何の変哲もないとある独身男性の日常の話   作:泡沫幻想黒衣の人

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 お待たせしました。


6符 身近な障碍者

 夢………そう、これは夢だ………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 古い一軒家(昭和中期〜)

 

 リビング

 

 

母「もう何度言ったら分かるの?!飲み物をこぼしちゃダメでしょ!!」

 

バシーンッ!!!

 

ひより(2)「うっ、うぇえ゛え゛え゛っ!?」

 

 バシッ

 

母「泣くなっ!!煩い!!2歳にもなって…まだ飲み物をこぼす貴方が…貴方が悪いのっ!!!」

 

ひより「ぅだ、うっ゛………」

 

母「あーもうっ!!こっちは朝から忙しいってのに!!パート2つ掛け持ちよ、掛け持ち!!………貴方に言っても分からないでしょうけど!」

 

 

・・・、

 

 

 もう、名前も思い出せない、いや…思い出したくないのかもしれない…母。

 

彼女は海外を飛び回る父に頼れず、2人の子供を育てるストレスからか、おかしくなってしまった。

 

 所謂パニック障碍の軽度のやつだ。

 

 子供嫌いな母方の親族は誰も、彼女を手伝おうともせず、自分たちのことで手一杯という態度を取り続けていたため、彼女はそのストレスを1人で抱え込み、障碍を発症したのだろう。

 

数少ない友人にでも相談できればよかったのだろうが、見栄が邪魔してそれもできず…。

 

 今、思うことは、ストレスでおかしくなったであろうことを差し引いても、彼女は子供を持ってはいけない女だったのではないか?ということ。

 

弟ばかり可愛がって、俺にはすぐ手が出る、彼女はそんな人だった。

 

 

 そして3歳頃…その頃から俺は、幻視をするようになった。

 

恐らくは母親の暴力により、頭の回路が何処かおかしくなってしまったんだろうと思う。

 

直近で言えば、恐らくはあの紅いリボンだろう………。

 

 この幻視は障碍として認知(診断)されることもなく、今も頻度は子供の時よりかはかなり落ちたが、時々俺を悩ませる。

 

思えば雪ん子と妖精も、これだったのかも………いや、おばあちゃんが言ったのだから、あれは確か…か。

 

 その、幻視の内容を母親に伝えては、理不尽にボコられていたような気がする………。

 

空、龍が飛んでる〜!!だの…、やれマミ(狸っぽい獣の妖怪)が出た〜!!なんて言ったら、腹に蹴りを入れられたりしたっけ………。

 

 

 そして6歳の………いつ頃だったか………、

 

?「このおてんば恋娘を忘れんなよ!ひよりー!」

 

ひより「その…おてんばって意味わかって言ってる??」

 

?「んー?わかんなーい!元気な女の子って意味でしょー?」

 

ひより「まぁ、間違ってはない(笑)」

 

そんな会話をした誰かの声を俺は雪ん子の声として今もうっっっすらとだが覚えている。

 

 この話をしたらもう…烈火の如く母は怒って、2〜3日押し入れから出してもらえなかったな…、その時は物凄くお腹がすいて、自身の粗相の酷い匂いに参ってたような記憶が…。

 

そうそう、それで結局、そこから出されたところで、今度は遠野の方にある、小さな遊園地に連れて行かれたんだよね。

 

 そんなこと今まで全くなかったから(弟はあったけど)、当時、とびきり嬉しかったな…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 母はそこに俺を捨てていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 1週間後…何をどうやったのか、俺は家に帰ってきた。

 

遊園地で拾った、黒猫と共に。

 

 黒猫にはアエペル・フェアルとかいうかっこいい名前をつけてて、そいつは家に帰るまでずっと着いてきた可愛いやつだった。

 

母は帰ってきた俺と、黒猫のフェアルを見るなり、発作を起こしたように喚き散らし、拾ってきた所に捨ててきなさいと言った。

 

 怪我か、先天的なものか、尻尾の先が二又に別れたように見える黒猫は、母親に恐怖を与えるのに十分な存在だったようだ。

 

捨ててきなさいといったのは、何もその容姿だけが理由ではなく、耳に気づかないくらい小さな切れ込みと、金メッキの輪っかが通してあったからでもあるらしかった。

 

 それらは、後で知ったが、去勢済み、飼い猫、またはその両方を表すことがあるメッセージだとか…。

 

だから俺は泣く泣くアエペル・フェアルを手放した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その午後、夕暮れ時のこと…、

 

母は急に酷いパニック障碍発作を起こしたかと思ったら、心臓麻痺を併発(と言っていいのか分からないけどこう表現する)、亡くなってしまった。

 

 親族は伝え聞くその死に様に、母の葬儀の時、皆口々に『狐憑き』だー!だのなんだの噂した…、俺たち兄弟と父の目の前で…。

 

 父、日髙 荒久(アレク)は通信系の会社の偉い人で、世界中のインターネット難民といわれる人たちのために、ケーブルをあちこち通す工事を自らも行う立派な人だ。

 

 でもその職故、生まれてこの方、彼の姿を見たことはなく、母の葬儀で初めて会ったくらいだ。

 

そして葬儀の後、俺らの親権等をどうするかの議論になった。

 

 父方の親族は、アメリカや中南米の親族だったので、論外とされ、母方の誰が俺たちを引き取るか…となったとき…、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 聡明な弟はともかく、幻視っぽい障碍(医者にそういう診断はされず)を持った俺を引き取ろうとする母方の親族は誰一人としていなかった。

 

外から引き取ろうという人が現れたくらいだ。

 

 その人たちは確か…プラプラ子供支援団体の人とか言って、綺麗な金色の髪のお姉さんと、同じく金色の髪のお姉さんと、10歳くらいの子供。

 

 子供の方は明らかに、葬儀の最初の方から俺だけを見ていたような気がする。

 

多分プラプラ子供支援団体で引き取られた子供だったのだろう。

 

 今思うとその人たち、父方のお義父さんが引き取る流れになった時には既に、葬儀場から居なくなってたんだよね、それも、誰にも気づかれなかったみたい…?

 

だってその時のその人たちのことをだーれも、覚えてはいなかったんだもの、ということはあれもきっと俺の障碍、幻視だったんだろう。

 

 今では頻度も落ち着いて、ちゃんと一人暮らしできるくらいには落ち着いているから、問題は無いんだけども、不意に来る時は本当にびっくりするからやめてほしい。

 

現実かどうか見分ける方法もないんだもの、頻繁に起こることだけは、どうか勘弁してほしい。

 

 ネットで調べると似たような症状の人たちの集まりがあるらしい………一回行ってみたけど、どうも仲間外れ感………。

 

まぁ、俺だけきちんとした診断を受けてないからだね。

 

 結局その集まりにはその一回しか行かなかった。




 プラプラではないです。

よくある子供のときの聞き間違いですね。

 あと作者の家庭環境と違います。
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