リン=フリークスの冒険   作:夜桜百花

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リンの九月五日【2】

「あー、疲れた…」

 

 九月四日、ハンロに向かう数時間前の事。クロロの部屋に連れてこられるなり、リンは思いっきりベッドにダイブしていた。

 寮か何かに使われていたのだろうか。4畳半程度の広さしかないその部屋は、ベッドと机、クローゼットといった最低限の家具しかない簡素な造りになっている。クロロは椅子に腰かけながら、半ば呆れたような表情をリンに向けた。

 

「…お前本当に自分の立場、分かっているのか?」

 

 リンしか居ないこの状況では、クロロは団長の仮面を被る必要もない。しかしそう手早く切り替えることも難しく、そのオーラはクロロ個人のものと団長としてのものが曖昧に混ざり合っている。もちろん逃がさないように細心の注意は払っているが、その口調はクロロ個人としてのものに替わっていた。

 

「捕虜でしょ、ホリョ。こき使われてるし間違いないわね」

「ならばその態度はどうなんだ」

「いつも通りの方が良いじゃない。「くっ…殺せ!」とかやってほしい?」

「…今の方がまだいいな」

 

 対照的に、リンの態度はあくまで変わらない。いつ殺されてもおかしくない立場ではあるが、傍目から見ればふてぶてしいその態度は到底捕虜には見えないものだ。

 埃っぽい枕の上でごろりと頬杖をつきながら『ハイ論破』と言わんばかりにニヤリと笑うリン。クロロはそんな妹分兼捕虜の様子を見てまたため息をつく。

 

「クロロこそ立場に則り過ぎじゃない?もっとこう、情ってもんはないの?オニーチャン」

「そのオニーチャンを殺しに来たのはどこのどいつだ」

「私でーす」

 

 リンもクロロもよく理解している。互いに親近感を持っていれど、もっと大切な物は他に沢山ある。それらを護るためならば互いに殺意を向けることを厭わない。

 

「…他に優先するものがあるってことだ。俺にも、お前にもな」

「まあ…そう言ってくれるのは正直救いだわ」

 

 だが、何も感じないわけではない。クロロがはっきりと線引きをしてくれたのは、ある意味リンへのフォローに近いものだ。一方で、自分のためにかけた言葉でもあるのだが。

 

「だが、俺自身意外だったよ。思ったよりもお前に情が湧いていたらしい」

 

 膝に頬杖をつきながらなんとなしに吐かれたクロロの言葉は、ここに来て初めて吐露された本心だ。それはリンもよくわかっていた。

 クロロにとってリンは最早『関係のない』人間ではない。最優先は蜘蛛であり流星街、その信念は変わっていなくても、時の流れと共に新たな関係性の人間が生まれるのは自然なことだ。

 

 だがクロロは自分にもそんな対象が居るという事実が、新鮮で仕方なかった。そもそも人との関係性について深く考えた事がなかったのも大きい。まさか悪人として生きると決めておきながら、今更殺すのに躊躇いを覚える相手が居たなんて、と。

 

「でも必要なら殺すでしょ?」

「それはお互い様だ」

 

 クロロの言葉にリンもふっと笑みを浮かべると、腕を枕にしてごろりと仰向けに寝転がった。そんなリンをよそにクロロも椅子から立ち上がり、ベッドの端に腰かける。

 

(え、何?…あ、寝るからどけってことか)

 

 そういえばクロロはここに仮眠を取りに来ていたのだったと思い出すリン。かといってベッドを譲る気は毛頭ないため、知らんふりを決め込む。

 

「少し端に寄れ。俺が眠れない」

「…一緒に寝るの?」

「俺は譲歩する気はない。嫌なら椅子か床で眠れ」

 

 団長の仮面を外してしまえば、クロロもリンに負けず劣らずなふてぶてしさだ。変態呼ばわりするとまたどつかれかねないので、黙って端に寄る。

 古いシングルベッドに2人寝は明らかに狭い。しかし意地になって仰向けで半分以上のスペースを陣取るリンである。

 

(せっま…)

「お前、本当に遠慮する気がないんだな」

「当然」

 

 ところがクロロはヘッドボードにもたれてはいるものの、一向に身体を横たえる気配がなかった。疑問に思い眼を向けるリンをよそに、クロロは利き手でリンの右手を取り、それを自身の喉元へ導く。

 

(…?)

 

 何がしたいのかとリンは眉間に皺を寄せた。だがクロロは意に介さず、ぐ…、とリンの手を喉仏へと押し付け、怪しく笑う。その気になれば親指は気道を塞ぎ、息の根を止められるだろう。

 そして、言った。

 

「今ここで、俺を殺せば逃げられるんじゃないか?」

 

 クロロのオーラは『練』もされていなければ、いつもと異なり『纏』すらもしていない微弱なものだ。もしも今リンが『練』を瞬時に発動して奇襲をかけたならば、クロロの首を捻り千切るなり念弾で爆発させるなり…とにかく簡単に殺すことができるだろう。

 

 だが、そんなことをする気は毛頭ない。クロロの意図を理解しているからこそ。

 喉へ添えられた自身の手には一切の力を入れないように脱力させ、リンはうへぇと言いたげな顔でその笑みに返した。

 

「それをしたら、旅団メンバーと死に物狂いの鬼ごっこが始まるだろうけどね」

「あのガキ共と協力すればいいじゃないか。なぜ1人で戦おうとする?」

「…言葉じゃ言っても伝わんないわよ」

 

 自分にはない喉仏の存在に、思わず親指でその感触を確かめる。不快なのかむず痒いのか、クロロは少し眉をしかめて身を捩った。

 

「!?」

「ぅわ…っと」

 

 瞬間、リラックスした態勢でくつろいでいたクロロが、がばりと身を起こす。同時に手を振りほどかれ、リンは軽く声を上げた。

 クロロからは僅かな時間で湧き出たとは思えないほどの汗が額を流れ、長距離を一気に走り抜けたかのように動悸と息切れを起こす。

 明らかに異常だ。普通ならいったい何がクロロに起こったのかと訝し気に様子を窺うことだろう。それはリンでもそうだ。

 

 だが、リンはクロロに何が起こったのかをはっきり理解していた。急に振り払われた手を宙でぶらぶらとさせながら、言わんこっちゃないと軽く睨む。

 

「やっぱり…パクノダの能力を使ったわね」

 

 少しばかり身を起こしてちらりとクロロの右手を見ると、そこには【盗賊の極意】(スキルハンター)の具現化された本があった。予想通りだ。

 

「あの記憶は…」

「だから触るなって言ったのに。占いでも発狂するかもしれないってあったじゃない。…ま、そうならない公算があったからやったんだろうけど」

 

 そう言いながら、再び頭の後ろで手を組む。クロロの動悸はようやく少し治まってきたらしい。外は雨が止み、静かな夜の空気が部屋を包む。

 わかってはいたがあの状況で避けようがなかった。クロロならばなんとか記憶を読み取っても耐えられるのではないかと賭けに出ていたが、一応は成功したらしい。クラピカ達の情報が抜かれてしまったのは辛いところではあるが。

 

(…最悪、【浅はかな催眠術】(メズマライザー)でクラピカの能力の記憶を封じる手段もある。大丈夫、詰んだと思ってたけど、イレギュラーのおかげでまだ勝ち筋はある)

 

 ゴンとキルアが旅団に再び捕まっていた事、クロロがリンを殺そうとしなかった事、ずっと黙っておくつもりだったウボォーの所在をゴン達に知らせた事、何よりゴン達がリンを仲間として救おうとしている事。それらは『詰み』の盤面に再び活路を出していた。

 ならばそれを活かさない手はない。ぼんやりとクロロの姿を眺めながらも思考はフルに回転を続けている。

 

 一方、錯乱せずに済んだものの、クロロもクロロで平静では到底いられない。信じられない光景を続けざまに脳に送られ、パニックになりそうなのを必死に堪える。胃から何かが逆流してきそうだった。

 

「あれは…何だ。お前はいったい何者なんだ」

「『外』から来た。言ったでしょ?」

「でもあれは暗黒大陸だと」

「私、一度もそれ肯定してないわよ」

「…そう言われると何も返せないな」

 

 無言を肯定だと勝手に捉えていたのはクロロだ。だがわざわざ確認しなくても理解はしたようで、吐き気を堪えるように口元を押さえながらも思考を巡らせているように見える。余裕を失い、団長の仮面は完全に剥がれ落ちていた。

 

「…確かに、俺はお前に感謝すべきなのかもしれない」

「つっても私も知らないんだけどね。もうあっちの世界の記憶はないの。…何が見えた?」

「リン=フリークスが居ない世界では、ウボォーは死んでいた。パクノダもだ」

「…」

 

 記憶を探ればパクノダが死ぬという占いの内容から薄々察していたが、パクノダの能力は対象が忘れてしまった記憶まで読み取ることができるのだろう。記憶の奥底に、二度と届かない領域まで沈んだ記憶すらも。

 

(…たぶん触れた上で質問して、関連する記憶を引き出す能力なのね)

 

 そしてクロロがリンに触れて放った言葉は『今ここで、俺を殺せば逃げられるんじゃないか?』と『なぜ1人で戦おうとする?』だ。

 人間の膨大な記憶を全て一瞬で引き出すことは恐らく不可能。何より触れるだけでそこまでを読み取るのは明らかに制約が釣り合っていない。

 それならば尋ねた内容から記憶を読み取ったと考えるのが自然だ。このワードに関連するリンの記憶を、クロロは読み取ったのだと考えられる。

 

(クロロが読み取った記憶は、恐らく私がゴン達へ向ける感情とゴン達の情報、そして殺したらどうなるんだろうって一瞬考えたから、ヨークシン編の大まかなあらすじって所かしら)

 

 妹分の気狂いにも近い仲間への誓いやこの世のものではない出生、そして生々しい仲間の死を脳裏に植え付けられたなら、クロロでも多少は動揺するだろう。

 珍しい光景を見られたと場違いにも心のファインダーを押すと同時に、しかし嫌な予感が頭の隅を掠めた。

 

(…え、向ける感情?)

 

 背筋を寒気が伝う。気づいてはいけないことに気づいてしまった。触れないでいる方が幸せなのかもしれないが、気づいてしまった以上は確認せずにいられない。

 

「…ところで、どこまで読み取った?」

「…?だからヨークシンで本来起こるはずだった筋書きの記憶だが?お前が居ない世界の筋書きと…ああ、鎖野郎…クラピカや弟達へ向ける感情もだな」

「その…それはつまり私の趣味嗜好とか…」

 

 リンがクラピカ達へ向ける感情が、全て美しいわけがない。頭の中で散々ホモの妄想をしているのだから。キルゴン、レオクラは鉄板だ。ヒソゴンヒソキルもアリかとは思わないでもないが、あくまで最優先事項は弟の幸せである。

 絶望にだらだらと汗を流すリン。それはかつてジンと話したあのやり取りを彷彿させる。(頼む、クロロは同じことを言わないでくれ)と信じても居ない神に祈るのも含めて、だ。

 

 神は死んだ。クロロはリンの態度と得たばかりの記憶から「なるほど」と思い当たったように呟き、リンを見て最上級の揶揄いネタを見つけたと言わんばかりににやりと笑った。

 

「お前が男同士の恋やセックスについて描かれた本を好んでいる事とかか?」

「あああああああ!!」

 

 知られた、知られてしまった。同志以外の、それも昔っから知っている異性に。いや、ヒソカも知ってるが…ヒソカはほら、避けてくれるから。ジンやシルバも知ってるけど…ほら、触れないでいてくれるから。イルミは…ノーカンだ。

 だがクロロは絶対揶揄う。面白い玩具を見つけたと言わんばかりに絶対遊ぶ。何かの話につけて絶対ぶちこんでくる。何ならゴン達とも既に面識がある。

 

(このままではまずい。うっかりゴンにバラされたら生きていけない…。大っぴらにネタにされても恥ずかしさで社会的に死ぬ…)

 

 生命的な意味でいつ死んでもおかしくない状況に居るのは考慮していない。ゴンにBL趣味をチクられるのは、ジンに助けられるのとどっこいどっこいの耐えがたい拷問だからだ。従って早急に停戦協定を結ばなければいけない。どんな手を使っても。

 時には幾度となく冷徹な判断も下してきたハンターとしてのリンの脳味噌は、これ以上ないくらい更に回転を速める。叩き出した答えは意外とシンプルなものだった。

 

「意外な趣味だな。…いや、異文化(カルチャー)ハンターならばBLもハント対象の文化の内なのか?まさか仲間まで食指の範疇とはな」

「…ところでオニーチャン、童貞?」

「は?」

 

 開き直ったリンは真顔でクロロの顔を覗き込んだ。揶揄おうと思ったら予想外に平然としているリンに、クロロは面食らう。窮鼠猫を噛むという、本で読んだどこかの国の諺が頭をよぎった。

 

 リンの出した回答は極めて単純。脅せばいい。ヒソカばりにセクハラをかましたうえで脅しをかけるのだ。

 鬼畜外道?何とでも言えばいい。社会的に死ぬならば相手をその前に殺すまで。ハンターとは所詮外道の集まりだ。

 

「あと処女?処女ってのは勿論ケツ穴を男に差し出した事があるかどうかなんだけど」

「おい、急にどうした」

「前から悩んでたのよね~クロロは攻めか受けか。あとは性行為の経験があるかないか。ほら、それによってカップリング相手とのやり取りとか変わるじゃん?」

 

 クロロは活字であれば、割と何でも一旦は目を通す。知的好奇心故に知らないことも積極的に調べる方だ。そのため、男同士の恋愛や関連する用語についても一応は知識を持ち合わせている。…好き嫌いは別として、だが。

 従って、リンの言う言葉も一応は手に取るように理解できる。だがクロロはこの時、初めて己の知見の深さを後悔した。そして妹分だから付き合いが長いからと、リンを迂闊に揶揄い過ぎたことを。

 

「待て待て落ち着け」

「私としては慣れた非童貞非処女のビッチでヒソカやクラピカと爛れた関係に陥るクロロも、なんやかんやでヒソカとかイルミに薬盛られて乱れる童貞処女のクロロも違った良さがあると思うんだけど」

「鎖野郎とも組み合わせていたのか!?」

 

 ノンブレスで口から飛び出す爆弾発言にクロロはツッコミが追いつかない。

 リンの記憶から読み取った鎖野郎…クラピカは、確かに女と言われても信じそうな外見をしていた。だが生えている男に欲情する趣味は自分にはない。リンはどんな妄想をしているというのだろうか、考えたくない。

 というか、それ以上に何と言った?鎖野郎と組み合わせられていたショックでうっかり聞き逃しそうになったが、自分はどうやらヒソカやイルミにケツを掘られる妄想もされているらしい。

 確かにヒソカから尻に向けられる嫌な視線を感じた事は1度や2度ではないが…現実には起こってほしくない。

 

「勿論団員に組み敷かれる秘密の関係♥とかも良いと思うわ。でもやっぱ解像度が上がるから実際のところ聞いておきたいの。…で、童貞なの?非処女なの?」

 

「団員ならイチオシはウボクロとシャルクロなんだけど」と付け加えられ、クロロは無言になって片手で顔を覆い、天を仰いだ。

 完敗だ。もうこの話はしたくない。

 

「…もうこの件でお前を揶揄うのはやめておくよ」

「弟とか他の人に言いふらしたらクロロ総受けで18禁本出すように会社に命令するから。私が殺されたりしても世界中に頒布するようにしてやるから。アへ顔ダブルピースの絵を描かせるから」

「…降参だ」

 

 そうじゃなくても盗賊のイケメン団長なんて腐女子からしたら良いネタでしかないのだが。既にクロロをモデルにした商業本が散々売りに出されているのを隠して堂々と脅すリンは、確かまだ捕虜のはずである。

 ともかくそうして休戦協定は結ばれた。そうなると次に話すべきは当然今後についてだ。本来は真っ先に話し合われるべき話題なのだが。

 

「で?諸々知っちゃった団長はどうする?占いによればほぼ全滅するのよね」

「半分はお前が殺すらしいがな」

 

 そこから2人は密談を交わす。1人は別世界から来た者。そしてもう1人はその記憶を知ってしまった者だ。

 イレギュラーな2人は、誰にも知られる事なくひっそりと契約を結んだ。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 クラピカに指定された時間の1時間前。仮眠も終え、幻影旅団一同は当然の如く全員で指定された現場へと向かっていた。かっぱらってきた車3台に分けて乗車し、いよいよ仇を殺れると気合も十分だ。

 リンはそんな車の1台目で、当然のように後部座席中央に座らされていた。メンバーは荒野へ探索に行った際と殆ど変わらないが、唯一シャルナークではなくフィンクスが同乗している。いざという時の火力を上げておく作戦らしい。

 

「クロロ…携帯貸してくんない?」

 

 再び猿回しの猿状態にされながら、リンは隣に座るクロロにぱちんと手を合わせて頼む。団長モードのクロロはちらりとリンを一瞥すると、即答で吐き捨てた。

 

「断る。何されるかわからん」

「お願い!助けを呼ぶとかじゃないのよ!現代っ子だからスマホがないと死んじゃうの!どこぞのアラサーと違ってまだ10代だから!!」

 

 隙あらば煽るのも忘れない。ジンの英才教育はリンの中で確実に生きていると言える。

 対してクロロが呆れ果てた眼を向けるのも当然だろう。一般的には捕虜は自分を捕えている組織のリーダーにスマホを貸してくれと煽り交じりには頼まない。

 

「何度でも言うが、お前は今、捕虜だぞ?」

「分かってるからこそよ。死ぬかもしれないんだから、空き時間に好きな事くらいさせてよ」

「…下手な事をしたら殺すぞ」

 

 最早殺すという言葉の重みが軽くなっている、と同乗者3人は思った。

 隣に座っているのだから、画面を一緒に確認すれば安心だろう。ふとそう思い当たると渋々ながらもスマホを渡したクロロは、もしかしたらリンに甘いのかもしれない。慣れた手つきでついついと画面を触る手元を隣から確認する。

 リンが開いている画面は確かに全く害がなさそうで、小説が掲載されているらしきサイトだった。活字が大好きなクロロは思わずその内容を追っていくが、すぐにそれを後悔することになる。小説の内容はとある盗賊の長が新入りの怪しいピエロに迫られるというR-18指定のBLだったからだ。

 

「…すぐにデータごと消せ」

「消せって言われても…これ私が書いたんじゃないし。全世界アップロードされてるし。結構人気作品で既に数百万回読まれてるし」

 

 ちなみに小説の投稿されたサイトを運営しているのは、もちろんリンの会社。翻訳会社らしく数か国語の自動翻訳機能も付けているので、世界中からアクセスされて異国の投稿小説も閲覧される。

 

「…」

「何だよ団長。そんなやべーやつなのか?」

「全然危険性ないわよ。ほら」

 

 助手席から振り返って後部座席に顔を向けたフィンクスにここぞとばかりに何食わぬ顔でスマホを手渡すリン。

 暫く画面をスクロールしていたフィンクスだったが、小説の内容とクロロが閉口していた理由に気づくとまるで漫画のように大きく噴き出した。

 

「うっはー!リン、お前こんなんが趣味なのか?」

「まさか。クロロに嫌がらせしたかっただけ」

「…」

 

 ゲラゲラ笑うフィンクスに、しゃあしゃあと嘘をつくリンである。

 従ってURLはすぐに仲間内で拡散され、団長弄りのネタにされる運命を辿ることになった。それによって最もダメージを受けているのは団長でもピエロでもなく、反対隣に座っているP.N.針娘なのだが、そこに本人が居ることは誰も知らない。

 




クロロがリンを殺す選択をしていた場合、

クロロ、最後の情けでタイマンで殺そうとする
→リンが態勢を整えるためにエスケイプする
→ついでにヒソカクロロのケツを狙いに、クロロ逃げる
→ゴン達がウボォーを発見し、蜘蛛の動向を探る。リンの心音が聴こえない事がわかり、ウボォーの身体を抱えながら殴り込みにかかる
→旅団負傷、ゴン達やられる
→その現場を見たリンが激昂、蜘蛛崩壊
→死に際、イルミに連絡を取る

のバッドエンドでした。
占いによる危機回避の分岐点はここです。
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