「お前なら絶対そう言うんだ。」   作:ミルクティー大聖堂

2 / 2
1話の続きです。引き続き温かい目で見てください。よろしくお願いします。


お前なら絶対そう言うんだ 2話

あの失敗した革命から自分は神父をしている。

いや、神父と言っていいのか。

簡単に言えば、ほぼ1人で教会を切り盛りしている。人も足りていない。戦争で消えてしまった。人間はそう言うものだ。

人間よりも格段丈夫なこの体だ。戦場に出て肉兵になった方が役に立つ。それに、南イタリアはマフィアの本場だ。自分自身も彼ら以上に腕は立つ。それが自分の答えだった。

だが国民はそれに反対した。

 

 

白で揃えられた衣に腕を通し、首から金色の十字をかけ、緑色で布先に金の十字印があるストラを肩から下げる。

昔こそもっと派手な服ではあったが最近はとても落ち着いた、簡素な聖服だ。

「今の俺にはこれくらいが丁度いい」

執務室の鏡の中、優しく笑う男はまるで神聖という字をそのまま表したかのような、いつもの自分とは真逆の自分だった。

「よし。」

片手で持つには少し重く、厚い聖書を持ち、扉を開ける。

「皆々様、ようこそお越しくださりました」

「では、始めましょう」

 

 

この教会に、人間はいない。

元々、人を雇い私事を出すのは得意ではなかったからだ。

それゆえに神父の仕事は楽だった。

「主よーーー。」

聖書の音読が終わる次はー。

聖歌だ。

「ースゥッ」

「ーーー♪」

美しい歌声が聖堂に鳴り響く。

「ー♪ーー♪ーーーー♪」

それはまぎれもなく神の声だ。神聖な何かを、声に纏っていた。

南イタリアのローマは世界的宗教の総本山だ。世界中のどの国よりも神の加護を受けている。この声はその賜物だ。

この声でいつの時代も多くの国々を守ってきた。この時間は

フランスも、プロイセンも、あのスペインでさえ、自分に十字を握り願い垂れていた。

それが自分に課せられた使命であった。

 

 

聖歌が終わる。午前の部はこれで終わりだ。

また、元の姿に、「ただのロマーノ」に戻るのだ。

聖服を脱ぎ、鏡を見る。先程の青年とは大違いの、いつもの不貞腐れた顔濃い茶色のと、前髪を右に寄せ、同方向から上へ伸びるくるんとした一束、切れていて緑と黄色の混ざった瞳、整った眉や肌、口。

「今日もかっこいいぞ!このやろー!」

「…ロマーノ。俺はロマーノ。南イタリア=ロマーノだ。」

一度、帰る支度をする。統一騒ぎでしたくもない仕事が立て込んでいるのだ。鏡の中の自分は白で揃えられた服を着ている。服は神父そのものだ。

…朝、着替え入れ忘れた。

「あぁぁぁ!クソ!」

「ケッバッレ!バッファロー!」

 

「また、そんな口悪い言葉並べて!」

は?

「相変わらずだね」

聞いたことある声だった

忘れるはずない。何で聞いたことか。

「久しぶり」

「にぃちゃん」

 

その声はーーーーー

 

 

 

北イタリア。

ヴェネチアーノだった




1話の続きでした。ここまで読んでくださりありがとうございました。
ずっとロマーノ続きでしたが、最後にやっと出ましたね、イタチャン!
彼が出てくれると、シリアスもちょっとほんわかするから大好きでし。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。