陽炎の立つ頃に-陽炎型ミステリーゲーム-   作:遠野静

17 / 19
※問題編としては最後になります

『第四の事件・陽炎の証言』
『第四の事件・黒潮の証言』
『第四の事件・初風の証言』
『第四の事件・雪風の証言』
『第四の事件・天津風の証言』
『第四の事件・浦風の証言』
『第四の事件・浜風の証言』
『第四の事件・舞風の証言』
『第四の事件・野分の推理』


2日目・第四の事件・各人の証言

『第四の事件・陽炎の証言』

 

陽炎「14時くらいまで浜風・天津風・黒潮のメンツで食堂に居たわ。そのあと、浜風と黒潮は出ていったから、天津風と二人で食堂で話をしていた。

16時になったから、一度天津風には皆を呼んできてくれるように頼んだわ。

16時過ぎには、黒潮と浜風、浦風、野分と舞風が来たわね?」

 

野分「はい。覚えています。16時には、天津風姉さんが呼びにきました。そのまま三人でキッチンに向かいました」

 

陽炎「そう。じゃあ後は言うことないわね。この6人は16時から18時の間、キッチンを出ていない。それは野分も確認してたでしょ?」

 

野分「……そうですね。私も確認済みです。つまり、16時から18時の二時間は、確実にアリバイがあると」

 

陽炎「そうなるわね。他に聞きたいことはある?」

 

野分「いえ。ありません。ありがとうございます」

 

陽炎「はいはい。まあ、とりあえず頑張りなさい。いい加減、解決編も近いんじゃない?」

 

野分「さて、どうでしょうね」

 

 

『第四の事件・黒潮の証言』

 

黒潮「14時までは、陽炎にウチ、天津風に浜風の四人でおったで。

 14時に一度解散して、ウチ一人だと暇やし、浜風と一緒に浦風を探しにいったんや。浦風にも伝えておかんとな思って。

 ただ、浦風は部屋におらんかったんで、初風の部屋にいったらそこにおった。

 その後は、ウチの部屋に浦風と戻って二人で雑談しとった。16時に天津風が呼びに来て、あとは知ってのとおりや」

 

野分「なるほど。……ありがとうございました」

 

黒潮「こんなもんでええの? 昨日はなんや色々聞いてきたのになぁ」

 

野分「そうですね……では、キッチンを使っていた黒潮姉さんに質問です。時津風の倉庫に落ちていた、鰻包丁ですが」

 

黒潮「? それがどうしたん? 特に変わりは無かったけども」

 

野分「いいえなんでも。今度こそ、ありがとうございます」

 

 

『第四の事件・初風の証言』

 

初風「私ねえ。私は昼食食べてから、浦風と一緒にいたわよ。12時から、13時くらいまで?

 それで、雪風が部屋に来たんで、しばらく3人で雑談。14時に黒潮姉さんと浜風が訪ねてきて~……たしか、夕食がどうこうって話を浦風にして。

 そのまま浦風は出ていったわね。あとはまあ雪風や浜風とダラダラしてて……。

 16時に一度天津風が見に来たかしら? まあすぐに出ていったけど。

 ……18時前くらい? 時津風がいないって言うから、雪風と一緒に探しにいったわ」

 

野分「では、初風姉さんも発見者だったと?」

 

初風「ん……そうなるわね。一応、部屋中探したんだけどいないし。キッチンか食堂かなと思ったけど、その前に、雪風が中庭の散策してる時に残ってたみたいな話をしたから、一応倉庫を確認に行ったら見つけた」

 

初風「んで、雪風が秋雲を呼んできて、色々と確認してから中に戻って、雪風が野分を呼びにいったと。その後は夕食まで、私は部屋に残ってたわよ」

 

野分「なるほど……ありがとうございました」

 

初風「もういいかしら? しかし、……そういうゲームとはいえ、ジャージ姿の『死者』四人が、普通に集まって夕食食べてるのは笑ったわね。ちょっとテーブル隔離されてたし」

 

野分「まあ……実際に死ぬわけではないので。あの四人もゲームに関わるわけにはいかないですが、生きてはいますから」

 

初風「そりゃそうだけどね。なんか脱落組っぽくてちょっと笑っちゃった。不謹慎だけど。

 まあでもゲームに関われないから、色々と気も使うのよね。これでも」

 

野分「死者が動いているからですか……推理の時は、存在しないモノとして扱ってください」

 

初風「分かってるわよ。だから、実際にはこの二日くらい関わっていても、『いない者』として証言してないじゃない。

 死者がいたとかそう言う証言で確定したらいけないのよね」

 

野分「……そうですね。そういうことなんです」

 

野分「ありがとうございました。姉さん」

 

 

『第四の事件・雪風の証言』

 

雪風「雪風は昼食のあとは、ええと……野分、時津風、舞風と一緒に中庭の探索をしましたよね? あの時はまだ時津風は生きていましたが」

 

野分「はい」

 

雪風「その後で12時40分くらいに中に戻って解散しましたね。その後で、初風の部屋に向かって。浦風と初風の3人で談笑。14時に浜風と黒潮姉さんが来ました。それで、浦風は黒潮姉さんと一緒に部屋を出ていきました。残った浜風、初風と一緒にしばらく部屋で雑談していて……。16時に一度天津風が様子を見て。それから18時近くになったのですが」

 

野分「雪風姉さんが時津風姉さんを探しにいこうといったのですよね。それはなぜ?」

 

雪風「そろそろ夕食だと思ったのですが、時津風が来なかったんですよね。昨日と一昨日はすぐに来たのに。中庭の倉庫にそういえば残ったなーと思ったので、一応確認にいったら」

 

野分「なるほど、死んでいたと」

 

雪風「そうなります。私が秋雲を呼んで現場を確認してもらって、そのあと三人で戻り、野分を呼びました。そのあとはすぐに倉庫にむかいましたよね」

 

野分「はい。数分程度でした」

 

雪風「今日だとそのくらいでしょうか」

 

野分「ふむ。……ありがとうございます」

 

 

『第四の事件・天津風の証言』

 

天津風「あたしは陽炎姉さんと、昼食の後はほぼずっと一緒にいたわね。お手洗いには一度いったけど、食堂にあるお手洗いだし、数分程度よ」

 

野分「……話は分かるのですが、もう少し詳しく教えていただけますか」

 

天津風「ええっと……昼食後から、キッチンに居たのは、陽炎姉さん、黒潮姉さん、浜風、あたしの四人。途中、13時にあんたら三人が来て。14時に黒潮姉さんと浜風が部屋に戻った。16時に陽炎姉さんに呼んできてって言われたから部屋を一つ一つ開けていって、最後に舞風の部屋でアンタ達二人を呼んで、一緒にキッチンに向かった。あとは知ってのとおり」

 

野分「私、陽炎、黒潮、天津風、浦風、舞風の6人で調理をしていた」

 

天津風「そうなるわね」

 

野分「ちなみに、開けた部屋は? そこの人物もお願いします」

 

天津風「ええ……? えっと、陽炎姉さん不知火姉さんの部屋は飛ばして、黒潮姉さんの部屋。そこにもう浦風はいたから、二人を呼んで。それから初風の部屋、んと、初風と浜風と雪風がいたから、雪風と浦風、浜風の部屋を飛ばして。野分の部屋。でも誰もいなかったから、舞風の部屋。以上かしら」

 

野分「ありがとうございます」

 

 

『第四の事件・浦風の証言』

 

浦風「ウチは昼食の後かたづけは手伝わんでいい言われたけ、一人でいても暇やし、初風の部屋におったよ。

 途中で雪風が来て、14時くらいに黒潮姉さんと浜風に呼ばれたんで、部屋を出た。入れ替わりで浜風が初風の部屋に残ったかな。

 それから二時間は黒潮姉さんの部屋にいたかな。特に部屋を出たりはせんで、二人で料理の話をしとった。16時に天津風が呼びにきたんで、そのまま部屋を出たわ」

 

浦風「あとは黒潮姉さんと二人でキッチンに向かって、陽炎姉さんと三人がくるのを待っとった。天津風と野分と舞風な。18時までは、その6人でおったわな」

 

野分「ありがとうございます……黒潮姉さんと途中ではぐれたりはしてないですか?」

 

浦風「はぐれる場所なんてないじゃろ。目を離したことがあってもお手洗いで数分くらいじゃ。黒潮姉さんはずっとウチと一緒におったよ」

 

野分「了解しました」

 

 

『第四の事件・浜風の証言』

 

浜風「私は、昼食の後片付けを陽炎姉さん、黒潮姉さん、天津風姉さんの四人で行っていました。13時過ぎに野分、舞風、秋雲が来たのは覚えています。

 それから、14時に黒潮姉さんと共にキッチンを出ました。初風姉さんの部屋を開けると、初風姉さん、雪風姉さん、浦風の三人がいました。

 黒潮姉さんと浦風はそのまま部屋を出ていきました。私は初風の部屋に残り、18時までそこにいました。

 16時に、一度天津風が様子を見に来ました」

 

野分「なるほど……ありがとうございます」

 

 

『第四の事件・舞風の証言』

 

舞風「ええと……昼食の後、雪風姉、時津風姉と一緒にいて。そしたら中庭の探索にいこうって時津風姉が言いだして。それで野分を呼んで、中庭の探索をした。

 部屋に戻ったのが、12時半……を少し過ぎたくらい? 40分頃かな? 13時くらいまでは野分と一緒に私の部屋にいたよね

 それで、キッチンに向かって……。野分が推理してる隣にいて。部屋に戻って、それから16時まで野分と雑談。16時に天津風姉が迎えにきたから、三人でいった……かな?」

 

野分「大体私が見た物と同じですね。……夕食の調理時に、誰か途中で抜けたりはしませんでしたか?」

 

舞風「私が見た限りでは知らないかなぁ……野分は?」

 

野分「ええ。私も覚えはありません」

 

舞風「なにそれ」

 

野分「いえ。……とりあえず、分かりました。ありがとうございます」

 

 

『野分の推理』

 

野分「さて……」

 

 姉妹の証言を聞き終えて、私は自分の部屋に戻った。

 時刻は20時。

 

野分(今回で4人目の殺害になる。一日に犯人が殺せるのは3人まで。つまり今日中に殺害は出来ない)

 

野分(でも日付が変われば、これまでのようにアリバイを気にすることなく連続で殺すことも出来る。そうなれば『犯人』の勝利か)

 

野分(今夜中に、犯行をまとめる。直列で考えるな。並列で考えろ。前提を覆せば、上に積み立てた物は全て倒れる。

 ……四つの事件。それぞれの犯行予想時刻。凶器、死因、アリバイ。

 それらを一つ一つ精査して、可能性を排除していけば、おのずと答えは浮かんでくるはず)

 

野分(一日目、二日目、そして、三日目……それぞれの犯行時刻の証言。死亡時刻。そして、犯行に掛かる時間。つまり……)

 

野分(…………つまり、残る可能性は)

 

秋雲「へい『探偵』。推理は進んでいるかね?」

 

野分「……秋雲ですか。ちょうどよかった」

 

秋雲「おん? この秋雲さんにようかい?」

 

野分「ええ。……いいえ、『GM』に用事です。根本的な質問になるのですが」

 

秋雲「はいはい?」

 

野分「このゲームの『プレイヤー』は陽炎型姉妹艦の14人のみであり、以上でも以下でもないですね?」

 

秋雲「うん、それは確かだよ」

 

野分「……分かりました。では、全員をキッチンに集めてください。このゲームに参加した姉妹……『死者』も含めて、全員を」

 

秋雲「ほう。それはつまり……?」

 

野分「はい。もういい頃合いでしょう。……楽しい遊びはここまで」

 

野分「これより先は……解決編です」




解決編は翌日20時とします。
ただし現状の内容でも推理は可能となっています。
よければ、解決編の準備が整うまでの間、推理でもしてお待ちください。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。