グリードアイランド、通称G・I。
実際はまだ名前は決まっていないんだけど、原作通りこの名前になるだろうから私は心の中で勝手にそう呼んでいる。
相も変わらず私はゲーム内の荒野を駆けまわり、ピッコロ…じゃないレイザーおじさんに見てもらいながらモンスターハンターをし、修行にいそしんでいる。
最近堅の修行を始めた。アホ程きついけど、父さんが持ってきたアイテム、睡眠少女によっていくらか睡眠回復をしながら修行できるので、順調に修行は進んでいると思う。
月日は経ち、私は5歳になった。もうすぐ6歳だ。ちなみに誕生日は1月1日。ハンター試験の原作4人組が皆ゾロ目誕生日なので、お揃いみたいで少し嬉しい私である。
成長したことで、昔に比べると思った事を綺麗に言葉にできるようになったと思う。同じくらい、念も綺麗な流れが作れるようになってきた。寝るときにメイドパンダを抱きしめて眠るのは今もやめられないけど。
しかしもうすぐ6歳。ゴンが生まれるのを密かに心待ちにしているのだが、まだその兆候は見られない。というか、今がハンター歴何年かも把握できていない。下手したら私がゴンの成り代わりで原作は崩壊しているのでは?みたいな仮説も頭をもたげ始めていた。
父さんが久しぶりに私に会いに来たのは、『堅』をしながらそんな事を考えている時だった。最後に会ったのはいつだっただろうか。寂しくないと言えば嘘になるが、昔に比べればかなりドライな対応になった私だ。まあ当然と言える。
「あ、父さん。久しぶり」
「リン、暫くよその家に行くぞ。ゾルディック家」
相も変わらず唐突な我が父上。今何と言いましたか?ゾルディックと言いましたか?
「ゾルディック?」
「殺し屋一族だ。暫くお前を預かってもらう事になる。同じ年くらいの子どももいるから、仲良くしろよ」
父上、娘を預ける家の紹介に『殺し屋』はどうかと思います。今の説明で仲良くしようという気になると本気で思われましたか?有無を言わさず俵抱きにするのやめてください。あなたの娘は米ではありません。メイドパンダー!助けてー!お願い私の精神安定のために一緒に来てー!ああ、ハンカチ振らないでー!
だけどまぁ、ゾルディック家は色んな意味で気になる。推しとの邂逅や聖地巡礼はもちろん、イルミたちの年齢で今の時間軸が何となく把握できるからだ。だけど、父さんがゾルディック家と繋がりがあったのも驚いた。
レイザーたちに暫くの別れを告げ、(父さんは案の定、「育児放棄」とボロカスに言われていた。私も同意する)父さんが所有しているらしい飛行船でパドキアに向かった。「アカンパニーできれば楽なのにね」と私が言うと、「旅路は楽しむもんさ」と返された。
「ようシルバ」
ゾルディック家につき、試しの門を開け(父さん、なんと全部の扉を難なく開いた)使用人の手で屋敷に案内された。原作通りの、いや、もう少し若いかな…?シルバさんに、父さんが気安く話しかける。
「ああ…ジンか。先に金が振り込まれていたが、何の用だ」
「うちのガキを暫く預かってほしいんだ。面倒を見る事ができなくてな」
まさかの事前連絡なし。それはどうかと思います父さん。
シルバさんは特に驚くでもなく、揶揄うように鼻で笑った。
「面倒を見てほしい…か。そもそも、今までもお前が面倒を見ていたとは思えないが」
「うるせー殺すぞコラ」
「やってみろ」
殺し屋さんに「殺すぞ」発言をするのはこの人しかいないんだろうな、と他人事のようにぼんやり考える私である。この人の血を引いてるの、今は割と恥ずかしい。
「リン…だったか」
「はっはい!」
「かしこまらなくていい。俺はシルバだ。ここでは父親と思ってくれていい。こんな親父を持ってお前も大変だな」
「父さんがご迷惑かけてすいません」
「リンっ!てめーどっちの味方だ!」
私の事を知っていたらしいシルバさんに同情され、深々と頭を下げた。それに対して激怒する父上。大人げない親コンテスト、どこかで開催していないだろうか。ぶっちぎりでこの人が優勝するだろうから。
意外な事に、シルバさんは楽しそうに笑いながら私を預かる事を承諾し、ジンに目配せした。
「まったく…お前の事だから自分の子どもをここに預けるのも何か意図があるんだろう」
「まぁな。お前って奴は食えねぇやつだな」
「お前が言うな」
そう言ってクツクツと2人で笑う。どうやら彼らは仲が良いらしい。似た者同士か。執事さんから渡されたオレンジジュース(毒なし)を飲みながら、原作では語られなかった意外な関係の2人を眺める。
「過ごし方はお前の家に合わせてくれ。あ…殺すなよ?」
「依頼料も貰っている。ちゃんとするさ」
思わず咽た。オレンジ吹いた。
絶望的発言を聞いてしまった。薄々そんな予感はしていたが、私もゾルディックブートキャンプを受ける事になるようだ。毒、電気、拷問…お手柔らかに頼みたい。できるだけ堅でダメージコントロールしよう、そうしよう。最近1時間突破できるようになったのはこの時のためだったんだと悟った。そうだ、きっとそうなんだ。
「父さん、呼ばれたから来たよ」
戦々恐々としていると、声変わりするかしないかの少年の声が聴こえた。のんびりとした声に空気ががらりと変わる。
そちらを振り返ると、少年が2人こちらに目を向けていた。たぶんイルミとミルキだろう。当然というべきかどうか、足音はほぼ聴こえなかった。
…怖。
「暫くこの子を預かる事になった。修行も一緒にやる。ミルキと一緒に面倒をみてやってくれ」
「ふーん。ねぇ君、念能力者なの?」
唐突にイルミから話しかけられた。年齢は12歳くらいだろうか。カルトをひたすら無表情にしたような雰囲気だ。ラフなパーカーを着ており、髪は短く整えられている。
その陰にくっついているのはミルキ。ちょっとぽっちゃりしているがまだそこまで太っていない。イルミにそっくりな見た目だと思った。
「う、うん…」
父さんたち以外で原作キャラと関わるのは初めてだったため、少しどもって返事をしてしまった。
お目汚し失礼します。原作主人公と違って私は人見知りなんです。たぶんパンダに育てられたからです。苦情は父さんに言ってください。
「系統は?」
「特質系」
「ふぅん」
イルミはそう言うと黙り込んだ。目が真っ黒で何考えてるかわからない。無言で見つめられてコミュ障にはいたたまれない。いたたまれなさすぎて自分から自己紹介した。
「私はリン。君たちの名前は?」
「俺はイルミ。こっちは弟のミルキ」
想定通りである。私は系統を答えたし、こちらから系統を聞いても失礼にはならないだろう。
「へぇ。系統は?」
「ミルはまだ念の修行してない。俺は操作系」
「へぇ~」
「…」
「…」
やばい、会話が続かない。コミュ障同士が会話して続くわけないんだよな。
私の心境を知ってか知らずか、マイペースにミルキが声を上げた。
「なぁパパ。俺部屋でゲームしたいんだけど」
「ゲームあるの⁉」
オタクの我、思わず聞いてしまった。この世界に生まれてからゲームをした事が無かったから。ゲームの中に住んだ事はあるけど。
この世界で唯一の不満は(父さんのスパルタな教育方針を除けば)漫画とゲームに触らせてもらえない事だった。まず家においてないし、現住所ゲーム内の5歳児では、買いに行く事も出来ない。色んな意味で。
そんな中に降ってわいたゲーム発言。コミュ障は勇気を出して声をかけたさ。反射的に後悔したけど。
もしかしたら年の近い子と話したことが無かったのかもしれない。ミルキは少し驚いた顔をしたが、満更でもない顔で答えた。
「ああ、最新の機種がそろってるぜ」
「やりたい!」
「…まぁ、やらせてやんねーでもないよ。イル兄、行こう」
「えー、俺やりたくないんだけど」
「イル兄に頼まれてた修行用ロボット、作ってやったろ?」
「…仕方ないなぁ。父さん、いい?」
「ああ、仲良くしろよ」
「リン、元気で暮らせよ」
シルバさんと父さんは少し微笑みながら見送ってくれた。父さんはこのままどこか旅に出るのかゴンの出産を見届けるのかわからないけど、まあ1年くらいしたら迎えに来てくれるだろう。放置される事に慣れてしまった私も私だと思う。それより今はゲームがしたい。
ミルキの部屋には思った以上に沢山のゲームがあった。マリオもあるのにはさすがに驚いた。ポケモンもあって更に驚いた。
世界もそうだけど、イルミたちの年齢から察するに今は1980年代だ。この時代にこんな綺麗なグラフィックの機種があるのかよと少し思うが、長期休載しがちな神が作った世界だ。深く考えてはいけないのだろう。
3人でマリオをピコピコ遊ぶのは思いのほか楽しい。イルミは下手だけど。
キャラが死ぬたびに私とミルキを針で刺そうと狙ってくるのは自分の能力を言ってるようなものだけど、いいんだろうか。そんなイルミは存外負けず嫌いらしかった。子どもらしい一面を見た。ほくほく。
「そういえば、うちの父さんジョイステでゲーム作ってるんだって」
ボスまでの道のりをスクロールしながら何の気なしに言ったら、ミルキが予想以上に食いついた。ミルキはやっぱりそっち系の話が好きらしい。今後オタクトークがはかどりそうだ。
「へぇ、全世界で一番性能高いハードの最新機種じゃん。ゲームメーカーの人間か?」
「ううん、ハンター」
「ハンターがゲーム作るのか?変なの」
私が答えると、あからさまに不思議そうな表情をした。生意気な態度は少しキルアに似ていると言えるかもしれない。父さんが暗殺者をしているのもだいぶ変だと思うけど、流石に言わないでおく。
「ハンター専用のゲームなんだってさ。念が使えないとできないんだって」
「何それ、俺もやりたい!」
「ミル、お前念使えないじゃん。修行も渋ってたし」
「やりたいんだってば!パパに念教えてって頼んでくる!」
イルミが口を挟むと、ミルキがそう言い返す。ミルキさんは修行さぼりニキでしたか。
即断即決でシルバさんのもとへぽてぽてと走って行った。あの体型、あの走り方で暗殺をこなし拷問を耐えるというのだから驚き。
「…そのゲーム、安いの?」
「数十億するって」
「じゃ、ミルには無理だな」
ミルキには悪いけど、たぶんそうだと思う。確か発売当時買えなかったって原作で言ってた気がするもんな。そして取り残されたコミュ障2人は会話もなく無言でマリオを進めていく。
「…」
「…」
気まずい。けどさっきよりは気まずくない。イルミのオーラが一切の変化を見せていない事に気づいたからだ。
操作系は理屈屋でマイペース、だったか。イルミはいつも通り過ごしているだけであって気まずさを感じていないようなので、私も遠慮する事はないと悟り、無理して話すことなくだらだらとマリオを続ける事にした。
「…君の能力ってさ、どんなの?」
「まだ能力作ってないの。教えてくれた人がまだ駄目だって」
「ふぅん。まあまだ小さいもんね。俺は6歳で能力作ってたけど」
イルミとの会話は唐突に始まる。少し煽られている気がしなくもない。
「イルミは?」
「教えない」
「…」
「…」
唐突に始まり唐突に終わる会話。人には聞くのに自分は教えないとはこれいかに。
「…お礼を言っておくよ。ミルが修行に意欲的になった」
「え?」
「念の事。ゲームと絡めたらやる気出るんだねあいつ」
「ああ。ミルキのためになったなら良かった」
「俺、もうすぐ弟が生まれるんだ」
唐突に始まり唐突に変わる会話。でも、これは私も気になる話題である。
「そうなんだ。私も多分もうすぐ」
「へぇ~」
2人目の弟という事はキルアが生まれるのだろう。という事は、ゴンが生まれるのももうすぐという事になる。のでそうイルミに返した。
父さんからは何も言われていないが、今私がここに預けられているのと何か関係しているのかもしれない。
「…」
「…」
「これ、家族写真。見る?」
「え?いいの?」
「うん」
その後イルミに2時間ぶっ通しで家族アルバムを見せられた。ちょっと、いやかなり長いなと思ったけど、推しの知られざる姿は十二分に需要があったので良しとする。
ミルキと話すのは結構楽しく、イルミと過ごすのは意外と落ち着く。私こと、リン=フリークスは、意外とゾルディック家のメンバーとすぐ馴染んだ。
5歳にしてキキョウさんから「この女狐!うちの子をたぶらかそうというの⁉」と言われるのはこの暫く後の話だ。日本なら紅葉舞い散る秋がそろそろ終わるかという頃の話である。
あと、メイドパンダの不在によって暫く不眠に悩まされた。
◇◇◇
「うぇっ、ゲホッ…」
お食事中の皆様、ごめんなさい。私ことリン=フリークス、めっちゃ吐いてます。それもこれもキキョウさんが悪い。
さっき初めての食事をしたところなんだけど、執事さんが初心者用にって事で、私の分の毒は少なめにしてくれてたのね。まあ、それでも気分悪くなる程度の量は入ってるだろうけど。
それをキキョウさんが「うちに住もうっていうのならこれくらい当たり前よ!」とかなんとか言って毒まっしましにしやがったわけ。もう最悪。完全にいびり目的。
初対面の時も、「うちの子をたぶらかそうって言うのね野生児の女狐!」とか言われたし。幼児に言うか?そんな言葉。今からそんなんじゃ、嫁が来た時が不安だね。
しかもその後やらされた拷問訓練~お試しver.~もきつかったし。電気ってあんな痛いのね?私の知ってる電気って言ったら温泉の電気風呂か動物ふれあいコーナーのデンキナマズくらいだったわ。
あ~腹が減った。ミルキの食べてるお菓子って市販品だよね?毒入りじゃないならちょっと分けてもらおうかな…。
イルミ、ミルキとは意外と仲良くなれそうだけど、キキョウさんは駄目だね。もう私は覚えた。そして根に持ってやる。ゴンと違って私は根に持ちまくるし、負の感情を絶対忘れてやらない。その目に悪感情を湛えながら、いつか何かの形で仕返ししてやる。
吐き終わった身体をベッドに横たえながら私は心に誓った。
にしても、先が思いやられるなぁ…聖地巡礼通り越して聖地在住できてるのはかなり嬉しいけど、単純に今後生きていけるか心配。いや、駄目だ。この世界はギャグテイストの思考回路じゃないと死亡フラグが立つ。
…くそ、父さんめ…。
「吐き終わった?」
そう言いながらノックもせずに入ってきたのはイルミ。一応女の子なんだから言葉選びはしてほしい気持ちです。
「一応終わった…」
「そ。廊下までげーげー聴こえてたからずっと待ってたんだよ」
死体蹴りが酷い。イルミさん、オーバーキルって言葉知ってます?暗殺者なら知ってますよね?ね?
「御耳汚し失礼しました…」
「うん、失礼された」
「…何の用?」
げんなりとした私が尋ねると、イルミは私の隣に座って手に持っていた大きめの器を膝に乗せた。
りんごだ。それも、うさちゃんカットされたやつ。本当に好物だったんだ。ブラコンサイコパスキャラの癖にそんなところでギャップ見せるの、狡いと思う。そりゃファンはムネキュンするよ。
「これ、りんご」
「うん、見たらわかる」
「うさぎ剥きしてもらった。毒も入ってない」
「綺麗だね」
実際、どっかのホテルのフルーツ盛り合わせとかで乗っていそうなくらいには美しくカットされている。ゾルディック家の執事はりんご剥きスキルも必要とされるらしい。
しかし、それがどうした?まさか見せびらかしに来ただけ?出すもの出して飢えているこの私に?
…もしかして、くれたりする?推しからの『あーん』貰えたりする?そんな特典があるならこの先喜んでキキョウさんのいびりに耐えるんだけど。
「…りんご、私にもちょうだい。お腹空いた」
「えー」
「…」
…どうやら本当に見せに来ただけのようだ。期待を返してほしい。いや、勝手に私が期待してただけだけど。
こんな疲れ果ててる可哀そうな子にそんな仕打ちある?殴ってやろうか。いや、腹が減っている今戦うのは分が悪い。
「…取引。次のご飯でタコさんウインナーが出たらそれ全部イルミにあげる」
「あー、それはいいかも。取引って言ったんだから、逃げちゃだめだよ?それうちのルールだから」
「わかってる」
っしゃあああああああ!!勝った!今ほど原作知識持っていて良かったと思った瞬間はない!取引が絶対だという事もオタク知識で把握済みさ!これは我、完全勝利!
「ハイ、どーぞ」
「…」
そう言って差し出されたのは限りなく小さいひとかけら。ぷっつーんって頭のどこかで音がした。
その後の事はよく覚えていない。ただ、気づいたら朝でイルミと仲良く大の字になって床に寝っ転がっていた。そしてそれから、イルミは食に関してだけは比較的私に譲歩してくれるようになった。
◇◇◇
別に、特に深い意味は無かった。デザートのりんごを食べながら部屋に戻ろうとしたらリンが吐いている声が聴こえたから、入ってみた。イルミ的にはそんな気持ちだった。
例えるなら、見た事のない虫が見た事のない動きをしているから観察している、その程度だ。
隣でお気に入りのウサギりんごを食べていたら、取引でりんごが欲しいと言われた。だが『どれくらい』欲しいかは指定されていない。対して、タコさんウインナーは全て譲ってくれるらしい。そんながばがばの取引、当然付け込むべきだろうとイルミは考える。
しかし、それが相手の地雷に繋がったようだった。
唐突にオーラが噴き出したリンが、イルミに飛び掛かってきたのだ。
正当防衛、とも言えるかもしれない。間一髪で避けたイルミは反射的に針をリンに向かって投げつけた。
当たっていれば即死の威力を持った針は、ベッド脇のクッションによって的確にガードされる。逆に受け止めた針を投げ返された。針に纏わりついた『周』のオーラは、イルミが通常それに込めるものよりもずっと強大だ。
(何も取引違反はしてないのに、なんで怒ってんだろ)
身体を横に逸らす事で回避したイルミは考える。人間が生きるために必要な『食欲』をイマイチ人並程に持ち合わせていないイルミは、人並み以上に食欲を持ちしかも飢えているリンの気持ちがあまりわからなかった。でも多少の思い当たる節はある。
「飢えた獣と手負いの獣は何をするかわからないから油断するな」と、昔野外訓練をした時に父に言われたのを思い出す。なるほど、確かに今のリンは飢えていて手負いだ。つまりリンは獣だったのか。
歳を考えるとありえないレベルの攻防力移動。オーラの応用力だけならイルミを凌駕するだろう。同じ土俵で勝負してはいけないと直感したイルミは、肢曲や関節外しといった暗殺技術を使う事で対抗する。
父に仲良くするように命令を受けている手前(ある程度は)殺さないようにしているが、下手したらこちらが殺されかねない。
広い、それも規格外な人間が住む屋敷では多少暴れた所で誰も来る事はなく、争いは双方が疲労でへたり込むまで続いた。
(リンに食べ物がらみで嫌がらせするのはやめよう。リスクが高すぎる)
心に誓ったイルミであった。