何の変哲もないとある独身男性の日常の話   作:泡沫幻想黒衣の人

13 / 61
 うーん、塞翁が馬。


13符 日和見のしくじり

 土曜の夜

 

[ドーム]

 

 

 

 ベイベーメタルロックのライブ会場は当然だろうけど、人でごった返している。

 

大体5万人前後入る席に、無理してさらに5千人入るように席を用意したらしいからぎゅうぎゅうだよ…。

 

2階席から下を見渡してみると、結構な数の外国人の方も、このライブを見に来てるみたいだ。

 

 …それにしても、よくチケットが手に入れられたね、倍率3桁はいってたような…?

 

そこは某の普段の行いの良さがでたのさ♪と、ヤス。

 

 ………そーですね。

 

一平は特別彼女らのファンでもなんでもないようで、ライブの雰囲気を楽しみにして来た感じだ。

 

 ………お、前座が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギュウウウウウウウウン!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 けたたましいエレキギターの音が鳴ったかと思ったら、現在のメンバー…、

 

S(さ)っちゃん、Y(よ)っちゃん、M(み)っちゃんが裏から出てきて、公開歌稽古を始める。

 

 それはコント混じりのおふざけのやつ。

 

そしてそれは決まって折角スタッフが整えてくれた楽器の位置などを滅茶苦茶にする。

 

 普通エレキが前でドラムが後ろなところ逆になってしまう。

 

演出だろうけど、この後踊るのにドラム置いたら邪魔だよそこ(笑)。

 

 その後もなんかわちゃわちゃやっていたが、遠くて直接はよく見えない…、ので、ステージの上や後ろにあるスクリーンを見て状況を把握する。

 

 どうやらさっちゃんとよっちゃんがボケ倒してて、それをみっちゃんがツッコミがてらしばき回ってるみたい。

 

あーあー、もう滅茶苦茶だよ〜…。

 

 みんな黒髪長髪でウェーブかかってるのは共通、さっちゃんはツイン、よっちゃんがポニーテール、みっちゃんはそのまま流している。

 

ちなみにT-Kさんだけはウェーブかかってない長髪。

 

 彼女の後釜はみっちゃんだ。

 

けど、調子が良くないというジェスチャーを2人と客に対してする。

 

 すると、ステージ裏に戻っていく彼女………暫くして、代打として可愛い兎の着ぐるみを連れてきた。

 

その兎はドラムの席に着くと、瞬間超絶技巧のドラム叩きを披露する。

 

 にわかに沸き立つ会場。

 

………彼女らの演出に俺はにやにやが止まらなかった。

 

 何故なら、あの少し跳ねるようなクセのあるドラムの叩き方を知っていたからだ。

 

 現リーダー、よっちゃんがマイクを握りしめ、なにかを言う素振りをする…と、兎が突然立ち上がって、そのマイクを奪うと…、

 

 

 

 ドラムのT-Kこと、K(けー)ちゃん、一夜限りの復活だーい!!

 

 

 

と、兎頭を外し、それなりの音量で叫ぶ…というか、喋る。

 

 そこでよっちゃん、さっちゃん、みっちゃんがズッコケる。

 

もっと叫ばんかい!!と…。

 

 すると、叫ぶのはドラムで十分とばかりにまたも超絶技巧でドラムを鳴らす。

 

それに応えるように、会場のボルテージは上昇していく…。

 

 なるほど、彼女のためにドラムを主役のように前に置いたんだな。

 

 …と、彼女らのデビュー曲、ベイビーベイビー♪の前奏が流れてくる、いよいよ前座が終わり、本格的に彼女たちの演奏が始まるんだ!

 

みっちゃんは今回はボーカルに専念するみたいで、何の楽器も持たず、よっちゃん、さっちゃんの横に並ぶ。

 

 けーちゃんの叩くドラムが、前奏のコンピューターが出す音と合わさっていく…。

 

そうそう、このリズム、この音圧〜!!あと皆との一体感!!これはライブでしか味わえないね〜!!

 

 俺のテンションも初っ端からブチ上がっていくぅ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・、

 

 ライブ終了後…、彼女らの楽屋では一悶着が。

 

さっちゃん、よっちゃん、みっちゃんに詰められているのはけーちゃん。

 

 一悶着の原因は………?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 うん、俺なんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 非常にすまないことをした。

 

俺ったら、ライブ中テンション上がりすぎて、けーちゃんに、けー!!結婚して〜♡って結構な音量の声で言っちゃったんだよね。

 

そんな気もないくせに 馬 鹿 だねー!!!!!

 

 けーちゃんもそんなの無視すればいいのに、態々演奏中にマイク取って、結婚しよう〜!!とか言っちゃって………。

 

そりゃあ炎上もんだよ、馬鹿。

 

 冗談でも時のアイドルが結婚了承しちゃダメでしょうに…。

 

…いや、それ(結婚する)ならアイドル辞めろって時代でも無くなってきてるんだけどね?

 

 …外からの嫉妬とか凄いと思うよ?何で応えちゃったかなぁ、けーちゃん…。

 

まぁ、俺はカメラ向けられた瞬間逃げたからその姿をとらえたものはいまい。

 

 ただちょっと足にダメージ!

 

骨折してるのに無理したからだね、うん。

 

 その後関係者に捕獲されて今って訳。

 

 

 ………まぁまぁ、取り敢えず、この場は落ち着いて、サイン会にしましょ?と俺が提案。

 

お前が言うな、誰のせいでこんなことになってるの、と現メンバーの3人…はい…仰るとおりで…。

 

 そんな時けーちゃんが俺のスマホを入れていたズボンのポケットからそれを取り出して…スマホケースにサイン…。

 

それにつられるように他3人からも、持ってきていたメガホンや、タオル、着替えにサインを貰う。

 

 んで、最後に俺のスマホでタイマーかけて4人と記念撮影。

 

心なしかけーちゃんの距離が近い気がする…。

 

 ………そして別れ際、連絡先までゲッツ………なんだこれは、何が起きている、誰か分かるものはおらんのか!!

 

………取り敢えず、この後ホクホク顔で帰ったということだけは言える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ・・・、

 

 

 

 [アパート ファンタズム]

 

@日和見の部屋

 

 

 帰ったら、何故か俺の寝室に東雲さんと猫ちゃんと小鈴がぎゅうぎゅうと川の字になって寝ていた。

 

彼女が俺が不在時の小鈴達の面倒を見ていたのだろうか。

 

………寝室に微かに香る香ばしい匂い。

 

辿っていくと、それは東雲さんのだった………。

 

 今日まだ風呂入ってないなこの人…、家シャワーだけだけど、起こして入れさせようかな…。

 

と、思い立つと彼女を起こしてシャワーを浴びるように誘導する。

 

 ………シャワー後、まだ寝ぼけているのか、また寝室に戻ろうとする彼女を外に誘導、出した後鍵をしっかりかける。

 

やりすぎだと思うけど、一応【錠前】も付けておく。

 

 これで絶対に外からは入ってこれない………そしてこれからすることは、分かるね???

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 寝室の小鈴と猫ちゃんの間にだーいっっ(ぶ)!!

 

ミ゛シシッ!!

 

 あ゛ぅ゛っ゛っ゛!?!?!?

 

飛び込もうとしたら、足首を挫きましたぁあああっ!?!?!?

 

 なんとか彼女達の上には落ちずに済んだが、ギプスが破損、骨折が悪化した気がする………。




 日和見、お前は絶対安静でいいだろう…。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。