リン=フリークスの冒険   作:夜桜百花

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ちょい早いけど新年連続投稿二日目


【一方その頃・後編】ゴン、ハントを開始する

 ヒソカとの邂逅から数カ月が過ぎた。

 たかが数カ月、されど数カ月だ。この間にゴンはウイングの言いつけを破って早速試合に出たり、ボコボコにされてウイングからも叱責を喰らい暫くの謹慎を言い渡されたり、ヒソカと対戦してプレートを顔面パンチと共に突き返したりと様々なことがあった。

 しかしそれはどれも原作と変わらないものであり、ここで特筆すべき事はない。

 

「ただいまミトさん!」

 

 そんなわけで、ゴンとキルアは天空闘技場を離れてくじら島へと帰省していた。時期的には丁度リン達が卒業試験をしている頃だ。

 

「もー!やっと連絡したと思ったら急に友達連れて帰ってくるなんて!先に言ってくれればもっと御馳走用意できるのに!!」

 

 連絡無精なゴンが事前にきちんと連絡をしているわけがなく、当然の如く直前に船の中からの連絡(それもキルアの携帯を使って)だ。ミトが怒るのも無理はない。

「リンと同じね!」とぷりぷりしながらも出迎えてくれたミトを抱き締め、笑いながら謝罪する。リンが毎回直前に連絡するのを不思議に思っていたゴンだったが、こうして迎え入れられると少し姉の気持ちを理解したのだった。

 

「早くお風呂入っちゃいなさーい!ほら十秒以内!」

「…いつもあんな感じ?」

「だいたいそう」

 

 挨拶もそこそこに客人のはずのキルアも容赦なくゴンと同じ扱いをするミト。一般家庭の母親とはこんなものなのかとキルアが度肝を抜かれ、ゴンがアハハと苦笑いした。

 建物の中に入り、わたわたと荷物を置く。外からはミトがゆっくりとカウントダウンをする声が聴こえてくる。

 

「あれ…お前の親父さん?」

 

 上着を脱ぎながら風呂場に向かう途中で、ふと一枚の写真立てがキルアの視界に入った。

 茶色い素朴な木製のフレームの中には帽子を被った力強い瞳の青年が写っている。雰囲気こそ違うが、その瞳の色合いと輝きはリンやゴンが持つものと瓜二つだ。

 

「うん。…かなり昔のやつだけどね。俺が生まれる前くらいだって」

「そーなのか?結構イケメンじゃん」

「へへ…でもあれ、めっちゃ『盛れてる』らしいよ。姉さんが言ってた」

 

 父親を褒められるのに慣れていないゴンが照れ臭そうに笑った。リンの証言が正しいとわかるのは、それがリンの居る場所で撮影された写真だからだ。

 話によれば故郷を離れる前にジンが記念で撮影した写真なのだという。今思えばリンがゾルディック家に預けられる直前に撮られたものなのだろう。

 

『姉ちゃん、あれって俺達の父さん?』

『そうだよ。ゴンが生まれる前の写真だけど』

『へえ。かっこいいね』

『めっちゃカッコつけた盛れてる写真だよ。よりによってミトさん達に送る写真であれチョイスとかナルシストかって感じだよね~』

 

 …とまあ、そんなやり取りが8年ほど前にあったのを懐かしく思い出すゴンである。まだリンがハンターになる前の話だが、今思えばあの時点から既に姉のジンヘイトが高かったのだなとしみじみ感じる今日この頃。

 ちなみに同じ時に撮影したリンとジンのツーショットもあるが、リンが頑なにリビングに飾るのを拒否したため、その写真は祖母の部屋に飾られている。そして数年後にリンが送ったジンとのツーショットは、ミトの部屋に。

 

「…へえ」

 

 キルアは少し笑いながらそういうゴンに、なんとも言えない曖昧な反応をした。

 キルアの両親は近くに居たが、心の距離はかなり遠いものだった。逆にゴンは距離こそ離れているものの、父親や姉のリンから愛情を受けてきたのだろう。そして近くには育て親のミトや祖母も居た。

 キルアはキルアなりの愛情を受けてきたものの、それはかなり歪んだもので。キルアが内心ゴンを羨ましく思うのは自然な感情でもあった。

 

「お前んちって何かいいよな。俺もゴンの家の子どもだったら良かったのになー」

「え、今の話でそう思う要素、あった?」

「んー、今の話にはなかったけど、なんかいいなって」

「…ここに居る間はキルアも家族みたいなもんだよ!ミトさんも一切遠慮しないだろうし!」

 

 そう言って笑うゴンは後ろから飛んでくるミトの大声に急かされて、慌てて風呂場へとキルアを引っ張っていったのであった。

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 くじら島での初めの数日はゴンにとっても、そしてキルアにとっても穏やかに過ぎて行った。

 食事時には、ミト手作りのご馳走を頬張りながらゴンがハンター試験の土産話を語った。ただでさえ一般人には想像もつかない試験内容である上にリンが潜入試験官としてゴン達と接触していたとなればミトの興味を引くのは当然だ。キルアの的確なツッコミも相まってミトは食事の度に試験の話をゴンに聞いた。

 

 変化があったのは、くじら島にゴン達が帰ってきてから1週間ほど経った日の夜だ。ミトがゴンを呼び出し、ジンから頼まれていた箱をゴンに渡した。

 それは『ゴンがハンターになったら渡してくれ』というミトにとっては不本意なものだったが、約束は約束だ。それにリンには渡したのにゴンには渡さないというわけにもいかない。

 そこから更に数日後、ゴンとキルアはジンから渡されたメモリーカードの中身を調べ、グリードアイランドというゲームの存在を初めて知ったところだった。

 

「グリード…アイランド?」

 

 わざわざ10年前のジョイステーションを取り寄せて、わかったのは聞いたこともない名前のゲームの存在のみだ。しかしそれはメモリーカードいっぱいにデータが埋められており、相当なボリュームのゲームだと容易に想像がつく。

 

「聞いたことねーゲームだな。隠れだけゲーか?」

「キノコ?」

 

 そう言いながらキルアが念のためメモリーカードのコピーも取る。その上でネット通販で取り寄せようとしたが、該当件数は0件。中古販売も探したが0件で、本格的に暗礁に乗り上げてしまった。

 

「どうしよっか?」

「ゲームなら…詳しい奴に心当たりがあるわ。あんま頼りたくねぇけど」

 

 むーっと腕組みをして考え込むゴンをよそに、キルアが心底嫌そうながらも携帯を睨む。

 しかしすぐに覚悟を決めたらしく、慣れた手つきで連絡先を呼び出すと携帯を耳に当てた。そう待たずに電話は繋がったらしく、キルアは楽し気に電話の主に声をかける。

 

「あ、ゴトー?キモオタ呼んで!…嘘つけよあいつが家から出るわけねーじゃん!…え?…コミハン?あー、そんな時期か」

(…キモオタ?)

 

 キルアが実家に電話をかけているのはわかったが、会話の内容がまったくもって読めず黙って様子を窺うしかないゴンである。そして『キモオタ』の意味が分からず内心首を傾げる。弟の前では極力汚い言葉を使わないようにしていたリンの努力の甲斐あって、ゴンの知識は妙に偏ったところがあるのであった。

 暫く会話すると「そんじゃまたなー」と軽い挨拶を残して通話を切る。そしてはぁ~と大きなため息をついた。

 

「…ったく、めんどくせぇな~」

「ゴトーさん?」

「そー。兄貴に繋いでほしかったんだけどさー、今居ねーんだってよ。直接かけなきゃいけねーじゃんかよもぉ~」

「キルアのお兄さん…ってイルミ?」

「イル兄じゃなくて二番目の。家に居たひょろ長いオタクくせぇ奴」

 

 即座にイルミを連想したゴンだったが、どうやら違うらしい。キルアの言葉に、ゴンの頭の中でゾルディック家のメンバーの顔が浮かび上がる。

 どれも高身長ではあったが、その中でキルアの兄らしい雰囲気を出していた人物といえば、一人しか浮かばない。細い身体の割に山盛りの料理を皿にのせていて、二次試験の試験官だったブハラを思い出したのでよく覚えている。

 

「あ、姉さんと仲良かった人か」

「そ。今あいつコミハン行ってんの。ったく、普段はヒッキーのくせにこんな時だけフッ軽なんだよなー」

「コミハンって?」

「コミックハントつって漫画やアニメのファングッズを売るイベントだよ。数年前に兄貴がツレと立ち上げて、今やめちゃめちゃでかいイベントになってるらしいぜ?」

「殺し屋って色んな仕事をするんだね…」

 

 少し引き気味になりながらも、人様のことなので当たり障りのない感想を述べておく。その一大イベントの発足に自分の姉が関わっているとは思いもしないゴンである。

 

「あいつと一緒にすんなよ。仕事なんて殆どメカ任せなんだから」

 

「蚊を使って殺そうとしてんだぜ?どんだけ動きたくねーんだよ」とケラケラ笑うキルアだが、その辺一般的な感性を持っているゴンからすればいまいち笑いどころが分からない。愛想笑いをしつつもこてんと首を傾げるしかないのは仕方ないだろう。

 

「ま、居ねーもんはしゃーねーわな」

 

 キルアが再び連絡先を開いて携帯を耳に当てる。ゴトーと違って今度はなかなか電話に出てもらえないようだったが、キルアがしつこく十数コール待った甲斐あってミルキはようやく観念したらしい。

 

『何だよキルア!今忙しいんだよ!!』

「そう怒んないでよ兄貴~!ちょっと聞きたい事あんだけど、グリードアイランドって知ってる?」

 

 コミハンでも大人気作家ミルキィ☆ホワイト先生が、忙しい最中に電話をかけられて苛ついているのは当然のことだ。一方悪びれもせずにヘラヘラと用件を尋ねるキルア。常に喧嘩腰ではあるが、この二人はゾルディック家の中では意外と仲が良い。

 予想外のワードが弟から出てきて、当然ミルキは驚いた。家の人間からの電話ということで人気のない場所で電話に出てはいたが、話のネタがネタなだけに今までにも増して声を潜める。

 

『何だお前、あのゲームに興味あんのか?』

「知ってんの?」

『知ってるも何も、伝説のゲームだよ。何十億もする伝説のゲーム。リンの親父が作ったんだ』

「マジで!?」

『マジマジ。つーかあいつ、うちに預けられる前はそのゲームの中に住んでたらしいし』

「ちょい待ち、こっちで相談させてくれ」

 

 予想外の情報に、思わず保留をかますキルア。電話の向こうでミルキがイライラしているのは言うまでもないのだが、キルアは気づかないふりをしておく。マイク機能を一旦切ると、ゴンの方にくるりと顔を向けた。

 

「お前の親父が作ったゲームらしいぜ」

「そーなの!?」

「ああ。リンも知ってるってよ。…てか、リンに聞いたら一発解決じゃねぇの?」

 

 キルアの意見は至極真っ当だ。ゲームを知っているどころかその世界に住んでいたリンならば、高確率で有力な情報を持っている。何ならゲーム自体を所持しているかもしれない。

 だが、ゴンはうーんと天井を仰ぎ数秒悩むと、少し申し訳なさそうに頬を掻いた。

 

「うーん…できるだけ自分達で調べたいな。ハンターサイトの方で調べようよ」

「…そうだな!」

 

 これはゴンの狩りだ。そして父親から出された初めてのメッセージであり、挑戦状だ。何も考えずに姉にただ甘えるというだけの楽は、ゴンはしたくなかった。その思いを汲み、キルアもニッと笑う。

 

「わり、兄貴待たせた。もし何か心当たりがあるなら、取引しねぇ?」

『はぁ?ったく…忙しいってのによ…』

 

 いくつかのやり取りと取引をして電話を切る。かなり忙しかったようで、ミルキの返答は終始適当極まりないものであった。

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 そこからミルキに情報を貰い、本格的にグリードアイランドについて調べること数日。

 わかったのはヨークシンのオークションでソフトが数本流れる事、そしてそれには莫大な金が必要なことであった。どちらにせよ今のゴン達にはかなりの入手困難だ。

 

「んー…問題はやっぱ金だよな」

「80億だもんね…」

 

 奇遇なことにヨークシンに行く目的がもう一つ増えた。タイミングとしては丁度良いだろう。だが、ソフトを落札するための資金がない。天空闘技場での賞金は二人合わせても数億にもならず、入手には到底手が届かない金額だ。

 

「何か手っ取り早く金稼ぐ方法ねーかなぁ」

 

 キルアがウサギを象った棒付きキャンディーを舐めながら絨毯にひっくり返った。ゴンの自室にはゴンとキルアの二人しかおらず、行儀の悪さを窘める人間はここには居ない。あけ放した窓から入ってくるそよ風を浴びながら、ゴンもうんうんと悩む。

 

「そういえば…姉さんは昔、賞金首を捕まえて稼いだって言ってたよ」

「馬鹿、俺達は数百億稼がねーと駄目なんだぞ?賞金首なんてどんな強い奴でも数億程度だよ」

「数百億?でも80億って」

「最低価格じゃねーかよそれ。オークションだからもっと値上げされるぜ」

「あ、そか…」

 

 オークションということは、需要があるほどに値上がりするということだ。幻のゲームと言われるならば、喉から手が出るほど欲しいマニアはきっと沢山いる。そんな富豪たちと渡り合うだけの資金力を急に得るなんて、ハンターと言えども子どもにはかなり無謀だ。

 

「それに賞金首捕まえるのってつまんねーだろうし。あんなん殆どアマチュアの雑魚だろ?それ捕まえて数百万とかやってらんねーよ」

 

 顔写真だけで数億円の取引がされる暗殺一家の跡取りが言うと説得力がある。思わずそう思ったゴンだが、しかしリンから聞いた話ではもっと稼げる仕事だった。

 記憶の中のやり取りを思い出すと、確か姉は一人当たりで億単位稼いでいたと思う。それらは汚職まみれながらも財政界の大物だったり、本職のハンターだったりした場合なのだが、ゴンはそこまでは聞いていない。

 

「大物だと1億とかするって言ってたよ?強い人も多いし、探すのも面倒らしいけど」

「ふぅん…プロでも大した奴いねーのかもな。なら俺達でもできるか?」

 

 興味なさげにそう言ったキルアに、少しばかり姉を馬鹿にされたと感じたゴンがムッとして言い返す。

 

「姉さん、強いよ。クラピカも姉さんが変装してたニアに一瞬でやられちゃったって」

「そりゃあクラピカは一般人だし、あの時点で非念能力者だったからな。リンはうちで暗殺技術の教育も受けたって言ってたし、ぜってー敵わねえよ」

「それはそうか…」

 

 ゴンはヒソカと戦うリンの姿を、クラピカは直接対峙して、そしてレオリオはそんなクラピカと対峙するリンの姿を目の当たりにしている。四人の中で唯一リンが戦う姿を目にしていないキルアは、あくまでリンの強さはゾルディック家で過ごしたからこその戦闘技術だと認識していた。

 それは間違いではない。実際、リンのそれまで我流に近かった戦闘技術は、ゾルディック家で基礎から磨かれた。拷問耐性や電気耐性、毒耐性など一定の耐性も滞在中に身につけたものだ。それらはリンのハンターとしての戦闘技術として確実に身になっており、ゾルディック家なくして今のリンはなかったとも言える。

 だが、それはキルアの傲りであり相手の能力の見誤りでもある。そのことにキルアが気づくのはもう少し先の話だ。

 

「だけど、それも聞いてりゃ二年無い程度だ。念も覚えたんだし、俺達だってリンに勝てないわけじゃないはずだ。それだけの力が、念にはある」

「うーん…」

 

 確かに、念を覚えてゴンは曲がりなりにもヒソカと戦えるようにはなった。だが、あの場でヒソカが手を抜いていた事は、ゴン自身が一番理解している。そして、ハンター試験四次試験で見た姉とヒソカの戦闘風景。あれは明らかに実力が拮抗している二人が、互いに小手調べ程度のお遊びで戦っているものだった。

 つまり、リンの戦闘能力はヒソカと近いのではないだろうか?念を覚えたからと言って簡単に追いつける程度のものなのだろうか?

 ゴンは内心首を傾げるが、突然鳴り響いたキルアの携帯の着信音が、その思考を遮った。

 

「電話?」

「みたいだな…あ、リンだ」

「姉さん?」

 

 それは偶然にも噂のリンからの電話だった。あわよくば話したいとそわそわしているゴンを思い切り無視して、キルアは着信を取った。

 

『あ、もしもしキルア?闘技場に来たんだけどさ、今どこにいる?』

「あー、入れ違いだな。俺ら今くじら島だよ」

『マジ!?うわーしくった…』

「ま、予定通り9月にヨークシンで、だな」

『そうね。あ、ゴンに勉強やっときなさいって伝えといて!』

「ん、わかった」

 

 思ったよりもあっさりと終わった通話に、ゴンががっくりと肩を落とす。自分から連絡を取ることはなくても、タイミングがあるなら話したいのがゴンという人間なのだ。かつては頻繁に姉に連絡を取っていたが、それはハンターについて知りたいのと姉と連絡が取りたいのが半々であり、ハンターになった今、連絡頻度は激減している。

 そんなゴンに軽くチョップを入れながらキルアがリンからの伝言を伝えた。

 

「リンが勉強やっとけってよ」

「あ…忘れてた」

 

 あちゃ~…と机の上にどっかり積まれたテキストに目を向けるゴン。一切ゴンが気にしている様子もないので不要な書類を纏めているだけだと思っていたキルアだったが、どうやら全て手を着ける必要のあるものらしい。逆になぜこんなに存在感を放っているのに忘れられるんだと、思わずジト目になる。

 

「お前、通信教育まだやってんの?」

「えへ、ほっぽって試験受けたから…」

「うわぁ…ジュニアのやつだろ?たぶんそれお役所から色々言われるぜ」

「キルアは勉強ないの?」

「俺はもうジュニアの卒業試験受けたし」

 

 ゾルディック家では、暗殺技術のみではなく一般教養も幼少期の内に叩き込まれる。知識教養も含めて非常時には一人で生きていける力を養わないといけないからだ。

 そんなキルアの言葉を聞いたゴンは、思わず感嘆の声を上げながら絨毯に寝っ転がった。

 

「はえー、頭いいんだ…姉さんも試験の前にそうしとけって言ってたんだけどさ~」

「正論だな」

 

 嫌なことを思い出してしまったとしおしおしょげるゴン。だが、人生初のハントを前にして大人しく勉強をする気になれないのは当然だ。キルアはフォローの意味と共犯者になってやるという意味を込めてどかっとゴンの肩を組み、にやりと笑ったのだった。

 

「ま、でも…こんな面白そーなもん目にして勉強なんか手に付かねぇよ」

「…だね!」

 

 この場にリンが居れば二人纏めて頭にグーを落としていただろう。だが、ゴンもキルアも年頃の少年だ。この場に咎める人間が居ないのもあり、悪ガキ二人の冒険心は留まるところを知らなかった。

 

「目標はグリードアイランド!」

「そんでそのための金稼ぎな!!」

 

 こうして、ゴン人生初のハントが開始された。

 

 




ゴンとキルアの解像度を高めるお話でした。次回からヨークシン編です。
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