何の変哲もないとある独身男性の日常の話 作:泡沫幻想黒衣の人
大昔の失敗作(要するにガラクタ)だとの鑑定を受けた、白楼剣を貰った日の昼。
[アパート ファンタズム]
@日和見の部屋
帰ったら、小鈴は学校に行った後のようだった。
ちゃんと学校には通うみたい…、学校は愛知だからちょっと遠い登校にはなるけど…頑張って欲しいな。
さて、小切手も届いたことだし、このあとは銀行行って、仕事…入れなきゃな…。
あと、この【白楼剣】はあのスペースに隠しておこう。
夕方、にゃーおと聞こえたので、ねこまたをドアを開けて入れる。
と、ねこまたの後ろに何かおかしな気配を感じたような…気のせい、だよね。
仕事の方は………うん、商社のバイト入れよう。
あそこは基本バイトは入れない主義なんだけど、俺のことはバイトで、しかも即日採用してくれるから有難い。
取引先から書類の引越し…ねぇ…OK、OK、やってみましょう!
小鈴「ただいまー」
小鈴も帰ってくる、と彼女は帰ってくるなり部屋に置いてあったサーバル(動物)の人形をカバンから取り出すと、自らの所有物かのように扱い始める。
おい、いつのまに盗った…まぁいいけど。
ちなみにR18なグッズは貸し倉庫に撤収済みだったりする(大チル以外)。
それ以外のキャラクター物は昔からアニメ好きな彼女なら大丈夫だろうとそのまま。
彼女が帰ってきたところで、銀行に1億円の小切手を持っていき、借金を立て替えたことを報告。
するとお礼に結婚…は無理かもだけど、どう?と自らの身体を差し出すような真似をする。
それを無視して、取り敢えずご飯の用意を始める。
彼女には残りの学校生活を頑張って貰って、昔からの夢だった医療関係の仕事に就いて欲しいと思っているので、ここに2〜3ヶ月置いたら出て行ってもらう所存。
出ていかなかったら、彼女(役)を連れ込んで…、そうしたら出て行くだろう。
彼女(役)候補はいないけど。
夜、PCの電源をつけると、小鈴が東方をやってみたいと言うので、取り敢えず次やろうと思って入れていた永夜抄をやらせてみると、あっさりeasyをクリア。
最後の理不尽スペルも最初のものだけ、取った。
小鈴、弾幕避けのセンスはあるみたいだから、そのうち他のもやらせてみようかな…。
小鈴が永夜抄をやっている間に俺は明日の仕事内容をチェック。
蓮台野の方に書類の引越しをする取引先様の引越しを手伝ってくださいと…ん?書類の引越し…だよね?
・・・、
翌日、小鈴、ねこまたと共に早朝からアパートを出て、都内某所のまだ新しそうなアパートへと電車で向かう。
電車から降りて、現場へ歩いて向かう。
…すると、新年会で見た顔が…轟木 小町さんだ。
何やら困っている様子で、挨拶を交わした後、困っている様子だった訳を聞く。
と…どうやら書類の引越しだけのつもりが、引越しそのものを手伝わされそうで困っていたところだと…。
もう引越し用のトラックは用意してあるのか、近くにとめてある。
…よっしゃ、やってみますか、こういうのは男手が必要でしょう!
轟木さんが止めるのも聞かず、俺は取引先様の家具やら何やら、アパート最上階、5階から階段を使って運び出す。
…も、あとちょっとで体力切れを起こしそうになる。
………ごめん、自分だけで全部は無理だったよ、轟木さんも手伝ってくれると、助かる………って、タメ口でよかったですか?
そう聞くと…全然大丈夫、これでも24だし、新入りだし…と彼女。
同じくらいの歳かと思っていたら、俺の1個下だった、やっぱりそんなに違わなかった。
………あとは高そうなソファーだけだな、…あっ。
・・・、
[都内某所 病院]
最後の最後、情けなくも轟木さんの目の前で足を滑らして、膝下あたり、全治6週間の骨折だとよ。
轟木さんが付き添いを申し出たが丁重に断り、医師の診断を受ける。
労災は降りない、…けど他の保険で間に合った。
ギプスとか諸々で2千円くらい、安いもんだ。
あまり無茶をしなければ動き回っても良いとのことで早速帰らせてもらう、俺には子供がいるんでね…もうすぐ巣立つだろうけど。
と、診察を終えると別にいいと言ったのに轟木さんがいた。
何らか恋愛フラグは立てていないはずなので、普通に同僚を心配して来たようだ。
よしんば一目惚れとかしていたとしても…、
今の俺は普通の人間の女など眼中にはない。超能力者、未来人、宇宙人、神様や妖怪…特に獣耳美少女がタイプなので、告られたところで、悪いな…、と振るつもり。
………告られたこともないし、獣耳美少女など御伽噺(2次元)の中だけの存在だというのに、そう思う俺は一生独身確定かもしれない。
それでもいいんだ、獣耳美少女を愛でられるならば…。
・・・、
[アパート ファンタズム]
@日和見の部屋
轟木さんに車で送って貰って、アパートに到着したところ、轟木さんの車から出てくるところをしのちゃんに見られた。
まぁ…どうってこともないけど、しのちゃんとは恋人でもなんでもないし。
ただ、戸惑った表情をしていたので、後でその表情をした訳を聞いてみようか。
ちょっとだけ話しかけるのにまだ勇気がいるけど。
そのまま夜、ちょっとだけ帰りが遅かった小鈴を迎えると、隣には猫ちゃん。
これで会うのは2度目だけど、どっからどう見ても10〜12歳くらいの橙そっくりの子だ…、これで獣耳と尻尾が有れば完璧なのに…いっそそれでもいい…いや、未成年○交で逮捕されるから。
そう…実は俺は、ロリコンだったりもする…、が、ノータッチ、それは絶対だ。
2人を家に入れ、俺はご飯の用意を進める。
…そういえば今日はねこまたを朝出て行ってから見ていない、ちゃんと帰ってくるんだろうか?
おっ、小鈴が俺の松葉杖とギプスについて聞いてくる、親思いのいい子だよ…なんて。
普通の骨折だよ、と伝えると、あまりにも俺が平然としているためか、呆然とした後、それ以上は聞いてはこなかった。
深夜…、
猫は荷物もなく家に泊まり込むようで、親御さんが心配しないよう連絡してあげようとすると、要らないというから…捨て子など最悪の事態を想像した。
そこで警察や家庭裁判所に電話したところ、彼女の身元は割れた。
家庭裁判所の人が言うには…、
彼女はpurple子供支援団体という、違法な人身売買を行っている団体から逃げ出したようで、俺が望むなら面倒みてもらってやってくれないかという。
養子縁組とかいいのだろうか………とも思ったが、警察には伝達済みらしく、すぐに了承。
用意のいいことで………有難い。
猫ちゃん、彼女の背景は意外と重たいものだった。
寝室の襖を開けて、彼女を見遣る。
ほんの少し、劣情に駆られそうになるが…それよりも…、【錠前】をかけておいた大昔のガラクタこと【白楼剣】だ!
俺は2人が寝静まっていることを確認した後、小さな箪笥を退かし、床下スペースになっているところから、隠しておいた白楼剣を取り出し、鞘から覗く刀身を眺める。
ぐにゃぐにゃの刀身…、こりゃ失敗作って言われてもしょうがない。
これを扱える妖夢って相当な剣術の腕だよなぁ…、非実在美少女だけど。
能力で鍵という概念の一部である、俺以外は不可視の【錠前】をつけてあるので、この錠前開けない限り、俺以外これに触れることはできないという寸法よ。
つまり泥棒できない…けど、東方知ってる人に見られたらヤバイかもしれないから、隠しておく。
………白楼剣、時々鞘から出し、眺めて楽しもう。
翌朝…、猫ちゃんの姿は消えて、ねこまたが帰って来ていた。
………と思ったら、出たいというねこまた。
ねこまたを出すと入れ替わりですぐに猫ちゃんが帰って来る。
よかった………どっか行かれたかと思ったよ。
猫(なんとなくだけど、猫の状態と人の状態、上手く使わないと大騒ぎになっちゃう気がする………気をつけよう)
猫ちゃんは優秀な危機管理者。