何の変哲もないとある独身男性の日常の話 作:泡沫幻想黒衣の人
現在地東北地方某所…東北は、かつては広く魅知国(みちのく)といわれていた。
この地含め、関東から北方には、魔女が育てる青い薔薇が何処かに咲いている…という伝説がある。
青薔薇:花言葉「不可能」→「夢叶う」
魔女と青薔薇伝説…恐らくは露から流布されてきたもの。
青い花といえば、他にも私が知っているもので彼岸花がある。
青といっても、青紫の彼岸花(恐らく彼岸花に限りなく似た同じ科の別の花)…かつて京都や東京など、人が多い場所に存在したとする記録あり、ただしいずれも人が多いからこそ見つかったものだと思われる。
………元来彼岸花や薔薇に限らず花は青い色にはなりにくい、彼岸花の場合仮に青くなったとしても、三倍体に起因する鱗茎分裂意外の繁殖の仕方ができないので、その株が広がりにくく、発見は容易ではない。
全体の1割7分の一部を除き、青紫(青)の花びらをつける花は少ない…ので、青い花には「幸運」や「奇跡」の他に、「幻」「不在(存在しない)」の意味が付されることも。
しかし、花言葉の解釈は個々人や場面による…私の場合は普段、普通なら存在しない青系の花々の花言葉は、総じて「不在」と捉えている。
つまりは…だ、あの墓の境界(結界)の先は…行っても行っても、人がいなかったり…?
東北の地を行きながら、覗いた境界の先の事を考えていたら、そんな結論に行き着きかけた。
…でも、私個人の解釈に世界が合わせるようなことでも無い限り、まずそんな事はあり得ないだろうと思い直す。
あの境界の先にも、確かに人がいる空気を感じた…だって、そうでなきゃ参道があんなに綺麗な訳がない、誰もいないというならあの参道は桜の花弁で埋まってるはずだ。
それほどまでに、凄い桜吹雪だった。
[大型直線超加速器 実験施設]
…んで、どうして東北の地を訪れているかというと、例の新しい実験施設が完成しそうとのことで参ったのだ。
…といっても、ただの見学だから、実験に参加しようとか、そんな考えは微塵も持っていない。
実験の内容は確か…簡単に言うと、超加速器による実験で、時間と空間の切れ目(便宜上須臾と呼称)を探る実験だっけか?…難し過ぎて私は3割ほどしか理解できていない(3割分かってるってだけで関係者に驚かれたが)」
それにしても…二重スリット実験関連の実験の先に、知的好奇心擽られるとても興味深いことが待っているなんてね…全く、この世は不思議だらけだ。
…私はここに来るまでに、途中…秘封倶楽部の曲を聴きながら花々を愛でたりした。
愛でた花はもちろん、ネモトシャクナゲの花(福島県の県花)、ミヤギノハギ(宮城県の県花)、桐の花(岩手県の県花)だ。
………さて、実験の方はと。
・・・、
帰り道
@空飛ぶタクシー
一定のデータは取れたので、1回だけで、今日の実験は終わった。
取れたデータは巡り巡って、空間拡張技術など、幅広い分野に役立てられるそうだ…私のジャンクコレクションでいっぱいのインベントリの容量も増やして欲しい。
蓬莱「もう終わったの?…実験結果を見ても何が起こったのかわからない、ツマンネ」
…だから言ったのに、付いてきても面白いことなんか何も無いよって。
そういえば、蓬莱はインベントリ装備なんだろうか。
装備なら、ちょっと中身を拝見したい。
…その旨伝えて、早速OKからの、抱きつき。
蓬莱「ふひゃっ!?」
彼女の紅色のバングルから見せてもらったインベントリ内データからは、クッキー☆しか読み取れない。
もしかしたらそれに見える何かかもしれないので、本人に了解を得てインベントリからクッキー☆を転送してもらうと、ちゃんとクッキー☆だった…、蓬莱は食いしん坊さんだったか。
ていうか、インベントリ内表記でクッキーに☆が付いているのは一体なんなんだろう…ロボット作者の変な趣向…かな?
あと…肌が柔かった、ロボットにしちゃあ至高の触り心地だね。
抱き枕にしたい…けど、本人は夜勤なんだよね…。
夜勤…夜に彼女がやることといえば、基本夜行性のフダチの相手と、自宅警備員(ニートじゃないよ)。
…私が寝ている間、盗みなんてしようもんなら、即解雇、逮捕だ、そんな事をしそうな子…ロボットではないけど。
麟ちゃんもね、目を離した隙に悪事を…って感じの子ではないね、うん、多分…。
ん、蓬莱がカフェテラスに寄ろうとしている、自分のポケットマネー使うなら寄ってっていいよ。
・・・、
[カフェテラス ベリーベリー]
赤い髪とマントの人がしこたま苺を買って行くのを横目に、私たちはテラス席に着くと、早速イチゴパフェを頼む。
蓬莱もイチゴパフェ好きなんだ…私は小さな頃だったかな?…いつだったか、イチゴパフェが嫌いだった頃があったような気がする、そこからなんで好きになったんだろう。
…思い出せないのにそんなこと気にしてても仕方ないか。
イチゴパフェ来た、………♪
蓬莱「美味しい!」
同意。
やっぱり、合成でない、プラズマ処理とかもされてない苺を使ったイチゴパフェは格別だね、合成やプラズマ処理とかは…確かに美味しいんだけど、それでもな〜んか味気ないというか、そういう感じを受けるんだよね、ずっと食べ続けてると。
…さてと、帰るか。
・・・、
[鍵付きの家]
@リビング
帰ってきてTVをつけると、動物型ロボットの生産、犬型、猫型ロボットの量産が決定したとのニュースがやっていた。
動物型ロボット…犬型と猫型なら猫の方が人気でそう。
あと動物型ロボットで出したら人気出そうなのはツチノコかなー、爬虫類であのフォルムは唯一無二だよ。
………いや、アマゾンの方にも似たようなやつがいたか。
「アーマーゾーン!」
麟「?」
麟がキョトンとしている…ごめん、やつの事を考えていたら、なんとなしに言いたくなった。
蓬莱「…zzZ」
「ごめん、ツチノコの事を考えていたら、アマゾンの方に似たのがいたのを思い出して…それで…なんとなしに言いたくなった」
麟「そう………アマゾン………奥地の方にはありがとう、ごめんなさいとかの概念がない民族が居る」
麟「逆に何故かありがとうや、さようならが通じる民族も居る」
私が急にアマゾンなんて言ったからかな、麟がアマゾンの豆知識的な事を返してきた。
なんで通じるんだ、昔植民された日本人から広まったのかな。
麟「あと、チュパカブラも居る」
チュパカブラねぇ〜…あれ、細くて平べったい長毛の中型〜小型の犬科と猫科の特徴を兼ね備えた水棲動物が脱毛症を患った姿って答え出てなかったっけ?
まだ分類とか決まってないから、名前すら決まってない生き物だったはず。
麟「それより続き、聴く?」
「あ、秘封倶楽部?」
…そうだなぁ〜、聴こうかな。
インベントリを呼び出すための動作は基本なく、脳波。