何の変哲もないとある独身男性の日常の話   作:泡沫幻想黒衣の人

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29符 心身共に疲れたから取り敢えず横になる…

 握手会?そんなもの知らないとばかりに西武遊園地にある会場から脱出した俺は小包を持ちながら急ぎメリーの待つであろうホテルへと駆け込み、一応受付にメリーの部屋を確認し、自分の部屋もとった上でメリーの部屋に足を向けると…。

 

日和見「いない………」

 

 あの放浪少女は何処へ行ったのだろう、トイレかな?…それならば取り敢えずやることは1つだよね、兄弟。(なに

 

 メリーの部屋201室に入り荷物改め(要は彼女の持ち物確認)を………そういえばキャリーバッグとか持ってなかったな、彼女。何か彼女のことが分かる持ち物とかないだろうか?

 

 ……………うん、ないね☆

 

 せめてお財布と身分証明書的なものを持っていてくれれば身元はすぐ割れる筈なんだけども…いやー、どうかな?

 

 ともかく用は済んだ、自分が借りた部屋301に戻るとする。

 

日和見「………なんでいるんだ?」

 

メリー「あー、えーっと…」

 

 彼女の今の状態を見遣れば目的は明らかであり、俺があの研究所から持ち出していた古いカメラを構えるような構図で固まっていた。

 

日和見「何か…このカメラにきになることでも?」

 

メリー「ほ、ほらこのカメラ、ライカ(メーカー名)転換期に起きた技術の特異点とも噂された幻の…フィルム式でも、現像もできるカメラじゃ…」

 

日和見「ふむ…?」

 

 フィルム式でもあったのなら射命丸文が使っていたのと同じカメラ、つまり河童の技術に勝るとも劣らない技術をもつ技術者が作ったカメラだという可能性が…?

 

 と、ある一定の光源に当てたままの現像になると写真に今目の前にしている彼女の姿に近い少女が現れるようになることも確認済み。レンズにでも焼き付いているんだと俺は予想している。

 

日和見「それより、鍵を閉めてたはずなんだけど、どうやってこの部屋に入った?」

 

メリー「………………覚えてない」

 

日和見「…そう。じゃあ、僕は疲れちゃったから英気を養うよ、勝手に坂巡り再開は待ってよね、君目立つからさ…じゃあまた明日ー…」

 

メリー「はい(…そんなに目立つかしら?)」

 

 覚えてないんじゃあどうしようもないじゃんね、これ以上の問答は無意味、切り上げよう…と、少女を退室させた。

 

 今猫ちゃんたちは何してるかなー?靉靆さんというハウスキーパーさんがいるからこの1週間大家さんに負担掛からなくて良いね、それより小包の中はなんだろうな、…やっぱりBMLロゴ付きのグラスとリンゴ炭酸飲料だ、やた。

 

 俺が疲れちゃったから坂巡りは明日まで英気を養ってからってことで…暇だからTVでも見るかー、んしょ(リモコンで電源ON)。

 

アナウンサー「えー、都内の○川で男性の切断遺体の一部が発見され…警察は近くに落ちていたカードなどの所持品から身元の特定を急いで____」

 

 んしょ(電源OFF)

 

 直近で見たことがあるせいか、カードのデザインがモザイク越しにでも分かってしまったので、スマホで今のニュースの詳細を探してみると……………うん、確かにそのような事件が起こっていて、被害者が早くもBMLファンクラブ会員第1号の浅松 屯さんとネット有志らにより特定がなされたそうな。

 

 ……………………………たまたま彼のカードがそこに落ちていた可能性はないだろうか?そうであってほしい。

 

 そうであれば…そうであれ…そうであったなら…そうであるはず…だ。

 

 もし、万が一ネットで流れているこの情報が事実なら、なんでこの酷いタイミングでこんなことが発覚するの?天は彼女らに何背負わせようとしてんの?幾ら現実が不条理だって分かっててもこれは酷い…酷いよ、酷すぎる。

 

 推しの海妻さんには幸せになってほしいのに………。

 

 明日起きてもまだこのニュースやってるだろうな、ファン達は騒然、阿鼻叫喚、地獄絵図待ったなし。

 

 海妻さんはこのニュースに今触れているだろうか………連絡しようかと一瞬思ったけどするのはやめておこう、どの道これを知れば暫く塞ぎ込むに違いないし、彼女の精神が心配。

 

 あのプロデューサーさんがそこら辺はなんとかしてくれるだろうか?腕の見せ所だぞ。

 

 …俺は俺でメリーとやることがあるとはいえ、何か出来ることがないかは道中考えていこうか…本っ当酷い、酷すぎる。

 

 うーん……………まだ18:00回ったところだけど、もう横になろう、そして全てを一旦忘れよう…………明日に先送りだ、この問題は。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 東京某所 工場前

 

?「例のものは持ってきてくれたのよね?」

 

?「はい、この通り、親分を慕う配下達と一緒に今回もノルマ分集めさせてもらいました、お納めください…」

 

?「んー…これだとやっぱりまだちょっと足りないわ〜、来月からは新年度だし、益々気張って頂戴ね〜」

 

?「はい、我ら一同新年度に起きましても最低限のノルマはこなしていきたいと…いえ、そうですね、できれば過去最大級の仕入れを…」

 

?「本当にお願いねー、このところは葬儀場のセキュリティも上がってしまったし、道端に転がってる訳もないから…厳しいだろうけど期待しているわよ」

 

?「はい!我ら全身全霊を持って貴方様と関係者の皆々様の食い扶持を繋ぎ止める為にも邁進して参ります!」

 

?「期待してるわよ?特に…小狐」

 

小狐「はい!天狐様!」

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