何の変哲もないとある独身男性の日常の話 作:泡沫幻想黒衣の人
ピクニックから帰ってきた私は、何か調べものでもしようかなーと、TVからネットに接続。
そのうちにやっぱり秘封倶楽部関連のサジェストに目が留まって…次の作品が気になる。
燕石博物誌かぁ、博物誌ならば昔々のものはフェニックスなどの今じゃ空想動物園にいる人々の空想上の動物なんかも記されてあったんだとかいう知識が自分の中にはある。
…或いは実在していたのかもしれない、その時代には。
博物誌、私が書くとするならば、やはりあの半身猫のことは省けない。
あれは多分見間違いなんかじゃないと信じたいけど、広島で見たんだっけ、上半身だけの猫。
下半身はきっと結界か何かの境目の向こうだから、再度見つけたとして、空想動物園に搬入は…難しいだろうね。
あれは吃驚したなぁ…他に人が丁度いなかった時に見たから、誰かに言っても信じてもらえないだろうな、半身猫。
…そうだ!暇作ったら空想動物園にみんなで行こうかな、今度は誰かに残って貰わないと、ペット同伴禁止だから。
ペガサスとか見てみたい、あれに乗った王子様が私を迎えに来ないかしら♡…なんてね、そんなの旧時代から更に遡った時代の夢物語で、あるわけないしっ。
上海「ヲ、また秘封倶楽部でも聞くの?」
「それはまた今度、今は空想動物園の新規を確認中」
上海「?…そうなんだ」
上客のリストは流出しないようにプロテクトが何重にもあるから安心安心、でも新規の方となるとまだ緩い。
新規はその後園に来なくなる可能性もあるから、新規での上客リストは来なかった期間を見て随時消去していく。
新しい空想動物の製造、搬入は…近々だな。
魔魅(まみ)ねぇ…大丈夫?客を誑かさない?なんて。
対策考えなくても大丈夫か、ただのタヌキっぽい見た目の獣だし、ズーフィリアでない限りは…っていうか、ズーフィリアは原則入園禁止なんだけど。
あと、フェニックスが1羽逃げ出したって!?
あの馬鹿でかい展示スペースどころか生体バリアーの外側まで逃げたって、一体どうやって?
なにはともあれ、あんな〝火の鳥〟が完全に野放しになる前に捕まえられてよかった、彼女…(個体名)ケツァールが逃げ出したら生態系が狂うってレベルじゃないからね。
後でヒト以外通さない生体バリアーのフィルターの生体認識強化を提案、或いは指示しておきましょう。
私の提案や指示が通るかは分からないけど…園内では私はあくまでも次に搬入される動植物に対するケアなどのアドバイザーみたいなもんだし。
上海「そこって楽しいかな?」
「シャトル(バス、または運搬用車)に乗って遠くから空想動物たちを眺めるだけで、動物達が姿を見せてくれるかは日によりますから、楽しめるかどうかは分かりません」
「…あっ、つい園関係者としての口調に…」
上海「なぁるほど〜」
蓬莱「ひよりんってそこの管理人とかなの?」
上海「そうなの?ひよりん」
愛称ひ、ひよりん決定なのかなこれ…にしても上海、急にぶっこんで来たな…別にいいけど。
「んー、まぁ、その人からの委任…みたいな?」
蓬莱「そうなんだ!」
「それより、今の時間休んどかなくていいの?」
蓬莱「大丈夫、基本休憩は要らないよ、ロボだから!」
「でもしんどくなったりはするでしょ、ちょいちょい休んでね」
蓬莱「お気遣いありがとう」
……………園のバリアー管理用のネット回線は完全独立式で、外からの攻撃は考えられない、故にバリアーに影響したと考えられるものはヒト因子、もう投与されたとか?
どうやら空想動物園内で通常の動物や空想動物にヒト型を付与してみようという動きがあるみたいで、そのための因子として生み出されたのがヒト因子。
逆にけもの因子なるものを作れば獣人溢れる世界も夢じゃない?
…私から言わせればこのヒト因子は少々理論とか倫理が追いついてないところがある以外は、お手軽フレンズ製造因子といったところね。
フレンズとは…けものフレンズという作品で登場する不思議物質サンドスターの影響を受けてヒト型を得たけもの、つまりはヒトの特徴を得た動物達のことを言う。
けものフレンズに興味無い人に対してフレンズの説明をするとしたら、これくらいでいいかしら。
ところでバリアー、言い換えれば結界、それに手を出す者は現代では犯罪者として裁かれることになる、だから秘封倶楽部のやってることも犯罪なんだよな、とかふと思ったり…。
あれ?そうなると私も犯罪者だなぁ、あの西行か西行のお弟子さんの墓から冥界?に繋がる結界暴いちゃったもん…バ、バレなきゃ犯罪じゃないんだよ!
何処にも私が暴いたなんて証拠なんてないし、推定無罪の法則っ、よって無罪!うん!
…そのうちまた行ってみたい、今度は色々と用意して、準備万端で。
そんなことより、今は魔魅等のことだね、ヒト因子なるものの投与はまだ待ってもらおう、魔魅等元ネタが妖怪の空想動物はヒトを誑かす可能性大だからね。
妖は妖艶とも通ずるからそこは慎重に…。
しかし妖怪が元ネタの空想動物も多いよね、いやー妖怪…に限らずだけど、なんで日本ってこんなに架空の存在がさも存在しているかのように通っているんだろう。
日本列島自体が約5億9000万年近く前不自然なくらいポッと出た陸地だから、日本は実際に異世界産だったりしたりして?
故に日本で通ずる架空存在達って、その異世界では実在していて、それを忘れることがないように伝えて来た…ってのは土台めちゃくちゃな話か、ははっ。
日本の不思議の話をすると、日本の気の流れは世界中の気の流れの縮図であるらしいっていうのは有名な方だろうか?
世界地図を日本列島のように並べると、旧時代の人々であってもそこら辺分かりそうなもんね。
と、思考が空想動物園の妖しい怪物達のことから日本列島のことに逸れてしまった。
ツチノコも一部園から流れてるんだっけ?
ツチノコは一応元が居るとはいえ、人工の生物を流出させて生態系として大丈夫なんだろうか…要経過観察。
んでもって、次のフィールドワークは九州の諏訪神社近辺で新種赤蛙探しね、暇ができたらその仕事をしよう、正直こういうフィールドワーク系は楽でいいわ〜…後で論文に纏める必要が出てきたりしたらちょい面倒だけど。
赤蛙、古くは大きな災害の時に現れるという伝承として宝永四年から伝わる…って、江戸時代からの伝承なのね。
彼女の職業としては題の通り。