何の変哲もないとある独身男性の日常の話   作:泡沫幻想黒衣の人

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 実在の人物、美術館とは一切関係ありません。







なんて。


10符 日本刀はアートらしい

 [古アパート ファンタズム]

 

@日和見の部屋

 

 

 いきなりそう歳も離れていない子供を持つ、子持ちになった翌日のこと…いや、当日の朝のこと…。

 

 小鈴が起きてきたので、アメリカの一般ピーポーが食べるようなフレンチトーストとベーコンエッグを用意してあげる。

 

ねこまたには悪いけどベーコンの切れ端を。

 

 ベーコン等は塩分高めなので、キャットフードを買いに行かなければ…。

 

ねこまたが人の姿になってくれれば必要ないんだけど………それは無理だよね………。

 

 あーあ、明日にでも人の姿になってくれないかな〜、猫耳と尻尾は残して。

 

ねこまた「にゃっ?!?!?!」ピカッ

 

謎の光「」

 

 なんて馬鹿な事を呟きつつ、郵便受けを覗くと、美術展のチラシが…。

 

 なになにぃ?妖怪が打ったとも言われる刀も展示!!名刀勢揃い!!世界に誇る名刀を美術(アート)の観点から見てみよう!!日本刀アート展!!…?

 

取り敢えず………俄然興味が出てきたので急いで小鈴を誘って日本刀アート展に行く準備をすると、彼女は食べながら寝ていた。

 

 き、器用なことしてるなぁ〜…。

 

ねこまた「…」

 

 

・・・、

 

 

 [日本刀アート展]

 

 関東某所 美術館

 

 

 小鈴はまだ眠そうだったので、後から来るように言って、出かけると、丁度東雲さんも出かけるところだったのか、挨拶をして行先をなんとなしに告げる。

 

………すると、着いてきた。

 

 なんでも刀剣なんとかとかいう作品の影響で日本刀を見る分には興味があるとのこと。

 

なので美術館入り口で彼女のチケットも買ってあげて2人で美術館内に入る。

 

 美術館内は凄い人で、取り敢えず並んでいる間雑談に入る。

 

仕事は?と聞くと、ホームページ作成を請け負う仕事とバーチャルクリエイターだという。

 

 なるほど、それなら管理人やりながら出来そうな仕事だ。

 

しばらくそうしていると、昼前には空いてきて、俺は目的の剣の前に行く。

 

 チラシで目玉だとうたっていた日本刀の説明を見る。

 

 

 

 作成者【妖怪?太夫またはだたら】、平安〜鎌倉の古い時期に作られ、今まで名無しだった刀…【刃桜】。

 

 銘を刻んだ鞘のようなものが、ある寺院から発見され、そこから刃桜と名付けられた。

 

尚、鞘は後から、恐らくは室町時代に作成されたもののようだ。

 

 

 

 ふーん…、これ1億円で貰えないかな、価値はつけられないって書いてあるけど…。

 

あっ…そうだった、1億円は小鈴の借金を返すために使うんだった。

 

 引き出すのに本人の確認が必要だからアメリカに行かないといけないと思ったけど、スマホを確認すると義父さんが何やら上手くやってこっちに1億円送ってくるらしい。

 

 勿論現金ではなく、小切手にして。

 

 彼女の借金相手もそれなりに大きな銀行なので丁度いい。

 

 お義父さんに、そっちに行く必要があるかもしれないと、お金のこと、相談しておいてよかった。

 

 …と、スマホを見ていると腕を組んでくる東雲さん…。

 

 いや…えと、東雲さん?え、しのちゃんって言ってって…あ〜。

 

東雲さんがいきなり腕を組んできたのでびっくりしたけど、彼女の様子を見ていてその理由が分かった。

 

 こんなところでナンパとは、日本刀みろよ!!天パ野郎め…。

 

俺が彼氏面して、何か?という態度をとると、軽薄そうな天パ野郎はすごすご引き下がっていった。

 

 そこに小鈴と…誰?…黒と紫のストライプ柄フード付きパーカーを着て、この時期に寒いだろうに右方チェーン付きデニムショーパンで脚を晒した、赤目の黒髪美少女がやってくる。

 

連絡をくれれば俺が2人のチケット代も払ったのに…謎に甲斐性を見せた小鈴が払ったらしい。

 

 もう1人の美少女は、ドアを開けた瞬間出て行ってしまったねこまたを探していたら出会った、鞍掛 猫(くらかけ まお)さんらしい。

 

彼女…何処か…橙に似ているな、と失礼なことを思う。

 

元々友達でもなんでもなかっただろうに、すぐに友達になったのか誘って来たようだ。

 

 ってねこまた逃亡してるんかーい。

 

ま、戻ってくるでしょと小鈴…楽観的だなぁ…。

 

 ん?今俺女子に囲まれてる………ま、まあ、こういうのは東方(の妄想)で慣れてる。

 

 で、そっちは…彼女さん?と小鈴が言うからそこは否定しておいて、彼女(猫ちゃん)の事を聞いてみる。

 

何処から来たのー?とか、趣味はー?とか、フード被るほど寒いんなら別のパンツ(ズボン)はいたらー?そういうの以外のないの?とか、色々聞いてみる。

 

 すると…、女性陣から冷たい視線を頂いた…照れるぜ…。

 

猫「コレが願ったから…私は…?」

 

小鈴「ん、何か言った?」

 

猫「う、ううん、なんでもない。」

 

ていうか、俺はいつまで腕を組んでいればいい?

 

 そういうと、彼女…東雲さんは、お礼を言い、少し赤くなりながら離れてくれた。

 

それを見て小鈴は、成る程彼氏役ねー、と勝手に納得したようだ。

 

 それよりも…【刃桜】だ、なんとか貰えないだろうか???国宝級ともなるとどう足掻いても無理か…。

 

これ、欲しいなぁ………。

 

 そこで館長に聞いてみると、どうやら持ち主の家には開かずの金庫ならぬ蔵があるらしいとのことで………ひょっとしたらひょっとするかもとのこと。

 

俺はそれを聞いて、そこに同程度の名刀が眠っているかもと、そういうメッセージだと受け取った。

 

 他3人は他の名刀を見に行ってこのことは聞いていない、俺だけの独占情報だ。

 

早速持ち主とアポをとってもらう、これでも凄腕の鍵開け師だから、最短10秒で開けちゃいますよ、という売り文句も伝えるよう館長に言っておく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・、

 

 

 [関東某所 旧宮家豪邸]

 

 

 …あれから…1日経って、やっと開錠に成功、閂までに3重、合わせて4重の鍵だったもんで、徹夜コースになってしまった、ナメてかかったらこれだよ。

 

うちは最新技術を使った最速開錠をうたった、それも最低開錠時間10秒〜1時間の鍵開け師で…、超過時間30分〜1万円値引きとしてるから、えーと…、

 

うん、12時間超過で逆にこっちがお金払わないといけないレベル…。

 

 だというのに、関係者の方を無視して家主さんは蔵から出てきた儀式用の剣を失敗作みたいだからと鑑定の後くださり、更に西行師縁のものだという扇子をくださった。

 

有難い………いや、本当にもらってしまっていいのだろうか?実用的でない、恐らくは失敗作の剣で、それを儀式用にしたのだろうと言ってたけど………。

 

ともすれば国宝級の………儀式用剣………【白楼剣】………。

 

 どっかでよんだネットの考察に、儀式用の剣だから白楼剣は対で存在するはずとかいう謎考察を見たような記憶があるけど………真実だったとはねぇ………。

 

いや、妖夢は実在しないんだからここは…、

 

 白楼剣(別名白狼とも家主さんが)…、実在したのか!!?だな。

 

 でも、こういうのは対で用意することで、スペアとする場合もあるかもなぁ…天叢雲剣みたいに。

 

…いや、あれは後々再現したレプリカだったか。

 

 それはまぁ、…よくてぇ…ここは深い深い謝意の姿勢をぉ………いや、礼に礼を、というか、丁寧に丁寧を重ねすぎると逆に失礼になるとも聞いたことあるぞ…。

 

 さっさとお暇させてもらいましょう…。

 

 

・・・、

 

 

 [帰り道]

 

@電車内

 

 

 小鈴は………ちゃんと連絡とれてるけど、夜、朝、昼と冷凍のを食べてるみたい。

 

 ねこまたは無事戻ってきて昼、また外に出て行こうとしたので出してあげたらしい。

 

………放置したから管理人さんあたりにネグレクトで通報され………いやいや、彼女ももう大きいんだから、そんなことにはならないか。

 

 …そんなことより、今は布で包まれたこれ…家宝にしないとな、奪われないように【錠前】でも付けておくか。

 

白楼剣「」




 謎に景気のいい家主さんでした。
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