彼女と違う高校に進学した。   作:姉小路

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彼氏、二人組と出会う

少し悩んでいた仁花だが最終的にバレー部に入部することにしたそうだ。

おばさんからはこれからもよろしく見てやってねと言われたが俺からすると対戦相手になるかもしれない相手なんだよなぁとか思いつつ取り敢えず分かりましたとだけ言っておいた。

そんな俺は今日も楽しく練習をしている所である。仁花は友達と一緒に勉強会らしいので邪魔をするわけには行かない。なので練習に参加したわけだが今日はロードワークをするらしい。こういう体力を付ける為の練習は個人的には一番キライである。ソレを知ってたら俺は今日来なかったのに...

イヤイヤ言いながらもストレッチをしながら走る準備を五色と一緒にしていると

 

「着いてこい」

 

牛島さんにそう事を言われた。体力のない俺に対して貴方は何を言っているんだ?そんな気持ちになりながらも白布さんに睨まれてしまったので死ぬ気で付いていくしかあるまい。

最近は仁花と一緒にいる時間が減り練習への参加率が上がり着実に体力が増えてはいるものの元々ミジンコ程度しかなかった体力がいきなり増えるわけもなく未だに体力は無い。そんな中で牛島さんについていくのはどうするべきか?そんなの気合と根性である。

 

「ハァー、ハァーハァー、オウェ、ハァー...」

 

「...」

 

全く疲れた様子を見せない牛島さんともうヨレヨレになりながらも何とか食らいつく俺の図。

煽ってきた天童さんや睨みを利かせて来た白布先輩は遥か後ろの方で今は牛島さんと二人っきりだが別に1ミリも嬉しくない。

走り始めてそろそろ20分ぐらい経つ。ずっと全力疾走に近いペースで走っているのでもう無理、死ねる。

死にかけながらも走り続けていると不意に前を走っていた牛島さんが足を止め口を開く。

 

「俺に何か用か?」

 

何を言ってるんだ?疲れて頭がおかしくなったのか?と思い確認のために前を向くと目の前には人が3人。

オレンジ髪のチビと眼つきの悪い黒髪、それと仁花....仁花!?

どうしてこんな所に?彼女の存在を確認した事で一気に思考がクリアになり状況を理解する。ここ近所の図書館か!勉強するって言ってたし多分ここで勉強してたのだろう。友達って言うのが女子ではなく男子で予想と違ったがその程度では俺は取り乱さない。

 

「こんなとこで会「ジャパン!!」」

 

取り敢えず仁花に声をかけようとするもオレンジ髪のチビによって遮られる。様子を見ると牛島さんと俺を指さしながら驚いている。牛島さんを知ってるって事はバレー部か?

 

「俺は烏野高校バレー部の影山って言います。白鳥沢を偵察させてもらえませんか」

 

「烏野...好きにしろ、偵察されて俺たちが弱くなることはない」

 

眼つきの悪い黒髪...影山の偵察させてくださいという案に問題ないと格好良く言い放つ牛島さん。いや、何も大丈夫じゃないが?普通に後で怒られるでしょ。

と、まぁこんな風に思ってみるも普通に言う気力も無いし相手は牛島さんなので口のチャックを閉めておく。

 

「今から学校に戻るところだ。見たいなら来るがいい」

 

「「行きます!!」」

 

二人とも牛島さんの言葉に反応し準備運動をし始める。え、マジで行くの?その人メッチャ足速いぞ。

 

「行くぞ、義衡」

 

「あ、あの休憩は?」

 

「始めからそんなものはない」

 

それだけ言い放つと学校の方を向き走り出そうとする。

もう走り始めるんか、仕方がないので俺も走り出そうと立ち上がる。

 

「じゃぁ、ゴメンけど逝って来る仁花」

 

「な、なんか行ってくるの漢字が違う気がするけど大丈夫!?」

 

頑張ってね〜という声援を受けながら今度は4人で走り始める。まぁ学校までは後少しなので頑張ろう。

ていうかこの二人元気すぎない?なんか話してるんだけど。あと俺に話しかけるのヤメてね、死んじゃう。

 

 

 

 

10分行くか行かないぐらいの時間走ってようやく学校に辿り着いた。牛島さんは到着してからすぐどっか行っていしまったが俺は体力も精神も限界だったので校門入ってすぐ大の字になって地面に寝転んでしまった。

 

「スゲェー!!」

 

寝転ぶ俺上方から元気一杯にそんな声が聞こえてくる。付いてきた二人組の片割れの声だ。あんなにも走ったのにまだまだ体力はありそうな様子である。

 

「大丈夫?俺は日向翔陽、でこっちが影山」

 

掛けられた声を聞き目を開けるとこっちを覗き込みながら自己紹介してくるオレンジ髪のチビ、こと日向翔陽。

このふたり組が最近仁花の話によく出てくる奴らか、そう思いながらも手を差し出してくれた日向の手を取り立ち上がる。

メッチャ足がプルプルして歩くのも結構キツイ。明日の自主練は絶対休む。

 

「自己紹介どうも、俺は岩代義衡。ところでなんだけど二人とも付いてきたけどバレー部の場所は分かんの?」

 

そう言うと二人揃ってこちらから顔を背ける。さっき走ってる時は喧嘩してたのに仲いいな。

まぁ変に歩き回って警備員さんに怒られるのも忍びないので取り敢えずこっちに来いと言い目的の場所まで案内をする。

 

「ここがバレー部の体育館、待ってたら牛島さんが来ると思うから待ってな」

 

「ありがとう、義衡」

 

笑顔で感謝してくれる日向とペコリとお辞儀する影山。影山は眼つきは悪いけど良いやつだと思う。口下手なんだろう。

 

「じゃ、俺このあと練習あるから」

 

「おう、またな」

 

牛島さんが来る前に足早に退散する。絶対あの人余計な事言うもん、地獄の空気の中に居たくない。

良いやつらだったなと思いつつ更衣室で横になった。

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