何の変哲もないとある独身男性の日常の話 作:泡沫幻想黒衣の人
あの鬼メールの正体は、彼女の所属する海外の大手事務所が貸し切れる物件の一覧で、その中からデート先を選んで彼氏と楽しむ予定が急な用ができたとかで彼氏が飛んだので、代わりに俺を呼んだ…と。
鬼メールのことは分かった。
だけど今何より気になっているのは、自分の事をあの秘封倶楽部のマエリベリー・ハーンだと言った彼女のことで…(胸でかいな)。
海妻「ねぇ、聞いてる〜?」
おっと、海妻さんが何やら俺に話しかけていたようだ(こっちのも中々のサイズが…)。
ジュ「なに〜?美人が三人もいるっていうのに上の空?」
ご自分の事をさりげなく美人に入れてませんか?ジュリアお姉様、正直父親と同じ顔の女に興奮はしないんよ、いい尻してるけど。
それと美人の枠に猫ちゃんも入れてやってくださいよ。
日和見「別に上の空じゃ…」
一応下世話なこと混じりに考え事をしながらでも海妻さんの話はちゃーんと聞こえていて、頭の中に入っている。
海妻さんはやはりというかなんというか、あのオフ会唯一の女性メンバー、海賊の妻さんだった。そして俺とはもっと前に会ったことがあるらしい。
なんでもデビュー前、高校生の時(※俺は中坊)、俺と会った記憶があるらしい。
昔、銀河鉄道999などで知られたゴダイゴとそのバックコーラスをしたこともある大人気男性アイドルグループと地方ケーブル番組の中で、
あの曲をスター達と一緒に歌おう!
という企画があった際、応募で集まった子供達と一緒に歌うアイドルの卵兼、歌う会場までの引率者だったのが彼女だったらしく…。
………そこに俺もとある子供会の合唱団の一員として参加していたような記憶が朧気ながら浮かんでくる。
んで、確か歌の会場に行く前にトイレに行っとくか〜と、トイレに行ったら迷子になって…。
そこに「どうしたの?会場はこっち(向かった方向と逆側)だよ」と呼びに来たのは綺麗なお姉さんで…彼女のことだけは割としっかり覚えていたけど、まさか海妻さんだったとは…。
確かに今更ながらに面影があるなぁ…気付かなかったや、オフ会でも何度か顔を合わせてたのにね。
海妻さんは初めてオフ会やった時からまさか…とは思っていたらしくて、もし違っていたら恥ずかしいからと、今までこの事を話せずにいたらしい。
ジュ「運命じゃ〜ん♪」
やめろって…。
海妻「顔が随分良かった子だったから覚えてたの、思い出してくれたなら嬉しい」
へぇー・・・・・・。
ジュ「ほっほぅ?…んふふ、よかったね♪」
だまらっしゃい!ていうかカラオケ来たのにまだ何も歌ってないんだけど?さっさと歌わないと時間が…。
メリー「…」猫「…」
彼女達すっかり置いてけぼりで話してたから、最早置き物と化してるぅ〜っ!?
日和見「1番手、僕歌います。話し込んでいたらそのまま終了時間だなんてカラオケ店に来た意味が無くなっちゃいますから」
ジュ「そういえばカラオケ店だったここ」
いや、それ忘れんな?!え〜と、俺の歌える曲はあるかな〜と…。
海妻「貴方この後歌う?」
メリー「え、いいえ、私はいいわ」
海妻「あらそう…」
日和見「猫ちゃんは?」
猫「あ!じゃあ、ようこそジャパリパークへを、唯一歌える曲がそれだから」
!?、唯一歌える曲がそれか………猫ちゃん。
日和見「そ、そうなんだ、じゃあ次、入れとくね」
ジュ「ひよりんは何入れたの?」
ひよりん言うな…。
日和見「えと、幽閉サテライト様の『色は匂えど散りぬるを』!を…」
海妻「キー高めの歌じゃない、原キーだと辛いと思うから歌いやすいキーでね、言うまでもないと思うけど」
日和見「え、原キーで歌えます…よ?」
ただ、裏声で歌うとどうしても声量が落ちるのが悲しいんだよな…。
ジュ「知らない曲ね、流行った曲とか歌ってよ」
日和見「新時代とか?」
海妻「そんなに難しいの歌えるの!?」
日和見「まぁ、メロディは耳が覚えてるし」
実は絶対音感持ちで、裏声ありなら結構キーが高いのを歌えたりするんだよね、あとはスキャットマンとか英語のも歌えたりする。
日和見「歌わないんならその分盛り上げてよ?」
ジュ「わかったよ、で、他に何か歌える?どんどん曲入れてくからね」
どんどん歌っていいなら歌いたいけどさ…と海妻さんの方向を見る。
海妻「あ、私はいいよ、安売りしない主義だし」
あんたのを1番聴きたいのに… 、このカラオケでの楽しみが減ったよ。残念だねー。
歌ったものリスト
猫ちゃん
・ようこそジャパリパークへ
日和見
・色は匂えど散りぬるを/幽閉サテライト
・新時代/ウタ【Ado】
・新宝島/サカナクション
・スキャットマン/Scatman John
・月には叢雲華には風と/幽閉サテライト
・華鳥風月/幽閉サテライト
・唱/Ado←シメ
終わってからなんだけど…ほぼほぼ俺しか歌ってなかったけどいいのかな?歌うの楽しかったから良かったけど。
海妻「じゃ、明日も暇があったら付き合ってよ、さようなら」
日和見「SPとかつけなくて大丈夫ですか?」
海妻「目立たないところに常に1人侍らせてるから大丈夫」
日和見「そうなんですか…」
ん?待て、明日も?
日和見「って、明日も…って?」
海妻「ああ、1週間纏った休みをとってて、先に言ったように彼氏が飛んだから暇潰しに付き合ってよね、できる範囲でいいんだけど…」
日和見「あ、はい、じゃあ1週間予定開けときます」
海妻「だ、大丈夫なの?」
日和見「予定を開けようと思えば開けられますので」
海妻「…自営業???」
日和見「まぁ…そんなところです」
ジュ「1週間…!?ちょっと、私のことも忘れてないでしょうね?!」
日和見「あー、うん…勝手に泊まってって」
ジュ(この1週間、ひよりんとの絆を深めるチャンスが………いや、まだあるか)
メリー「あの…それで、私はどうすれば?」
日和見「あー…うん、マエリベリーさんも、良かったら泊まってって…といってもボロアパートの狭い部屋ですが、それでよろしいのなら…」
メリー「メリーで大丈夫、マエリベリーだと呼びづらいでしょう?」
メリー呼びの了承をもらいました。
しかしながらこの娘、本当にあのマエリベリー・ハーンだとしたら…いやいや、まだ疑念は拭えない、正体は追って判明するだろう。
俺の予感としては…この1週間以内には。