『2日目・第二の事件・陽炎の証言』
『2日目・第二の事件・浜風の証言』
浜風「全員で夕食を食べたのが昨夜の19時というのは、野分も覚えていますね。
その後は私と陽炎姉さん、浦風の三人で後片付けをしながら、明日のメニューや軽い雑談をしていました。
日付が変わる前には、浦風と共に部屋に戻りました」
野分「つまり、最後に残ったのは陽炎姉さん?」
浜風「はい。その後は浦風と軽く雑談して、1時には就寝しました」
野分「その間……特にキッチンにいる時、変わったことはありましたか?」
浜風「私が戻るまでは特に……皿は食器棚にありましたし、包丁も戻していた筈です。フライパンなども……今のままですね」
野分「それだけ?」
浜風「ええと……そうだ、中庭の倉庫で雪風、時津風、舞風を見ました」
野分「倉庫? ここからですか?」
浜風「はい。分かりにくいのですが、キッチンの窓が丁度中庭の倉庫に面しているんです。そこなんですけど……窓まで血が付着していますね」
野分「……窓は閉めておきましょう。血糊の状態が分かりにくくなる」
野分「しかし、中庭の倉庫は見えますけど……流石に遠い。良く三人に気付きましたね」
浜風「偶然です。たまたま視線を向けた時に目に入ったのと、三人とも懐中電灯をつけていて目立っていたので」
野分「懐中電灯?」
浜風「多分、倉庫から見つけたのでしょうね」
野分「その時の時刻は」
浜風「0時頃です」
野分(0時……舞風と私が会話をしたのは、23時頃。その後、となるのか)
野分「ありがとうございます……さて、次は陽炎姉さんです。よろしいですね?」
陽炎「はいはい」
『2日目・第二の事件・陽炎の証言』
陽炎「って言っても、あたしも似たようなものよ。夕食の後、キッチンで浜風や浦風と一緒に雑談していた。
ああ……あたしは倉庫の三人には気が付かなかったわね。
そんで、日付が変わった頃に浦風と浜風が出ていって、入れ替わりで不知火と黒潮が部屋から出てきた」
野分「不知火姉さんですか? 浜風姉さんは……」
浜風「……私は見ていませんね。すぐに部屋へと戻ったので」
野分「なるほど。……陽炎姉さん、続けてください」
陽炎「あたしには口を挟むなっていったくせに……。まあ良いけど。
軽く雑談してたかな? まあ本当に軽く……。
で、0時半に部屋に戻った。シャワーを一時間ほど浴びて就寝。
5時起床。磯風発見」
野分「なるほど。不知火姉さんはキッチンに残ったということですか? 黒潮姉さんは」
陽炎「自分の部屋に戻ってたわね。その後は知らないわ」
野分「では、キッチンの様子を教えてください」
陽炎「あたしが帰るまでは浜風の言うとおりよ。皿は食器棚。包丁も閉まってある。他は今のまま。血糊以外はね」
野分「ふむ。包丁も元通りと。つまり、過不足なく棚に仕舞えた、ということですね?」
陽炎「そんなわけないでしょ。一本は谷風の部屋にあるじゃない。あの鰻包丁は現場にそのままだから、昨日から一つ足りない状態よ」
野分「……まあ、そうでしょうね」
陽炎「疑ってくるわねえ……別にいいけどさ。というわけで、あたしの証言はおしまい」
野分「ありがとうございました」
次頁は再びの現場検証です。