陽炎の立つ頃に-陽炎型ミステリーゲーム-   作:遠野静

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秋雲の提案
登場人物紹介
語り手の決定



導入

秋雲「陽炎型の姉妹でゲームをしよう」

 

 ――そう私達の末妹が提案したのは、秋も深まってきたとある日のこと。

 

秋雲「いやさ、実は冬に出す原稿の内容が決まって無いんだわ、これがー」

 

秋雲「んで、ちょっとひねったのにしようと思ってたんだけどね。ネタが思いつかないから、手伝って?」

 

陽炎「……手伝うのはいいけどさ、一体何をするわけ? しかも陽炎型全員でって……14人もいるんだけど」

 

秋雲「ふふふ、今回は、人が多い方がこれは楽しいわけ。――つ~わけで。

 

 ――『陽炎型ミステリーゲーム』開始~ぱふぱふ~!」

 

 そんなわけで。

 秋雲の奇妙な提案により、私達のシルバーウィークの過ごし方は決まった。

 もっと有意義な過ごし方もあっただろうに……。

 そう思うのは、後の祭りと言う物だ。

 

 

登場人物

陽炎・不知火・黒潮・初風・雪風・天津風・時津風

浦風・磯風・浜風・谷風・野分・舞風・秋雲

以上14名

 

 

語り手の決定

 

秋雲「はい、というわけで始まりました、陽炎型ミステリーゲーム!

 ゲームマスターはこの私、秋雲さんが担当するよ~!」

 

秋雲「ええ、今回は提督全面バックアップの下に鎮守府宿舎の一角を態々借り受け、そして明石さん夕張さん大淀さんにも全面協力によって実現いたしましたよ! はい!」

 

陽炎「いや、そういう挨拶とかいいから……そもそも私達集められても、なにするか知らないんだけど?」

 

秋雲「陽炎姉はせっかちだな~。いまからそれを説明するところじゃんよ~」

 

ブーブーこほん、と改めて、秋雲は真面目な顔でこちらに向き直る。

 

秋雲「……今から皆さんには殺し合いをしてもらいます」

 

「「――――」」

 

秋雲「おーけー、分かった。もう古いね、知ってた。そんなざわついたりため息とかほんとやめて。秋雲さんの心が折れちゃうから」

 

秋雲「殺し合いって言うか、殺し合いのフリ? ……どっちかって言うと、クローズドサークルでの探偵推理モノをしてもらいまーすって感じ」

 

浜風「……フリ、ですか。それはつまり?」

 

秋雲「とりあえず、今から皆にクジを引いてもらって、『探偵』と『犯人』を決めるわけ。んで、犯人役に決まった人には殺人――のフリをしてもらいます」

 

秋雲「『探偵』と『犯人』はそれぞれ1名ずつ。ただし、誰が犯人かはもちろん分からない。ちなみに白紙を引いた人達はそれ以外の『プレイヤー』だから。……もっと言うならモブっていうか、運が悪ければ被害者っていうか?」

 

陽炎「なるほどね。だから数が多い方が良いってこと。……要は人狼ゲームみたいなもんでしょ? TRPGの亜種みたいな」

 

秋雲「そいうこと。……でもダイスロールはしないよ。雪風の姉御がいるからな!」

 

雪風「はえっ!? 雪風のせいですか!?」

 

秋雲「ま、細かいことは後でちゃんと説明するとして……とりあえずクジを引こうな!

 ぶっちゃけ、やりながらの方が分かるっしょ」

 

 私達は、秋雲手製のクジを引いた。

 箱の中に四つ折りの紙が入っていて、それを一人一人引いていくタイプだ。

 

秋雲「ちなみに、くじの内容を他人に見せたらいけないぜ。

 犯人以外もね? 犯人当てのゲームなんだから、『犯人じゃ無い』って分かってたらそれはそれで台無しっしょ」

 

秋雲「それじゃあオープン! それぞれ自分の紙を確認してー! それで、『探偵』と書かれている人だけ手を上げよう!」

 

 秋雲の言葉を聞いて、姉妹達はクジの内容を確認する。

 一喜一憂する者もいれば、無言で紙を確認する者もいる。

 皆が何を引いたのか……と言っても、白紙じゃ無い紙が当たる確率は、7分の1でしかないのだが。

 白紙だといいなぁ……なんて思いつつ、自分の紙を確認し――思わずため息。

 そして、しかたなく手を上げる。

 

野分「……どうやら、私です」

 

秋雲「では、栄えある主役は野分の姉御に決定! 探偵役は他とも違う特別っていうか、ぶっちゃけ正しく『主人公』だから、頑張ってねえ!」

 

 ……主人公ときた。

 確かにミステリーの主役は探偵である。

 そして探偵は、恐らくもっとも労力を使う役でもあった。

 はたして、これが栄えある役なのか微妙に疑問ではあるのだが、引いてしまった以上は付き合うしかないだろう。

 

 そんなわけで――この物語の語り手は、私こと野分がお送りすることになるらしい。




ドンドンパフパフ はじまりました
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