユーノ。

 

「もう夜も遅いし、話は明日ってことで」

 

「は、はい……」

 

だが、美由希の勢いに押され、ユーノは頷いてしまう。

 

「よし、じゃあ帰ろうか。なのは行くよ。あと買った傍から一気飲みするのは危ないから止めなさい」

 

「……お酒……」

 

 

そして、この長いようで短い一日は幕を閉じたのだった。

 

 

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