彼女と違う高校に進学した。   作:姉小路

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消滅しそうだったので取り敢えず


彼氏、東京へ行く

「東京は変な奴が多いから気を付けてね」

 

「義衡こそ私がいないからって外食ばっかしないでね」

 

まだ普通の生活を送っている人達は深く眠りについているような時間帯に俺たちは外に出ている。理由は東京へと合宿に向う仁花を見送りである。電車で烏野まで向かうのだが俺が烏野まで行くと帰りの電車が無くなってしまうので残念だがついて行くのを辞めてせめてと想い最寄り駅までついてきたという事だ。

 

「お土産期待してまっとくから」

 

「そ、そんな期待されましても」

 

そんな軽口を交わしながら電車が来るまでの時間を改札前で潰し見送る。電車が行ったのを見てから俺もさっさと家に戻る。

家に戻り両親と少し言葉を交わしてから自室で荷造りを始める。仁花には内緒にしていたが明日から俺も東京に行く予定である。目的は招集されたユースの合宿に参加するため。白鳥沢からは牛島さんと俺が招集された。少し場違いな気もするが呼ばれたのだから気にしないでおこうと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

「おはようございます」

 

「おはよう」

 

気まずい...今回の合宿、牛島さんと俺だけが招集された。つまり向うのは俺達だけ、二人っきりで東京まで行く必要がある。何度も言っているが俺は牛島さんが苦手。別に嫌いと言う訳ではなく何を考えているか分からないし口数も少ない、更に言えば一緒にプレーする事も少ない。要はコミュニケーションが取りづらいから苦手というだけだ。そんな中で牛島さんと二人っきり、地獄以外の何物でもない。喜ぶのは白布先輩ぐらいでしょ。

 

「こっちだ」

 

「了解です」

 

合宿までの道のりは何度か招集されていて合宿に参加経験のある牛島さんが案内してくれる。まだ県を出ていないのに凄く会話に困る。チラッと横顔を見るが表情はいつもと変わらないままで何を思っているか全く分からない。

そのままホームに入り新幹線がやって来るのを待つ。この間もやはり会話は無く互いに直立したまま微動だにしない。

 

 

「義衡、お前は最近彼女とは別れたのか?」

 

 

二人揃って新幹線の座席に無事座ることができ、暇だし東京に着くまで寝ようかといったタイミングで恐ろしい事を牛島さんが言い出した。牛島さんもそう言う話に興味あるんですね〜とか色々と聞きたいことが湧き出てくるが取り敢えず一つ聞いてみる。

 

「何でそう思ったんすか」

 

「彼女を優先したいと言っていたお前が最近頻繁に部活に来るようになったからだ。」

 

牛島さんの言葉に確かにと納得してしまう。ここ最近は毎日のように参加してるからなぁ。今まで全然参加してなかった奴が急に参加しだしたら気になるのも無理ないか。

 

「ていうか俺、牛島さんに彼女が理由部活を休んでる事言いましたっけ?」

 

「天童が部室で言ってたからな」

 

「は?」

 

練習出てないのに試合に出てる奴が普段彼女と遊んでるなんてバレたら絶対煙たがれるし殺されると思って隠してたのに既にバラされているなんて思いもしなかった。いや、ちょっと前の練習試合でやけに俺の所にサーブスパイクが来た日があったのはそういう事だったのか?まぁ取り敢えず天童はゆるさん。

 

「一応言っておくと俺は彼女とメッチャ仲良いんで心配されなくても大丈夫です」

 

「そうか、心配だったが大丈夫ならいい」

 

なんだこの人、ただ優しいだけなのか....顔が全く変化しないから分かりづらい。この後は東京に到着するまで会話が続くことなく時間が進み、途中から寝ていがた俺は駅についた時点で牛島さんに起こされた。

 

「こっからあと何分ぐらいで着くんですか?」

 

「30分ぐらいだ」

 

「まだそんなかかるのか…」

 

まだハッキリとしない意識の中で体を動かし人の波に押し流されないように必死に牛島さんについていく。将来どうしようかと思っていたが都会の人混みがこんなにも凄いなら田舎に引っ込んだままでも良いかもしれない。

かれこれ2回ぐらい乗り継ぎをした事で目的地にたどり着く。眼前には地元ではまず見ることが出来ないぐらい新しい体育館。今回ユース合宿を行うための体育館である。

受付を済ませて着替えるためにロッカーに向う。周りをキョロキョロしていると目に映るにはデカい人ばかり、リベロであろう人たちもいるが割合で言えば8割以上が180を超えてる気がする。

 

「行くぞ、義衡」

 

「ちょっと待ってください!」

 

牛島さんに声をかけられ急いで牛島さんについていく。

流石に周りが知らない人だらけなので図太く生きてる自覚のある俺でも借りてきた猫状態になってしまうので頼れるのは牛島さんしかいない。周りの目など気にせず牛島さんの後ろに隠れておく。

 

「君、白鳥沢で牛島の代わりに出てた子だよね!!」

 

突如背後から話しかけられてびっくりし体が跳ねてしまう。

落ち着いて振り返るとどこかで見たことがある顔、誰だったけな〜と必死に思い返しているとそれを察したのか相手側から自己紹介してくれる。

 

「俺は井闥山の飯綱掌、ポディションはセッター。よろしくな」

 

「白鳥沢1年の岩代義衡です、ポディションはベンチです」

 

名前を聞いて思い出す。あ、この人世代ナンバーワンセッターさんじゃん。有名人なのに思い出せなかった事を少し悔やみながらもこちらも自己紹介する。

 

「そんな畏まらなくていいから、あとおーい佐久早こっちに来い」

 

そんな飯綱さんの言葉に呼ばれたのはマスクをしている神経質そうな人、なんか僕不機嫌ですみたいな表情をしている。

 

「コイツは佐久早聖臣、もしよかったら仲良くしてやってくれ」

 

「は、はぁ」

 

そんな事を言われてもなんかメッチャ嫌そうな顔してるしとても仲良くなれるとは思えない。この場で無理ですとも言えないので取り敢えず返事をしておく。

その後も飯綱さんと少し話していると監督が出てくる。

 

「今回の合宿は試験的な事も多いので全員浮かれることなく積極的に練習に取り組むように」

 

そんな一言と共に合宿が始まった。

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