何の変哲もないとある独身男性の日常の話   作:泡沫幻想黒衣の人

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 前書きは特になし。


17符 新しい入居者その2といしもち童子

 翌日 

 

 今日は朝からアパートから程近いフリースクール:寺子屋に猫ちゃんを入れることができたので、そこに彼女を送り届けた。

 

猫ちゃんは不安そうな顔をしつつも、行ってくれたので良かった…。

 

 小鈴のやつは学校。

 

俺はこれから仕事だ。

 

 商社のバイトで、4月の宴会のための会社が持つ倉庫への酒運び…業者に頼むやつじゃないのこれ?

 

その量が結構あって…他手が空いている社員に頼んでも夕方までかかりそうだ。

 

 

・・・、

 

 

 千葉県某所

 

 トルテ商社 倉庫裏

 

 

 商社の倉庫に来てみたらあるわあるわ、酒瓶、ワイン、ハイボール。

 

これら全部を俺含めた少人数で倉庫に詰め込めというのか…。

 

トラック運転手側の負担を減らすために、送られてきた物資なんかは俺らが倉庫に運び入れる方がいいらしい。

 

それはわかる、わかるが…いくら何でも18ケース×100は頼みすぎで、こっちの負担がとんでもねぇや。

 

まぁ、しのごの言わずにやっていきますけどね。

 

 

 ・・・、

 

 

 八雲タクシー内

 

 

 そして夕方…終わったことを報告できてよかった…、終わらなかったらどうしようかと思った。

 

今回は轟木さんには会わなかったなぁ…なんてことを考えつつ、本場九州での需要だけではやっていけないと、関東に進出してきたという八雲タクシーで帰路につく。

 

 お喋り好きな運転手の話によると、タクシー業も今や大変で、こうやって各地のタクシー業界で仕事を持ち寄らないとやっていけないとか…。

 

なるほど、それで進出してきたんだなぁ…。

 

………あっと?相乗り希望者だって?………別にいいよ。

 

 これも最近では当たり前の光景だね、お酒やタバコ臭い人じゃなければ、俺は基本的に相乗りOK派。

 

そこら辺お相手さん…石持さんに聞くと、酒はしこたま飲んだけど、迷惑は絶対かけないから、相乗りさせてくれと………なんでも引越し先の下見だとか。

 

 仕方ない…お酒臭いのは多少我慢して、乗せてやるか。

 

今回は何故だかそんな気分になったので、お酒臭い彼女を隣に迎える。

 

 そして一瞬で見惚れた………彼女はなんというか………他人を比較に出さないように例えると、桔梗の花のような雰囲気の髪を持ち、アメジストを瞳に閉じ込めたような綺麗な目…、

 

なんというか…人外感もある瞳の持ち主だ。

 

そしてロリロリしい…のと、天岩戸の場面が描かれたあったかそうな萌え袖服…その長い髪の色と同じ長いスカート…と、俺、見過ぎ見過ぎ、自重自重、自重しろ。

 

 彼女は運転手にどこまで?と聞かれると、俺が住んでるアパートがあるあたりまでと答える。

 

…まさか?…まさかな。

 

 途中フリースクール寺子屋まで寄ってもらって、猫ちゃんを拾う。

 

すると石持さんは猫ちゃんを見遣る…と、

 

「ねこまた…?」

 

そう小さく呟いた。

 

 猫ちゃんはなんのことだか分かっていないみたい、うん、大丈夫、俺も分からない。

 

取り敢えず彼女のその発言は置いといて、猫ちゃんに寺子屋はどうだった?と聞くと、先生が良い人で、友達も既にできたという…それはよかったね〜。

 

よかった、よかった…。

 

 ここで、石持さんが猫ちゃんが俺のなんなのか聞いてくるから、俺の子供とだけ答える。

 

それ以上の元無戸籍子だとか養子だとかは別に言う必要も感じない。

 

 養子と言ってもまぁ…知り合いの警察官、警一によると既存の養子縁組を使わない超法規的措置、特別別姓養子縁組???らしいけれどね…。

 

メリットしては子供が別姓を名乗れるのと、縁組後親子で結婚もできるとか…俺と猫ちゃんが結婚…?ないな。

 

 ただの人間には興味は無いんで………と、まぁ………これ実は結婚しない言い訳だぁねぇ。

 

だって女を追い求めるより、幻想を追い求めたいじゃん?…自分でも何言ってるか分かんないけど…。

 

とにかく、俺も今時の若者の例に漏れず、自分の趣味に人生を捧げたい若者だということだ。

 

 いざ気になる人が現れても、多分何にもしないかなー、自分は…。

 

と、無駄に考え込んでいる間に着いたようだ、古アパート、ファンタズムに…。

 

 やっぱり、彼女…石持さんはこのアパートの下見に来たようだ。

 

「うち、よっていきます?」

 

 柄にも無く女性を家に呼ぶ、彼女ならばキャラ物とかには無頓着だろうと踏んだから。

 

後は普通に空いてる部屋を案内すればいいのに、なんで部屋に連れて行くの?って警戒されないかだけど…

 

石持「えぇ、いいわ。」

 

 …よっし、OK貰えたので一名様ご案内。

 

一応東雲さんにも挨拶してもらってから、うちに入れる。

 

 猫ちゃんは酒の匂いにしかめ面を晒しているが、多分俺もおんなじような顔だろう、彼女がこちらを見ていない間は…。

 

だって本当にお酒臭いんだもん。

 

 彼女が酒をやめてくれさえすれば彼女候補筆頭なんだけどなぁ…、それは俺のこのアニメ趣味とか東方を止めろと言うようなものかもしれないから言えないね…。

 

部屋の雰囲気を一通り見た彼女は、空き部屋もこんな感じかと聞いてきたので、同じですと返すと、いい趣味してる♪と、どうやらお気に召したようだ。

 

 今時洋式でなく、和式の感じでさらには、古びているから、そこに良さを感じたらしい。

 

古びたふすまとか含めて、真新しいものに替えた方がいいとは、俺なんかは思うけどね。

 

 とはいえ、リフォームの際は、この和式の風味を残すよう要望するかな。

 

 

 夜

 

@日和見の部屋

 

 

 石持さんは早速ここに引っ越しを決めて、その日のうちに2階の3室目に荷物を運び込んでいた。

 

………本名、石持 剛固(いしもち ごうこ)さん………めっちゃごつい名前で、あの見た目でこの名前はなんだかなぁ…、となった。

 

 今日からはソファではなく、布団の中で物を考えられる。

 

夕方に新しい布団を買って来て、3人でねられるように襖を開けて寝られるスペースを広げたのだ。

 

………石持といえば、地名や名前としてそんなのがあったなぁ、と思うのと同時に、俺としてはいしもち童子を思い浮かべる。

 

いしもち童子とは、星熊、金熊、茨木、などなど、そうそうたる面々が名を連ねる、酒呑童子の部下、鬼の四天王に数えられたこともある名前だ。

 

 この鬼の四天王、地域によって、或いは時代によって?言い伝えられているメンバーが違い、四天王なのに言い伝えられている全員を合わせると10人くらいの童子の集まりになったりするのだ。

 

萃香が萃夢想時とか、宴のときにあわよくばでできてくれないかと思っている鬼の中にいしもち童子…彼?彼女?…も含まれていたり…?なんて妄想…。

 

いや、考察をあのオカルト談義メンバーが再度集まるときにでも披露しようかな?

 

 俺がどっかで見た情報によれば石持ではなく、いしもちとなっているのは、石持という名を持っている神様や地名と混同しないように…とのことだったから、多分いしもち童子は石持童子かもしれない。

 

うん…スマホ触ってなくてもこういう風につらつら考え始めちゃうと寝れなくなるから、思考切って寝なくちゃ…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 丑三つ時、鎖を引き摺るような音がどこからか聞こえたような気がした………。




 後書きも特に無し。
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