何の変哲もないとある独身男性の日常の話 作:泡沫幻想黒衣の人
翌日
日曜日早朝
リビングのソファで寝て起きたら、足は骨折した部分が酷く腫れ上がっていた。
勿論病院へ直行、猫ちゃんの面倒は任した東雲さん。
猫よ、すまない、本当に…。
小鈴は…日曜は用事があったのか既にいない。
[Y看護実践専門学校病院]
近くで1番大きいY(とある地名)病院に来た。
意外にも、先日のライブで骨折が悪化したと連絡したらすぐ駆けつけてくれた、変装したけーちゃんの運転する車で来れた。
夢じゃ…なかったんだ…、迷惑かけてごめんなさい、けーちゃん…。
と俺が言うと、けーちゃんじゃなくて、長宗我部 海妻(ちょうそかべ かいづま)!だって、本名かな?
ふむ…本名は結構厳つい…けーちゃんだった。
それより………海妻?字面だけ見てたらなんだか知り合いの顔が浮かぶなぁ………。
海妻さんは俺の診察結果だけ見て、帰っていった。
いやね?時のアイドルの彼女がこんなことしてくれるなんて思わないじゃん、普通。
ライブ前の練習に間に合ってくれるといいな………。
何故か病院に居て、駆けつけて来た怒り顔の蓮野に対して、言い訳をする。
蓮野が怒っているのはそこじゃなく、足の骨折のことだろうにねぇ?
・・・、
[角部屋病室]
おいおい、末期患者が来る場所じゃあないだろうな、この部屋。
周りがじじばばばっかりなんだけども。
6つのベッドのうち5つがお年をかなり召したじじばばが占有しているかのようだ。
………俺は蓮野に、光も入らない1番隅っこの、気持ちスペース広めのベッドに寝かせられ、右足を吊るされると、仕切りのカーテンが引かれる。
うん、やっぱりここスペース広めだ。
そこに医者の先生(顔は見れなかったけどすっごい美人だと予想)がやってきて、無情にも俺は、2週間の絶対安静を言い渡された。
ライブ行ったりして暴れたからね、しょうがないねぇ…。
絶対安静と言っても、会話はいいらしいので、話し相手になってくれないかなと、蓮野に頼むとそっぽを向かれて行ってしまわれた…。
彼女の代わりにやってきたのが…、なんと小鈴だった。
小鈴も驚いた顔をしている、そりゃそうだろう、さっきまで家で寝ていた人間がここにいるんだもの。
………え?小鈴が俺の世話役なの?ここの病院に併設されてる専門学校で実施されている職業体験が実践形式で?
その実践相手が俺だと?………変えてもいいかって?
………駄目だ、多分だけどここで小鈴を変えたら代わりに蓮野がやってきそう………。
だから駄目だと言っておく。
絶対安静ってことは、トイレの世話もされるんだから、身内の方が…まだ…いい。
身内でも恥ずかしいは恥ずかしいけど、この2週間耐え忍ぶぞー…。
昼、巫女さんと魔女たちが来た(多分院内職員)。
なんでも溜まった穢れをお祓いしに来たんだと。
祓い清める穢れを表現するとして…亡霊と吸血鬼、布が足りなかったのか半分だけの幽霊、とメイド(冥土とかけてる?)が出て来て、なんだか滅茶苦茶シュール。
劇みたいにしないとお年寄りたちが飽きちゃうから…とは、小鈴。
お祓いは実際にやってるんかーい。
………お祓いが終わった後、魔女から人形を貰った。
最後に巫女さんは、八雲立つ 出雲八重垣 妻込みに 八重垣作る その八重垣を、と詠う。
それ…、穢れを祓う詩なの???
2ヶ月に1回はあるという劇混じりのお祓いの儀式…、感想としては最初から最後までシュールだったとしか言えない。
それから早1週間、小鈴は筋肉が弱らないようにとマッサージをするなど、甲斐甲斐しく世話をしてくれている。
なんでも1億円のお返しだとか。
でも異性の従姉妹の前で小を出すのは恥ずか死ぬ…、大はもっとだから、入院中は出来るだけ出さないと決めている。
………まぁ、全然知らない女性、或いは蓮野よりかは見られても幾分かマシか。
と、ここで小鈴から来週からシフトがかわって、俺の担当が蓮野に代わるとの発言が…。
えぇ?ちょっと、待て、………えぇえっ?!
ずっと小鈴が世話してくれると助かるんだけど?
………どうやらこの職業体験は1週間までのようで………今日が小鈴が担当する最終日、粘っても夜10時までしかいられないらしい………。
やだ、変わらないで!残って!俺は無理を承知で懇願する。
すると、そんなに〜?しょ、しょうがないなぁ〜、でもシフトが変わることはどうしようもないから…と小鈴。
そうだよね…、分かってるよ。
………そ、その代わり?彼女には何かしら夜にやってあげられることがあるみたい………。
……………それを1億円のお返しのピリオドとして良いか?いつまでもお返しされたのではたまったものじゃないからな。
………そう聞くと、彼女は了承してくれた、よかった…、お礼とか言って大変(H)なことをする前に止めておかないとね!
夜 9:30
小鈴による最後のマッサージが始まる。
俺は大人しく身を委ねて…………………………………おいぃいい?ナニをやってるんですかぁ?
と聞くと、彼女はただ静かに…性欲処理///と宣う。
要 ら な い………とも言い切れない、入院してから全然シてないから。
……………………いやね、でも、ねえ?………ちょっと待ってもらおうか、口で???
翌朝
担当が小鈴から蓮野に代わりやがった。
こいつの排泄介助なんぞ絶対に受けてやらんからな。
数時間後…
そ う 、 思 っ て い た 時 期 も あ り ま し た 。
元彼女の蓮野は感情を消して排泄介助を行う。
もうそろそろそれ(排泄介助)要らないんじゃないかな?と言うと、貴方はそう言って動く(暴れる)から駄ー目っ!とのこと…。
ヤバイ、完全に主導権を握られている………誰か助けろください。
更に1週間後…
兎の人形を2つもお見舞いにくれた海妻さん、有難い…。
心なしかてゐと鈴仙に似ている兎の人形を見つつ、今日が一応退院日であることを思い出す。
ここ1週間…というか担当代わってずっとだけど、尻だけは元彼女に預けることなく終われそうだ、やたーっ♪!!
と、喜んでいるところに医者とアシスタント?が来る。
なんとなく、てゐと鈴仙と来たら、永琳と輝夜でしょう、とか思ってみる。
すると、本当に本人達に似た顔の2人組が………。
…………………医師免許持ってない宣言しやがりましたよ、このヤブ医者と危険なアシスタント。
元々某島にある医院の方達で、臨時でここに回されて、医療行為を行なっていたとのことで。
絶対安静の判断に、至らない所があったかもしれないと、謝りに来たのだ。
おいおい、俺は何のために恥ずかしい思いをしたんだ。
…と思ったが、臨時ではない本職の先生がきて、彼女らの腕は確かで、超一級の医者だから、心配は要らないとのこと。
いや、心配はしてよ、あんたらが逮捕される心配を。
…というと、腕が確かなら…と、彼女達は見逃されているよう。
いいのかそれで…、法治国家だぞ…。
でも、女性だけど、リアルで超一級の腕を持つ医師免許持たない医者がいるとは思わなかった。
うん?介助はちゃんと受けてるのかって?はっはっは、受けてますよ?
え、彼女(蓮野)に代わってから一度も任されていないことがあるって報告が上がってるって?
なな、なんだろ〜?
夜
回復が案外早く、ギプスを取ってもいいとのことで、蓮野に取ってもらっていると…、隙を突かれて女豹のポーズで固定され、スボンとその下をも脱がされようとしたところで…………………………
俺は初めて人に対して能力を使う覚悟を決める。
若いから、治り早くて良かったね。