何の変哲もないとある独身男性の日常の話 作:泡沫幻想黒衣の人
朝
[アパート ファンタズム]
@日和見の部屋
いつのまにか2月も後半…
スマホで半年前にダメ元でSNSのキャンペーンで応募したリニア体験乗車が当たってるとのお知らせを見て、歓喜からの悲哀…。
お金にもっと余裕があったら行ってるんだけど、今回はパスせざるを得ないかな………。
猫「何これ?」
リニア…最高時速800km(トンネル内部のみ)の乗り物だよ…。
猫「のりたーい!」
よっしゃ、行くかー!!!小鈴も連れてくぞオイ。
小鈴「あー、この日学k」
1ヶ月に1日くらい学校休んでもファミリーデイだかなんだかで、単位は大丈夫だろうから小鈴も連れて行く所存。
ていうか単位は足りてるんじゃ…?
日和見「単位は平気だろう?お前も行くよ。」
小鈴「まー、専門に入るための諸々はもうやったからいっか、本当はその日は学校で彼ピとFXでゲームしたかったのに…」
はぁ???お前は暫くFX禁止だ、馬鹿…そう言外に圧をかけると滝汗を吹き出す彼女…。
日和見「おい、まさか」
小鈴「もうやった………、+-0だったけど………、だ、大丈夫!今度はメイトに勝つから。」
………この発言は、あれか、クラスメイトとのFXバトルロワイヤルってやつをやってるのかな?ゲーム感覚で何処まで稼げるかって仲間内でやる遊びらしいけど、実際に投資するんじゃなくて、シミュで遊ぶやつじゃ………?
小鈴「最近…というか数年前から高校生のFXバトルはスポーツにもなってるんだよ、クラスでのチャンプは学校独自の大会期間1ヶ月で1000万稼ぎ出した…」
………上手く行くのは一握りだけだぞ馬鹿。
………FXを扱う漫画とかの影響で(一部の学生の損を立て替え可能な金持ち高校の間だけだと思うけど)、実際にトレード競争をするFXバトルロワイヤルなるものが流行ってるらしいとは聞いていたが、本当だったとはね。
小鈴「また一億背負うことなんてないだろうから、やらs…………ああぅ、やっぱり、いい」
………FXで一億の借金背負った奴なんて、お前とどこぞのベンチャー企業社長くらいしか俺は聞いたことがない。
俺の雰囲気で察したのか、諦めたようだけど、取り敢えず今は止めとけ、頼むから…。
行為に【錠前】かけられないかなぁ………イメージ固めとこ、そうしたら出来るかもしれないし。
ピンポーン♪
んで、こんな朝早くから来客らしい。
はいはいどちら様っと…?
なんとなく胡散臭い…、見た目優男が、小鈴の高校の制服で来た。
なんでも、小鈴を迎えに来たとか…今日学校休みだぞ。
制服着用義務でもあるのかもしれないけど、俺に良い印象を与えようとしているのか……………ので彼の……………いんや。
………小鈴の…に【錠前】かけとくか、彼、彼女の関係だし、勘違いとかだったら悪いなぁ、とは思うけど一応、ね、………杞憂だとは思うけど。
………ん!意識を集中させたらそこに錠前を、目的の効果(粘膜同士の接触を禁ず)を発するようなイメージで、かける。
………うん、一応その場所にはかけられた。
小鈴「彼ピ〜♪あ、彼、稗田 正史(ひえだ ただし)で、私の彼ピ」
正史「どうもっす☆お兄さんすか?」
従姉妹だ、じゃあさっさと行ってらっしゃい、俺はこれからやることがあるんだ。
小鈴「久しぶりに彼と遊びに行ってくるねん♡」
…猫は…秦のとこでちょっと待ってもらおうかなぁ………。
・・・、
自転車買取専門店
ここ2年は使ったドイツ製の高級自転車を手放す。
この自転車はドイツの某高級メーカーに特注で頼んだやつで、フレームやハンドルまで拘り抜いたもの…だけど、金欠なので、今回泣く泣く売ることにする。
しょうがないね、査定結果は………買取価格50万円………元の値段は諸々で200万円だったから、そこから10%〜30%と考えると………か〜なりオマケしてもらえたみたい、助かります。
これで2ヶ月くらいは金欠状態から遠ざかることができた。
そして帰り………今更蓮野から謝罪のメール、はて?何かされたっけ?そしてメアド教えたっけ?………入院時、彼女が俺のスマホを弄る隙は………あったか。
あぁ、やきもち焼きだったか、病院でのこと…私がお世話したかった?…それはどうも…。
どうせああいう世話されるんなら、親族の方がまだ…まだマシだと思うんだけど…。
そこら辺どう思うの、蓮野は。
あぁ?思い至らなかった?とにかく世話を焼きたくて…って、本当はああいうのは担当じゃないんじゃ?精神科医志望だったよな?
え?看護だけまだ資格取ってないけど、全部取得するのを目指す?全部って…、
看護、介護、精神科医…トリプルライセンス狙いかよ…すんごい。
更には夢幻病の研究者に…?………そんな名前の病気が本当にあるんだね、1つ賢くなった。
俺?俺のも夢幻病…?それは…ないんじゃないかな。
そもそも幻覚等を引き起こす原因疾患の治療は終えてるし。
俺の場合統合失調と妄想性+強迫性のような複雑な絡み方をしていたから、正式な診断はなされないままの治療になったんだ。
脳に直接電極ぶっ刺すやつと、あとペタペタ貼るやつ、電気けいれん療法だね、それと薬を組み合わせた治療を受けてほぼ完治してるって。
なら何故まだ幻視が極低頻度で起こるのかって話だけど、気にしたら負けだと思ってる。
原因疾患は完治したはずなのに続くってことは、これは一生治るものではないだろうしね。
根治不可能なアスペ(興味対象の特異性)もちょっとあるとのことだから、それも一生付き合っていかないとね。
うーん、…君が、…そんなに勧めるなら、…夢幻病じゃないか、近々精神科医に診てもらうね、ありがとう蓮野。
・・・、
夜
[アパート ファンタズム]
@日和見の部屋
結構暗くなってきたけど、奴らもいい大人だ、心配はせんでいいだろう。
猫のやつは寂しがっているけど。
猫「小鈴おねぇちゃん何処行ったんだろうね?」
日和見「さぁ………(ラブホとかかな、明日学校大丈夫かー?)」
丑三つ時
寝ていると、なんだか騒がしい音が………。
………慌てて外に出て行く俺、絶対カップルの喧嘩とかだ、いい見せ物は見逃せない(笑)!
………と思ったら、なんだ、小鈴と正史か、期待せやがって、こんな時間に帰ってくるなよ。
………下半身だけ露出とはまた乙なプレイを………あん?いや、駄目だろ、露出は………って、正史のやつ小鈴にナイフみたいなの突きつけてない?
俺、悪い夢でも見てるんだろうか………。
アパート前の道路
小鈴「無理やりホテル連れ込んで、相手が3人なんて聞いてないよ、そりゃ帰るでしょ!ここからアパートまではちょっとなんだから帰らせ…うっ、ほ、本気で刺す気…?」
正史「どういう訳かS**とかが出来なかったから俺の仲間が興醒めで帰っちまったじゃねぇか、せめてそのまま市中徘徊しろ、大丈夫、監視カメラある場所や明るい場所は避けるからさぁ」
小鈴「そ、そういう趣味だったのぉ…???いやぁ…」
剛固「ちょいとそこの少年、待ちな」
正史「あ?なんだこのちっこいのは…」
剛固「取り敢えず彼女を離してもらおうか?」
日和見「そ、そうだ!離せ!」
正史「うるせぇ!これ(ナイフ)が見えねぇのか!」
剛固(目線を下げながら)「そんな小さいもの、ぶら下げてたって分からんよ、ふっ」
正史「………っああん?本っ気で殺されたいらしいな、子供だろうと容赦しねえぞオラァッ!!」
・・・、
朝〜昼
[アパート ファンタズム]
@日和見の部屋→警察署
なんだか凄い場面を見た気がする…剛固さんの腕にナイフが食い込んだと思ったら、どういうわけかナイフが折れて…しかも粉々になったから驚いたなぁ。
彼女曰く…ただ手刀で落としただけ…らしいけど、俺にはナイフの切っ先が腕に食い込むかと思いきや、そのまま折れて粉々になったように見えた…暗闇だったから手刀がよく見えなかっただけだろうけど。
…寝ぼけてたのかも。
小鈴と正史はそれぞれ警察に行って小鈴は事情聴取を軽くした後すぐ帰ってきた。
彼女の事情聴取が早く終わったのは、まぁ俺が知り合いの警察、警一に彼女のことを頼んだのもあるかな。
彼割と上のポスト(警部)だから。
小鈴は正史の本性に結構ショックを受けたみたいだけど、自殺を試みていたあの時よりは落ち着いている気がする。
正史には小鈴と稗田の名を汚した責任をきっちり取って貰いたい。
後日の事情聴取には剛固さんと俺も呼ばれた。
小鈴は………特別に配慮してもらって、また少し事情聴取されただけで帰れた。
ここからは帰ってきてから東雲さんに聞いたこと。
俺達が早朝から昼近くまで事情聴取を受けている間、猫ちゃんは学童に行って、俺から彼女のことを任された東雲さんは、近くのケーキ屋さんに小鈴を連れ出し…、
ケーキを奢ると言ったら、小鈴は1ホールのやつを頼んで、それを食べきったら即復活………元の調子に戻ったらしい………う、む?………まぁ………それならばよかった。
【錠前】掛けておいて良かったよ…まったく。
今回はちょっとだけ長めでお送りしました。