彼女と違う高校に進学した。   作:姉小路

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彼氏、嫉妬する

休日に仁花と一緒にいられなくなり暇になったので部活に顔を出すことにした。普段ホントに念を押された時しか休日の練習には出ないのでそれは物凄く驚かれてしまった。

驚かれるのは良い普段から参加していない俺が悪いんだから、でも天童さんと五色、あの二人だけは許さない。

天童さんは「カノジョと別れたの〜?」とか「良い加減カノジョがいる妄想とかキツイよ〜」とか色々とおちょくってくるし、五色は五色で天童さんの発言を本気で信じてこっちを心配してくる。いい奴なんだけど面倒くさい!!本気で言ってるからこそコッチもコッチで言い方を気にしないといけないのがダルい。あと太一さん顔を隠してるけど笑ってるのバレてますからね、白布さん不機嫌になって俺を睨むぐらいなら天童さんを止めてくださいよ。

監督がやって来て始まった午前中の練習は結構ハードなもので内容が苦手なブロックフォローや限界を超えるために無限にスパイクを打つ事だったのでしんどい思いをするハメになった。ゴメン仁花、俺はプルスウルトラ出来なかったよ。

ジャンプを何度も繰り返した結果として午前中の練習が終わってからはずっと足がピクピクしている。

 

「お前、体力ないよな」

 

「俺はスーパーサブだから良いんです〜」

 

「お前まさか学年が上がってもそのまま行くつもりか?」

 

太一さんが動けない俺に呆れながらもドリンクを持ってきて渡してくれる。普通に体力つけるのって大変なんだよ、どんだけ付けても限界値は無いし少し上げようとするだけで死ぬほどキツイ思いをしないといけない。好き好んでランニングするやつの気がしれないね。

 

「俺らの代は今のとこエース張れる奴がいないからお前にその役目を背負って欲しかったんだけどな」

 

「そんな事言われましても…」

 

「まぁ覚えといてくれって事で」

 

俺にそんなエースとかいう重責を背負わせようとしてたのかこの人。こんな軽い流れで言われても困る。普通に牛島若利の後継者とか言うバカデカい重荷背負いたくないに決まってるでしょうが。

 

「休憩終了、集合!!」

 

暫くグッタリしていると昼休憩の時間が終わりコーチに集合を掛けられる。この休憩殆ど地面に倒れてただけなんですけど…食事もウィダーだけだし、コレ無事に帰れるかな?

屍のように起き上がり急いで円陣の中に並ぶ。

午後からの練習は紅白戦、監督によって選ばれてしまったので最初からスタメンとして出場である。

 

「サボったら殺すからな岩代」

 

「いや適度にサボらせてくださいよ」

 

「嫌だ」

 

残念な事に白布さんと同じチームになってしまった。この人と一緒にやるときは休むことが許されないから本当にキツイ。サボってたら公衆の前で説教されるのだ。従うしかあるまい。

試合が始まってからのことはよく覚えていない。足が震えているにも関わらず一生上げ続けられるセットアップに何故か狙われ続けるサーブ。終いには牛島さんのスパイクを直接顔面に食らったことでトドメを刺された。

牛島さんの一撃を食らって動かぬ死体となった俺は監督の指示で下げられ湿布を顔に貼りながら残りを見学することになった。塞翁が馬的な?感じになって俺としてはラッキーである。

この日はこの後練習に参加することなく見学だけで終了した。支度を終えて体育館を出ると既に外は真っ暗になっており星が空で輝いている。

 

「じゃ、先に帰りまーす」

 

「またな、義衡」

 

自主練をする居残り勢に挨拶をしてから帰宅する。自宅のマンションは近くもなく遠くもない距離にあるので特に苦を感じることもなく移動する。

 

 

「ただいま〜」

 

自宅マンションに辿り着き部屋に入っても返事は返ってこない。家の両親は共働きで19時を過ぎても帰宅することが無いなんてザラだから今日も例に漏れずそんな感じなのだろう。荷物を自室に置きささっとシャワーを浴びる。その後急いで着替えて身だしなみを確認し部屋から出て隣に住む住人の部屋のチャイムを鳴らす。

 

「よっ」

 

「おかえり〜、もう準備出来てるからね」

 

少ししてから出迎えてくれたのは普段よりラフな格好をしている仁花。うん、可愛いね。

毎日のようにこのやり取りをしているが飽きることがなく新鮮に感じるのはやはり愛ゆえなのだろうか。

外は暑いので汗をかく前に部屋の中へと入れてもらう。仁花の親も仕事が忙しく夜は遅いのでこの部屋には俺と仁花以外誰もいない。という訳で男女が2人っきり何も起きない訳もなく...という展開は今まで一度も起きていない。

逆に考えて見てほしい、幼少期からずっと一緒にいるのだ。一緒にいるのが当たり前の事すぎてお互いにそんな事を意識する事が無いのだ。

コレが良いことなのか悪いことなのかは分からないが仁花が幸せならそれで良いや、と思ってる。

 

「「いただきます」」

 

という事で一緒に夜ご飯を食べる。今日のご飯は野菜炒めに納豆、豚汁。小さい頃から料理をしていた仁花の料理は美味しい。

 

「今日のバレー部の練習試合凄かったんだよね、こうシュン!スパン!!みたいな感じで....体育の授業でやるバレーとはまるで別物だったな〜」

 

「ふ~ん」

 

「特に影山くんと日向のペアが凄くってさ〜なんというか凄いカッコよかったんだよね」

 

「」

 

「だからこそって言うか....義衡?大丈夫?」

 

「うん、少し考え事してただけだから大丈夫」

 

「それなら良いけど、無理だけはしないでね」

 

熱心に語ってくれる仁花には悪いが俺の内心は穏やかではない。なぜかって?愚問だろ、なんか想像してたよりずっと仁花が心惹かれてて嫉妬しているんだよ。

ていうかカッコいい?仁花にそんな事を言われんの普通に羨ましくて仕方が無いんだけど!?てか最近俺がカッコいいって言われたのはいつだったけ?思い出せねぇ。

 

「申し訳ないんだよね、って聞いてる〜?」

 

「ゴメン、半分寝てた」

 

「仕方がないな〜」

 

なんかよく分かんないけどドヤ顔してた、可愛い。

ご飯を食べ終わり少し休憩してから今日は眠いと言うことで早めに退散した。眠いのはホントだし嘘はついていない。

他の奴に嫉妬とか女々しいなぁ、と思いつつベットに横になり寝ることにした。

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