何の変哲もないとある独身男性の日常の話 作:泡沫幻想黒衣の人
翌日 朝8時ごろ
わーわー キャッキャ♪
うーん………子供たちの声が聞こえてくる………。
いやまて、俺の部屋で?!?!?!
瞬時にまだ寝ぼけ眼な眼を無理やりこじ開け起床する。
昨日寝る前確か小狐くんの迎えが………?ん、鍵閉めたっけ?
子供の声1「だ、だめだよ開けたら…きっと人が…」
子供の声2「何があるか見るだけだって、こんな機会滅多にないんだし」
おい待てよ、
スッとふすまを勢いよく開け、怒声を浴びせる。
「こらー!!どこの子だ、人ん家に勝手に上がりこむなんて!!」
子供達「きゃーーー!!?」
寝ぼけ眼のままなので子供たちの姿は良く見えなかったけど、一方は近世ヨーロッパのような?一方はあったかそうな昔の服を着ていたような気がする………。
親の顔が見たいよ全く………。
と、布団の隣に置かれた抱き枕を見る……………。
だ、出しっぱなしだった…?子供達にはギリギリ見えない位置だったよね?
ピロン♪
仕事の依頼………
スマホを見ると中部地方愛知県某所にある例の住宅街からの依頼だ。
確かあそこの住宅街では日本のコティングリーの妖精事件とも言われる出来事があったんだっけ。
その概要は確かこうだったはず…1998年のとある日とある家で度々起こる怪奇現象に業を煮やした家主が監視カメラを仕掛けた。
すると家主の三姉妹の娘が家にいる時、かつ祝日などの休みの日にだけ午後2時庭に現れる妖精らしき影が〜………!
家主と三姉妹は思った、「妖精が犯人だっ?!!」と………。
そうして監視カメラに映った妖精らしき影の映像をテレビ局に売り込み…それは1998年〜2004年ごろまで度々各局の本怖系の番組に取り上げられた。
ってな感じのことがあった場所だよね〜…。
令和になった今でもこういう話が好きな人達の間では語り草の日本版コティングリー妖精事件!
それが起きた場所からの依頼か〜。
それだけでウキウキしちゃう、とはいえどんな鍵か見ないことには始まらないので画像を送ってもらおうとDM送ったら諸事情で画像は送れないとのこと。
なら直接行くかー、途中まで自動運転のバスなんかに乗れば交通費は浮くはず。
バスの中
1番後ろでよく見えないけど、あの子供達ってまさか朝の子供達………?
子供達「キャッキャ♪」
あの古い服来た子ちょっと厚着すぎないかな?
それでも、このバスに乗った時、朝の子供達とは気づかず接したら、あの子凄い熱気…どころか冷気放って………いやあんな格好で冷気放つ普通?
と、バスのおばあちゃんが、あの子、雪ん子かもしれんねぇ………と言った。
雪ん子…?!?!?!
そう雪ん子と言った前の席のおばあちゃんに視線を移したあと、また振り返ると…
あれ……………???
不思議なことに子供達の姿は消えていた………。
お、降りたのかなぁ…走行中に???
・・・、
11時半ごろ
住宅街
小さな洋館とそれと似つかわしくないでかい門の前に立つ。
依頼者は匿名の10歳の少女………DMによると児童養護施設に入る前にいろいろ整理を………って10歳の少女がやることじゃないでしょ………どうなってんだ、まったくぅ!
門にある南京錠は中国は上海の特殊な構造を持った鍵と一体化しており、俺の能力でも最大の労力(10秒と精神力)を消費しそうだ。
だけどそこまで珍しいものじゃなくて助かった、やっぱり世界一と日本一の鍵開け師に18の頃から1年半弟子入りした甲斐があったよね。
でなきゃこんな鍵ネットで調べても出てこないでしょ………出てくるとしても相当な時間がかかったはず。
鍵「」
うーん………ま、開けたとして、依頼者の立ち会いがないと………この先は行けないな。
この先の洋館と言う名の書斎の扉の鍵も開けないといけないから、依頼者立ち会いのもとじゃないと不法侵入に抵触する恐れが………、
少女「あら、門番もしてくれるホンさんは今日は欠勤?」
ホンさんって中華系の人?
日和見「あ、依頼者の〜…」
小紫「小紫です、それ以上はちょっと、個人情報に煩い時代ですのでお察ししてくれれば………」
日和見「あー、うん………」
流石、今時の子供かな?
小紫…?(本名じゃないかも)と自称する菫色の髪、丸眼鏡の小悪魔系ファッション少女は立ち会う素振りを見せる。
小紫「ホンさんっていうのはここら辺の警備会社名よ」
日和見「え、あー…(なんかテレビとかで聞いたことあるかも、外国人の警備会社)」
小紫「私の先祖の書斎用の洋館だったらしいけど、扉の鍵が開かなくて困ってたの、開けて頂戴」
日和見「はい…(本当に10歳?しっかりしすぎ)」
龍の頭が輪っかを咥えた形の錠前…龍頭のこれまた輪っかの鍵がないと開かない仕組みだけど、見たところそんな鍵はなさそう。
この鍵は、確か輪っかを輪っかにはめ込んで丁度いい具合の力加減でひねるんだっけ。
日和見「あー、この作業道具が入った箱から色々道具出して開けるから、この先の作業は見ないでもらえる?」
小紫「どーして?」
日和見「防犯上の理由だよ、賢そうな君ならわかるでしょ?」
小紫「わかった、どれくらいかかる?」
日和見「1時間くらいかな〜………(もっとも箱も作業道具も格好だけなんだけどね)」
・・・、
1時間後…
小さな洋館の小さな庭を眺めて時間が経つのを待つ…。
小紫「終わったかしら?」
日和見「あぁ、終わったよ、でも本当偉いね10歳なのに…」
小紫「はい、鍵開け費用12万円」
日和見「あ、あぁ、ありがとう」
小紫「仕事が早いぶん高い出費だけど、早いに越したことはないわね」
日和見「そうですね…」
この子将来大物になりそうな予感…勝手だけどそう感じちゃう。
とにかく仕事が終わったので帰ることにする。
・・・、
バス内
またいないかなぁあの子達…。
ついあたりを見回してしまう。
雪ん子、雪ん子ねぇ………。
妖怪雪ん子、北国に伝わる座敷童子の亜種、冷気を纏った子供で子供の雪遊びにいつのまにか混ざっていることがある一説には雪女の子供の妖怪だとか云われる存在。
それと日本のコティングリーの妖精っぽいのが一緒にいたということは、怪異の奇跡のバッティング…を俺は見たのだろうか。
雪ん子………何故だろうか、雪ん子という怪異とは昔珍しく関東に大雪が降った時に一緒に遊んだような記憶がある、あれは確かまだ母が生きていた頃だった………。
遠い記憶の彼方…
?「このおてんば恋娘を忘れんなよ!ひよりー!」
ひより「その…おてんばって意味わかって言ってる??」
?「んー?わかんなーい!元気な女の子って意味でしょー?」
ひより「まぁ、間違ってはない(笑)」
そんな会話をした誰かの声を俺は雪ん子の声として今もうっっっすらとだが覚えている。
おてんば(人)恋(し)娘〜
雪ん子…ポケモンのユキワラシのイメージしかないです。