陽炎の立つ頃に-陽炎型ミステリーゲーム-   作:遠野静

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まとめて考えてください。
『二つの事件・黒潮の証言』
『二つの事件・初風の証言』
『二つの事件・雪風の証言』
『二つの事件・天津風の証言』
『二つの事件・時津風の証言』
『二つの事件・浦風の証言』
『二つの事件・舞風の証言』


2日目・第二・三の事件・各人の証言

『二つの事件・黒潮の証言』

 

黒潮「朝食後にすぐウチのところにくるとは、分かっとるなぁ……」

 

野分「部屋が近いから以上の理由はありませんよ」

 

黒潮「昨日の夜のことやろ? うーん……ウチは食事を終えてから、すぐ部屋に戻ったね。

 でも、一人でおるのも暇だったから、隣にいる不知火の部屋に向かった。それが、20時頃かな」

 

野分「ふむ」

 

黒潮「暫く不知火と雑談をして、ウチがシャワーを借りたのが、昨夜の23時頃。

三十分ほど浴びて、部屋を出た時には磯風がおったな」

 

野分「磯風が?」

 

黒潮「うん。不知火と何か話してたみたいやけど、ウチは内容までは聞いてないな。その後で、すぐに磯風は部屋を出ていったから」

 

野分「時間は、23時半というところですかね?」

 

黒潮「そうやね。それから日付が変わるくらいまで不知火と話をしてた。不知火が用事があると言うから、私はしょうがなく一緒に部屋を出た」

 

野分「ふむ」

 

黒潮「そしたら、ちょうど陽炎が戻っていくところやったな。その場で、少しだけ談笑。んで部屋に戻る……んやけど」

 

野分「はい」

 

黒潮「んー……なんか変な音が聞こえた気がして、一度目を覚ましたんや。

 扉を開けて、外を確認したけど誰もおらんかったし……。ああ、いや。浦風と、天津風がおったかな?」

 

野分「……ふむ?」

 

黒潮「時間は……確か夜中の1時過ぎだったかなぁ。二人に話を聞いたけど、そんな音聞いてないって言うんで、気のせいだと思って」

 

野分「部屋に戻って寝た、ということですね」

 

 ……不知火姉さんの死亡時刻が近いな。

 それに磯風を調理するつもりなら、この時間からやってないと間に合わないか?

 

黒潮「こんなところかねえ。……ああ、それと窓から中庭を歩く時津風と雪風と舞風を見たで。あれは……日付が変わる前やったかなぁ」

 

野分「ありがとうございました。黒潮姉さん」

 

黒潮「いんや。どうかね『探偵』、『犯人』は捕まえられそう?」

 

野分「……それなりに推理は進んでいますけど」

 

黒潮「そっかそっか。まあウチは楽しければなんでもええけど。野分の活躍も期待しとるからなー」

 

野分「……ありがとうございます」

 

 

『二つの事件・初風の証言』

 

初風「証言するのね……面倒だけど、了解よ」

 

野分「初風姉さんは、昨日と同じように誰かと一緒にいたんですか?」

 

初風「誰かと居たのはそうだけど、昨日と同じじゃないわ。昨日は雪風に時津風だった」

 

初風「天津風は部屋に来なかったし。食事の後、その面子で部屋で遊んでいたわね」

 

野分「それはいつまで?」

 

初風「23時半くらいまで。この時間になってから、時津風が中庭を散策したいって言いだしてね。雪風を連れて出てったわよ」

 

野分「初風は行かなかったんですね?」

 

初風「追い出してシャワー浴びて寝たわ。部屋が汚れても困るし」

 

初風「だから私が寝たのは……1時前くらいになるかしらね。寝つきが悪いから、そのあともうだうだ起きてはいたけど……それで眠れたと思ったら、すぐにたたき起こされて後片付けよ? なんだかろくな目に合ってない気がするわ……」

 

野分「……ありがとうございます。ちなみに就寝時、おかしな音を聞いたりはしましたか?」

 

初風「おかしなおと? なにそれ?」

 

野分「いえ。ありがとうございました」

 

 

『二つの事件・雪風の証言』

 

雪風「夕食を終えてからは初風の部屋にいました。21時を過ぎた頃に、時津風も来ましたね」

 

雪風「時津風のテンションが高まっていたので、シャワーを浴びる時間はありませんでした。ええと……日付が変わる前ですね。時津風が中庭を散策しようと言うので、付き合わされました。舞風の部屋に突入して、舞風も連れていきましたね」

 

野分「ああ、どおりで……舞風の様子はどうでした?」

 

雪風「びくってして、ベッドから起き上がってました」

 

野分「そりゃあそうでしょうよ……それで、中庭を探索したとのことですが」

 

雪風「でも、新しい物は見つかりませんでしたよ。雑草に隠れた水道とホースを見つけたのは、結果的にお手柄だったのかもしれませんが」

 

野分「ああ、そういえばキッチンの血糊を落とす際、窓の外からホース突っ込んだんでしたっけ……誰のアイデアですか、それは」

 

雪風「秋雲のアイデアでした。一気に洗い流してしまおう! みたいなノリで」

 

野分「…………分かりました。話を続けてください」

 

雪風「中庭の散策の件ですよね? それ以外は特になにも……懐中電灯を見つけたくらいですけど……懐中電灯が死因になることって、あるんですかね?」

 

野分「重さ次第では、殴れば武器にはなるんじゃないでしょうか」

 

雪風「な、なるほど……ええと、でもすぐに戻りました。せいぜい15分程度の散策でしたので、その後は別れてシャワーを浴びて……寝たのは1時ですかね」

 

野分「ありがとうございます……雪風姉さんはあまり、平時と変わらない感じですね」

 

雪風「はは……褒められているのか、なんなのか」

 

野分「ちなみに、寝る時に音を聞いたりは?」

 

雪風「おと?」

 

野分「いえ。なんでもありません。ありがとうございました」

 

 

『二つの事件・天津風の証言』

 

天津風「夕食後、あたしは一人でこの部屋にいたわ。

 で、21時前くらいかしら、磯風が訪ねてきたわね。

 磯風と雑談をして、23時頃に磯風が出ていった。その後浴室でシャワーを浴びて出たら、部屋に浦風がいたの」

 

野分「浦風姉さんですか」

 

天津風「そ。勝手に入ってたのよ。鍵がかからないものね。

 で、部屋で雑談をしてたんだけど、思ったより話し込んじゃって。もう日付も変わっていたから浦風を部屋まで送ったんだけど、更にそこで盛り上がって……。

 その後で黒潮姉さんが部屋から出てきたのよね。もう1時過ぎてるって言われたから、そこで別れたわ」

 

野分「……廊下に出た時間は? 覚えていますか?」

 

天津風「えっと……0時40分頃だったかな……?」

 

野分「ありがとうございます。ちなみに、浦風姉さんと一体何を話していたんですか?」

 

天津風「料理の話。浦風、昨日手伝ってたんでしょ? 浦風は料理が上手いから、磯風からも料理の相談を受けてたみたいだし」

 

野分「それで、磯風と話をしていたんですね」

 

天津風「ええ。うちの姉妹、全員が料理出来るわけじゃないでしょ? 陽炎姉さんと、浜風と、浦風……。あとあたしと秋雲と舞風と……谷風も出来るんだったかな。一応」

 

野分「私も出来ますよ。一応ですけど」

 

天津風「そうね。それと不知火姉さんも出来るは出来るわね。漢の料理、みたいになるけど」

 

野分「ふむ……」

 

天津風「そのくらいかな。就寝は1時半くらいね」

 

野分「了解です。ありがとうございました」

 

 

『二つの事件・時津風の証言』

 

時津風「あたしさー、最初は磯風の部屋にいたんだよね。磯風に相談されて」

 

野分「なにを?」

 

時津風「料理が上手くなる方法を教えてほしいって。そんなのあたしが知るわけないじゃん。よゆーで無理無理。相談相手間違えてるよーって言ったら、ふむって言って出ていった」

 

野分「それからは?」

 

時津風「暇になっちゃったから、初風の部屋を襲撃したよ! そしたら雪風もいてさぁ」

 

野分「21時頃でしたか?」

 

時津風「そのくらいじゃない? そんで、あたしも推理したいなーって思ってたから、雪風を連れて、中庭と倉庫の探索にいったんだ。ほら、あの辺なにかありそうじゃん?」

 

野分「実際、ホースと水道が見つかりましたからね」

 

時津風「初風も誘いたかったんだけど、初風はついてきてくれなかったから、舞風の部屋に突入しました」

 

野分「……夜の何時頃でしたか」

 

時津風「日付変わる前だったかなぁ? 夜中の方がホラーっぽくていいよねぇ。舞風はびくってしてたけどさ」

 

野分「そりゃあ、夜中に襲撃されたらそうでしょう」

 

時津風「でも、15分くらい探しても懐中電灯しか見つからなかったし、飽きて帰ったよ」

 

時津風「その後は解散して、それぞれ部屋に戻って、シャワー浴びて寝たよ」

 

野分「なるほど。一つ質問があります」

 

時津風「うん? なに?」

 

野分「あの倉庫、食堂の窓から見えるわけですが、気付いてました?」

 

時津風「うん。窓から浜風の姿が見えたから、手を振ったよ。声は聞こえてなかったみたいだけど。片付けてるところだったからかな?」

 

野分「なるほど。ありがとうございました」

 

 

『二つの事件・浦風の証言』

 

浦風「夕食を食べたあとじゃね……しばらくはキッチンに残った陽炎姉、浜風の三人で後片付けをしながら談笑してたねぇ」

 

野分「浦風と浜風は同時に部屋を出た。時刻は何時頃ですか?」

 

浦風「日付が変わったのを確認したくらいかねえ。まあ、その後も少し片づけたりしていたから、0時10分くらいじゃないかね?」

 

浦風「まだ眠くなかったんで、天津風の部屋に行って天津風と話をした。その後も廊下で天津風と話して……んーと、40分過ぎくらいかね?

 1時には、黒潮姉さんに突っ込まれてウチと天津風は部屋に戻ったけえ。

 まあそのくらいかね」

 

野分「キッチンで、異変を見つけたようなことはありましたか?」

 

浦風「しらんなぁ。ウチが今朝見に行ったときは、皿や包丁が散乱してたけど、少なくともウチが出る前はそんなことは無かったはずじゃ」

 

野分「私が不知火の現場検証をしている間、キッチンを皆で清掃したんですよね。その際に昨日との変化はありましたか?」

 

浦風「ウチ、こう見えても綺麗好きじゃけえ、出来るだけ元通りにしようとしたんじゃ。

でもまあ時間が掛かったなぁ。窓まで血糊はついてるし。皿もかなり割れてたし。包丁はばらばらじゃし」

 

浦風「でも、全部元通りにしたで。皿はチリトリで片付けたし、包丁も一本足りないまま戻しておいたし……でも、さすがに元気のええ子らが窓から水を出したホースを投げ込ん出来たのは、ちょっち困ったわ」

 

野分「……ホースだけ取り外して、食堂の水道に取り付ければよかったのに」

 

浦風「まあ、おかげで血糊も全部落ちたんでな。朝食を作る分には問題なかったよ。

 ……ま、相変わらず水浸しではあるんじゃけどねえ」

 

浦風「『探偵』さんには少し困ったことかもしれんけどね? すまんね、キッチンを使えないのは辛いんじゃ」

 

野分「構いませんよ。しかし荒っぽいことをする……」

 

浦風「外から投げ込んだ雪風と時津風と秋雲と谷風……あ、谷風は『死者』じゃけえ、本来はいないんじゃけど。この四人は雑巾がけさせられてたけどね。ええんかな?」

 

野分「谷風が問題行動をしたなら、その場に『GM』がいるから止めています。問題ないのでしょう。勝敗、勝ち負けよりも、彼女にとっては『ゲームが成立しないこと』が一番つまらない」

 

浦風「ふむ。実際には死なないゲームとはいえ、身内の死に面白いもつまらないもないと思うけどねぇ」

 

野分「……すいません」

 

浦風「責めてるわけじゃないんよ。ウチらは艦娘じゃけぇね。こうして童心に返って遊ぶ機会なんてそうないし。皆が楽しんでるなら、うちも役割くらいは演じるよ。

 遊びは不謹慎なくらいが、子どもには楽しいじゃろうしね」

 

浦風「そんなわけで。ウチの話はこれでおしまいじゃ。他にはあるかな?」

 

野分「……いえ、ありがとうございました」

 

 

『二つの事件・舞風の証言』

 

舞風「えっと……昨日は20時半くらいに磯風が訪ねてきて、料理の相談をされたよ」

 

野分「磯風、舞風の所にもきていたんですね」

 

舞風「うん、出来ればこの期間中に少しでも料理を上手くしたいみたいなことを言ってたから、ちょっとアドバイスをして……」

 

舞風「30分くらい話したら、『そうか』って言って部屋を出ていっちゃったけど。それと……23時に野分が訪ねてきて、少し話をしたよね? その後で寝ようかなって思ってたところを、雪風と時津風が来たんだよ。中庭の探索に行こうって」

 

野分「0時前くらいでしたか?」

 

舞風「そうそう。それで15分くらい中庭の倉庫を観察して、懐中電灯を見つけて……それで、水道とホースも見つけたの。

 でも、後は目新しい物は無かったかな。中庭で解散して、自室に戻ったよ。それで就寝」

 

野分「ふむ……舞風は、あの倉庫からキッチンの窓には気づいていましたか?」

 

舞風「うーんと……うん。時津風が手を振っていたから。それに、灯りも漏れてたしね。姉さんたちの姿が見えたけど、後片付けの最中みたいだったし。それ以上は、特に……」

 

野分「分かりました、ありがとう……ふう……」

 

舞風「野分、大丈夫?」

 

野分「大丈夫です……一度に沢山の情報を聞いたせいで、まだ整理が追いついていないだけで」

 

舞風「そっか……ねえ、どのくらい推理は進んでるの?」

 

野分「どの程度と言われると、困りますね……あくまで推測ですが、かなり限定しているとは思いますが……」

 

野分「それでもまだ、分からないところはある……前提が覆る可能性もありますし……。

また『GM』にルールの確認をしながら……。

 と、どうしました?」

 

舞風「……なんだか、このゲームが始まってから、野分、秋雲とばっかり居て、つまんないなーって。

 あ、でも『探偵』の邪魔をしたいわけじゃないよっ? 野分、今楽しそうだし」

 

野分「楽しそう、ですか……」

 

舞風「野分ならきっと私の分かんないことでも分かるって信じてるもん。だから、頑張って解決してね!」

 

野分「……ありがとう。ですが、舞風」

 

舞風「なに?」

 

野分「別に、私が『探偵』だからって遠慮する必要はないんですよ」

 

舞風「…………ん。ありがとう」

 




タイムラインとか作ると分かりやすいかもしれません。
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