何の変哲もないとある独身男性の日常の話 作:泡沫幻想黒衣の人
数日後…、管理人さんが遠い場所に行った……………
と、いっても都内某所の介護施設に行くとのことで、管理人の後任は心泉 東雲(コイズミ シノノメ)(19)とかいうパツキン褐色ギャルになった…。
小さいころ、たつさんにはゆめちゃんと言われていて、由来はゆめに見るくらい可愛いからだとか。
結構なワガママボディの持ち主で、本人は太ってるからあんまり見んなと仰っていた。
そんなゆめちゃんとの新年の挨拶も済まして早々に僕は羽田へと発った。
・・・、
アメリカ ネバダ州某所 現地 朝
売り手が待つ倉庫前
コートを着た外国人男性がマダカナ、マダカナー…、お、ヤットキタネと言い、俺を迎える。
その人に対し俺は…お待たせしました、では今回の件について何かお聞きになっていることがあれば、是非教えてくださると嬉しいです………お義父さん…と言う。
チャールズ・クリスチアーノ…彼は父方の遠い親戚で6歳のとき実母が亡くなった後アメリカから日本に引っ越してきて、俺を育ててくれた敏腕商社マンだ。
現在ニューヨーク某所に住んでいて、日本にいる俺とは別居している。
ムスコの頼みだ………頼まれナクテモ教えるヨーと彼。
義父さんによると、ここ、ネバダ州の中でも廃軍事場に近いところに建っているこの倉庫は、なんでも100年前に財宝が隠された倉庫だという都市伝説があり、是非売って欲しいというバイヤーさんがいるのだとか。
俺たちの今回の仕事は売り手(値段を上げたいor売りたくない)と買い手(値段を下げたい)双方を納得させる形で満足させること。
いや………どうしろと?と言いたいところだけど、出来るだけ双方にとって今回の買い物が得なものにしないといけない………。
と、売り手のカーズナルさんが早速やってきて、Treasure is remaining in the storehouse?Well…well…って…
マズい、英語はこれでも全然分からないんだ、こういう時は…翻訳アプリ〜(某猫型ロボット風)。
以降英語中心の会話をアプリが翻訳。
カーズナルさんは、本当に?本当に相手がそう言ってるのかい?そんなことは聞いたことないんだけどなぁ………取り敢えず開けて中を見てみるかい?と言っているらしい。
できればお願いします、と俺はアプリ伝いに言う。
うーん………まぁいいだろう、でもあんまりあちこち弄り回さないでね、とカーズナルさん。
それはもちろんとお義父さんが答える。
と、そこで俺はカーズナルさんに伺いを立てつつ、仕事用のスマホでバイヤー向けに動画を撮り始める。
海外まで来ておジャンなんてことにはならないでよ?なんとか手数料とか諸々元取らないと…。
裏ではそんなことを思いつつ動画をまわす。
ガラガラガラ………
倉庫に入ると、ヴィンテージものがいっぱい!確かにこれはお宝達だ!と思ったのも束の間、お義父さんがヴィンテージ風の家具が沢山…と言ったので、上がりかけたテンションは元に戻る。
………もっと奥を見ても?とカーズナルさんに聞く。
いいけど………ここは………〝出る〟よ???とカーズナルさん。
なな、何が出るっていうんです?!?!?!とビビリながら聞くと、ここら辺では有名らしい、エイリアンの幽霊が出るという都市伝説を聞かせてくれた。
そんな話をしつつ、約20mある倉庫の奥へ奥へおっかなびっくり、抜き足差し足忍び足…と進むと、変に空間が開いた場所が見えてくる。
義父さんがここは?とカーズナルさんに聞くと、どうやら過去ここにエイリアンの遺体を置いたことがあるらしい…。
そんな馬鹿な………と言うと、義父さんも英語で同じようなことを言っていた。
床が怪しいな…ひっぺがすぞ、とお義父さん。
それに対してカーズナルさんは、やめてくださいよ…相手さんもそういうはずです、と返す。
いや、相手さんはお宝のためなら是非と言っています、と俺。
そ、そんな!?貴重な歴史的倉庫ですよ…?とカーズナルさんは言うけど、それならなんでアメリカ政府が保護しに来ないんですか…?と疑問をぶつける。
するとカーズナルさんは、ただ単にここは昔から先祖代々のオレ達家族の私有地だからな、手放すつもりがないから、政府も何も手が出せないんだと言う。
なるほど?
しかしなんだろう、俺たちを包む周囲の闇が少しずつ濃くなっていってるような………?
………この壁………?
なんだ、ヒヨリ、何か見つけたか?と義父さんが聞いてくる。
辺りを見回していたら、壁の一部分が変に飛び出しているような気がして………と義父さんに言いつつ、
ちょっと内側のトタン剥がしていいですか?ここかもしれません、とカーズナルさんに言う。
それに対して、宝か?そうならオレたち家族のもんだ、タダじゃやらねーよとカーズナルさんは言う。
ガリガリガリ………ガランガラン
剥がしたところから横を覗くと更に変に隙間があるのが分かった。
奥まで見えるか…?と義父さん。
待って………
???「」
え………これって………
どうしたー?何か見えたか?とカーズナルさん。
ゾ…ゾ… ゾッ!!!!!
っ!?!?!?
ど、どうした急にのけぞって………とお義父さんが俺を心配する。
た、多分、だけど、じ、じ、人骨、(それと紅いリボン…?)………しかもまだ、新しい………(リボンは気のせい…)?
なにっ?!警察に連絡だ!!とお義父さん。
オ、オレ達家族は何も知らんぞ?!とカーズナルさんは言うけど、本当かどうか、俺には分からない。
数分後、現地の警察が来て、人骨ですか?………鑑識が来ないとなんとも言えませんが、少なくともここ十数年の間にここに置いてかれたみたいですね、と言う。
こ、これは売り買いどころじゃない、大事件だぞ…!となると手数料とか色々無くなるかもしれないが、今回のはしょうがない。
それよりここで俺が気にしていたのは視界を掠めた赤いリボン?と………、
隙間を覗いたとき、宵闇が迫るように闇が追ってきたような感覚に陥ったことだ。
………あれは一体………なんだったのだろうか………?
・・・、
アメリカ 空港ターミナル 夜
結局のところあの後カーズナルさんが、こんな気味が悪い倉庫持っていられるか!!と現在のレート1000万円相当で売り出し、買い手が買った。
人骨の正体は警察でも分からなかったみたい………、不気味すぎる。
仕事の話に戻ると…、
今回間に立った商社側に払われる手数料は買われた値段の10分の1、つまり100万円、その中から商社に行く金と交通費他諸々を含めると稼ぎは……………
たったの+1万円か……………。
そう肩を落とす俺に、まぁそう肩を落とすなとお義父さん。
あ、翻訳アプリ入れっぱなしだった。もう必要が無いから、アプリが入ったスマホ自体の電源を切る。
銀行に直接、来タンダロ?商社からのオカネ、とお義父さん。
俺はそれに適当に返事を返し、今回の報酬の1万円を財布に入れる。
また部長がヨロシク言ってた?
そんなお義父さんの問いに、うん………と頷く。
今回の件でもうやりたくないまであるけど、まぁ使い走りくらいなら今後も商社からのバイト、しようかな………。
こんな事件に毎回巻き込まれるようならごめんだけどね!!!
闇が深い