彼女と違う高校に進学した。   作:姉小路

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彼女、紹介する

今日も練習後の自主練に参加をすると伝えた所五色にすごい驚かれた。

そのままどこかに走り去ってしまった。おい、お前なんで天童さんのとこに行くんだ。

そして二人でこっちを見るな。ムカつく。

 

「あれれ~?義衡、彼女のとこに行かなくて良いの~?」

 

天童さんがこちらに近づいてきて開口一番にそんな事を言って来た。

よろしい戦争だ。今日の自主練相手は天童さんと五色だな。

 

「いや、なんか部活に入ったらしいです」

 

「へぇ~」

 

なんでそんなにニヤニヤしてるんだ。

別に嘘は何も言っていないのに何か隠し事してるみたいな状況にされている。解せん。

 

「そんな事より、さっさと練習しましょうよ」

 

「へーい」

 

会話を打ち切り各自それぞれ分かれて練習を始める。

今日はレシーブではなくサーブの練習。

僕が打つサーブはスパイクサーブと言われる手がもげそうになる位の勢いのあるサーブ。

威力はあるが精度が低いので狙ったとこに行かないし、アウトになる事もあるのでその辺りを改善したい。

あと前回のIHで宮弟が二種類のサーブを使ってきていたのでアレを真似したい。カッコいいし...

出来れば次の春校までに完成させたいけど間に合うかなぁ。

最悪の場合、俺はレギュラーでは無いので春高の途中で完成しても間に合うだろう。

コートの端に立ち息を整えてから数歩助走を取る。

ボールを上げてタイミングを合わせて助走を始める。

タイミングよく手がボールにミートする。お、いい感じ...

ボールはそのまま対面にいたリベロの柴田の正面に向ってしまったが柴田は取れずにそのまま後ろにそらしてしまった。

うーん、柴田を外して狙ったのに何でそっちに行くんだろう。

もうちょっと回転させた方が良いのかな?

 

「太一さん、どう思います?」

 

「えぇ?俺かよ」

 

「牛島さんは話通じないし大平さんはレシーブ側いるんで」

 

「サーブの事なら瀬見さんがいるだろ」

 

「確かに」

 

隣でサーブの練習をしていた太一さんに聞いたもののあんまサーブについて詳しくなかったみたいなのでサーブが得意な瀬見さんに聞いてみることにした。

 

「瀬見さんサーブってどうやるんですか」

 

「急になんだよ」

 

「いや、俺のサーブって精度低いなって」

 

「ふーん」

 

なにやら不満げな目で視てくる瀬見さん。

なんだ一体。この人も五色や天童さんみたいな感じなのか?

 

「まぁいいや、教えてやるよ」

 

「ほんとっすか、あざす」

 

という訳で瀬見さんに教えてもらいながらサーブのコツを教えてもらった。

なんか感覚派だったので最初は何を言ってるか分からなかったが頑張って言語化してくれたのは助かった。

まぁ教えてもらってすぐ上達する訳もなくしばらくは練習が必要だが一か月後にはモノにできるように頑張ろうと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

練習が終わった後、まだ烏野にいるとの事だったので迎えに行くことにした。

白鳥沢から烏野まではそれなりに離れているけどまぁ問題なかろう。

待たせても悪いので自転車で全力疾走する。

電車の本数が少なく待つ時間が長かったので自転車で行った方が早いだろう。

それにしても仁花はマネージャーを続けるのだろうか?

案外、ハマって続けるかもしれない。でもこういうので続けたこと無いしなぁ。

大体おばさんの圧に負けてくじけてる気がする。あの人怖いからなぁ、実際は優しいんだけど。

小学生ぐらいの時、おばさんに圧を掛けられている仁花を庇ったら後から怒られた。

過保護なのは良いけど仁花の成長にならないって。その時は理解できなかったけど中学に上がったぐらいで理解した。その辺から色々俺自身も変わった訳だが。

そんな事を考えながら自転車を走らせることしばらくして烏野高校に到着した。

連絡してみるとまだ学校を出てはいないらしい。

 

「あ、義衡‼」

 

校門で待っているとこちらに向かって駆け足で来る仁花。可愛い。

ふと我に返ると後ろに人がいる事に気づいた。

 

「えっと、どちら様?」

 

「あっ清水先輩、こちら私のか、彼氏の義衡です」

 

「どうも紹介されました、岩代義衡です」

 

どうやら先輩らしい。バレー部のマネージャーの人かな?

というか仁花が恥ずかしがりながら紹介してるのを見るとニヤニヤしちゃう。

 

「あ、あの清水先輩?」

 

「いやごめんね、なんか意外だった」

 

少し固まっていた清水さんに仁花が声を掛ける。

確かに仁花みたいに可愛い子には俺は不相応だろうけど意外は失礼でしょ。

初対面の人に言われたら俺だって泣く。

 

「い、意外!?私じゃ義衡に不相応ってことですか‼」

 

「いやそうじゃなくて、谷地さんに彼氏がいるのがちょっと意外」

 

「...?」

 

理解できてないのか首をかしげる仁花。

確かに清楚だから彼氏がいなそうなのは分かる。

 

「私がいなくても大丈夫だろうし先に帰るね。あとは彼氏さんよろしく」

 

「しっかり守りますよ」

 

「それじゃ仁花ちゃん、また明日」

 

少し言葉を交わした後、気を使ったかのように先に帰る清水さん。

仁花は未だに少し恥ずかしいのか顔が紅くなっている。可愛いねぇ。

落ち着くのを待って二人で駅に向かって歩く。

 

「それでね、今日久しぶりに劇で木の役とかをしたのを思い出したんだぁ」

 

「あったね、木の役。俺がその下の草むらAをしたやつね」

 

「そうそう‼二人で背景の一つをしたやつ」

 

楽しそうに話す仁花。見てるだけで幸せを感じる。

結構マネージャーの仕事を楽しめてるみたいで良かった。

 

「明日は練習試合らしいんだ。」

 

「へ~、じゃぁ明日も行くの?」

 

「うん、ゴメンね。せっかくの休みなのに」

 

「大丈夫、大丈夫。仁花のやりたい事をすればいいよ」

 

「うんっ!」

 

多分これから先、二人の時間は減ることに悲しく思いつつも楽しそうな仁花の姿を見れて嬉しいと感じる自分に嫌気がさした。

もっと一緒に居たい‼

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