何の変哲もないとある独身男性の日常の話   作:泡沫幻想黒衣の人

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31符 姦しに男1人呼ばれたわけは…

 メリーが来て3日目

 

 

 2つのものが1つに成る…そんな土地とメリーを巡って思案に耽りたいのに…変な夢は見るし、海妻さんのことも気になるしなんと邪魔が多いこと。

 

 まぁ、彼女のことを邪魔なんて言ったら世界中の彼女のファンから袋叩きに遭いそうだけど、今の俺はメリーを優先したい…したいが。

 

 うーん、昨日の今日だし…メリーのことはあとからでも遅くはない…はず。…まずは海妻さんと連絡を取れるか否か…。

 

 取り敢えずオフ会で海妻さんから貰っていた連絡先に体調を気遣う文面を送信。問題無ければこのまま陸奥行脚をしたい。

 

返信「大丈夫だと思う?」

 

 ………怖い返信だ、精神が追い詰められているのだろうか。出来れば何も無しに立ち直って欲しいところだけど、人間そう簡単にできてはいないもので、時間が解決してくれそうな感じでもないような気がする。

 

 俺に彼女の感情を推測することは難しい…が、ことがことだ。SCP…PSP…???あ、PSTD!…じゃないや、PTSDという疾患に罹っている可能性が大いにある。

 

 専門家じゃないからわかんないんだけどね。

 

「いまどこ?」返信「家」

 

 家に引きこもっているのだろうか………。となると俺に出来る事はメールを送り続けることしかできないだろう。あんまりやるとストーカー法に引っかかるかな。

 

「行っていい?」返信「ダメ。絶対みっちゃん達に家教えるでしょ」

 

 ……………先の行動を読まれたか。

 

「…ごめんなさい」

 

 

 現在地 

 

 某高級星付きホテル とある一室

 

 

 ここには俺の他にBMLのメンバー3人がいる。

 

今更だけど通称BMLのベイベーメタルロックの名前の由来はbyebye(これでベイビー)metal(に鋼の)Lock(錠前)で、絶対にお別れ(卒業)しないという意が含まれている。

 

 故に初代や2代目メンバー達は絶賛〝自分探し中〟ということになっていて、今でもBMLのメンバーとしてアルバムの裏ジャケットに名を刻んでいる。

 

 「バレてる…」とは、返信を見たみっちゃん。…こんなことになるんじゃないかとは思ってたけどね。

 

坂佐井「葉、逆探知は?」

 

葉「スパイ映画の見過ぎですよ、先輩…、出来るはずないです」

 

 坂佐井さんはスパイ映画がお好きらしい。公式プロフィールでも書いてあるスパイ映画好き、この様子を見るに本当らしい。

 

回り道「それより、私達の問題に巻き込んでしまって、申し訳なくないです」

 

「あー、いや、ファン感謝祭のあれから乗り掛かった船みたいなもんなんで、気にしないで」

 

坂佐井「彼女を置いて、女3人姦しいところに来る理由ははたしてそれだけかしら?」

 

「純粋に海妻さんが心配なだけですけど…本当」

 

 本当である。役得感とか無い、一切。ことがことなんだから美人さん3人に囲まれてヤッター♪って気分にもならないでしょ、普通に考えて。

 

「あと、メリーとはそんな関係ではありません」

 

 蓮刈派なので彼女を返すだけが僕の役割なんです。

 

回り道「うーん、打つ手無し…?なら、和菓子でも食べて何かアイデアが出るまで頭を捻ろう」

 

坂佐井「またもみじ饅頭…」

 

 もみじ饅頭………季節感が無いな。

 

回り道「先祖が売り始めたというもみじ饅頭、元々は旅人達に配っていたものを秋、終いには一年中売るようになってピークの時期以外余りがちなの、なので無駄にならないよう持ってきたので食べてください」

 

坂佐井「雛祭りの時とかもひなあられの代わりにって結構食べたばっかりな気がする…」

 

「こんな時に和菓子摘んでていいのかな…」

 

 なんだか海妻さんに悪い気がしてしまう…食べるけど。そうして暫くもみじ饅頭を嗜んだあと、俺だけお開きとなる。

 

 元々部外者で、今回俺が呼ばれたのは海妻さんが家から出てこないという連絡をPから受けての事態打開の一抹の希望を持ってのことだっただけだからだろう。

 

 悔しいような気もするけど、確かに俺にできることはこれ以上ないだろうし、大人しくメリーとの旅を続けようと思う。

 

坂佐井「あれ、もみじ饅頭も食べずに1人だけ我関せず感出してる人がいる」

 

葉「〜♪」

 

回り道「まぁ!まだ何も問題は解決してないのに…でも葉はこれでいいと思います、非常な時に普段通りの方がいるだけでまだ冷静でいられるような気がしますから」

 

坂佐井「いや、でもそろそろ移動時間だし、イヤホン抜こうよ」

 

イヤホン『河伯にとり___』

 

葉「あ、もう移動時間?ごめんなさい、オーディオブックで芥川龍之介の河童聞いてて」

 

 いや、イヤホンから聞こえる音量的にどんだけ大音量で聞いてたんだ?ライブとかで耳やられてるのかな………。

 

 そんな別の心配が生えてきてしまいつつ、メリーの元に戻る俺だった。

 

 

 ・・・

 

 

 西武遊園地駅前

 

「ごめん、待たせたよね」

 

メリー「うーん、まぁまぁ、でものっぴきならない用事だったんでしょ?それなら仕方ないわ」

 

 たまたま駅前にいたところを関係者(マネージャー?)に捕まって先の出来事に繋がって、メリーは待ちぼうけになってしまっていたんだ。その間に何もなくて良かった。

 

 何かあったら俺は死んでも死に切れないぞ。それよりここからは電車かバス、どっちで東北に向かった方が安いだろう…?繁忙期のはずなのに仕事が入らないから割とかつかつなのよね、今自由に使えるお金。

 

 まぁ、金が足りなくなったなら途中で仕事受けてくれる人いないか探して高額請求すればいいだろう、そんな都合よくいくとは思わんが。

 

メリー「その代わり、わたし、会津若松に行きたいわ」

 

「さいですか…」

 

 彼女の行きたい場所に付き合うくらいわけないけどさ、けどさ………程々にしてよね、公共交通機関で使うお金と泊まる宿賃のことも考えないといけないからさ。

 

 でも彼の地以外にも未来へと帰れる可能性を探らないといけないかもだから、その為の機会を探るという理由で色々寄り道もありかな。

 

 何よりメリーといると何がしか不思議な事物に出逢えそうで、欲を言えば彼女をずっと隣で見ていたいとも…いやいや、それは蓮子の役だったな、さっさと帰れる道筋を見つけなきゃ。

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