全集中で駆け抜けたい   作:夜桜百花

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無限夢列車

「ホテルのベッドだ~絶対これふかふかのやつ!」

 

 食事の後、更に都心近くへ向かい、駅近くの宿で一泊することになった。柱だから優遇されているのか、あるいは都心部の宿は皆そうなのか、煉獄さんの鎹烏の案内の元、本日宿泊することになった宿…ホテルといった方が良いだろうか?は、西洋文化をふんだんに取り入れた建物だった。

 

 煉獄さんに聞いてみたところ、オーナーが鬼殺隊に理解のある人間らしく、この近辺で活動する隊士御用達のホテルなんだとか。羨ましすぎるよこの辺で活動している隊士。それにしても、ここまで西洋文化を取り入れた室内に入るのは元の世界以来だ。

 シックな雰囲気の落ち着いた部屋は広々としており、中央にはセミダブルのふかふかベッドがでんと構えられている。炭治郎から預かっていた禰豆子の入っている箱を扉の近くに降ろして箱の戸を開き、私はベッドにダイブした。見た目を裏切らないふかふか具合。このホテル絶対人気だと思う。よく急に泊まれたな。

 

「うおお!!すっげぇ!!」

「おい伊之助!!ベッドで飛び跳ねるな!!」

 

 隣の部屋から伊之助と善逸の叫び声が聴こえてくる。大方、初めて見たふかふかのベッドにテンションが上がった伊之助がトランポリンよろしく飛び跳ねているのだろう。蝶屋敷の病室も西洋文化ベースの病室だし寝床もベッドだったけど、やっぱりこういったところのベッドとは違うもんね。

 部屋は炭治郎、善逸、伊之助が3人1部屋、私と禰豆子が隣の部屋を2人で使い、柱の煉獄さんは個室という内訳になっている。柱ともなると、ここまで優遇されるのか。幹部だし当然ではあるけど。

 でも、私はもし柱になったとしても皆と一緒がいいなあ。駄目元で一緒の部屋がいいとごねたけど、当然のごとくオカンが許してくれなかった。

 

「あれ?禰豆子、出てこないの?こっちおいでよ、ふかふかだよ?」

「…」

 

 戸は開いているし、従業員も居ないから気兼ねなく出てきていいのに、なぜか禰豆子は戸の陰からじっとこちらを窺っている。なんとなくピンと来て、私は禰豆子に声をかけた。

 

「大丈夫だよ。煉獄さんは別室。ここには私しかいないから」

 

 そう言うと、禰豆子は安心したように箱の中からのそのそと這い出てきて、元の大きさに戻った。私の隣のベッドにぼふんと飛び込んでは満足げにしている。やっぱり、煉獄さんが居ないかどうかを心配していたらしい。煉獄さんが今すぐ禰豆子に害を及ぼす事はないだろうから、気にする必要ないとは思うんだけど。

 まあ、箱の中で殺せコール聞いてただろうし、どちらにせよ良い気分にはならないよね。

 

「柱の人たちに認めてもらえるように、一緒に頑張ろうね」

「む!」

 

 そう言って禰豆子の頭を撫でれば、嬉しそうに答えてくれた。そう、私も強くならなければいけない。少しでも物語の結末を良いものにする為に、柱の人たちに認められる為に。

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

「なぁ。**の事、どう思う?」

 

 風呂にも入り、部屋で一息ついたところでそう尋ねてきたのは権八郎だ。石鹸とかいうあのべたべたするやつを頭に塗り付けるのは初めこそ気持ちわりぃって思ったけど、慣れてしまえば洗い終わりはすっきりするし、お湯はあったけぇ。なかなか悪いもんでもねぇと思う。

 なんで急にそんな事を言い出すのか知らねぇが、そういえば今日は久しぶりにあの女と別の部屋で寝泊まりするんだと思い当たった。あいつが居ない隙にあいつの話をしたいという事か。

 

「なんだよ炭治郎。急にそんな事を言うなんてさ。…まさか、**の事好きなのか?」

 

 質問に質問で返す紋逸は妙にピリピリしてやがる。こいつのせいで、気分の良い風呂上りだというのに身体がチクチクする。

 

「いや、**の事は人として好いているが。…そうじゃなくて、**は正直でまっすぐな人間だと思うが、時折変なところで嘘の匂いがするんだ。かと思えば俺たちには全力で好意を向けてくれるし、不思議な人だと思って」

 

 権八郎がそう答えれば、紋逸は「なんだ、そういう事」と呟いてピリピリを消した。こいつが何に対してイラついてやがったのかがわからねぇ。

 

「**は…確かに不思議な奴だと思う。鼓屋敷で初めて会った時、禰豆子ちゃんが箱の中に居た事も知ってたみたいだし」

「え?そうなのか?」

「ああ。鬼が居るのは俺たちもわかってたけど、**はどんな鬼かまで知ってた。いくら勘が鋭いにしても無理があるだろ」

 

「更に謎が深まったな…」と呟く権八郎に、紋逸ははっきりと断言した。

 

「何かしらの理由で**が俺たちを裏切るかもしれないって思ってるって事か?確かに、**はよくわからん時に嘘をついている事はあるけど。いや、嘘というより何かを隠してる感じか?…でも、俺たちの事を心から思っている音がするぜ?別段疑う必要はどこにもないだろ」

 

「伊之助は?」と聞かれて、俺は記憶の中のあの女の姿を思い返した。すぐに拳骨かますし、箸を使え風呂に入れとやかましい。でも、何かにつけてわしゃわしゃと頭を撫でつけてきたり、抱き着いてきたりしてくるのはそう悪い気はしない。そう思ってしまう自分に腹が立つが。あと、あれだ。飯がうめぇ。

 

「俺は…あいつの事はよくわかんねぇ。あいつ、事あるごとに俺をほわほわさせやがる。それに、あいつを見ていると誰かを思い出しそうになる」

 

 俺の答えに権八郎はニコニコと笑いかけるだけだ。なんだよ、腹立つぜその笑い方。

 

「善逸、伊之助。この世界とは別な世界って、あると思うか?」

「は?なんだよそれ」

「…まぁ、人が鬼になったり烏が喋ったりするなんて、鬼殺隊に関わるまで知る由もなかったんだしさ。俺たちが知らないだけでそういう世界もあるのかもしれないとは思うけど」

 

 俺には権八郎の言いたい事がわからねぇ。頭使うのは苦手なんだよ。イライラしてきて「はっきり言えよ」と促せば、権八郎が眉間にしわを寄せながら続けた。

 

「柱合裁判の時に聴こえたんだけど、**が異世界から来たって」

「…!?」

 

 紋逸が息を呑む。異世界の意味はよくわからねぇけど、東京府でもなければ山でもない別の場所ってことだよな?

 

「異世界?!どういうことだよ?」

「不死川さんが**に言ってたんだ。異世界から来たっていうガキはお前かって」

「確かに、**が浮世離れしていると思う時はあったけど…。カフェーに行き慣れていないのに西洋の料理を作るの上手いし、今日だってこんな大きな西洋建築なかなかないのに、妙に慣れてたし」

「そう。だから、**は異世界で西洋文化に触れていたんじゃないか?それで、たまにつく嘘は何かの理由で元から俺たちを知っていたとか…なんて、考えていた」

「…でも、それなら初対面の時から俺たちに好意を持ってた理由も説明できるな」

「はっ、くだらねぇ」

 

 俺が口出しせずに話を聞いている間にも談議は進んでいく。段々めんどくさくなってきて権八郎と紋逸の談議に口を挟んだ。すると2人が驚いてこちらを向く。

 

「イセカイってやつがなんだよ?どこから来ようが俺たちの事を知っていようが関係ねぇだろ。あいつがクソ真面目で馬鹿正直で嘘が下手くそな奴で、そんでもって俺たちに好意を持ってるってのはわかってんだろ?イセカイなんてよ、もしあいつが俺たちとは違う世界から来た人間だとしたら、お前らはあいつを嫌いになるのかよ?」

「…確かに、それもそうだな」

「**は、俺たちの大切な仲間だ」

「だろ?」

 

 この話はこれで終いとばかりに俺はベッドに倒れこんだ。2人もベッドにもぐりこんで寝る体勢に入っているのを肌で感じる。今日は疲れた。いつの間にか俺より階級が上がっているあの女に、圧倒的実力を見せつけてきやがる柱。絶対に勝ってやる。

 そのまま俺の意識は静かに落ちていった。

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 宿で一泊した次の日、夜が来るまで待った後私たちは鬼が出るという汽車が出発する駅に向かった。流石都心部。今まで見たどの街よりも文化が発達しており、どこもかしこも人でごった返している。

 

「伊之助、妙に静かだな」

「うっ、うるせぇよ…」

 

 善逸の言葉につられて伊之助を見ると、確かにいつもと違って妙に静かだ。おとなしく炭治郎の背に隠れ、そわそわと辺りを見渡している。何かあったのだろうか。…あ、そうか。

 

「伊之助、都会に慣れてないんでしょ」

「はぁ!?ちちちちげえし!!別に人間が多くて驚いたりなんかしてねぇぜ?」

「語るに落ちてるよこいつ…」

 

 私がそう言えば、伊之助はわかりやすく狼狽えた。都会慣れしているらしい善逸はあきれ顔だ。顔に「この田舎者め」と書いてある。とはいえ、山育ちの炭治郎も物珍しそうにあたりを見渡しているし、私も歴史の教科書やドラマでしか見たことのない風景に正直興奮している。この場で落ち着いているのは善逸と煉獄さんくらいなのだ。

 

「ちょっと待っていてくれ!!」

 

 駅に到着して切符を買い、ホームに来たあたりで、私たちにそう言い残して煉獄さんはどこかへ行ってしまった。切符の買い方もわからなかった田舎者3人組は、おとなしく煉獄さんと善逸に購入してもらった。

 

「こいつはアレだぜ、この土地の主…。この土地を統べるもの…」

「は?」

 

 私の傍に居た伊之助が、わなわなと震えだす。指さす先を見れば、汽車が止まっていた。おお!本物だ!これがこの時代では普通に走っていたんだな。こちらの世界に来てからずっと修行だったから、こういうのは初めて見た。オタクではないけど、生で見ると興奮する。圧巻されて、感想が無意識に口からこぼれ出る。

 

「わ~…凄いねぇ」

「この長さ、威圧感、間違いねぇ。今は眠っているようだが油断するな!!」

「いや汽車だよ知らねえのかよ」

 

 最近ツッコミ役が板についてきたね善逸。そして伊之助は全く聞く耳を持たない。

 

「シッ!落ち着け!」

「いやお前が落ち着けよ」

「まず俺が一番に攻め込む!!」

「伊之助、攻め込まなくてももう入るから」

 

 流石にツッコミフル無視される善逸が哀れで、私も伊之助を宥めようと声をかけた。やっぱりフル無視される。悲しい。

 

「この土地の守り神かもしれないだろう。それから急に攻撃するのも良くない」

「炭治郎、話ややこしくなるから。さっきから汽車だって言ってるじゃん」

 

 絶妙なタイミングでボケをかましてくるよな炭治郎。

 

「**だって切符の買い方わかってなかっただろ、田舎者どもめ…。炭治郎、汽車ってな、列車の事だよ。列車わかる?人を運ぶ乗り物なの」

「これが人を運ぶのか?じゃああの一番前の丸いのは顔じゃないのか??」

「ちっげえよ」

 

 炭治郎が目の前の最前車両を指して言う。丁寧に突っ込み続ける善逸はすでに満身創痍だ。まあ、炭治郎の言う事もわからなくはないけどね。車とか電車の正面ってなぜか顔に見えるよね。トー●ス的なね。

 

「猪突猛進!!」

 

 そうやって話していると、伊之助の叫び声が聴こえた。見れば、列車の壁に頭突きを喰らわせている。トーマ●を虐めるんじゃありません!!

 

「伊之助やめなさい!!」

「やめろ恥ずかしい!!」

 

 私と善逸が同時に叫ぶ。善逸の事をツッコミ役と称したが、いつの間にか私もそちら側に回っている気がする。伊之助と炭治郎のボケ要素が強すぎるんだよ!

 必死に伊之助を止めていると、ピピ――!!と笛の音が鳴り響いた。駅員が来たらしい。しかも、私たちが帯刀していると気づいて警察を呼ぼうとしているではないか。やばい!!と炭治郎と伊之助を引っ張って煉獄さんの元へ逃走する。解せない。なんでこんなことで呼吸を使わないといけないんだ…。

 

「はぁっはぁ…伊之助、本当勘弁してくれ…。」

「なんであいつら追いかけてくるんだよ!?」

「…どう考えても、…はぁっ…あんたがやった頭突きと帯刀が原因だってば…。」

 

 煉獄さんの消えていった方へ走りながら、何とか駅員たちを撒く事ができた。ぽけーっとしていた炭治郎と伊之助を引きずって慌てて逃げたために、不甲斐ないながらもこの程度の距離で善逸と私は息切れをしている。伊之助は、そもそもなぜ追いかけられていたのかが理解できていなかったらしい。

 

「政府公認の組織じゃないからな、俺たち鬼殺隊。堂々と刀持って歩けないんだよホントは。鬼がどうのこうの言ってもなかなか信じてもらえんし混乱するだろ」

「一生懸命頑張ってるのに…」

 

 善逸の言葉に炭治郎が少ししょげる。まあ、気持ちはわかるけどね…。そう考えると、私たちって世間的にはわけわからん格好して刀ぶら下げてる頭のおかしい人だよな。何人かで行動している時はまだマシだけど、1人でうろついてると周囲からの視線が痛いもん。…辛い。

 

「仕方ないよ。むしろ、街中へ来るんだから刀は隠しておくべきだったね。背中にでも隠しておこう」

 

 私の言葉に2人も同意して、もぞもぞと羽織の中に刀を隠す。上裸の伊之助だけが刀丸見えだ。ドヤ顔をしているが、どこにドヤる要素があるのだろうか。

 

 刀を隠しながら歩いていると、少し先に赤と黄色の派手な髪色をした後姿が見えた。

 

「煉獄さん、用事は終わりまし、た、か…」

 

 煉獄さんに声をかけるも、目の前の光景に私たちは更に唖然とした。積み重ねられた弁当箱、その数ざっと30。え、マジ?これ食べるの?全部?

 恐る恐る聞けば、「君たちの分もある!」と快活に笑われた。一応聞きたいんですけど、私たちの分は1つずつですか?それとも全量の等分ですか?後者だったら私はご遠慮させて頂きます…。

 

 弁当は汽車に乗った後、取り敢えずは私たちが1人1つ、他は煉獄さんという配分で頂くことになった。(それでも煉獄さんは「本当に足りるのか?」としきりに聞いていたが)

 席は善逸と伊之助が向かい合って1ボックスの席に、通路を挟んで炭治郎、その向かい側に私と煉獄さんが隣り合って座っている。日輪刀は丁度足元に隠せそうだったので、まとめて隠しておいた。おかげで背中に隠していた時よりもずっと動きやすい。

 

「…**、ずっと思ってたけど、やたら煉獄さんの隣に行きたがるよな。どうしてだ?」

 

 弁当を頬張りながら、炭治郎が怪訝そうな表情でそう尋ねる。どうしてって、これ無限列車編だぞ?推しの死がどこに転がっているかわからんのにできる限り近くに居たいと思うのがそんなにおかしいのか?

 

「え?(少しでも推しの死を回避しやすい環境に居るために)煉獄さんの傍に居たいからに決まってんじゃん?なんで?」

「「!?!?!?」」

「よもや」

 

 え、なんでそんなに驚くの?炭治郎と善逸はこれでもかというくらいに目を見開き、煉獄さんですら6箱目のお弁当を食べる手を止める。私、そんなに衝撃的な事言いました?

 

「…ん゛ん゛っ。君の気持ちは嬉しいのだが、その、お互いまだ良く知り合っていないというか、だな。なんというか、その…」

「え?どうしたんですか?煉獄さん」

 

 急に煉獄さんが大きく咳払いしながらそんなことを言い始めた。え、低級隊士が柱を守ろうとするのはおこがましいってやんわり言われてる?顔が赤いのはこんな小娘に守ろうとされて恥ずかしいってところだろうか。まあ、それでも知ったこっちゃないけど。回避しよう、推しの死。

 炭治郎は複雑な表情で私と煉獄さんを交互に見やる。この空気でも弁当に夢中な伊之助はやっぱり大物なのかもしれない。よくわからないが、唯一状況が理解できたらしい善逸だけがしらっとした目で私を見てくる。なんでだ。

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 私たちが弁当を食べ終わって一息ついたころ、列車がガタゴトと揺れて動き出した。

 

「うおおおお!!すげぇすげぇ速ぇぇぇ!!!」

 

 スピードを上げていく汽車に、伊之助がはしゃぐ。さながら初めて電車に乗った幼児のようだ。

 微笑ましいな、と眺めていると、窓を開けて身体を乗り出し始めた。びゅう、と石炭の臭いが混じった外の空気が一気に流れ込んでくる。前言撤回。やめてくれ危ないからマジで。

 

「危ない馬鹿この!」

 

 私と同じ考えに至ったのであろう善逸が必死に止めようとする。しかし伊之助は聞く耳を持たない。あ、さっきと同じ流れじゃん。

 

「伊之助!!窓閉めて座りなさい!!」

「俺外に出て走るから!!どっちが速いか競争する!!」

「馬鹿にも程があるだろ!!」

 

 もう!!またこのパターンだ!!やむを得ない。

 

「伊之助!!げんこつするよ!!」

「!!…」

「**、いい仕事するね…」

 

 私がそう叫べば、心底渋った表情で伊之助は窓を閉めておとなしく席に着いた。初めての汽車で嬉しいんだろうし、あんまり言いたくなかったんだけどね。下手したら善逸もろとも窓から落ちかねない。

 

「いい?伊之助。汽車ってね、物凄く速いの。それはもう、めっちゃ速いの。人間には絶対無理な速さで走るように作られてるの。だから私たちはお金っていう対価を払ったうえで乗せてもらって、楽に速く目的地に行くの。汽車は私たちが乗せてもらうものであって、競争するものではありません。あと、主ではありません」

「いや、絶対主だろ」

「…はあ、主でもいいから、競争してはいけません」

「…ワカリマシタ」

 

 こんこんと説教することで、何とか納得してもらうことができた。

 最近私、伊之助の教育係になってる節がある。大変だったんだよ?ご飯の食べ方もそうだけど、挨拶の仕方とか言葉の使い方とか教えるの。まだまだだけど、最近ようやっと教えた事を飲み込んでくれるようになってきた。伊之助教育~お風呂編~は炭治郎たちが担当してくれてるけどね。別に除きたいなんて思ってませんってぇ~。

 

「…ねぇ、伊之助。ややややっぱり窓から飛び出さない??」

「はぁ?お前さっき駄目だって言ったばかりじゃねえかよ」

 

 今度は善逸がおかしな事を言い始めた。

 …ああ、なるほどね。今まで、今回は妙に鬼退治を嫌がらないなーって思ってたけど、伊之助や煉獄さんに圧倒されて忘れていたんだな。今善逸が考えている事といえば、「落ち着いてよく考えてみれば、この汽車鬼が出るんだっけ…?」ってところだろうか。

 

「やっぱ嫌だぁぁ!!鬼が出るなんて!!今すぐ逃げよう!そうしようぜ!!」

「善逸!!馬鹿ほんとに馬鹿!!頼むから私の仕事を増やさないで!!」

 

 急いで善逸と伊之助の席へ向かい、窓枠に足を掛けて逃げようとする善逸を必死に抑え込む。本当にお願いだから!!私1人でこのメンバーを捌ききれない!!

 

「危険だぞ!いつ鬼が出てくるかわからないんだ!」

「煉獄さん。それが嫌だから善逸は逃げようとしてるんです」

「煉獄さん!炭治郎!お願いだから手伝って!!」

 

 ほら見ろ!!どう見たって煉獄さんもボケ属性なんだよ!!炭治郎も冷静にツッコミ入れてるように見せかけて手伝おうとしてくれないあたり役に立たないもん!私1人では身が持たない!!

 私の懇願によって煉獄さんと炭治郎も加勢してくれ、何とか善逸を抑え込む事ができた。窓から逃げないようにと席を代わり、現在の席は窓際に私と伊之助、通路側に涙まみれの善逸、通路を挟んで炭治郎と、その向かいの席に煉獄さんだ。逃げられないとわかったからか、私が隣に座ってから善逸はやたらおとなしくなった。

 

 でも、ここに鬼が出るというのは本当だろう。この列車に乗ってから嫌な予感がずっとしてるもん。鬼が居る列車なのだから当然ではあるけど。問題はその原因が分からない事だ。

 この列車はどう考えてもあの無限列車だろう。厭夢を倒し、その後迫りくる上弦の参を退けなければ煉獄さんの死を回避することは出来ない。厭夢が夢を見せる鬼であることも、列車と同化することも覚えている。

 初めはこれを阻止しなければならないのだが…。夢を見せられるきっかけが何だったかが思い出せない。

「眠れ~」とか「おやすみぃ~」って言ってくる目玉とかを見たらダメだっていうのは覚えているんだけど…。3年半が過ぎ、私の記憶は朧気だ。うーん…映画まで見たというのに、このポンコツ頭め。

 

「切符を拝見致します…」

 

 そう考えていると、妙にやつれた車掌さんがこちらへ来た。

 

「え?切符を拝見って何?」

「車掌さんに切符を見せるんだよ。無賃乗車してたら困るだろ?」

 

 私の疑問に、善逸が田舎者を見る目で答える。その目で見るのをやめろよさっきまで泣き叫んでたくせに。こちとら何年もICカードと定期に頼りきりだったんだよ。電子化された社会のシステムにどっぷりだったんだよ。あ、でも特急とかだったら見せたりするよね。

 

「うむ!我妻少年の言う通りだ!世の中には不正を是とする輩も居るからな!車掌さんが切符に切り込みを入れてくれることで正当な手段で乗車しているという証明になるのだ!」

 

 善逸に続いて分かりやすく説明してくれる煉獄さん。キメツ学園軸では教師だったけど、元々適性あるのかもね。それにしても、この時代ではそういうシステムだったんだ。勉強になるな~。

 

 …切り込み?

 

 それを聞いた瞬間、むくむくと膨らみつつあった「嫌な予感」が一層肥大化した。

 善逸が私たちの分までまとめて車掌さんに切符を見せる。…田舎者甚だしい私たちは善逸と煉獄さんに切符を購入してもらった後、そのまま預かってもらっていたのだ。特に伊之助は降りるまで無事に切符を持っていられる保証皆無だったし。

 車掌さんは小声で礼を言いながら切符を受け取り、一枚一枚確認していく。

 

―切符を拝見いたします―

 

 かつて見た映画のワンシーンが脳裏をよぎった。250億を超える売り上げを叩きだしたあの映画だ。なんで今まで忘れていたんだ!!これだよ!!

 

「駄目―――!!!!!!」

 

 手を伸ばすも間に合わない。私の願いもむなしく、眼前でパチンと切符は切られた。

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 ぼんやりと辺りを見渡す。私は何をしていたんだっけ?カフェでランチ?…いや、そんなわけがない。私の知っているあの世界はこんな雰囲気じゃなかった。

 

 …これは夢?そうだ、夢だ。私は多分血鬼術にかかっている。なんでだっけ?…無限列車に乗ったからだ!

 

 朧気になっていた意識が徐々に覚醒していく。

 

 目を覚ますと現代にいた。

 正確には異なる。ここは私の夢の中だからだ。そして、夢の中の現代ではあるが、私が居た元の世界とは微妙に違う。人間の見た目や建物の雰囲気が、鬼滅の刃の世界に沿っているのだ。厭夢の夢が見せる表現の限界だったのだろう。異世界に沿った風景は創り出せないのか、はたまた異世界間で矛盾するような風景を創り出せないということなのか。

 周りを見渡せば、どこかのカフェのテラス席であるらしいことがわかった。少し先の通りには、鬼滅の刃の劇場版ポスターが貼られている。ふわりと風が吹くと汽車ではない、自動車特有の排気ガスの臭いを感じた。車や電車の音が時折響き渡る。近くの席では、カップルや女性グループが写真を撮ったり談笑したりしている。

 目の前にはツヤツヤしたブルーベリーがこれでもかと言うくらいに乗せられた美味しそうなタルトとコーヒー。試しに一口フォークで食べてみると、口いっぱいにブルーベリーの味が広がった。味までわかるなんて…。本当に夢なのかと疑いたくなる。

 

 でも、間違いなくこれは夢だ。私の知っている元の世界はこんな見た目じゃないし、そもそも切符を切られて血鬼術にかかったところで記憶が途切れているのだから。早く夢から覚めないといけない。

 タルトを口に運んだそのまま、ふと自分の手元を見てみる。懐かしいトレンチコートを身につけているらしいことがわかった。鬼に異世界へと連れ込まれた日にも身につけていたトレンチコート。あのコートは、今は私の鬼殺隊支給のポーチに入っているはずだ。そばの窓ガラスを確認すると、窓ガラスに映る自分は見覚えのあるチョコレートカラーのタートルネックに白のストレートパンツ、そしてローファーを身につけている。髪は、適度にほぐしたローポニー。どれも、到底こちらの世界ではできないものばかりだ。

 

 それに、見た目こそアニメタッチのままではあるが、攫われた当時の年齢に戻っている。少しの疲れと人生に慣れた顔つきは、どう見ても10代のそれではない。

 目の前を見ると、元の世界で別れたきりの友人が座っていた。ふわふわの栗色の髪は綺麗に内側ワンカールになっており、元々パッチリとしていた目はアニメキャラも顔負けなくらいにくりくりだ。同じく鬼滅の刃に沿った見た目になっている。元の世界でも可愛らしい友人は、アニメタッチになる事で更にその可愛らしさを増長させていた。

 ああ、私に絵を描くスキルがあればなあ。重度の夢女子である友人に、彼女の鬼滅の刃に沿った似顔絵を渡せば、どんなに喜んだだろうか。

 

 そうだ、覚えている。これは、私が鬼に攫われる数日前の休日の場面だ。高校を卒業してからも交流の続いているこの友人と、劇場版鬼滅の刃を観に行った時の。

 2人で涙が枯れるくらい泣いた後、昼食としてお洒落なカフェに入った。テラス席で日替わりメニューだと言う映えなランチを食べた後、食後のケーキをつつきながらお互いに映画の感想を言い合った。

 煉獄さん推しの友人は再び涙を目に溜めながら、なんで煉獄さんが死なないといけないんだと憤っている。この子がこんなに可愛いのにモテない理由は、言うまでもなく2次元に入れ込んでいるからだった。

 

「でもさ、最後の煉獄さん特にかっこよかったよね!死んじゃって悲しいけど」

 

 そうだね。その煉獄さんを救えるかもしれないんだ。そう言ったら、あんたひっくり返って喜ぶんじゃない?

 

「そういえば、来月行こうって言っていた旅行さ、温泉安くて綺麗なところ見つけたよ。女磨いちゃお〜ね!」

 

 ああ、そういえばそんな約束もしていたな。もう果たせない約束になってしまった。

 

「**?どうしたの?聞いてる?」

 

 ここが夢だってわかってる。こんな事をしている場合じゃない。今だって、鬼がすぐそばに居る。助けないといけない人が、沢山いる。

 

 でも、こうしていたいなあ。

 

 ずっと我慢していた思いが懐かしい光景によって溢れ出した。気づかないふりをしていたんだ。オムライスを食べた時も、ホテルに泊まった時も、心のどこかで元の世界と重ね合わせていた。

 願っちゃダメなのに。願っても仕方ないのに。一度溢れたら、止まらなくなった。炭治郎たちと生きるって、決めたのに。師範に恥じない人間になるって、決めたのに。

 帰りたい。ずっとここに居たい。当たり前だった日々に戻りたい。友達に会いたい、お父さんお母さんに会いたい。あんなに面倒だった仕事だって、今となっては懐かしい。命を張る必要もない、平凡で当たり前のように傍にある日常だった。

 

「何この世界」

 

 後ろを振り向けば、青ざめた表情の女の子がいた。12歳程度だろうか。可哀想に。恐怖によって、髪を結っているリボンまでぷるぷると震えている。

 当然だろう。彼女にとってこの世界は、見た事のない建造物のオンパレードだ。そのうえ、自分と同じ日本人らしき人達が見たこともない西洋の服を着ているのだから。文字通り、この子にとってはこの世界こそが異世界だ。おまけに殺すべき相手である私ですら見た事のない服を着ていて、それどころか列車で見た時よりも見た目年齢が明らかに上がっている。

 

「ああ見ちゃったんだ。驚くよねそりゃ」

 

 私はそう言って静かに微笑んだ。女の子は得体の知れない化け物を見たかの様に「ひっ」と小さく悲鳴を上げる。失礼だな。

 

「あんた何者なの?あんたも鬼?」

「失礼だなぁ、れっきとした人間だよ。…ここはね、私が元居た世界。理不尽まみれで、腹が立つ事も数えきれないくらいにあった、でも同じくらい嬉しい事もあって大事な人も沢山居た世界。大事なものって、無くなった時に初めて気づくんだよね。あんなに嫌だったのに、今は帰りたくても、もう帰れない世界」

「…」

 

 私の言葉に、女の子は信じられないとでもいう様に私の顔を見つめた。本当なのになぁ。

 

「あなたは私を殺しに来たんでしょう?残念だけど、それは叶えてあげられない。私は、あっちの世界でもやりたい事がいっぱいあるの。それこそ、眠ってられないくらいに」

 

 そう言った時、自分自身に変化が訪れた事を感じた。夢の知覚をした事によって、現実との境が曖昧になったのだろう。側の窓ガラスを確認すると元の姿に戻っていた。いつもの三つ編みとリボン、隊服に羽織、ニーハイとブーツ。

 

「**?」

 

 友達が不思議な顔をしてこちらを見ている。もしこれが現実だったら「鬼滅コスだー!」って大喜びしたんだろうな。絶対こんな反応じゃない。

 …なんだよやっぱこれ夢だわ。この程度か。どうせならもう少しクオリティ上げとけよ、ばーか。

 

「夢でも会えて嬉しかった。またね」

 

 友達に別れを告げると私は腰の刀を抜き首にあてがった。

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

「っだあああああ!!!」

 

 おっさん臭い叫び声を上げながら目が覚めた。ここはどこだ?周りを見渡す。大丈夫。列車の中だ。ちゃんと夢から覚めている。

 さっすがにできるなら自害なんか夢の中でもやりたくないわ!めっちゃリアルだったし!血ドブシャアー!って出てたしぃ!

 

 炭治郎善逸伊之助煉獄さんはまだ夢の中だ。眠ったままの煉獄さんは、なぜかおさげ髪の女の子の頸を絞めている。女の子とロープで結ばれているのを見るに、煉獄さんの夢に入ったのはこの女の子なのだろう。もしかしたら夢の中で何かあったのかもしれない。

 

「禰豆子!!!」

 

 目を向けると、炭治郎の傍でぼろぼろと涙を流す禰豆子が居た。よく見れば額から血が出ている。頭突きでもしたのだろうか?禰豆子は怒りのままに血鬼術を使って炭治郎を燃やした。鬼にしか効かない炎だから炭治郎に害はないが、彼の腕に結ばれたロープと懐の切符が燃え上がりやがて灰になった。

 

「…うう…」

 

 ロープと切符が燃えると、炭治郎に変化が訪れた。今にも目覚めようとしているような。そうか、禰豆子の血鬼術でロープと切符を燃やせば、皆目覚めるかもしれない。ちぎるのは駄目だ。勘だけど、ロープを結ばれている子たちに悪影響が出る可能性が高い。

 

「禰豆子、皆に結ばれている縄と切符を燃やして!おそらくそれで皆目覚める!!」

「むー!!」

 

 私の言葉に反応して、禰豆子が全員に術をかけた。見る見るうちに全てのロープと切符が燃えていく。よし、これで全員がじきに目覚めるだろう。

 

「あああああああ!!!!!」

 

 座席の下に隠しておいた日輪刀を手に取り状況把握のために辺りを見回していると、炭治郎が叫びながら目を覚ました。

 

「炭治郎!起きた?!」

「はぁっ!!…禰豆子!**!いったいこれはどうなっているんだ?!」

 

 炭治郎も私と同様に自身の頸を斬ったのだろう。首筋に手を当てて血が出ていないか確認しながら、炭治郎が私たちに状況を問うてくる。

 

「血鬼術で眠らされてたの!おそらく切符を切るのが血鬼術の発動条件!この列車は乗っ取られ…!?」

 

 突如背後から殺気を感じて避けると、先ほど煉獄さんに頸を絞められていた少女がアイスピックのようなもので私を刺そうとしていた。刀の柄に手をかけて睨みつけると、少女も憎しみの籠った眼で睨み返してきた。鬼ならともかく、予想外の相手からの攻撃に炭治郎が動揺を見せる。

 

「操られているのか?!」

「違う!!この子たちは自分の意志で私たちに攻撃してる!」

「そうよ!!邪魔しないでよ!!早く夢が見たいのに、あんたたちが来たせいで夢を見せて貰えないじゃない!!」

 

 見れば、少女の背後には善逸たちと繋がれていた少年少女が同様に武器を持って私たちを睨みつけている。その表情は、それぞれ本意ではなさそうだったり、心底苛立っていたりと様々だ。2人を除いて。

 

「何してんのよ!あんたたちも起きたなら加勢しなさいよ!!」

「「…」」

 

 1人は炭治郎の夢に入っていた青年。静かに涙を流し、少女の呼び声にも反応しない。もう1人は私の夢に入っていた少女。先程の私の夢の中で見た光景に圧倒され、元の目的すらも忘れているようだった。こちらを見てガタガタと震えており、同様に戦意喪失しているように見える。

 

「わかるよ。幸せな夢ならずっと見てたいよね。現実は辛い事、沢山あるから」

 

 私は少女たちに静かに語りかけた。必死に夢を見ようとするさまを見て、夢に浸っていたいくらいに辛い事が彼女たちにはあったのだろうと感じたから。

 

「でもさ、夢は夢なんだ。どれだけ浸っていたって、それは現実にはならない」

「…うるさいわね!そんな事わかってるわよ!!それでも現実がどうしようもなく苦しいから、…夢でもいいから幸せな何かに縋りたいのよ!!」

「…私にはあなたたちがどんな思いで生きてきたかは計り知れない。だけど、夢に飲み込まれたらそこで終わっちゃうよ。生きてたら巡ってくるかもしれない幸せな出来事も取りこぼしちゃう」

「…っ、そんな、事…」

「私たちはもう、幸せを取りこぼすわけにはいかないんだ。だから、戦わないといけない。ごめんね」

 

 その言葉を最後にして私は戦意喪失した2人以外の全員に手刀を打ち付けた。少女たちの意識は刈り取られ、どさりと床に倒れこむ。

 

「…大丈夫ですか?」

 

 炭治郎が自分の夢に入り込んでいた青年に声をかける。涙を流していた青年は、優しい表情で「ありがとう、気をつけて」とだけ言って微笑んでくれた。

 

「…ねぇ」

「あなたは帰る家はある?会いたいと思う人はいる?」

 

 私の夢に入り込んでいた少女が何か問いかけようとするのを遮るようにして尋ねた。少女は口を開きかけて何か言おうとした後、考えるようにして「いる」とだけ答えた。

 

「それなら、大切にした方がいい。その小さな幸せだって、いつ当たり前の物じゃなくなるかわからないんだから」

「…」

「行こう、炭治郎」

「…ああ」

 

 少女たちに背を向けて、私たちは車両を駆けだした。

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 車両の扉を開いた瞬間、身の毛がよだつほどの悪寒で背筋が凍った。恐怖で無意識に一瞬動きを止めてしまう。なにこれ、この悪寒の原因があの鬼だというの?ぞわぞわする、気持ち悪い。今まで見た鬼とは比べ物にならない。炭治郎も相当に濃い鬼の匂いを察知したようで、その場に蹲る。

 駄目だ、こんなところで足踏みするわけにはいかない。自分を叱咤して壁ジャンプの要領で屋根の上へ飛び移る。炭治郎のように腕を使って鉄棒の逆上がりよろしく飛び移るだけの身のこなしは私にはできない。

 

「この匂い、風上…?鬼は先頭車両に居るのか…?」

「私もそう思う。先頭車両が一番きな臭い」

 

 私たちの意見が合致するのなら、十中八九間違いない。それに、うろ覚えだけど原作でもそうだったし。原作通りならこの先で厭夢と遭遇するはずだ。

 

「禰豆子来るな!危ないからここで待ってろ!行こう**!!」

「もうすぐ皆目覚めるから!皆と乗客を守って!おそらく鬼は乗客を取り込もうとするはず!!」

 

 危ないから来るなという炭治郎の言葉に不満気な表情の禰豆子だったが、私の言葉を聞くと納得したように車両に戻っていった。

 炭治郎と共に車両を駆ける。向かうは厭夢の元へ。

 

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